五等分の運命   作:電波少年

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お待たせしました第4話です。
今回でやっと変身します。


第4話:覚悟の『変身』

「え?い...5つ子?!」

俺は驚愕のあまりつい叫んでしまった。

「そうなんですよ〜。驚きました?」

と四葉が続けてきた

「え?そりゃまぁ...」

剣崎は今まで戦い続けてきた300年間、内線地域などで救った子供たちの中で5人兄弟などはそれなりに見かけることはあった。

だが5人同じ日に同時に生まれる、要するに5つ子という姉妹を見るのは初めてだった。

 

だがそこでキンコンカンコンと昼休みがあと10分で終わるというサインが鳴る。

これ以上食堂に長居するのも良くないだろう。

「あ、もうこんな時間。じゃあまたね、えーと...」

「上杉風太郎だ。これからよろしく一花さん。」

「上杉風太郎君ね。あと私は一花でいいよ。

こちらこそよろしく!」

と一花は元気に言い放ち教室に戻っていく。

他の面々も教室に戻っていくようだ。

 

俺も教室に戻る途中で中野さんもとい五月に話しかける

「いやまさか五月さんが5つ子だったなんて」

「やはり驚かれましたか...

私もすっかり言うのを忘れていました」

「確かに言われてみればみんなよく似てるよなぁ。

あ、だから俺あの子と五月さんを間違えちゃったのか」

と剣崎は納得する。確かにこの5つ子達、髪型を除けば顔や体つきなどは非常に良く似ているのである。

 

「それにしてもすみません。上杉さん

私...まさかあなたが本当に三玖を助けてくれていただなんて...」

と申し訳なさそうに謝罪した。

だが剣崎は

「別に謝る必要なんてないよ

目の前の人が危ない目に逢おうとしているのに助けないでいろ、なんて言う方が無理ってもんさ」

五月は少し剣崎を見つめると

「上杉さんは本当にお優しいお方なのですね。

何はともあれありがとうございました。上杉さん」

「あぁ、どういたしまして。五月さん」

と剣崎は優しく答える。

この五月という子、少し気が強いことを除けば中々ちゃんとした子じゃないか、と大きく評価を改めた。

そして五月は少し恥ずかしそうに

「あの...私の事も五月さんではなく五月と呼んで頂けませんか?」

と告げてくる。別に剣崎は断る理由もないので

「あぁ、わかった。色々あったけど改めてこれからよろしく、五月」

と優しく微笑む。

五月は

「はい!よろしくお願いします!

上杉さん!」

と元気に返した。

 

そして時は流れ放課後

俺は五月の勧めもあり、一花、三玖、四葉、五月と一緒に帰っていた。(二乃は俺がいることが面白くなかったのか、1人で駅前の方に行ってしまったらしい)

五月は肉まんを2個も食べていた。

...こんなに食べて夕飯は大丈夫なのだろうか。

「五月ちゃーん」

といい一花がいきなり五月のお腹をつまみ上げる。

「やっ!やめてください!一花」

 

一花にムニッと摘まれた五月のお腹を見てなるほどカロリーというのは嘘をつかないなということを剣崎は確信した。

 

一花が五月をイジりそれを見て四葉が笑う。

見る限り仲良さそうな姉妹じゃないか。そんな取り留めもないことを剣崎が考えていると

 

「ねぇ...ちょっと...いい...?」

 

と不意に横から声をかけられた。

 

「ん?」と剣崎が横を向くとそこには剣崎が昨日の朝助けたヘッドフォンの少女がいた。

確かこの子は三玖といっただろうか。

「あ、確か君が三玖さんだよね?」

と尋ねる剣崎。同じトーンで三玖は

「三玖でいい」

と答える。剣崎は軽く頷いて

 

「それでどうしたの?三玖。

なにか俺に聞きたいことでもある?」

と三玖に尋ねる剣崎。三玖は少し呼吸をおく。

なんだ一体何を言われるのだろうと剣崎は身構えた。そして三玖はついに口を開く

 

「なんで...あの時私を助けたの?」

と何か俺をありえないものを見るかのような目で見ながら告げてくる。

だがら剣崎は「なんだそんなことか」と言うと

「目の前の人が危ない目に逢おうとしているのに、助けない訳にいかないだろ?」

とほとんど五月に返したことと同じような答えを言う。

だが三玖は少し下を向いて

 

「私には...分からない」

と呟き姉妹たちの方に行ってしまった。

 

まぁ確かに剣崎はよく同じ質問をされることがあった。何故そこまでして人を助けるのか、そんなことをして自分にメリットはあるのか、などだ。

だが剣崎はこのような質問をすることそのものがよく分からなかった。

 

彼は、剣崎一真は、誰よりも『人』を愛している男である。『人』のために戦い『人』のために自分が『人』であることをやめた。

それでも彼は『人』のために闘い続けた。それこそ自分がかつて『人』であったことを忘れてしまいそうになるほど。

 

まぁこんな男だからこそ彼は他の人を理由無く助けられるのである。

 

だがそこで五月が思い出したように声を挙げた。

「そういえば今日から家庭教師の方が来て下さるはずです

こんなことをしてる場合ではありません。早く帰りましょう」

それに続いて一花が

「あ!そんな話もあったねぇ」

と続ける。

四葉は

「どんな先生なんだろー」

と呑気に言う。

 

だがそこで剣崎にある考えが浮かんだ。いや、浮かんでしまった。

(俺が教える娘さんってまさか五月だけじゃなくて...)

と何かを察し恐る恐る四葉に尋ねた。

「あの〜四葉?まさか家庭教師って君たちも教わるの?」

と言うと四葉はすかさず

「当たり前じゃないですか!

