フィオナ騎士団の騎士オスカ(女)   作:芥目たぬき

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ライダー

 

* * * *

 

 

「くそ、埒が明かねぇな……」

 

昨日の夜中からずっと動き続けていたオスカの体力は限界に近付いていた。

 

一時も気を許せない、都市部でのアサシンからの攻撃から身を守るのみ。反撃に出ようと思うものの、やつらも深追いはせず、しかし休ませる余裕を与えてくれない。

流石はアサシンというだけあって、闇討ちの仕方が的確である。

 

こういう時に、例えばマスターがいればマスターの作成した魔術工房に入って凌ぐことができるし、同盟相手でもいれば共闘を組んで倒せるのだ。

 

このアサシンとオスカの相性の悪さ、そして場所。全ての流れがアサシンに向いている。

———なによりも。

 

「(神経毒ってとこか……だいぶ回ってきやがった)」

 

先ほど逃げる最中、腹部を掠ったナイフに塗られていたのだろう。毒の所為で焼ける様な痛みを覚える。あまりの痛みに目眩すら起きる中で、歯を食いしばって裏路地の壁にもたれかけていた。

 

空はだいぶ明るく、あちらこちらから生活音が鳴り響く時間帯。時間が経てば経つほど、オスカにとって良くない方向へと向かっていく。それが、敵のやり口なのだから。

 

「もうそろそろ、ここら辺も通勤ラッシュの時間だな……」

 

いっそ人混みに入って凌ぐか……と考えるものの、その考えはすぐに却下する。やつらは暗殺のプロだ、人混みに紛れたらそれこそ、通りすがりに鮮やかに殺されてしまうことだろう。

 

さて、どうするべきか……と、考える暇もなく、再びどこからともなくナイフが投げつけられる。

的確に急所を狙うのではなく、複数人で同時に投げつけてくるそれは、避けた場合やナイフを弾き飛ばした場合も考えた的確な場所に放ってくるのだ。

 

大剣を握る力も徐々に弱くなりつつあるために、身体を捻ってナイフを避ける。そしてその度に傷付けられた腹部が燃えるように痛みを伝えてくるのだ。

 

「まずいな……このままだと、まずい」

 

こんなところで、呆気なく死んでしまうわけにはいかない。

 

 

 

「(仕方ないが……これは使いたくなかった手だが仕方ない。アサシンのマスター……綺礼を脅して、アサシンを止めるしかねぇな)」

 

口約束ではあるが、綺礼は殺さないと自分で言った身である。出来る限り綺礼には手を出したくなかったが……さて。

 

その作戦を実行に移すとして、はたしてアサシンが許してくれるだろうか。

 

「———っふ!」

 

意を決して路地から飛び出し、全速力で道路を走り抜ける。

一般人がまばらに歩いている中、こうして目立つ走りをしていればアサシンも手出ししてくることはないだろう。

 

他人から見たら、早朝からフルフェイスヘルメットの男が一人で全力疾走しているようにしか見えない。

 

……だが。

 

「っちぃ! この、クソヤローが!」

 

草臥れたサラリーマンの横を通り過ぎようとした瞬間、そちらからナイフが投擲される。

変装技術があったのか———と思ったが、その男の顔を見ればどこか薄黒い肌色をしている。どちらかといえば日本人よりの顔立ちをしているものの、よくよく見ればイスラム系の血筋を感じられる顔。

ただ単に、スーツを着ただけのアサシンのようだ。

 

何とまぁ、準備がいいことで。

 

「お前後で絶対ぶっ殺してやるッ!」

 

今は公道のために、そんなことは出来ない。だからこそ、中指だけを突き立ててやった。

 

 

 

 

 

とにかく、走る。走る。走る———

 

オスカは息切れを起こしながらも、街を走り抜ける。腹部が痛くて意識が朦朧とし始めているものの、教会に飛び込んで綺礼の首根っこを掴めば勝ちだ。

むしろ、教会の前まで行って宝具をぶっ放すだけでいいかもしれない。おそらく、きっと、璃生の息子なら壊・虹霓剣(ゲル・ナ・グコラン)を食らった教会の瓦礫から出て来てくれるかもしれない。

