1.グラニアとオスカ
殺伐系百合
2.ダナーとオスカ
片思いおねショタ
* * * *
グラニアとオスカ
子供達も手が離れて少し経った頃。
同棲しているグラニアとオレは、40歳に片足を突っ込んでいた。
「ただいまっと。今日は鳥と鹿が取れたぞ」
「あら……なら鹿は干し肉にして、鳥は……明日のご飯にしましょう」
「いよっしゃ」
グラニアと2人だけの生活が始まって以降、子供たちにバレないようにと巻いていた晒しや服も着なくなって、狩りの時以外には軽い衣服だけを身に付けるようになった。
こうして帰ってきてからすぐに服を脱いで、ゆったりとしたシャツを纏ってグラニアの前へと出て行く。
「……あーのーね、無防備すぎるんじゃないかしら?」
「あー?別にいいだろ、あんたとオレの仲なんだし」
「客が来たらどうするのよ?」
「グラニアが対応して、その間にオレが着替える」
「はぁ……ほんとガサツな人って嫌い!あの人はこんなんじゃなかったわ!」
確かに、ディルムッドは紳士だからたとえ夫婦の仲だろうとグラニアの前では良き男を勤め続けるハズだ。
オレには到底無理である。
「グーラーニーアー、酒ー、酒ちょーだい」
「ほんっともう……ほら!1人で酌してなさい!」
「ありがとよー」
どん!と置かれたエールを喉に流し込んでいく。森を駆け回った体にこの味はとても染み入って、五臓六腑がぽかぽかとする感覚に気分が良くなっていく。
「ほら、シチューよ食べなさい」
「うまそーう!いただきます!」
こうして、グラニアとオスカの仲は良くもなく、悪くもないのであった。
グラニアから見て、オスカは「ありえない」人間に値する。
顔は……可愛いけど手入れしてないからガサガサ。
髪は……フィン譲りの綺麗な金髪のくせに、櫛を入れてないから勿体無い。
身体は……大変ムカつくことに、グラニアよりもずっと良い素材を持ち合わせている。張り出る2つの山にキュッとくびれたウエスト。
筋肉質なのが頂けないが、グラニアが求めても手に入らなかったものだ。
オスカ39歳、既婚者の処女。
その肩書きもすべて、グラニアからすればありえないものなのだ。
「なーにーよーこのBBA!なによこれなに!?」
「ギャァァ掴むな揉むな引っ張るな痛い!」
「うるさいうるさいうるさーい!なんでこんなもんぶら下げてるのよ!?嫌味!?」
「うるせー!勝手に育ったんだよ知るか!」
「ムキィイイイ!」
グラニアとオスカの関係は、まだまだ拗れて……いる?
* * * *
ダナー(16)とオスカ
———僕の初恋は、お義父さんです。
「……あの、いいですか?」
「おう、入ってこい。」
父が亡くなってからしばらくして、母はオスカさんと再婚しました。
2人はとても険悪な仲でしたが、互いに同じ目的があったのでしょう。共に暮らし、共に生活する事を決めたのでした。
———そして
「こんな夜更けに、申し訳ございません」
「いや、いい。まだやることがあったからな……んで、どうした?」
「今日の鍛錬の事で、聞きたいことがございまして」
かつて一瞬だけ見た、義父の本当の姿が未だに目に焼き付いて離れない。
だからこうして、母が結婚して以来何度もこの部屋に通ってしまっているのだ。
もしかしたら、夜遅くに訪れればかつてのあの父が見れるのではないかと思って。
「今日の兵学、大変勉強になりました。そこで質問なのですが……」
義父は優しそうな目で僕を見つめてくれる。しかし、僕はわかっているのです。
———僕を通して、ディルムッドを見ている事を。
父を見るその感情の名前を僕は知らないけれど、きっと良くないものなのだろう。
「いずれ僕は、父上の……ディルムッド・オディナのようになれるでしょうか」
「なれるさ。オレがお前にあいつの技を叩き込んでやる」
「……そうしたら、」
その時は、僕を……
言葉を飲み込んで、僕は椅子から立ち上がった。
「ありがとうございました。また明日も、お願い致します」
「おう、さっさと寝ろよ?明日もはえーんだからな」
* * * *