五等分の運命   作:電波少年

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かなり期間が空いてしまいました。申し訳ありません。

ゼロワンもそろそろ終わりですね。セイバーの抽選は見事に外れたので店頭に並ぶ日を待ちたいです。

セイバーの装動が楽しみです。


第37話:『人間』の願い

「風太郎...お前...」

 

 

勇也は言葉を失っていた。

 

 

先程と打って変わって、戦況はこちらに傾いた。

 

彼らの攻撃を阻んでいた盾をブレイドは上手く躱しながら的確に剣戟を浴びせる。

 

 

「上杉風太郎...ここまでとは...!」

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

 

ブレイドとコーカサスビートルアンデッドが織り成す鈍い金属音が辺りにこだまする。

 

 

 

鍔迫り合いの形になるが、ブレイドの力が勝り江端は押し込まれる。

 

 

 

 

「なぜ、『カテゴリーK』である私を...ジャックフォームも無しに...」

 

 

「当然だ!

 

今の俺は...俺だけの力で戦っているわけじゃない!

 

 

託された思いがある!その思いに答え切るその時まで、俺は負けない!」

 

 

 

「ヌゥ...!」

 

 

 

「風太郎の動きが、変わった...」

 

 

 

先程とは打って変わって気迫溢れる戦いぶりに、勇也は驚く。

 

 

 

今のブレイドは一つの迷いもなく剣を振るっている。

 

 

そしてその一撃一撃が、確かにアンデッドにダメージを与えている。

 

 

 

カテゴリーKとはいえ、これだけの猛攻を受けてはタダでは済まない。

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

 

「させん!」

 

 

 

 

ブレイドの剣戟を、黄金の盾で防ぐ。

 

 

 

「上杉風太郎...いや、仮面ライダーブレイド。

 

 

 

先程までとは『同一人物とは思えない』ほどに強くなられた...

 

 

だが、それでもこの盾を破ることはできますまい」

 

 

 

 

ブレイドとギャレンの攻撃を幾度となく受けても破れることのなかった黄金の盾がアンデッドの前に鎮座する。

 

 

 

だがブレイドはそれに一切臆することなく、ブレイラウザーを左手には持ち替え、右拳をグッと握りしめる。

 

 

 

「ハァァァァ...ウェア!!」

 

 

 

 

「なッ......!?」

 

 

 

そしてその固く握りしめられた拳は、

 

 

 

 

 

 

最強の盾をまるでガラスかのように、一撃で打ち砕いてみせた。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

『こちらグレイブ。指定ポイントに到着』

 

 

 

『俺もついたぞ』

 

 

 

『...私もよ...』

 

 

 

 

深い森の中に泊まる1台のバイク。

 

 

二乃はヘルメットを外すと息を着く。

 

 

 

相も変わらず、ここの空気は彼女の心を癒す。

 

 

 

『でも、私の気持ちは何一つ晴れない』

 

 

 

 

二乃はバックルを見つめる。

 

 

 

 

彼女ら新世代ライダーに与えられた指令、それは二乃ら中野姉妹の祖父-アンデッドを封印することであった。

 

 

 

「確か、『カテゴリーK』だったかしら...」

 

 

 

 

『......ク...ラルク!聞こえているかな?』

 

 

 

『っと、ごめん。ぼーっとしていたわ』

 

 

 

『しっかりしてくれ。今回の任務もそう簡単にはいかないだろう。

 

 

僕達はこれから3方向から旅館を目指す。

 

 

サーチャーも旅館の場所を示していることからカテゴリーKは間違いなく旅館にいるはずだ』

 

 

 

 

『そのまま旅館で合流し、一気にアンデッドを叩く...でしょ。そんなこといちいち言われなくたって覚えてるわよ』

 

 

 

『そうか。それなら結構』

 

 

 

『おい、さっさと移動しろやコラ。

 

俺だけ先に着いて待ちぼうけとか笑えねぇからな』

 

 

 

『もちろんさ。僕も移動を開始する。

 

念の為にこれ以降の通信は控えるようにしよう。サーチャーの確認を怠らないように』

 

 

 

『『了解』』

 

 

 

 

二乃はそれに頷くと、旅館へ向けて歩を進める。

 

 

 

 

『当然よ。やってみせるわ。

 

 

あの子たちは、私が守らなきゃいけないの』

 

 

 

───────────────────────

 

 

「っにしても本当に広い森だな...」

 

 

 

前田は二乃や武田との通信を終えると、さっさと歩き出した。

 

 

 

『確か、アンデッドが旅館から移動することを考慮して3方向から...だっけか?