 

……いや、難しいか。

 

「はーっ、はっ、ぜはっ、あ"〜クソがッ!」

 

苦しいが足を止めるわけにはいかない。

走らなくては、走り続けなくてはならない。

喉が渇いて仕方がないし、あちこちから飛んでくるナイフに気を使わなくてはならない。

 

アサシンが待ち構える道路は避けて通り、大きく迂回しながらもとにかく進んでいく。

あちらも、オレのやろうとしていることはわかっているのだろう。いく先々で、現代人の服装を着たイスラム系の顔立ちの人間がちらほらといるのだ。

 

と、曲がり角を曲がって直進する最中。

それを見て、オスカは思わずたたらを踏んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

———2mを超える巨身と、その横にいるひょろひょろ。

あれは、埠頭で見たライダー。……イスカンダル、征服王である。

 

征服王は現界した状態で、にこやかに伸びをしていて、それに対してマスターが文句を言っている光景。

……普通の一軒家らしいそれから出てきたライダーとそのマスター。きっと、このタイミングは狙ったものというよりは———偶然の産物なのだろう。

 

「……っ!」

 

最悪だ。

1日でキャスター、アサシン、そしてライダーと出会ってしまうなんて。

 

だが幸いにもあちらはこちらの正体に気が付いていないはずだ、とオレは再度征服王のいる通りに向かって走り始めた。

 

征服王がいるからこそ、この道にはアサシンがいない。そして、征服王には自身(オスカ)の正体がバレていない……はずだ。そもそも、聖杯戦争に直接関わる人間ではないのだから、征服王はオスカに対して用事がないはずである。

 

大丈夫だ。だからこそ、全速力で走り抜ける。

 

ライダーのマスターはぽかんとこちらを見ている。きっと、何故フルフェイスヘルメットが全速力で道路を走っているのか不思議だったのだろう。戦闘態勢に入るでもないその様子に、オレは自身の予想が的中したとひっそりと安心した。

これならきっと、ここを無事に通り抜けられるはずだ。

 

 

 

 

 

 

———だが、征服王は違った。

オレがイスカンダルの横を通り過ぎようとした瞬間、腕を伸ばしたのだ。

 

 

 

そして、それを大きく横薙ぎに払う。

 

「うぉおおおっ!喰らえぃ!」

「ごッァア!?」

 

自身の速度が乗った状態で、イスカンダルの太くて逞しい腕が首元へとぶつけられる。

 

 

 

すなわち、ラリアット。

征服王の技は見事にオスカの急所を打ち込んでいた。

 

「んなっ、ちょっ!? ライダーァァア!!!」

 

ライダーのマスターの悲鳴を聞きながら、オスカの身体は地面へと無抵抗に倒れ伏せる。

 

———何故だ。なんでだ。

そんな疑問を抱きながらも、急所へと入ったラリアットに倒れ伏したオレは、征服王のやりきって満足気な顔を眺めながら……意識を失った。

 

 

 

* * * *

 

 

 

再び目を冷ますと、そこは見慣れない天井だった。

 

ぼんやりと起き上がろうとして———腹部に強い痛みを感じる。そしてそちらを見れば、どうやら手当が施されているようだ。

 

……あぁ、なんでここにいるんだっけ。

 

「む、起きたか」

「征服王っ!?……あぁ、そうか」

 

場所はこじんまりとした部屋。テレビが備え付けられていて、カーペットの敷かれた床には胡座をかいてせんべいを貪り食っている征服王と、その横で倒れ伏しているマスター。

 

ドア付近には血が綺麗に拭き取られているフルフェイスのヘルメット。そして、中に着込んでいたサラシと———

 

「って、オレ、この服っ!?」

「貴様、女だったとはのぉ」

「征服王ッ、あああああ!?」

「えぇい喧しいッ!」

自身の今の服装はブカブカのTシャツ1枚のみ。

今まで隠していたものが、大きく自己主張をしている。

 

「ほれ坊主も。起きよ、余のマスターならしゃんとしろ。しゃんと」

「ぅ、ぅ、うぅ〜〜〜……」

 

