五等分の運命   作:電波少年

28 / 39
今週のジオウの次回予告やばかったですね....
まさか剣崎と始と天音ちゃんが出てくれるなんて...

しかも変身して戦っているというのがもう...

しかもラウズカードセット発売とか、おのれ財団Bィ!!!



第26話:知らないという『罪』

「嘘だ......」

 

今にもショックで倒れそうになる体を無意識のうちに必死に支える剣崎。

 

「嘘じゃないよ。私は......今までずっとフータロー君のことを騙してきたの。

 

ごめんね?」

 

といいながらレンゲルはこちらに歩み寄る。

 

「どういうことなんだ!答えてくれ、一花!」

 

「どうもこうも...これが答えだよ...!!」

 

レンゲルはそう叫ぶと醒杖を剣崎に叩きつけようとする。

剣崎はそれをなんとか避け続けながら必死にレンゲルと化した一花に呼びかける。

 

「一花!聞いてくれ、一花!!

いつもの優しいお前に戻ってくれ!!

こんなことしても...誰も笑えない!!」

 

 

 

「...そうやって...」

 

 

「え?」

 

 

「そうやって一花一花って...その名前を呼ばないでよ!!!」

 

 

とレンゲルは剣崎の首を締め上げる。

 

 

「い、一花...カハッ......」

 

 

「ハァ...ハァ...」

 

レンゲルは肩で息をしながらさらに剣崎の首に力を込める。

 

 

『このままじゃ...やるしか...ない..!』

 

 

剣崎は首を絞められながらもバックルを装着した。

 

 

「...変...身...!」

TURN UP

 

 

 

「キャッ...」

 

 

 

バックルから出現したオリハルコンエレメントはレンゲルを吹き飛ばす。

 

 

そしてブレイドとレンゲルは向き合う。

 

 

「一花。何があったか話してくれ」

 

「あなたに話すことなんて...グッ!?」

 

 

とレンゲルは頭を抑えて苦しそうに呻く。

 

 

「ど、どうした!?大丈夫か、一花!」

 

とレンゲルに駆け寄るブレイド。だが

 

 

「近寄らないで!」

 

とレンゲルは手に持っている醒杖をガムシャラに振り回してブレイドを近寄らせない。

 

「頼む!話してくれ!!

まさか一花も...睦月のように...」

 

剣崎は思い出す。剣崎が元の世界の時に仮面ライダーレンゲルに変身していた上条睦月という青年のことである。

彼はスパイダーアンデッドに魅入られてしまい、ライダーの力を己を最強と証明するという間違ったことに使ってしまったことがあった。

 

そして剣崎は恐らく一花も心に抱えた何らかの闇のせいでスパイダーアンデッドに付け入られてしまったのだと考えた。

 

だがレンゲルは考える剣崎を他所に1枚のラウズカードを放り投げた。

そして一枚のカードをラウズする。

 

 

 

REMORT

 

 

電子音と共にレンゲルラウザーの穂先から紫色の光線が放り投げた二枚のラウズカードに照射される。

そしてその二枚のカードから♣︎2 ビーアンデットと♥10センチピードアンデットが解放され、ブレイドに襲いかかった。

 

ブレイドが二体のアンデッドに対応している間にレンゲルは『SMOG』のカードをラウズし煙幕を発生させた。

 

「待て一花!まだ話は...ウェッ!」

 

レンゲルを呼び止めようとしたブレイドであったがアンデットがそれを妨害する。

煙幕が晴れた頃にはそこにレンゲルの姿はなかった。

 

「クソっ!!」

 

センチピードアンデッドが装備している鎖鎌-センチピードチェーンでブレイドを攻撃する。ブレイドはそれをいなし反撃しようとするが、上空を飛んでいるビーアンデットが胴体部から針を射出し、その反撃を邪魔する。

 

ビーアンデットを倒そうにもかなり上空を飛んでおり、注意を上空に向けるとその隙をついて鎖鎌が飛んでくる。

 

リモートで呼び出された二体のアンデッドだがかなり連携が取れており、ブレイドは苦戦を強いられた。

 

