異世界に転生した双子座 -Twin Dragon Saga-   作:神鳥ガルーダ

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連続投稿です。
こちらは赤龍聖帝物語とまったく同じです。


駒王学園喫茶部

 私―――兵藤一誠は、朱乃と白音と共に朝早くに登校した。

 駒王学園の校門の開く時間はAM7:00からだが、私たちは特別に裏の勝手口からAM6:00前には入る事が出来る。

 既に部活の顧問が出勤しており、勝手口を開けてもらっており、私達は部室へと向かった。

 

 駒王学園喫茶部。

 

 将来の予行練習として、入学して早々に私が立ち上げた部である。

 申請当初は当然、難色を示されたが、食品衛生責任者資格を持った1人の教諭が自分が責任を取ると言ってくれて、部活の顧問に立候補してくれたお陰で立ち上げる事が出来た。

 購買でチケットを購入し一枚に付き珈琲、紅茶一杯と引き換えるというシステムである。

 勿論、飲み物だけでなく、菓子パンやドーナッツ、スコーンなどのあても付けている。

 あくまで部活動なので営利目的では無いため、チケットの代金はせいぜい材料の原価額なので、かなり安く、部活の維持は他の部同様、生徒会から支給される部費で賄っている。

 最初は、部活立ち上げに必要な部員数確保の為に、中学時代から友人2人である松田と元浜の名義だけを借り、先に学園に入学していた朱乃に入部してもらった。

 最初の頃は、珈琲の味よりも朱乃と話す事が目当ての奴らばかりだったが、朱乃が何人かの珈琲や紅茶好きの連中を紹介してくれたお陰で、今ではかなりの利用者が出来ている。

 今年になって、白音ともう1人の部員が入り、現在部員数は(幽霊部員を入れて)6名となっている。

 

 

 

 

 

 さて、私たちがこんなに朝早くに部活に来たのは、喫茶らしくモーニングタイムの為であった。

 時間は開門時間AM7:00から朝のホームルームの30分前であるAM8:15まで…。

 朝食は一日の活力であるが、その朝食を抜く者が多い。

 私の前世の故郷であるギリシアも聖域(サンクチュアリ)を除けば、成長期の子供以外は、朝食を珈琲だけで済ます者も多い。

 しかし、人によっては起き抜けはどうしても食欲が湧かない者もいるが、しばらくすると空腹になる。

 そういう者たちは登校途中にコンビニか購買部でパンを買って食べるのだが、もうひとつの選択肢が、我が喫茶部でモーニングを食べる事だ。

 心苦しいのは喫茶『店』ではなく、あくまで部活であり、時間も少ないので先着順になってしまう事だが…。

 モーニングはトーストと朱乃の作るハムエッグと少量のサラダを添えたモノを出している。

 私が珈琲を作り、白音がウェイトレスとして配膳する。

 準備を終え、朝の部活を開始し、ちらほらと生徒たちがモーニングを食べに来た。

 先ほど述べた様に起き抜けに食欲が無く、登校してから空腹になり、食べに来た者や、電車に乗って登校してきた遠方から来た生徒。

 この町で寮や下宿屋、アパートなどを借りて1人暮らしをしている生徒などが利用してくる。

 コンビニや購買ではなく、我が喫茶部に来る客層は主に、簡単なモノとはいえ学園で指折りの美少女である朱乃の作る手料理を食べたい、学園のマスコットとも言える白音目当て、そして、私の珈琲を気に入ってくれている者だ。

 モーニングは先着順だが、珈琲と紅茶だけは時間一杯までは大丈夫なので、珈琲のみ飲みに来た者もそれなりにいる。

 

 

 

 

 

 8:00を過ぎ、そろそろ客が少なくなってきた頃、1人の男子生徒が入ってきた。

 彼の名前は木場祐斗。

 私と同級で学年次席、多くの女生徒から『木場きゅん』と呼ばれる駒王学園のプリンスと言われるイケメンだ。

 しかし、その正体は人間ではなく悪魔であり、リアス・グレモリーの眷属だ。

 

「注文は?」

 

「いつもの…」

 

 コーヒーチケットを受け取り、彼の為に珈琲を入れる。

 この男が来るのは珍しくないが、今回は別件だろうな。

 

「兵藤一誠君。君に頼みがあるんだ」

 

 やはり…な。

 私は彼の言葉に耳を傾けた。

 

 ★☆★

 

