異世界に転生した双子座 -Twin Dragon Saga-   作:神鳥ガルーダ

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今回で幕間はおしまいです。


ドラゴン勢力

 イリナたちが引っ越して行って何年か経ったある年、私―――兵藤一誠は夏休みを利用して、様々な土地を渡り歩いていた。

 あれから色々あった。

 クレーリアと八重垣の2人が私の眷属である龍闘士(ドラグナー)となった事。

 その数年後、ほとぼりが冷めたので、魔王アジュカ・ベルゼブブは、クレーリアの従兄であり、レーティング・ゲームの絶対王者であるディハウザー・ベリアルと対面させてくれた。

 久しぶりに敬愛する従兄と再会し、クレーリアは泣きながら従兄に抱きつき、ディハウザー殿も彼女をしっかりと抱きしめていた。

 正臣がそれに嫉妬してぶつくさ呟いていたが、拳骨をお見舞いして黙らせたが…。

 ディハウザー殿は、私が従妹を救った事に対し、礼を尽くしてくれた。

 そして、私が何かの危急に晒されれば、可能な限り援助をすると言ってくれた。

 魔王だけでなく、レーティングゲームの王者に対しても友好関係を築けるとは予想外だったな。

 

 

 

 

 

 そして今、私は常夏の国の海岸にいた。

 

「夏だ!

 夏と言えば海!

 海と言えば海水浴!

 海水浴と言えば……水着を着た女の子たち!」

 

 たぷんと揺れる乳房。

 括れた腰囲からのぷるんと振える臀部。

 

『相棒――――――っ!!』

 

『ぶぉぉぉぉん!一誠が…一誠が…歴代最強にして最高の白龍皇・赤龍帝がぁぁぁぁ!!』

 

『何故…何故…こうなった?』

 

『やはり、あの紙芝居の親父が原因か!?』

 

「何を言うか。男が女性に興味を持つのは当然ではないか!?」

 

 そもそもドラゴンは一夫多妻で女を引き付けると言ったのはお前らだろうが。

 

『それでも限度があるわ!性欲の権化のようになりおって!!』

 

『そもそも前世のお前は神の化身のような性格だったではないか』

 

「フッ!ギリシア神話の神々は、性にはおおらかだぞ。私の仕えたアテナは処女神だが、聖闘士の恋愛を禁じてなどいなかったしな」

 

 何しろ白銀聖闘士(シルバー)の【琴座(ライラ)】などは、恋人といちゃついているのを、【烏座(クロウ)】や【銀蠅座(ムスカ)】、【ヘラクレス星座】などに見せ付けて、奴らに血涙を流させていたくらいだし。

 【聖書の神】のように色欲を大罪とは考えなかったしな。

 まあ、流石にトロイア戦争の小アイアスの行為には嫌悪しているだろうが…。

 

『アイツは恋人と過していたのであって、ここまで変態的に性欲過多になる必要はないだろうが!』

 

「ふむ。確かに自分でも必要以上に女性の乳房や臀部に拘るようになったとも思うが……私なりに自分の事を分析してみた」

 

 前世の私は15歳の頃、教皇を暗殺し13年間成り代わった。

 しかし、15歳など一般的に思春期真っ只中で女性に興味深々の頃だ。

 シャカの様に悟りを開いていたなら兎も角、神の化身などと呼ばれてはいても、あの当時の私は健康的な男であり、当然、女性に興味は抱いていた……表面には出さなかったがな。

 しかし、前聖戦の生き残りである教皇は御歳248歳。

 既に性欲など皆無だっただろう。

 当然、あの方に成りすましていた私は禁欲生活を強いられざる得なかった。

 まあ身から出た錆、自業自得なんだが…。

 現実問題として、マスクに覆われた私の素顔を見た側近達を私の悪心は悉く殺していた。

 アーレス様は仮面を付けていたが、教皇のマスクは顔が影で隠れる仕組みなので、間近では流石に素顔がバレる。

 もし、マスクをしたままでも女性とそんな事をしていれば、素顔を見られてしまい、その都度、相手を殺していれば、流石に聖域のすべての者が私に対し不信感を抱くだろう。

 それで無くても年々、教皇(わたし)はともかくアーレス様(わたし)に対する不信感が強まって来ていたから尚更だ。

 アテナが断罪しに来るまで、聖域を纏めていなければならない以上、迂闊な事は出来ない。

 結局、私は13年間、禁欲しなければならなかったわけだ。

 

