後の世に伝わったこの一節があまりにも有名なため、彼は後世で『最古のゼル伝ガチ勢』として認識されています(事実)。
最古の記述
『彼』は、何故に勇者なのだろうか。
何をもって人々は『彼』を勇者と呼び、『彼』は勇者と成ったのだろうか。
退魔の聖剣に認められたただ一人の主だったから?
あらゆる武器を使いこなす達人だったから?
百発百中の弓の名手だったから?
困難な旅路を力強く駆け抜ける愛馬が共にいたから?
時には宵闇に紛れてでも果たすべき役目を果たしきったから?
不思議な道具や力を駆使してあらゆる苦境を乗り越えたから?
たった一人で魔物の群れに立ち向かう無謀にも怯まない戦士だったから?
その全てが正しく、そしてその全てが間違いである。
『彼』は立ち上がった。
『彼』は歩み出した。
『彼』は諦めなかった。
『彼』は戦った。
そして『彼』は証明した。
絶望の果てに掴める希望があることを、自らが『勇気』の体現となって。
もはや事細かに語るまでもない…『勇者』という言葉が、『勇気ある者』を意味するならば。
それを『彼』を意味するために用いることに、何の疑問が、何の躊躇いがあろうか。
これより続く長い人の歴史の中で、特出した戦士や英雄が現れ、名を上げることも時にはあるだろう。
それの予想はもはや確信ではあるが、それでも私の心を揺るがすには至らない。
誰が現れ、何を為そうと、真の『勇者』はただ一人。
至高の王たる私の心を、空の高さに夢を馳せる少年の如く昂らせた『彼』なのだと。
一時ながら玉座を下り、唯一の友のみに許した私室で、今この時だけただの『私』となることを私自身に許して。
友と二人で笑い合いながら、既に感触を手が覚えてしまった表紙に触れ、彼の者の活躍に胸が昂る夜を過ごす度に思うのだ。
『ギルガメッシュ叙事詩』より抜粋
古代ウルクの王ギルガメッシュが『ゼルダの伝説』を愛読していたこと、かの伝説が当時既に存在していたことを証明する貴重な一節である。
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ゲートオブバビロン開く→ゼルダの伝説・原本(持ち主曰くエアに並ぶ至宝、世界的・歴史的・文化的にも超ド級のお宝)登場
「サイン下さい!!」
「ぎやあああああ何でそれ残ってんのおおおおおっ!!?」
「リンクさんのおばあ様が、リンクさんが時の神殿に封印された後に発見され、王家に献上されたと伝説に残っておりますが…」
「ばあちゃああああああああんっ!!!」
「お願いしますそれ返してください、さもなければ燃やしてください跡形もなく!!」
「何を言うか、これは我の至宝! いくら勇者に伏して頼まれたとてこればかりは断じて聞けぬ!」
「割り込んじゃって悪いけど、それに関しては僕も全力で止めさせてもらうよ。
確かにその本は、リンク君にとってはただの記録に過ぎないのかもしれない…だけど現状、君が残した君の伝説は今や人の歩みと歴史に無くてはならないものなんだ。
……㊙ノートが知らないうちに全世界流通していたショックは計り知れないけれど、勇者としてどうか堪えてほしい」
「半分死んだ慈愛の眼差し向けんじゃねえ、ドクターのアホーーーーーっ!!!」