ガチャガチャ弄るのめっちゃ楽しいけどできればディケイド以外のライダーのファイナルアタックライドも欲しかった...
「というかそもそもこの街に怪物が出ているとは思い難いな」
と言いながら士は東町をぶらついている。
すると
「ケーキ屋か...雰囲気も悪くない、入ってみるか」
と士はケーキ屋に入店する。
「いらっしゃいませー」
と女性店員に案内され席に着く士。
「ご注文は何に致しますか?」
「フルーツタルトとチョコケーキ、あとコーヒー」
「畏まりました〜」
と店員は注文を承ると、店の奥へと入っていく。
士は店の窓から外を見る。道行く人々の顔はまさに日常を謳歌しているというもので、特にこの世界に何か危機があるようには見えない。
たまたま時空を超えて来てみたはいいものの特に何も無い平凡な世界。まぁたまにはこんな世界でゆっくりと羽を休めるのもいいだろうと考えていると
「お待たせしました〜」
と注文した品々が士の座るテーブルの上に並べられる。
士はケーキに向き直ると、手に持ったフォークでチョコケーキを一口サイズに切り、口に運ぶ。
チョコの甘さが口に広がり、そこで苦いコーヒーを飲む。じんわりとした苦味がこれまた絶妙なハーモニーを醸し出す。
フルーツタルトも果実がたっぷりと入っており、中々の美味しさである。
あっという間に食べ終わると代金を支払い店をあとにする。
「さて、これからどうしたものか...」
と士は考える。この世界は平和だが、普通すぎる。特に変わったものもない世界だ。
てくてくと街を歩くもののめぼしいものは何も無く、町外れの公園を訪れる。
遊具もそこそこにありそれなりに広い公園だった。
そしてその公園から見下ろす街の風景はとても綺麗なものだった。
「よし」
というと首から下げたカメラを覗き込み、シャッターを切る。
そして士はその公園を後にし、再び街に戻った士。さて次の世界に行くまでどう時間を潰そうかなどと考えていたその時、
一人のスーツの男とすれ違った。
士は途端に振り返る。だがそこにスーツの男はいない。今士は恐ろしい程の寒気を覚えた。平凡な街の風景には似つかわしくないとてもドス黒い『何か』。
それを彼は即座に感じとっていた。
「何者だ、あいつ...」
と彼は再び歩き始める。
1時間ほど街を散策したところで、広場のベンチに腰かける。
あの時すれ違った男-そこから感じた寒気の正体を士は考える。
少なくとも普通の人間ではない。
まるで今生きることそのものを億劫に感じているかのような、まさに死んだ目をしている。
なのにその瞳の奥からは何かがゆらゆらと、それでいて激しく燃えているような気がした。
士は軽くため息をつく。そして立ち上がり、また世界を移動するまでに何かしらのやることでも見つけようとしたその時、
「キャーーー!!!」
という女性の叫び声が聞こえた。
士がその叫び声の元に向かうと、そこには血を流して倒れる女性と、その女性を攻撃したであろう怪物-♡8 ゼブラアンデッドが立っていたのであった。
「...!!!
こいつは...アンデットか?」
士は瞬時にその怪物の正体を見抜く。
『またブレイドの世界に来たのか?俺は』
などと考える士であったが、ただボーっと突っ立っている訳にはいかない。
今この場でこの怪物を倒す力を持つのは自分だけしかいないのだから。
「仕方ない、俺が相手をしてやるか...」
と士が手帳型の武器-ライドブッカーから
『 KAMENRIDE DECADE』
と仮面ライダーの絵が描かれたカードを取り出そうとしたその時、
士とアンデットの間に割り込むようにバイクが急ブレーキで停車してきたのである。
運転手はバイクを降りるとヘルメットを取る。そこには金髪のチャラチャラとした見た目の男が現れた。
「おい!ボウズ、さっさと逃げな!」
と男が士に逃げるように促す。
「この男...まさか」
と士はある予想をたてる。
「何突っ立ってんだ!早く行け!!」
そして士は目にする。目の前の金髪の男が手に見た事のあるカードとバックルを持っていることに。
「やはりこいつ...」
男は慣れた手つきでバックルにカードを装填すると腰に装着し、叫ぶ。
「変身!!」
男-上杉勇也はオリハルコンエレメントをくぐると、『仮面ライダーギャレン』に変身した。
「ウォォォォ!!」
とギャレンは格闘攻撃を仕掛ける。アンデットはそれを躱し、得意の脚力でギャレンを翻弄する。
「この男、やはり仮面ライダーだったか。しかもこいつは仮面ライダーギャレン...