「それで、あの紙芝居を見たとき、それまでの反動が一気に来て…」

 

『こうなった…と』

 

 何でも無理に押さえつけると反動が大きいんだろうな。

 前世の私の悪の人格も、カノンに示唆されるまで、私は無理に押さえつけていた。

 人間とは、誰しもが善と悪、二つの感情を持っている。

 私は聖闘士としても潔癖すぎた。

 だから、己の中の悪を認ず否定し、押さえつけた。

 だからこそ、それに反発し、制御しきれなくなったのだろう。

 

「それに今の私は神の化身といわれた黄金聖闘士【双子座(ジェミニ)】のサガではなく、兵藤一誠だ。前世の世界のアテナに対する忠誠心は損なってはいないが、あの時ほど厳格に禁欲的にならなくても良いだろう」

 

「そうにゃ~ん。ご主人様は遠慮しなくてもいいにゃん!」

 

 二天龍と話していたら、スタイル抜群の黒髪の美女が私の腕に抱きついてきた。

 彼女の名前は搭城黒歌。

 猫の妖怪【猫又】であり、その最上位種である【猫魈】の元・下僕悪魔である。

 その稀少な出自を買われ、とある上級悪魔の眷属となり、妹と暮らしていたが、主である悪魔が約束を破り、妹を利用しようとした為、主と他の眷属悪魔たちを皆殺しにしてしまった。

 自分一人ならば兎も角、妹を連れてでは追っ手に討たれてしまうだろう。

 妹を置いて一人で逃げるか……。

 そこで彼女はもう一つの選択をする。

 そもそも、妹を守る為に主を殺したのに、その妹を置いて逃げるのは本末転倒。

 残された妹は必ず、自分の代わりに罰されるだろう。

 だから黒歌は賭けに出た。

 彼女は現魔王、サーゼクス・ルシファーの下に出頭し自首し自分の身と引き換えに妹の保護を求めたのだ。

 無論、ある程度の打算がある。

 サーゼクスは情愛に篤いグレモリー家出身で、眷属悪魔を大事にする風潮がある。

 かつての主と違い、グレモリーの眷属ならば、妹に無理な事はさせまいと判断したのだ。

 そして黒歌は賭けに勝った。

 サーゼクスは黒歌の主を素行を調べ、かの悪魔が黒歌との契約を反故にしたという証拠を見つけた。

 悪魔にとって契約破りは重罪である。

 主殺しは死罪だが、情状酌量の余地があると判断した。

 故に黒歌は死罪とはならず、冥界からの永久追放処分に減刑された。

 既にアジュカの通じて私と知己を得ていたサーゼクスは追放処分とした黒歌を私に託した。

 黒歌の妹も、保護の名目で私に預けられた

 成る程、アジュカから聞いた通り、この魔王は随分と心優しいようだ。

 無論、有事の際には非情になりきれるのだろうが…。

 私は彼の要望を受け、黒歌を引き取り、本人の希望もあって、彼女を龍闘士とした。

 それ以来彼女は私を「ご主人様」と呼び、こうやってその魅惑的な姿態を用い、過剰なまでのスキンシップを取るようになった。

 彼女のダイナマイトボディはとてつもなく、周りの男共の視線が釘付けで、彼女に抱きつかれている私に敵意をむき出しにしている。

 

「わたしはご主人様の子供が欲しいにゃん。だから子作りしよ」

 

『この猫も原因の一つだろうな』

 

「姉様!先輩から離れて下さい!!」

 

 何故か嘆く二天龍を宥めると横から黒歌を引き離そうとするもう一人の猫魈。

 彼女の名前は搭城白音。

 先ほど話した黒歌の妹である。

 身長は低く幼い顔立ちだが、そのボディは負けず劣らずである。

 最初は私に対し警戒していたが、すぐに懐いてくれたが、私がエロい事を考えたりすると、的確にツッコミを入れてくるエスパー並に勘が鋭い娘である。

 最も常に私の膝に座りたがり、その自慢の美尻の感触を私に味合わせる事には何の躊躇もしていないが……。

 来年には私の通う駒王学園に入学する予定だ。

 ちなみに黒歌は入学していない。

 理由の一つとして冥界を永久追放されている為、冥界に関係する駒王学園の入学は流石に認められなかったというのもあるが、そもそも本人が学校生活に興味がなかった。

 