ブレイドが状況を好転させようとラウズカードをしようとした時、センチピードアンデットが口から猛毒を吐き出す。

 

それを避けたブレイドだったがバランスを崩しそこをビーアンデットの針が直撃する。

 

「ウェア!!」

 

とブレイドは大きく吹き飛ばされ後ろにあった木に激突する。

 

 

 

 

「何か...何か手はないのか!」

 

 

 

そう叫んで立ち上がった時、地面に何かが落ちた。

 

 

「......!そうだ!これなら!!」

 

 

 

地面に落ちたそれは、ラウズアブゾーバーだった。ブレイドは素早くそれを拾い上げると左腕に装備する。

 

アンデッドは不穏な動きをするブレイドを一刻も早く倒そうとするが、ブレイドはちょうど木々の下にいて上空を飛ぶビーアンデットからはブレイドを視認できない。

 

センチピードアンデットが鎖鎌を飛ばすがブレイドはそれをブレイラウザーで弾く。

 

そしてカードホルダーから二枚のカードを取り出し、ラウズアブゾーバーに挿入した!

 

 

 

 

 

ABSORB QUEEN

 

FUSION JACK!

 

 

 

 

電子音と共にブレイドにカテゴリーJが融合させられる。

 

するとブレイドの顔を覆う仮面と胸部の装甲が黄金に輝く。胸部にはイーグルアンデッドの紋章が刻まれ、背中には六枚の翼-オリハルコンウイングが展開された。

 

 

ビーアンデットはそれに気づかず見えないブレイドに針を連射する。

 

だがブレイドは針が着弾するよりも早くオリハルコンウイングによって得た飛行能力により上空へと飛び上がり、ビーアンデットを蹴り飛ばした。

 

ビーアンデットはあえなく地面に叩きつけられる。

 

 

二体のアンデットはブレイドを地上に引きずり下ろそうとするもブレイドは超高速で飛行し、攻撃は全く持って当たらない。

 

 

ビーアンデットはもう一度飛び上がるとブレイドを追いかける。だが両者のスピード差は歴然であり、ブレイドはあっという間にアンデッドを置き去りにする。そ

 

そして二枚のカードをラウズする。

 

 

TACKLE

METAL

 

 

ブレイドの体は硬質化され突進能力が強化される。そしてそれにジャックフォームの高速飛行がプラスされ、ブレイドはビーアンデッドに体当たりを仕掛ける。

全速力でブレイドを追いかけていたビーアンデッドは止まることも避けることも出来ずブレイドに激突され、再び力なく地面に落下する。

 

そしてブレイドはビーアンデッドを封印する。カードには『STAB』と刻まれる。

 

それをみていたセンチピードアンデッドは力の差を理解し逃走しようとするが、ブレイドはさらに二枚のカードをラウズする。

 

 

SLASH

THUNDER

《ライトニングスラッシュ》

 

 

 

「ハァァァ......ウェェェェイ!!」

 

 

 

ブレイドは高速でアンデッドに接近し、強化されたブレイラウサーでセンチピードアンデッドを斬り裂いた。

 

アンデッドは避けることも出来ずに攻撃をくらい爆発した。

 

ブレイドはそこに封印のカードを投げつけ、アンデッドを封印した。

そこには『SHUFFLE』と刻まれた。

 

 

 

 

ブレイドはバックルのレバーを引いて変身を解除する。そして地面に手を付く。

 

 

「嘘だ...一花が、レンゲルだったなんて...

 

 

嘘だこんなこと!!!」

 

 

剣崎は怒りのままに地面に拳を叩きつける。拳は切れてそこから赤い血が流れる。だが今の剣崎にそんなことを気にしている余裕はなかった。

 

そして剣崎は立ち上がるとブルースペイダーに飛び乗り、急いで中野姉妹が住むマンションへと向かった。

 

〜中野家マンション〜

 

「ただいま〜」

 

気の抜けた声とともに一花は、マンションへと戻った。

 

「ちょっと一花!遅いわよ!

あと少し遅かったら五月が待てずに晩御飯に

手を出してたわ!」

 

「ちょ、ちょっと二乃!!」

 

と焦る五月。

三玖と四葉は既に食卓に座っており、一花は自身も急いで手を洗い食卓に座る。

 

 

「それじゃあみんな手を合わせて!