あいつも...BOARDとやらの派遣社員か」
士が訪れた仮面ライダーブレイドの世界は民間会社が仮面ライダーをアンデットの討伐に派遣しているという世界だった。
もし仮にここがブレイドの世界ならばあの金髪の男も派遣されてここに来たのだろう。
「確かカズマはあの後BOARDの社長になっていたな」
そしてその世界で『仮面ライダーブレイド』に変身していたのは、今この世界で『上杉風太郎』として生きている剣崎一真ではなく、『剣立カズマ』という青年であった。
剣立カズマは士のかけがえのない絆で結ばれている仲間である。もしかするとこの世界でも会えるかもしれない。
そう考えながら立っていると
「グハッ!」
という声ともにギャレンがこちらに吹き飛ばされてきた。士はスっとそれを避ける。
「お前、まだ逃げてなかったのか!」
「おいオッサン、誰に命令されてこいつと戦ってる?」
「誰に命令って...俺は自分の意思でここまで来たんだよ」
「何?」
と士は怪訝そうな顔をする。
その時ゼブラアンデッドは手に持った蹄型のブーメランをギャレンと士に投げつけてくる。
「危ねぇ!!」
と2人はそれを飛び退いて回避する。
「オッサン、大丈夫か?」
「オッサン言うんじゃねぇ!いいからお前は逃げろ!!」
「アンタ、なんで戦ってる?」
「んなもん決まってんだろ。戦う力のない人を守るためだ、俺にはその力がある...
もう二度とあと時のようには...
うおっとぉ!」
と二人はブーメランを避けながら戦い続ける。するとアンデットは業を煮やしたのか、能力の一つである分身を生み出してきた。
「そうか...戦う力のない人々を守るためだというのなら、俺も戦う必要があるみたいだな...手を貸すぞ、オッサン」
「お前が戦うって...お前、一体何者だ...?」
ライドブッカーからディケイドのカードを取り出す。
そしてカードを持ち、ディケイドライバーに挿入する。
「通りすがりの仮面ライダーだ...
覚えておけ!
『変身』!!!」
KAMEN RIDE ディケイド!!
「な、何!」
と勇也は驚きの声を上げる。無理もない、勇也が認識していた仮面ライダーはブレイド、ギャレン、レンゲルの三体のみである。
なのに目の前の不遜な態度の青年は自分が見た事もない仮面ライダーに変身したのであった。
「おいボウ「オッサン、お前は左をやれ、俺は右をやる。どちらかが分身だというならどちらとも倒してしまえばいい」
とディケイドはギャレンの声を遮ると、ライドブッカーをソードモードにして右にいるゼブラアンデッドに斬撃を仕掛ける。
「ったく、しゃあねぇなぁ!」
とギャレンもギャレンラウザーの銃撃をアンデットに浴びせる。
ディケイドとギャレンの猛攻にたじろぐアンデット。
そしてギャレンは二枚のカードをラウズする。
BULLET
FIRE
電子音の後に引き金を引くと、ギャレンラウザーから炎を纏った弾丸が放たれ、アンデットに命中する。だがアンデットは倒れることなく消えてしまう。どうやらこちらが分身だったようだ。
「おいボウズ!そっちが本物だ!」
「言われずとも分かっている!」
とアンデットを斬り付けるディケイド。
だがアンデットはあきらめず分身を6体も作り出し、ディケイドを一斉に攻撃する。
その連撃をひらりひらりと避け、ディケイドはドライバーにカードを入れる。
ATTACK RIDE ILLUSION!!
ドライバーから音が鳴るとディケイドも五体の分身を作り出し、ゼブラアンデッドを本体含め蹴散らしていく。
その圧倒的な戦闘力を前に、ギャレンはただ立ち尽くすのみだった。
「まだこんなライダーがいたのかよ...