 私―――リアス・グレモリーは今、私が部長を務める『オカルト研究部』の部室で人を待っていた。

 本来、冥界の悪魔学校に通わなくてはならない上級悪魔の私は特待生枠でこの駒王学園に留学する代わりに、単位を取得しなければ本国に強制送還されてしまう。

 その単位取得の手段としてこの『オカルト研究部』を使っている。

 それはさておき、私の待ち人は喫茶部部長の兵藤一誠君だ。

 朝、いつも喫茶部で珈琲を飲んでいる私の眷属である祐斗に頼んで、彼にこの部室に来てもらう様頼んでもらった。

 喫茶部は放課後は店を開くだけじゃなく、デリバリーサービスも行っている。

 文化部や委員会などが会議(ミーティング)などを開く時に重宝している。

 普段は彼と朱乃や以外の部員である塔城さんともう1人の男子が配達係をやっているけど、兵藤君に来てもらう様、指名してもらったわ。

 最も任意であって強制ではないから、彼がその気にならなくては無理だけど…。

 

 

 

 

 

 昨日、兵藤君を逃がしてしまった後、私はまだその場にいた。

 …兵藤一誠君。

 実は私は彼の事が気になっていた。

 友人である朱乃が所属する喫茶部の部長。

 私はお父様とお兄様、そして従兄弟以外は誰も彼も男は同じに見えて、興味がなかった。

 私の眷属に祐斗を始めとする男たちも弟みたいには思っているけど、異性としては見ていない…少なくとも1人は弟と言うより妹みたいだけど…。

 でも、朱乃が自慢するお茶を飲みに喫茶部に出向いて兵藤君に会った時、今までの男とは違って見えた。

 兵藤君の珈琲は絶品で一度飲めば、普通の缶コーヒーなど味気がなくなると、クラスの珈琲好きの人たちは評価していた。

 一度試しに飲んでみたが、確かに紅茶党の私ですら美味しいと感じた一品だった。

 でも、私が推すのはミルクティーの方だ。

 紅茶の方も美味しく、ストレートは我がグレモリー家のメイド長の入れる紅茶と遜色ない味だったが、ミルクティーを飲んだ時はとてつもない衝撃を受けた。

 ストレートは同等なのに、ミルクとなるとウチのメイド長の入れるそれとの差は歴然。

 通常のミルクティーだけでなく、ティーラテ、チャイ、シチュードティー(日本でいうロイヤルミルクティー)なども絶品だった。

 普段は私の女王(クイーン)の入れる紅茶を飲んでいるけど、たまにミルクティーが飲みたくなると、喫茶部に赴いていた。

 そんなこんなで気に入っていた兵藤君が、まさか私たち悪魔や堕天使の存在を知っていて、しかも堕天使に幻影を見せ欺けるほどの能力を有していたなんて…。

 まあ今思えば、朱乃の知り合いなんだから、知っていてもおかしくはないけど…。

 つまり、堕天使とのハーフである朱乃と、猫又である塔城さんに口止めさせていたとしても、彼は上級悪魔である私に神器所持者で異能者であるという事を気付かせなかった。

 それだけでもかなりの実力者と言えよう。

 だから、私は彼を眷属に勧誘しようと考えた。

 彼が眷属になれば、これからは何時でもあのミルクティーが飲めるだけでなく、彼に対する自分の中に芽生えた何かを確める事も出来る。

 さらに上手くいけば以前、眷属に勧誘して断られた朱乃と塔城さんも引き入れる事が出来るかも知れない。

 でも、そんな私の思惑は家に帰ってすぐに御破算となってしまった。

 待っていたのは魔王ベルゼブブ様からの命令書。

 

 兵藤一誠に対する眷属勧誘及び強制を一切禁ずる。違えれば冥界政府に対する反逆行為として罰するモノとする。

 

 という内容で、しかもルシファー様との連名だった。

 

 

「姫。喫茶部のデリバリーが来ました…。姫の望んだとおり、兵藤君が来ています」

 

 彼女の名前は柳生蘭子。

 駒王学園武道指南役兼、我がオカルト研究部副部長にして私の誇るべき女王(クィーン)だ。

 

「わかったわ。部室にお通しして…蘭子」

 

「かしこまりました」

 

 さて、魔王様方の命令で彼を眷属に勧誘する事は出来ないけど、彼が私の招待に応じてくれたお陰で任意で事情を聞く事は出来る。

 この彼との対談が、私の運命を変える事になるとは予想だにしなかった。




グレモリー眷属交代キャラ設定①

柳生蘭子 やぎゅうらんこ

登場作品:風魔の小次郎

 グレモリー眷属の女王(クィーン)
 普段不在の理事長に代わり駒王学園を運営する家である柳生家の令嬢。
 リアスが駒王学園に入学する数年前に顔を合わせ、意気投合しそのまま彼女の眷属となった。
 オカルト研究部の副部長を勤める傍ら、駒王学園の武道系クラブを纏めてる立場でもある。
 容姿的には二大お姉さまと呼ばれるリアスと朱乃に匹敵する美人だが、武道指南役としての立場ゆえに女子からは慕われているが、男子からは恐れられている為、三大お姉さまとは呼ばれていない。
 主であるリアスから絶大な信頼を受けているが、彼女の我儘に対して押さえ込んでいる。
 彼女と母、義姉の三方位からの説教はリアスにとって、トラウマになっている。
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