起き上がったライダーのマスター、ひょろひょろのもやしっ子は顔を真っ赤にして視線をあちこちに彷徨わせていた。

 

「えぇい、女の身体がなんだというのだ」

「だ、だってボクこんな……は、初めて見たっていうか、その、あの……」

 

ごめんなさい、と小さく絞れるような声で謝ってくるソイツを見て、それから征服王に視線を戻した。

 

なんというデコボコなコンビなのだろうか。

 

「えぇと、ライダーのマスター。お前、名前は?」

「ヒェッ!?うぇ、ウェイバー……ウェイバー・ベルベット、です」

「余は!征服王、イスカンダルである!」

 

知ってる。

と、それは兎も角として。

 

「怪我の手当をしてくれたのはお前だな。助かったぞ、ウェイバー。……あとオレは身体見られたくらい、気にしねぇからな」

「は、はいっ……」

 

未だに顔が真っ赤なウェイバーに少しばかり呆れつつ(こんなウブな人間は、ケルトの女でも珍しいのだ)、何か言わんとしているイスカンダルの方へと体を向ける。

 

およそ、こいつがこのマスターを引っ張っているのだろう。だからこそ、なんらかの話を出してくるとすればサーヴァントの方からだろうが———

 

 

 

 

「貴様は、余の捕虜であるッ!」

「ハァァア!?」

 

驚いたのは、ウェイバーの方であった。

 

「なんでだよ!? 捕虜って……えぇー!?」

「何故驚くのだ」

「いやだって、聖杯戦争中で!この人はサーヴァントじゃないし、マスターでもないし……ん?じゃあなんなんだ?」

「なんにせよ、関係者ということは間違いなかろう!」

 

捕虜。なるほど、そうきたか。

オスカは1人で納得しつつ、漫才を繰り広げる2人を尻目に部屋の中をゆっくりと観察するのであった。

 

そして、ふと散らかっているダンボールが目に留まる。そこには、オスカも好きなゲームのタイトルが入っていた。

……この王様とは案外、気があうかもしれない。

 

 

 

* * * *

 

 

 

かくかくしかじか。オレはここに至るまでの経緯を説明した。

第三次聖杯戦争について。受肉し、そしてここにいること。

キャスターに殴り込みに行き、アサシンに殺されかけていたこと。

 

「じゃ、じゃあお前は、前回のセイバーってことか?!」

「おう。フィオナ騎士団が斬り込み隊長、オスカ。鋼に覆われた曲がり角とはオレの事だ」

「女だったんだ……」

 

セイバーは女になる運命なのかもしれないな、とウェイバーはこっそりと青い鎧の不可視の剣を使うセイバーを思い返す。

 

しかし、そんなことはライダーには関係ない。

 

「……で、その上でオレは捕虜なんだな」

「当たり前であろう。オスカよ、貴様は余が打ち倒したのだ」

 

仕方がないこととはいえ、オスカは悔しさから少しばかり膨れっ面になってしまう。助けられた身ではあるものの、見事にラリアットを食らった挙句捕虜になってしまうとは、ケルト戦士として汚点だろう。

 

……とはいえ、この征服王はやけにさっぱりした性格をしており、オスカとしてもケルト戦士さが感じられて表立って文句は言えなかった。

 

オスカの知る王なんてものはケルトの上王であるコーマック王や、その息子のケアブリ、もしくはレンスターなどの諸国の王くらいである。

そして大抵が奸計ばかりで、ケアブリに至っては騎士(フィン)を毛嫌いして何度暗殺の手を家に向けられたことか。

 

……まぁ、そんなケアブリの妹を最終的に嫁に迎えたオスカも、かろうじて王族の一員となったのかもしれないが。

 

「まぁいい。ほかに質問は?答えられる範囲なら答えてやるさ」

「では、お主が聖杯にかける望みは?」

 

かつて、聖杯に呼ばれたのなら願いがあるのだろう?と、そう聞かれて一瞬だけ戸惑う。

それは、この50年の間で徐々に風化してしまった願いだ。

 

しかし、彼と再び出会ったことで思い出した、淡くも燃え続けている願い。

———そういえば、これを口に出すのは久し振りだ。

 