これもマルオが作ったのか...?」
考えるギャレンを他所にディケイドはひたすらにアンデットを追い詰める。
「アンデットなら、この力で倒してやるか」
KAMEN RIDE BLADE!!
その瞬間ディケイドの姿は勇也が知るライダーの一人、『仮面ライダーブレイド』へと変わった。
「おいおいまじかよ...」
と最早驚くことにすら疲れたようにため息混じりに漏らすギャレン。
それも仕方の無いことである。
いきなり変身したかと思えば、恐ろしいほどの実力でアンデットを追い詰め、さらには自分の息子が変身するライダーの姿になった。
ディケイドブレイドは他の分身と共にアンデットを連続で斬り付け続ける。
分身を全て消されたアンデットは為す術もなく膝をつく
そしてディケイドブレイドはトドメをさすためにカードをディケイドライバーに入れる。
FINAL ATTACK RIDE ブブブブレイド!!!
「ハァっ!!!」
ディケイドブレイドはアンデットにライトニングブラストを放つ。まともに食らったアンデットは吹き飛ばされ、腰のアンデットバックルが割れた。
「オッサン、こいつを封印しろ」
「え、あ、あぁ」
とギャレンは封印のカードを投げる。
カードには『GEMINI』と刻まれ、ギャレンの手に戻る。
「お前、何者なんだ?」
とギャレンはディケイドに問いかける。
「俺は仮面ライダーディケイド。世界の破壊者だ。俺からもいくつか質問がある。
お前はBOARDから派遣されたライダーじゃないのか?」
「ぼ、ぼあ...なんだって?」
「...まぁいい。二つ目だ。オッサン、この世界にアンタ以外のライダーはいるのか?」
「...何故そんなことを聞く?」
「ただの興味本位だ。助けてやったんだし、それくらい教えてくれてもいいだろう」
ギャレンは目の前のライダーを怪しむが、どうもこのライダーに変身する青年が悪人のようには見えなかった。
ギャレンは諦めたように銃をホルスターに戻すと喋り始める。
「俺が知っているライダーは俺を含めて三人だ。この俺ギャレン、お前が姿を変えているブレイド、そしてレンゲルだ」
「そうか...大体分かった」
「わかったって何がだ?」
とギャレンは聞くがディケイドは変身を解除する。
「悪いが次の行き先が決まった、またな」
「お、おい!まてよ、まだ話は...」
とギャレンは士を止めようとするが、士は光のカーテンのようなものをくぐって消えてしまった。
結局1人この場に残ったギャレンは変身を解除する。
「ったく...一体何がしたかったんだ、あの通りすがりの仮面ライダーとかいうやつ」
勇也は諦めたように溜息をつくと、バイクに跨りその場をあとにした。
「俺が知らない、仮面ライダーブレイドの世界...か」
士は考えていた。今回彼が訪れた世界は、前に士が訪れた仮面ライダーブレイドの世界とは全く違うものだった。
だが士は知っている。仮面ライダーブレイドに変身できるのが、剣立カズマだけではないというとことを。
「剣崎...一真...」
とその名をつぶやく。士は一度、剣崎一真本人と出会い、対決し、完敗を喫していた。
「もしかしたら...あの世界は、剣崎一真が仮面ライダーブレイドに変身している世界か...?」
と半分あたりで半分外れの予想を立てる士。
だが彼は目を閉じ、考えるのをやめた。今は次の行き先のことを案じることにした。
そして
「あのケーキ...中々美味かったな。
次に機会があれば、もう一度この世界を訪れてみるのも、悪くは無いか...」
と言いフッと笑うと新しい世界へと続く光のカーテンをくぐるのであった。
♢9 ゼブラアンデッド
鋭敏な耳で獲物に居場所を特定して高速を誇る脚力で相手を追い込み、巨大な馬蹄型のブーメランのような飛び道具を用いて仕留める戦法を得意としている。
また、高速移動から生み出される分身能力に長けているが、分身体を生み出す際に緑色に発光するという特性を持っており、それさえ把握できれば容易に本体と分身体を見分ける事ができる欠点を持つ。