「まあまあドライグにアルビオン。イッセー君はこうでないと駄目ですわ」

 

 そう言って背後から私の背中に豊満な胸を押し付けてくる姫島朱乃。

 私と同じ駒王学園高等部に通う一歳年上の2年生であり、和風美少女でその容姿と抜群のスタイルから駒王学園が誇る「二大お姉さま」の片割れだ。

 古来より日本を魑魅魍魎の類から守護してきた異能集団「五大宗家」の一門「姫島家」出身である。

 純粋な人間ではなく、堕天使との混血児(ハーフ)であり、その血故に一族から抹殺されかけていた所、偶然通りかかった私が助け、保護した女性だ。

 無論、一般人の血族である私が何を言おうと姫島家がそれを聞く道理などなかったが、教皇の仲介で事を納めた。

 日本の鍛冶師の総元締めともいえる天国家は、霊剣などを鍛つ事が出来る鍛冶師などを抱えており、五大宗家にも影響力がある。

 由緒正しい霊剣などの類はある程度の手入れは自分たちで出来るが、本格的なメンテナンスはやはり専門の鍛冶師などが行わなければならず、それらを仕切る天国家は姫島といえど無視できない。

 その結果、彼女は天国家預かりとなり教皇が後見人となった。

 その生い立ち故に朱乃は男性不信の傾向があるが、命の恩人である私と教皇に対してはその限りではなく、特に直接助けた私に対しては好意をもって接して来ている。

 

「おい。せっかくの海なんたぜ。女の乳や尻ばかり見てないで、泳ごうぜイッセー!」

 

 この見た目は普通の青年の名は美猴。

 その正体は猿の妖怪であり、西遊記で有名な斉天大聖・孫悟空の子孫という話だ。

 最も他の孫悟空の血脈は大人しいのだが、この美猴はかつて暴れ者だったという初代に似て、戦闘狂の気がある。

 旅の最中、天龍の資質なのか厄介事によく巻き込まれる私と共にいれば色々な強敵と戦える事を期待し、龍闘士になった。

 

『ところで相棒。話は変わるがやはり今回も俺ではなく、アルビオンの力のみを使うのか?』

 

 そう、ドライグの言うとおり、夏休みを利用して世界を周る時に使うのは【白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)】であり、【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】は一切使っていなかった。

 ただでさえ二天龍は、各神話勢力から警戒されているのに、その二天龍が一人の人間に宿っているというのを悟られるのは不味い。

 力を付ける前に始末する……などという選択をされれば、只でさえ色々と厄介事に巻き込まれるのに、無用の争いは避けるに越した事はないのだ。

 故にアジュカやサーゼクスの前では【赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)】を使い、それ以外では【白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)】を使うようにしている。

 

「そっちも結構、面白そうなんだけどな」

 

「そんな事を言って、闘戦勝仏殿が敵対してきたらどうする?」

 

「ゲッ…流石にあのクソジジィを敵に回すのは勘弁だな。イッセーやアルパはともかく、俺ッチでは勝ち目はねぇからな」

 

 美猴の言ったアルパというのは、龍闘士の中でも私を除けば最強を誇り、神器無しの私に匹敵する実力者である。

 彼もまた、私と同じ境遇……つまり前世が聖闘士である転生者で、先ほども話に出た白銀聖闘士【琴座】のオルフェである。

 ただ私と違うのは、生まれた時から前世の記憶をもっていた訳ではなく、ある理由で仲間もろとも殺されそうになり、その死の淵の寸前で前世の記憶を取り戻し、一命を取り留めたのだ。