なんてたって私たち姉妹、みんな赤点で落第してこの高校に来たんですから!」

とめちゃくちゃ自信満々に答える。

 

そこで剣崎は諦めたように

「ごめんみんな

その家庭教師って多分俺だ。」

と恐る恐る告げてみる。

 

すかさず五月は

「え?!上杉さんが家庭教師?!」

と反応する。

「あぁ...なんかごめん」

と申し訳なさげに謝るが四葉は

「何言ってるんですか上杉さん!

上杉さんみたいに100点を取れるような人に教えて頂けるのなら私たちも安心です!」

とフォローを入れてくる。

一花も

「そっかー。家庭教師って君だったんだー。

でもまぁ知り合いからラッキーかなー。」

なんて気が抜けた感じで言う。

三玖は下を向いていたがその頬にはよく見なければわからない程の笑みが零れていた。

 

だがそこで剣崎はあることに気づく

「そういえば、あの二乃って子も...」

五月は少し申し訳なさげに

「はい...

あの子ちょっと素直になれないところがあって...」

だが剣崎は

「気にすることないって。なら今から俺が彼女を探してくるよ」

と告げる。

五月はすかさず

「い、いけません上杉さん!

まさか家庭教師であるあなたにそこまでお手を煩わせる訳には!」

「大丈夫だよ

それにいずれあの子にも勉強を教えなきゃいけないなら今から話して少しでも交友を深めておきたいしさ」

と答える

後ろで一花が「ははーん。中々罪な男だねぇ、上杉くん」などと言っているが無視だ。

「そういうことだからちょっと待ってて!」

と言い残し走って駅前に向かう。

「あ、待ってください上杉さーん!」

 

剣崎が去った後で五月は

「上杉さん.....」

と少し心配そうに呟いた。二乃の気難しさをよく理解しているからだ。

 

 

駅前に着いた剣崎は辺りを見渡す。二乃は見当たらない。まぁ何となくあの子が寄っていきそうな場所でも探してみるかと思い歩みを進めた剣崎。

 

 

彼の戦いの『運命』が動き始めた瞬間だった

 

 

後ろで「キャアァァ!」という女性の悲鳴が聞こえる。剣崎はすかさずそこに向かうとその眼前にはありえないものがいた。

 

忘れるはずもない。青みがかった肌。この世の生き物とは思えないまさに異形の姿。

 

 

♠︎2 リザードアンデットがその右腕に付けている剣で女性を切り裂いたのだった。

 

駅前にいた人間達が一斉にその異形から逃げ出す。最早そこに冷静な判断力はない。

 

だが1人その流れに逆らうようにその異形に向かう男がいた。

 

 

剣崎一真である。

 

 

彼は困惑していた。なぜアンデットがここにいる?バトルファイトがまた始まろうとしているのか?ならジョーカーは...始もこの世界に?など様々な考えが浮かぶ。

 

だが彼の体は考えとは裏腹にその異形に向かっていった。

そして彼はその異形に飛びつき動きを止めるために後ろから組み付く。

 

彼は『人』を助けるという行動そのものが病的なまでに体に染み付いていた。目の前の人を助けるのに理由がいらないのではい。

 

そんな理由を考える前に彼の体は目の前の人を助けようと勝手に動き出すからだ。

 

だが剣崎はあえなくその異形に振りほどかれその勢いで人のいない路地裏に吹き飛ばされた。衝撃でカバンの中身が全て出てしまった。

 

久しく忘れていたこのじんわりとした痛み。

剣崎はすぐに立ち上がることが出来なかった。

 

だが目の前の光景に剣崎は衝撃が走った。

 

その異形が次にその毒牙にかけようとしているのは剣崎が探していた『中野二乃』本人だった。

 

「いや...何よコイツ!近づかないで!」

とノートや化粧道具を投げつけるが特に効果はない。

 

剣崎はうつ伏せのまま手を伸ばす。

俺はもう失いたくない。俺の目の前で力なき人を誰も殺させない。

 

 

そして剣崎は気付いた。

破れたバックから出てきたものはノートや教科書だけではなかった。

なぜかそこに剣崎が忘れようとも忘れることなんて出来るはずもない。

 

A BEETLEとヘラクレスオオカブトが描かれたカードとそれを入れるバックルだった。

 

剣崎はまたも困惑する。

何故この世界にライダーシステムが?

あらゆる憶測が浮かぶが剣崎はもう考えない。

 

今俺に救う力があるなら、俺ができることは目の前の少女を救うことだけだ。

 

なら...俺は...

 

 

もう一度『運命』と戦う!

 

 

彼は覚悟を決めた。それに背を向けることはしない。

 

剣崎は慣れたような手つきでカテゴリーAのカードをバックルに差し込み、バックルは自動で剣崎の腰に巻き付く。

 

右手を前にかざす。

一瞬あの時のことを、仲間たちと裏切られたりしながらも、人を守るために闘ったあの日々を思い出す。その時に戻るかのように...

 

彼は右手をバックルに戻し、人を守る戦士として、『仮面ライダー』として戦うために、あの言葉を叫ぶ。

 

 

「変身!!」

TURN UP

 

 

目の前に青い光の壁-オリハルコンエレメントが表れる。彼は脇目もふらず、その光の壁に突っ込む。

 

彼の体が銀色の騎士に変わっていく

 

 

今ここに誰にもその変身を見届けられることは無く

 

 

『仮面ライダー』が誕生した。

 




一応アンデットの詳細を載せておきます(pixiv調べ)
♠︎2 リザードアンデット
全身が鋭利な刃物で構成されており、発達した脚力を活かして右腕の剣や左腕の斧のなどを使ってすれ違いざまに敵を切り刻む戦法を得意としている。

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