なので一応生存確認も込めて中途半端な時間の投稿になりました。
本当に申し訳ないです...
関係ない話ですがジオウ32話見ました。まさかbelieve yourselfが流れるなんて...
何か見覚えがある...
目に広がる景色はただ白一色で。
同じような景色が延々と広がっている。
「ここは...あの時の...」
目を覚ました『剣崎一真』はその白い空間を見回す。
だがそこから得られるのは『白』という色の情報だけである。
人間は何も見えない暗闇から恐怖を感じると言うが、今の剣崎はそのあまりの『白さ』に得体の知れない恐怖を感じていた。
彼の目の先に広がる『無』はここには何も無いということを伝えてくる。
だがそこに突然現れた。
どこか見覚えのある人型のシルエットが剣崎の目の前に現れた。
だがその姿はどこかぼんやりとしており、その顔を見ることは叶わない。
「アンタは...前ここで...」
どこかで会ったはずのシルエットに話しかけるが、それは答えない。
するとそのシルエットは先の見えない『無』に向かって歩みを進めていく。
「ま、待ってくれ...!
まさか...アンタは...!!」
だが剣崎がその言葉を言い切る前に、その見覚えのある人型シルエットがパクパクと口を動かした。
『.........と........を頼む』
───────────────────────
「......ぎさん!.....すぎさん!
上杉さん!!」
「...ゥ、うぅ...こ、ここは...」
剣崎はムクリとその身を起こす。その目線の先には既に見慣れた中野家のマンションの部屋の天井が広がっていた。
「上杉さん!」
四葉、五月が一斉に剣崎に群がる。
「お、おいおい。一体何が...」
「...まさか上杉さん...昨日のことを覚えていますか?」
「昨日の...」
『確か俺は...カテゴリーAを封印して、それで...』
〜数時間前〜
ブレイドは己の手に戻ってきたカードを見つめる。
そこには確かにカテゴリーAが封印されており、完全な封印を示すかのようにカードに描かれているスペードマークが紫から金色に変わっている。
「やっと...これで...」
「ブレイド...」
ブレイドが振り返ると、そこには身体を血まみれにし、肩で息をするスーツの女性が立っていた。
身体中から滴り落ちる緑色の血が、彼女がアンデッドだということを物語っている。
「おつかれさん...本当に、三玖ちゃんを助けてくれて感謝してるぜ」
「お前は、カテゴリーJ...それに三玖ちゃんって...」
「私は下田。まぁ...詳しい話は...カハッ...無しだ。私について知りたきゃ、五月ちゃんにでも...聞いてくれ」
何とか言葉を繋いでいる下田だったがもはや息は絶え絶えである。
「ブレイド。お前に...頼みがある。あの娘たちを...『零奈』さんの娘さんたちを護ってあげてくれ...
これ以上...あの男の思い通りにさせるわけにゃあいかねぇんだ」
「......お前...」
「もう...疲れたな...
出会ってすぐでなんだが、もう1つ頼みがある。このまま私を...封印してくれ...
少し...休ませて欲しいんだ」
ブレイドは逡巡したものの、下田の言う通りに封印のカードを取り出した。
「本当に...いいんだな?」
「あぁ。ブレイド、お前ならきっとあの五つ子ちゃんたちを救ってやれる。もう...私の役目は終わりだ」
ブレイドはそれを聞き遂げると、下田にゆっくりと近づいていき、その体に封印のカードを触れさせた。
『零奈さん...少しだけ、休みます。
あなたの娘さんたちに...あなたから教わった沢山のことを、教えてあげたかったです。
アンデッドである私を...人間のように導いてくれて、ありがとうございました』
そう心の中で下田は呟いた。
そしてとても穏やかな顔で、カードに封印されていった。
カードには♡J 『FUSION』と刻まれた。
そして下田の願いを聞き届けたブレイドは、バックルのレバーを引っ張り、『上杉風太郎』の姿に戻った。
そして意識を失った三玖を背中に背負うと、そのまま彼女が帰るべき家へと歩き出した。
〜現在〜
「上杉さんは、数時間前に突然この家に来たんです。三玖を背負って」
「でも三玖をリビングのソファまで運んだら、そのまま自分も気絶しちゃったんですけどね」
「...すっかり思い出せたよ。そうだ、ほかの3人は?」
「三玖は部屋で寝かせています。二乃は上杉さんがここで気絶した後に家を出て...
一花は昨日から寝込んでいたんですけど、ある時突然『出かけてくる』とだけ言い残して彼女も...」
「そうか...」
五月は剣崎の言葉を聞くと、何かを考えるかのように目を閉じ、そしてゆっくりと開ける。
「上杉さん、教えてください。あなたが知っていることを」
「......」
五月の目は真剣そのものだ。
もはやはぐらかすことなどは不可能だろう。
『いいや...話さない訳にはいかない。この子たちの父親のことも...』
そして剣崎は覚悟をして言葉を紡いでいく。
「四葉、五月。今から俺が話すことは全て真実だ。もしかしたら荒唐無稽な作り話に聞こえてしまうかもしれない。でも...
「大丈夫です、上杉さん。私は上杉さんがそんな嘘をつくような人ではないって分かってますよ」
そう言ってニシシと笑う四葉。五月も四葉と同じ心持ちのようだ。
「ならまず1つ言っておくぞ。最近になってこの街に現れた怪物を倒している『仮面ライダー』...
それは俺だ」
「「え?」」
四葉と五月の声が重なる。
「...まぁ信じられないよな」
そう言いながら彼はズボンのポケットに入れておいたバックルを見せる。
すぐに四葉がスマートフォンを操作する。ここ最近ネットの掲示板に怪物と戦う『仮面ライダー』の写真があがっていたのをおもいだしたからだ。
そしてそこに映る銀色の戦士は確かに剣崎が今手に持っているバックルを腰に装着していた。
「分かっただろ?そして全て話してやる。俺が知っていることを」
〜数十分後〜
「そんな...三玖も、私達も...みんな、お義父さんに騙されて...」
剣崎が知る全てを聞かされた四葉と五月は呆然としていた。
無理もない。人を殺す怪物をこの世に蘇らせた者が自分たちの義父だったのだ。
「俺も全てを知っているわけじゃない。
でも...お前達の義父が間違いなくこの件に絡んでいる。そしてそれに気づい三玖は巻き込まれて...」
「そうだ!お義父さんに電話してみよう!」
そう言って四葉はスマートフォンを手に取るが...
『おかけになった電話番号は現在使われておりません...』
と無機質なメッセージ音が流れるのみだった。
「繋がらない...」
「な、なら今からお義父さんの病院に行きましょう!
私も直接お話を聞かないと
「その必要はないよ、五月くん」
突然リビングへの入口から発せられた声に驚く三人。
そして剣崎達が見つめる先には、
黒いスーツに身を包んだ五つ子達の義父、『中野マルオ』が立っているのだった。