 他の聖闘士の転生者はほとんど教皇に保護されているが、彼のみ私に付き従い龍闘士となり、私の留守の間、龍界にいる他の龍闘士を束ねてくれている。

 今この場にはおらず、龍闘士にもなっていないが、教皇に保護されず自由にしている転生者もいる。

 私の友人である松田源と元浜敦である。

 松田は【蟹座(キャンサー)】のデスマスク、元浜は【魚座(ピスケス)】のアフロディーテである。

 二人とも私同様、前世では考えられないほどの女好きになっており、女性に囲まれる私を羨んでいるが、本心ではない。

 松田(デスマスク)の好みは前世においてアスガルドで知り合ったという女性のような純朴な少女である。

 元浜(アフロディーテ)は前世では女性よりも遥に上回る美貌の持ち主だった故、女性にまったく興味がなく【蜥蜴座(リザド)】ほどではないにしろナルシストだったが、平凡な顔に転生し、ようやく女性の美しさに目覚め、その反動で私同様のスケベになったが、どちらかと言えばロリータ趣味の様だ。

 

 

 

 

 

 夜になると駒王町の家に転移して戻るので、両親は私が外で遊んでいるだけと思っているだろうが、ここ数年間、夏休みの間は世界の様々なところに赴いていた。

 白龍皇として【禁手(バランスブレイカー)】状態で様々な者と出会った。

 堕天使の組織【神の子を見張る者(グリゴリ)】の幹部コカビエル。

 『神滅具(ロンギヌス)』の一つ【黒刃の狗神(ケイネス・リュカオン)】と【永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)】の所有者。

 ちなみに【黒刃の狗神(ケイネス・リュカオン)】の所持者は朱乃の血縁者らしい。

 

「そういやぁ、お前さんの弟子のあの悪魔君はどうしてんだ?」

 

「さあな。鍛えはしたがその後の動向は知らんよ」

 

 そう、実は私はそれぞれ人間と悪魔の弟子が一人ずついる。

 その2人は聖闘士の転生者ではないにも関わらず、何故かこの世界には概念がない小宇宙をドラゴンメダルを宿さずとも扱えるという稀有な存在だ。

 サイエスの推測では、【聖書の神】の死により世界のバランスが崩れ、私たち異世界からの転生者が現れた事により、その概念が発生したのではないか…との事だ。

 人間の方の弟子は教会所属の悪魔祓い(エクソシスト)神器所有者(セイクリッド・ギア・ホルダー)である。

 悪魔の方の弟子は、悪魔としての才能に乏しく、素性は私も知らない。

 ただ、悪魔とは思えないほど純粋な瞳をしており、ただ己を高めようと必死な奴だった。

 ちなみに2人とも私より年上である。

 

 

 

 

 

 

 そして、六大龍王の一角である【魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)】タンニーンとの出会いも印象深い。

 六大龍王も【黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)】ヴリトラは、ドライグとアルビオンの様に滅ぼされ、神器(セイクリッド・ギア)に魂を封じられたが、他の5匹は健在である。

 最も【黄金龍君(ギカンディス・ドラゴン)】ファーブニルは一度、英雄シグルドに滅ぼされているが、後に北欧の神々の力によって復活したという経緯があり、【西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)玉龍(ウーロン)は六大龍王の中で一番若いが、さっさと引退を決め込んだとの事だし、【終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)】ミドガルズオルムは北欧神話における終末【神々の黄昏(ラグナロク)】が来るまで深海で眠り続けているという怠け者で、現役なのはタンニーンと龍王最強といわれる【天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)】ティアマットの二体のみ。

 彼との出会いは、人間界に隠れ住むドラゴンたちを保護していた時だった。

 東洋では龍は神聖な霊獣として崇められるが、西洋では邪悪な生物として討伐の対象である。

 特に【聖書の神】には忌み嫌われ、悪魔同様の扱いを受けている。

 その原因は、聖書に記されたアダムとイヴを誑かした「エデンの蛇」堕天使ドラゴン(サマエル)によるモノだ。

 正直な話、サマエル一匹のせいで、その他の蛇やドラゴンすべてに対し悪意を抱くなど、とんだとばっちりだと思う。

 東洋のドラゴン達は神聖な存在なので、崑崙や須弥山の様なそれぞれの神話勢力の地に住んでいるので、問題は無いが、西洋系のドラゴン達は教会から敵視されているので、冥界に住む魔龍一族や力あるドラゴン以外は、教会との軋轢を避けるべく隠れ住んでいるのが現状だ。