 

んなことしなくても3人で一気に行ってぱっぱと終わらせればいいのによ』

 

 

 

 

彼は心で不満を漏らす。

 

 

『こんな森にくると、思い出しちまう。

 

 

あの日のこと』

 

 

 

 

彼の脳裏に浮かぶのは、1人の女の顔。

 

 

 

キャンプファイヤーの時に恋に落ち、一生守っていこうと心の中で誓った女の顔。

 

 

 

『そして、あの日のことも』

 

 

───────────────────────

 

 

〜数週間前〜

 

 

 

「...ここは...」

 

 

 

前田は目を覚ますと、その目に広がるのは真っ白な天井であった。

 

 

そして気づくと、彼の体はベッドにガッチリと固定されている。

 

 

 

「な、なんだこりゃあ...!

 

 

おい!誰だコラ!!

 

 

なんだって俺は縛られなきゃいけねぇんだ!

 

出てこいコラ!!」

 

 

 

 

『申し訳ない。『前田』くん。

 

 

少し窮屈だとは思うが、そのまま聞いてくれたまえ』

 

 

 

どこからか声が聞こえ、前田はキョロキョロと辺りを見回す。

 

 

すると壁にかけられたモニターが目に止まった。

 

 

 

 

「てめぇか!!

 

 

一体俺に何をするつもりだコラ!」

 

 

 

『すまない。随分と手荒い歓迎になってしまったことと、数日前の非礼については今ここで詫びよう』

 

 

 

「あの日...って!」

 

 

 

『思い出した!今からいつかは分からねぇが、いきなりスーツの男たちに囲まれて、付いてこいと脅された...

 

確か何人かは殴り飛ばしてやったが...』

 

 

 

 

『少し強力な睡眠薬を使うことになってしまってすまない。その年であまり強い睡眠薬は健康を阻害する恐れがあるからね』

 

 

 

「んなこたァどうでもいいんだコラ!

 

 

さっさと俺を解放しろ!」

 

 

 

『少し落ち着いてくれたまえ。

 

私は君にきちんと話したいことがあってここに運んだんだ』

 

 

 

『話したいこと...?』

 

 

 

 

そこで前田は、モニターに映るマルオから『仮面ライダー』の話を聞かされた。

 

 

人々の平穏を脅かすアンデッドという怪物を封印するために戦ってほしい。

 

 

 

そして前田の友人-『上杉風太郎』もかなり前から仮面ライダーとして戦っていることを。

 

 

 

 

「なるほどな...ってんな話にはいそーですかってなるかコラ!

 

なんで俺がそんなことを

 

 

 

 

『彼女を知っているかな?』

 

 

 

そう言ってモニターに映し出されたのは

 

 

 

「なっ...!」

 

 

 

自分の想い人が街を歩いている映像であった。

 

 

 

 

『これはリアルタイム映像だ。

 

 

彼女は常に我々の監視下にある』

 

 

 

「ッ!!てめぇ...!!!」

 

 

 

『もちろん彼女だけではない。

 

 

君の家族も、友人も、全て我々の監視下にあることを留意して貰いたい」

 

 

 

「ふざけやがって...!!

 

アイツに手ェ出してみろ!その瞬間てめぇをぶっ殺す!!」

 

 

 

 

 

 

 

『ならば、受け入れたまえ。

 

『運命』から逃れることはできない。

 

 

拒むことは許されない。受け入れるか、それが嫌なら破滅しかありえない』

 

 

 

 

 

その言葉を語った時、彼の顔が一瞬、わずかに歪んだ。

 

 

 

 

 

「...運命?お前、何を...」

 

 

 

「すまない。喋りすぎた。

 

さぁ、決断したまえ」

 

 

 

 

 

「俺は...

 

 

 

───────────────────────

 

 

『やめよ。

 

 

もう起きたことだ。

 

 

何がなんでも全部終わらせて、また平穏な日常を取り戻しゃいいんだ』

 

 

 

 

 

「っとそろそろ到着か」

 

 

 

前田が深い森を抜けると、そこにはかなり年季の入った旅館が鎮座している。

 

 

 

 

『やっぱり俺が1番先に着いたか...