いただきま...

 

 

 

ガチャン!!!

 

 

と玄関のドアが大きな音を立てて開いた。

 

姉妹たちは目を丸くする。そして凄い勢いで剣崎がダイニングへと飛び込んできた。

 

 

「う、上杉さん!?」

 

と四葉は驚いて素っ頓狂な声を上げる。

 

「ちょっとアンタ!何勝手に入ってんのよ!!」

 

とニ乃は剣崎を静止しようとするも、

 

 

「二乃。少し黙ってくれ。俺はこいつに...一花に用がある」

 

 

といつもの剣崎とは思えないような低い声で一花を睨む。

 

 

「あ、あの...フータロー君?

ど、どうしたの?」

 

 

と目を白黒させる一花。

 

 

「とぼけるなよ...一花。

付いてこい。ここじゃみんなに被害が及ぶ」

 

と剣崎は一花の腕を掴むと部屋の外に連れ出そうとする。

 

一花は突然のことに動揺して剣崎にされるがままになる。だがそれを二乃が遮ろうとするが

 

「待ちなさ「どけ、二乃。今俺は一花に話があるんだ。お前の相手をする時間はない」

 

と剣崎は二乃に凄む。二乃は普段とはあまりにも様子が違う剣崎に戦慄し、それと同時にあることに気づく。

 

 

 

 

「なんでアンタ...そんなに悲しい目してんのよ...」

 

 

 

 

と絞り出すような声で剣崎に問掛ける二乃。だが剣崎はそんな二乃を無視すると一花の腕を握ったまま2人で部屋を出る。

 

あまりにも唐突な出来事に姉妹たちは何も出来ずにそれを見ていることだけしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

ただ一人、紫色の双眸をより一層醜く輝かせ、妖艶な微笑を浮かべていた三玖を覗いて。

 

 

 

 

 

そして二人は屋上に登る。

 

 

「ちょっと...ちょっと、フータロー君!!」

 

 

と一花は剣崎の手を振り払う。

 

 

「今日のフータロー君、なんかおかしいよ!

何があったか教えてよ!」

 

 

「教えるのはお前の方だろ!!

何がお前の目的だ!」

 

 

と剣崎は怒号を飛ばす。

 

 

「も、目的って...」

 

「しらばっくれるのもいい加減にしろ!

なぜ俺にあいつらを守らせる!

なぜこの世界にアンデッドがいる!

なぜライダーが存在している!

 

なぜ俺は...」

 

 

『なぜ俺は人間としてこの世界にいる』

そう言いかけたところで剣崎は口を噤む。

 

 

 

 

 

無意識だった。

 

『何故だ...何故言葉が出てこない...』

 

 

剣崎の身体は、無意識にその言葉を出すことを拒んだ。それは心のどこかで彼自身がアンデッドに戻ってしまうことを、再び取り戻せた人間を手放すことを嫌がったからであるとは剣崎自身も気づかなかった。

 

だがそんなことを知る由もない一花は困ったような顔で叫ぶ。

 

 

 

 

「ちょっと待ってよ...フータロー君何を言ってるの?ライダーとかアンデッドとか...いきなりそんなこと言われてもわからないよ!!

 

ちゃんと...私にわかるように言ってよ!!」

 

 

 

 

 

 

そして剣崎と一花が屋上に出て行った頃、部屋に残された姉妹達はどうすることもできずただ座り尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蜘蛛は嘲笑う。まるでこの崩壊を楽しむかのように。己の野望を果たすために。

巣にかかった『中野三玖』という少女の心は、少しずつ、少しずつ、蝕まれていく。




♣︎2 ビーアンデッド
蜂の祖たる不死生物で、スート・クラブのカテゴリー2に属し、当時のラウズカードの解説によれば、小回りの効く飛翔能力と胴体部を伸ばして打ち出す槍によりヒットアンドアウェイの攻撃を仕掛ける

センチピードアンデッドは前に載せたため割愛。


あとオンドゥル語についてですがこの作品では緊張感が無くなることを考えて、元のセリフで使うことにしました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。