「友に幸せになって欲しい……って言ったら笑うか?」

「!」

「友……って、フィオナ騎士団のオスカの友達って言ったら、愛の黒子のディルムッドか?」

 

ウェイバーは遠目に見た、コンテナ街でのランサーとセイバーの戦いを思い返していた。

 

今回の聖杯戦争に呼ばれたランサーは、2槍使いの伊達男。目元の黒子にはチャームの呪いがかかっていた。即ち、彼こそがオスカの親友であるフィオナ騎士団のディルムッド・オディナである。

 

すなわち———オスカは、ランサーのために動いている。

そして、ランサーのマスターは……ウェイバーが見返したいと思う、憎くてイヤミなケイネス・エルメロイ・アーチボルトだ。

 

「おいウェイバー、なんでちょっと嫌そうな顔するんだよ」

「し、してないッ! 別にボクが何を考えたって、関係ないだろ!?」

「オスカよ、こやつはランサーのマスターと因縁があるのだ。そっとしておいてやれ」

「ラ、ライダァー! なんで言うんだよばかばかばかぁ!」

 

確かにそうだけど! と、ウェイバーは少し恥ずかしげに俯いてしまった。

 

確かにあの神経質の塊っぽそうな金髪男と合う人間は少ないだろうと、小型犬のように騒ぐウェイバーを見ながらオスカは思う。

それを言ったらディルムッドも、ああいうタイプは合わないだろうなぁ……なんて、今頃上司に苦しめられてるかもしれないディルムッドを思い返した。

 

 

 

 

———そもそも、だ。

まだディルムッドが不貞を犯していない頃、オスカと同じくらい……いや、最盛期にはオスカ以上にヤンチャ(精力全開)になった時すらあったのだ。

 

そう、アレはいつの日かディルムッドがぼやいていた言葉。

 

「———臣下ながら常々思っているが、フィン・マックールは物事を深く考えすぎだ」

「えぇ……? 自分のチート技に『親指かむかむ智慧もりもり(フィンタン・フィネガス)』なんて名前向ける奴が? ダサすぎだろ、親指かむかむって……」

世界(ケルト)はもっとシンプルに考えるべきもの、と思うのだ」

「お前は脳筋すぎるんだよ。なんだ?脳味噌が筋肉にでもなったのか?」

 

———なんてやりとりも、昔したっけか。

 

まぁとにかく、不貞を犯してからはかなり萎れたものの、元はケルト系男子(脳筋バカ)のケが強いやつである。

あんな金髪オールバックで眉毛もロクにない男との相性は悪そうだなぁ、とぼんやり思うのである。

 

 

 

「オレの願いはディルムッドが幸せになってくれたら、それでいい……って事かな」

「友を想う気持ちはわからんでもないな」

 

イスカンダル———かつて得た知識を朧げながら引っ張り出すと、それはかつて大陸を蹂躙した名が出てくる。

すなわち、アレクサンドロス大王。

 

彼もまた、親友と呼べる存在がいたはずだ。

 

「余もなぁ、死ぬ間際には同じような願いを持っておったよ」

「そういえば、ライダーはすっごい仲のいい親友がいたんじゃなかったのか? えぇと、ヘファイスティオンって」

「うむ。余の、唯一無二の存在である」

 

見目麗しく、しかし武芸に秀でたイスカンダルの幼馴染であり、親友でもある男。

それが、ヘファイスティオンだ。

 

彼が亡くなった時のイスカンダルの落ち込みようは物凄く、三日三晩飲み食いもせず、衣服も変えずに泣き続けた程だという。

また、ヘファイスティオンを処置した医者に対して「薬の処方を間違えたから」と怒り任せに濡れ衣を被せて処刑をし、更にヘファイスティオンの墓を作れと命じられた建築士には「誰もが感嘆するヘファイスティオンに相応しい立派な神殿を作れば、今後どのような罪を犯しても、またこれまでにどのような罪があってもお前を許そう」とまで言っているのだ。

 

———要するに、イスカンダルはヘファイスティオンを誰よりも大切に思っていたのである。

 