 

 

さて今からどうす......!!』

 

 

 

 

振り向く前田。しかしそこには誰もいない。

 

 

 

「気のせいか....」

 

 

 

 

 

 

「何をしている」

 

 

 

 

 

「ッッッ!!!」

 

 

 

 

 

前に向き直った前田の目の前に現れた謎の影に、彼は思わず後ずさる。

 

 

 

よく目をこらすと、そこには細身の老人が立っていた。

 

 

 

 

「てめぇが...カテゴリーK」

 

 

 

「ほう...なぜそれを...」

 

 

 

「さぁ、なんでだろうな...」

 

 

 

 

『悪ィな、武田...中野...

 

 

報告なんかしてる暇はねぇ...

 

 

 

 

それに、中野にこのアンデッドを封印させるのは、あまりに酷だ...

 

 

 

だから、俺がやる!』

 

 

 

 

前田はバックルにケルベロスのラウズカードを装填すると、腰に装着する。

 

 

 

 

「『変身』!!!」

 

 

 

 

『OPEN UP』

 

 

 

前田は『仮面ライダーランス』に変身すると、長い槍を構える。

 

 

 

 

「お前も早くアンデッドの姿になりな。

 

 

その姿じゃやりにくて仕方ねえ」

 

 

 

「.........」

 

 

 

 

老人はランスをマジマジと見つめる。

 

 

 

そして、どこか呆れたように、悲しそうに口を開く。

 

 

 

 

「なぜお前のような優しき青年が...」

 

 

 

 

「あ?」

 

 

 

 

「お前は、その力を持つべきでは無い。

 

今すぐ、元いた所へと帰れ」

 

 

 

 

「何言ってんだてめェコラ!

 

 

あんまり舐めんじゃねぇぞ!」

 

 

 

「なら、なぜその槍を生身のワシに突き立てようとしない」

 

 

 

「テ、テメェ...

 

なら、やってやるってんだよコラ!」

 

 

 

 

ランスは雄叫びを上げて老人に突撃する。

 

だが老人はその鋭い突きを柳のようにするりと躱す。

 

 

「どこを狙っている。

 

覚悟が無いならここを去れ」

 

 

 

「ちょこまかと、避けんな...!」

 

 

 

ランスは槍を振り回すが、老人はカスる素振りすら見せない。

 

 

そしてランスが槍を大きく振り下ろしたその時、老人は槍を踏みつける。

 

 

 

「なっ......」

 

 

 

ランスは一瞬硬直する。

 

 

 

「フッ...!」

 

 

 

老人は息を吐くと、掌底をランスに打ち込んだ。

 

 

 

「......ッ......!!」

 

 

ランスは声を発することも出来ず、吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

 

「...ハッ......カハッ...い、今のは......!」

 

 

 

「丈夫なものだな、ライダーシステムとは。

 

 

だが、これでお前に勝ち目が無いことは分かるだろう。

 

これ以上痛い目にあいたくなければ、すぐに立ち去れ」

 

 

 

 

老人はランスに迫る。

 

 

 

老人が放つ気迫に、ランスは思わず慄く。

 

 

 

 

『なんなんだよコイツ...こんなやつと俺は戦おうとしてたのかよ...!』

 

 

 

 

 

「どうした、恐れで逃げることもできないか?」

 

 

 

 

「......に.........だ」

 

 

 

 

 

「なんだ」

 

 

 

 

 

「何、言ってんだ...

 

 

逃げるだと...?冗談じゃねぇぞコラ...

 

 

俺は逃げるわけにはいかねぇんだ......