 そうなると問題となってくるのが食料だ。

 タンニーンが悩んでいたのは、ドラゴンアップルと呼ばれる林檎のみを食べるドラゴン種族の事である。

 ドラゴンアップルとは、すべてのドラゴン種族にとって万能栄養食品ともいえる林檎である。

 普通の林檎も食物繊維やビタミンC、ミネラル、カリウムなどが豊富で栄養価が高く「一日一個の林檎は医者を遠ざける(An apple a day keeps the doctor away.)」という諺がある。

 普段は肉食のドラゴンや蛇も、ドラゴンアップルだけは別であり、これさえあれば、無理に肉を食べる必要は無い。

 しかし、問題はそのドラゴンアップルが生る場所が非常に少ないという点である。

 昔と違い今、ドラゴンアップルが生る場所は冥界にしか無い。

 人間界にあったドラゴンアップルは、環境の変化で絶滅してしまったらしい。

 しかし、ドラゴンの為の果実である。

 当然の事ながら『龍界』には、ドラゴンアップルが生っている。

 タンニーンが彼らを保護する前に、かつて人間界で発明された事を学びに来ていたサイエスに出会い、大量のドラゴンアップルが寄付されたらしいがそれも尽きかけていたおり、故に『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』によって転生悪魔となり、その場所を領地として得ようと考えていたらしい。

 しかし先ほども言ったがドラゴンアップルは龍界にもある。

 それこそ、冥界とは比べ物にならないくらい…。

 私はタンニーンに龍界に移住するよう持ちかけた。

 聖書に記されたドラゴンであるタンニーンだが、私から見れば彼はまさに『龍王』の名に相応しい。

 龍王の座を捨て、転生悪魔になり滅び行くドラゴン種族を救おうとする気概は敬意に値する。

 タンニーンも移住を承知した。

 まあ、『龍界』はドラゴンにとって最高の環境だから、断る理由もないだろうがな。

 ちなみに、私が赤龍帝であり白龍皇であると知った時のタンニーンはあっけにとられていたな。

 

「永年争ってきたお前らが和解し、宿主を共有するとは……まさか予想もしなかったぞドライグ、アルビオン」

 

『お前から見ればそうだろうな』

 

『むしろ、私達すらこうなるとは思いもしなかったからな』

 

「…しかもオーフィスがここまで懐くとは……何を考えているか解らん奴と思っていたが、強いが故に、孤独であったが故に、永く生きているにも関わらず何も知らなかっただけ……とは…俺も反省せねばならんな。俺はコイツを理解しよう等とは考えなかったからな」

 

「我、イッセーと一緒にいる」

 

『懐かれているというより、憑かれているというレベルだがな』

 

 ちなみに私はサイエスに「何故、昔ドラゴンアップルを渡した時に龍界に移住させなかったのだ?」と尋ねたのだが、彼の返答は「考えもしなかった」…だそうだ。

 ドラゴンアップルを何百年も腐らずにする技術を披露する事ばかり考えており、そこらへんは考えもしなかったらしい。

 

『相変わらず研究以外に気が回らない奴だな』

 

 サイエスの答えにドライグも呆れていた。

 

 ★☆★

 

 この様に私達は、もはや『龍界』を拠点とする一大新興勢力と言っても良いくらいだ。

 オーフィスは我々にとって、あらゆる悪意から守護する対象であるので、いわば日本の天皇と同じ、象徴という役割である。

 私がこの龍界を統べる【龍皇帝(ドラゴン・ロード)】という役割を担う事になった。

 私は普段は駒王町に住んでおり、常に龍界に居るわけではないし、あそこは、もともと古代龍(エンシェント・ドラゴン)の世界なので、サイエスが担うべきなのだが、自分は技術者であり、トップに立つ器ではないと固辞され、私が皆を集めたのだからと、全員一致で可決してしまった。

 その私の代わりに内政を担当するのが、最初の龍闘士であり、龍界から出る事が出来ないクレーリアと正臣。

 軍として龍闘士を統べるのがアルバ、ドラゴン達を統べるのがタンニーンとなった。

 この私率いるドラゴン勢力が、後に三大勢力と密接な関わりを持つ事になろうとは、当時の私も予測は出来なかった。

 




松田、元浜の下の名前は適当です。
原作で明らかにされればそちらに変更する予定です。

一誠がスケベな理由を自己分析していましたが、本当の理由は融合転生した事です。
原作一誠のスケベは尋常ではないので、すっかりと侵蝕されたというのか真相です。
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