そして彼が死んだその1年後に、イスカンダルも死を迎えるのだが。

 

「じゃあライダーの願いはなんなんだよ?」

「受肉である」

「…………………ふーん?」

 

なるほど、友は全く関係ないのか。

 

「受肉……受肉、ねぇ。それで何を成したいんだ?」

「おうとも、よくぞ聞いてくれた! 余はこの時代において征服を目論んでおるのだッ!」

「ほーん、夢がでけぇなぁ」

 

60年前に受肉し、何も為さずに今日までを無為に過ごしてきたオスカにとって、イスカンダルは眩しい。

……いつの時代も王族というのはワガママなのだ。

 

「そう考えると、貴様という捕虜はアリだな。よし、余がこの聖杯戦争にて受肉した暁には、貴様は捕虜から秘書へと召し上げてやろう!」

「いやだよ」

「拒否権は、ない!」

「うわー……頼むディルムッド、お前が勝ってくれ頼む。オレはホワイトカラーなんざいやだぞ」

 

イスカンダルにとって、受肉したサーヴァントは確かに使い勝手がいいのかもしれない。

だからといって事務職なんてオレには向かないだろうし、そういうのは……それこそ、イスカンダルの隣でさっきから怒っているウェイバーの方が似合いそうなものだ。セイバーの直感(C-)である。

 

きゃんきゃんと吠えるウェイバーのおでこをデコピン1つで黙らせた征服王は、満足気に笑いつつも「お前もその時は余の軍勢に迎え入れてやる」などと言っていて、それに対してウェイバーは悲鳴をあげながらも言い訳をこれでもかと並べて拒否していた。

確かに、こんな神経質そうなもやしっ子のウェイバーが征服王の元にいたら、胃に穴が開いてしまうだろう。

 

いやぁ、平和な陣営だなぁ……と、ほのぼのしていると。

 

 

 

———ぐうぅ……

 

「へ?」

「なんだぁ坊主、腹減ったのか?」

「ぼ、ボクじゃないッ!」

 

部屋に大きくなったのは腹の音。

そう、その音源は紛れもなく———

 

「スマン、オレだ。腹減った……」

 

 

 

なにせ、昨日動き回って今日の今まで飲み食いしていないのだ。

 

ならば飯を買いに行こうと征服王が言い出し、それには及ばないとオレは立ち上がる。

的確な処置もあって、身体はだいぶ楽になっているのだ。ケルトの騎士ゆえに回復力もそこそこ高いオレは、この程度の傷ならば歩いたり走ったりすることが出来る。

 

まぁ、戦闘となれば腹の傷は広がるだろうが……それは些細な問題だ。

 

「ところでオスカよ、この国は長いのであろう?」

「まぁ……50年はこの国で生きてるからな」

「では余が命ずる! うまい飯屋へと連れて行けい!」

 

目に見えて嫌そうな顔をしているウェイバーと、目をキラキラさせている征服王。

オレはヘルメットを持ちつつも———ウェイバーにこっそりと耳打ちした。

 

「……ちなみに、予算幾らだ?」

「い、1万円……です。」

「イスカンダルに酒は飲むなと言っとけよ。逆に水はタダだからな。……と、和食でオススメ、ねぇ」

 

征服王に繊細な料理は似合わないだろう。王様ならきっと食べなれているだろうが、このワガママ王が食べたがっているのは庶民の食べ物だ。

 

豪快に、この国の国民が慣れ親しんで食べるもの。そして手早く、予算が少なくても食べられるもの。

———そしてオレが今食べたいものといったら。

 

「2人とも、生魚は食えるか?」

 

 

 

定番は、回る寿司ではなかろうか。

 





・フィン・マックールは物事を深く考えすぎだ
正月イベより。あのマイペースなフィンすらドン引きしてたイケイケドンドンな時代のセイバーディルムッド。勇み足がすぎる。

・寿司
この日からオスカ紹介のご飯屋巡りが始まる。寿司、お好み焼き、など色々と連れまわす模様。そしてオスカは貧乏だが金は持っている。

オスカはいくらが好きです。だってほら、サーモンの子(孫)だし。
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