 

 

 

 

大切なものを護るために...俺は、ライダーになったんだよ!」

 

 

 

 

『MIGHTY』

 

 

 

ランスは一瞬のうちにラウズカードを使う。

 

 

 

エネルギーが穂先に集中していき、

 

 

 

 

「喰らいやがれ!!」

 

 

 

 

「ッ!!!」

 

 

───────────────────────

 

黒い剣と白銀の剣が火花を散らす。

 

 

コーカサスビートルアンデッドとブレイドの戦いは熾烈を極めていた。

 

 

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

 

「ヌゥッ...!」

 

 

 

ブレイドの懇親の剣戟を、コーカサスビートルアンデッドは必死に防ぐ。

 

 

 

身体能力などで見れば、アンデッドは完全にブレイドを上回っている。

 

 

だがブレイドの気迫と、それに呼応して上昇を続ける融合係数が更なるブレイドの力を引き出している。

 

 

 

「ウェイッ!!!」

 

 

 

「なに......?!」

 

 

 

 

そしてブレイドの大振りの斬撃が、異形の握る剣を吹き飛ばす。

 

 

 

ブレイドは吹き飛ばした剣を奪うと、二刀流の構えをとり、一気にアンデッドに突撃する。

 

 

 

彼は迫り来る突きを躱す。

 

 

 

 

 

「俺は!」

 

 

 

左手の大剣が、防御の構えをとるアンデッドの腕を無理やり弾く。

 

 

 

 

「絶対に!!」

 

 

 

右手のブレイラウザーがアンデッドの躰を横薙ぎに斬る。

 

 

 

「負けない!!!」

 

 

 

そして2つの剣が同時に振り下ろされ、異形の黄金の躰を斬り裂いた時、

 

 

 

パキリと音を立てて、アンデッドの腰に装着されたバックルが割れた。

 

 

 

 

「お見事です...上杉風太郎殿...いや、あなたはもう......」

 

 

 

「ッ......」

 

 

 

「あまり詳しいことは、存じ上げておりませんが...あなたと闘い、あなたの思いは痛いほど私に伝わりました」

 

 

 

「江端さん...」

 

 

 

「この人外の獣に、その名前で声をかけて頂くなど...」

 

 

 

『いつのことか...あまりに長すぎて、もう上手く思い出しかねます』

 

 

 

───────────────────────

 

 

『この私を、倒すとは...同じカテゴリーKとして誇りに思うぞ...』

 

 

 

『......』

 

 

 

『どうした...早く統制者を呼び寄せろ。

 

 

私を封印するんだ』

 

 

 

『いいや、君を封印はしない』

 

 

 

『なに...この私に、情けをかけるつもりか!!』

 

 

 

『情けなどかけるつもりは無いよ。

 

 

ただ、僕は君に協力して欲しいだけなんだ』

 

 

 

『協力...だと...

 

私を兵士にして、他のアンデッドを封印でもさせるつもりか...?』

 

 

 

『そんなことをするつもりはないさ。

 

そもそも君にやらせるくらいなら、僕がやった方が遥かに効率的だ。

 

 

 

 

手短に言おう。僕の使用人となれ、今日から僕達は人間になるんだ』

 

 

 

「...は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これで、ほぼ全て封印したか』

 

 

 

『助かったよ、『エバタ』。

 

 

『彼』との話も着いた。

 

 

こうして『ジョーカー』も封印することが出来た。

 

 

 

これで、『人間』の時代がくるはずだ。

 

 

これより地球は、人類の繁栄が始まる』

 

 

 

 

『『人間』を知りたいか...変わった奴だな、貴様は』

 

 

 

『どうだろうね。

 

 

でも不思議じゃないか?僕らアンデッドは皆それぞれ完全に異なる姿を持っている。

 

 

 

なのに、僕らを含む一部のアンデッドは『彼』と似た姿にもなれる。

 

 

なぜ『彼』だけが...『彼』は僕たちアンデッドの中でも、あまりに異質すぎる』

 

 

 

『その話も、既に聞き飽きた』

 

 

 

『そう言ってくれるなよ、エバタ。

 

 

 

きっと君だって心のどこかに引っかかっているはずだろう?

 

 

君だってその、白い髪を携えた、『人間』の姿を持っている。僕も同じさ』

 

 

 

『否定はせん......』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『旦那様。本日のご予定ですが...』

 

 

 

『悪いがキャンセルにして貰えないか?

 

 

零奈さんと会食をしにいくことになったんだ』

 

 

 

『...わかりました。こちらから説得しておきましょう』

 

 

 

『すまないね』

 

 

 

『旦那様』

 

 

 

『なんだい?』

 

 

 

『すっかり、『人間』らしくなりましたな』

 

 

 

『...戦いしか知らなかった自分にとって、このぬるま湯はあまりに心地よすぎたのさ。

 

 

君だって、そうだろう?』

 

 

 

『否定は、しません...』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今お嬢様たちを送ってまいりました』

 

 

 

 

『ありがとう』

 

 

 

 

『今日もお嬢様たちにお会いになるつもりは...』

 

 

 

『零奈さんに伝えておいてくれ。

 

 

今日も仕事で帰れそうにないと』

 

 

 

『...承知しました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまない...また駄目だった...

 

 

また僕は、何かを間違えていたみたいだ』

 

 

 

『...............』

 

 

 

 

『もう僕らは、既に取り返しがつかない所まで来ている。それ以上は、戻れない。

 

 

だから、今度こそ...ここで、全てを終わらせよう』

 

 

 

 

『...旦那様』

 

 

 

 

『どうした?』

 

 

 

 

 

『もう...お休みになっては、いかがでしょうか?』

 

 

 

───────────────────────

 

 

「...旦那様」

 

 

 

「江端さん。

 

 

あなたは何を知っているんだ。

 

 

中野マルオは、一体何をしようとしているんだ?」

 

 

 

 

「それは...言えませぬ。

 

 

私はあくまで旦那様に仕える身...

 

 

旦那様の信頼を裏切ることは、何があってもできません」

 

 

 

 

「...そう、ですか」

 

 

 

「上杉風太郎殿...無礼を承知で、私めから一つだけお願いをしてもよろしいでしょうか?」

 

 

 

「お願い...?」

 

 

 

コーカサスビートルアンデッドは、バックルが割れているのにも関わらず、よろめきながらもゆっくりと立ち上がった。

 

 

 

 

「どうか、旦那様を止めてあげて欲しいのです。

 

 

そして、どうか...どうか...お嬢様たちも、あなたの手で、お守りして頂きたい...

 

 

あなたの要求すら聞かず、こちらの願いを押し付けるなど道理が通らぬことは分かっております...ですが、そこを何とか...

 

 

 

 

「江端さん」

 

 

 

 

 

足を震わせ、立つのもやっとのアンデッドに、ブレイドはそっと近づく。

 

 

 

 

「俺はあの男が何をしようとしているかは、分からない。

 

 

でも、あの人がやることできっとこの世界は良くない方に動いてしまうことだけ分かる。

 

 

 

それに、一花も、二乃も、三玖も、四葉も、五月も、必ず護ります。

 

 

 

いいや、彼女たちだけじゃない。

 

 

 

この世界の戦えない、戦いたくないと思ってる全ての人を俺は守るつもりです。

 

 

 

俺は...『仮面ライダー』ですから」

 

 

 

 

『剣崎』は力強く述べる。

 

 

 

その言葉に嘘偽りはひとつもなく、全て彼の純粋な思いだった。

 

 

 

 

 

『あぁ...

 

 

このお方なら...旦那様が愛した、この世界を、お嬢様たちを、零奈様の想いを、きっと守り抜いてくださる』

 

 

 

 

 

「上杉風太郎殿、私から最後にもう1つだけお願いします。

 

 

 

 

私を封印してください。

 

 

きっと私の力は、あなたの支えとなる。

 

 

 

 

私も全身全霊で、あなたのためにこの身を捧げましょう」

 

 

 

 

「江端さん......

 

 

 

 

任せてください!」

 

 

 

ブレイドはホルダーを展開すると、スペードスートの最後のブランクカードを取り出す。

 

 

 

 

そしてそれを持って一歩進む度に、覚悟を決め、江端のという名の異形に向き直る。

 

 

 

 

 

「じゃあ、いきますよ」

 

 

 

 

「最後まで我儘を聞いていただき、恐悦至極にございます」

 

 

 

 

そして、ブレイドのもつブランクカードがアンデッドの身体に触れる。

 

 

 

 

 

光が放たれ、異形の姿がゆっくりと消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『旦那様。

 

 

少々暇を頂きます。

 

 

 

 

あなたが与えてくださったこの『江端』の名は、私にとって何事にも変え難いものでした。

 

 

 

 

江端という1人の『人間』として、あなたに仕えたことを、私は誇りに思います』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその場から光は消えて、

 

 

 

 

 

 

カードには『カテゴリーK-コーカサスビートルアンデッド』の力が宿ったのであった。

 




出来れば本編はあと13話くらいで終わらせたいです。
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