成り代わりリンクのGrandOrder   作:文月葉月

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 シリーズ全体と個々のゲームにおいてのネタバレありです、ご注意下さい。


資料&ネタ語り
歴代のゼル伝シリーズをプレイした纏め


 

 代々の勇者達に関してを、私的に抱いたイメージや解釈も交えながら纏めてみました。

 二つ名に関しては、『時』や『風』など公式のもの以外に個人的につけたものもありますので、その辺りはご了承ください。

 加えて、リンク達の能力を、サーヴァントとしてのクラスに振り分けるとどんな感じになるのかを考えてみました。

 リンク達は皆、基本的な7つのクラス全てに適性を持っていますが、そのリンクが独自に持っている能力なんかも数多くありますので。

 『彼の場合は特にこのクラスが合っている』というのも、後ほど書いていきます。

 

 

セイバー

 リンクの標準武器は剣なので、基本的に全員が当て嵌まるクラスです。

 中でも特に適している者を選ぶとすれば、剣の製造に関わった者、特殊な剣を得た者といった付加要素によると思います。

 

アーチャー

 リンクの弓使いとしての側面を抽出するのならば、肝心なのはやはり『光の弓矢』の存在です。

 トライフォースの黄金の力を込めて放つ矢で、その威力は反則級。

 あらゆる闇の力を打ち消し、まともに当たればラスボスをスタンさせ、雑魚敵なら一瞬で消滅します。

 

ランサー

 水中での移動や戦闘を可能、もしくは容易にする、道具や能力の所持。

 水という領域において深く関わるゾーラ族が、基本的に使用する武器が槍なのと、猛スピードで泳ぎながらの回転アタックや水面ジャンプが突攻撃っぽいので。

 

ライダー

 エポナを始めとした騎獣だけでなく、船や機関車なんて例もあります。

 更に、何かに『乗る』だけでなく、クローショットやパラセールなどの『アイテムを使用した移動』に関してもこちらに加えます。

 

キャスター

 特殊な効果を発揮するアイテム、能力、魔法の杖、楽器の所持。

 ゼル伝のゲーム内においては、敵を倒すためと言うよりも謎を解いて先に進むための力というイメージが強いのですが、Fateの視点と世界観から見てみると、彼が物理に特化した戦士であると同時に魔術師としても大変な使い手であることがわかります。

 

アサシン

 隠密や潜入の実績、更にはそれを手助けする能力やアイテムの所持。

 そもそもの話として、強大な魔王とそれに従う無数の魔物を相手に一人で立ち向かい、目当てのものを手に入れる為に敵と仕掛けの巣窟であるダンジョンに単身乗り込むというゲームシステムそのものが、完全にアサシンのそれですから。

 ブーメランやカギ爪ロープなどの、魔力ではなく技術で使うちょっと特殊な搦め手タイプのアイテムも、このクラスに対応するものとします。

 

バーサーカー

 理屈で考えて作戦を立てるのではなく、膨大な戦闘経験の中で得てきた技術と勘を無意識レベルでフル活用しながら暴れまくるという、完全戦闘モードへの移行をイメージしています。

 『誰か』が『特別』に持っている要素という訳ではないので、特別に書き出してはいません。

 

エクストラクラス

 基本の7つのクラスには収められないような、特別な能力や実績があって、更にそれが何かしらのエクストラクラスに当て嵌まるようなものの場合は、それに関しても書いておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大空の勇者

 

出典:スカイウォードソード 

機種:Wii・WiiU・NSW

特化クラス:セイバー・ライダー

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:とある店で店主自慢のシャンデリアを盛大にぶっ壊し、弁償代わりに働くことになった際に、届け物のスープを手前でうっかり飲み干してしまい、大急ぎで再往復する羽目になった(二杯目のスープ代はもちろん自腹。…ちなみにこれ、私自身が実際にやってしまった失敗です。シャンデリアの方はアイテムとイベントを回収するための仕様でしたが、スープに関してはボタンを押し間違えました)。

 

 

 『終焉の者』との戦いから自身の民を逃がすため、女神ハイリアによって浮かべられた空の大地『スカイロフト』にある騎士学校の生徒。

 不自然な竜巻に巻き込まれ、目の前で遥か雲海へと落ちていったゼルダを捜すべく、お伽噺の存在とされていた『大地』へと剣の精霊ファイと共に旅立つ。

 後の世で、選ばれた勇者のみがその手に出来るとされる神剣『マスターソード』をその手で鍛え上げ、その魂で以って永遠に神剣の主となった『初代』勇者。

 前触れなく渡された楽器を程なく弾きこなし、新しい曲をただ一度聞いただけで覚えてしまうという規格外な音楽のセンスは、この頃から持ち得ていたらしい。

 

 騎士学校では寮住まい、寝坊癖のある彼を起こしに来るのが幼馴染なゼルダの日課で、それが同窓の男子生徒達からの妬みを買っている。

 その筆頭が『バド』という名の同級生で、ゼルダにいいところを見せたい、好きな子と仲のいい男が気に食わないという気持ちが盛大に空回りし、リンクに対して卑怯な苛めっ子そのものな振る舞いをして、当のゼルダからは嫌われてしまっていたのだけれど。

 行方不明になったゼルダの手掛かりを知っているらしいリンクに、強引についていって共に降りた大地で、『勇者』として強大な敵と戦う彼の姿を目の当たりにしたことをきっかけに、リンクは凄い奴なんだということを素直に認め、その上で自分に出来る精一杯のことで彼を助け、困難を前に『お前なら出来る』と激励してくれる、リンクの孤独な戦いを支える存在になってくれた。

 

 スカイロフトの民は、『ロフトバード』という人が騎乗出来るほどの巨大な鳥と、一人につき一羽の生涯に渡る絆を結ぶ。

 これは何か儀式が必要だとか、試練を越えて探しに行くとかではなく、その時が来ると運命の鳥が目の前に現れるというもので。

 幼い頃のリンクが相棒としたのが、とうに絶滅した筈の紅いロフトバードだったことが、当時随分と周りを驚かせたとか。

 このロフトバードこそが、『聖三角』と『翼』で構成されるハイラル王国の紋章の、『翼』にあたる存在になる。

 

 いずれ現れる勇者の旅路を手助けするために、女神ハイリアによって造られた神剣の精霊ファイ。

 目の前に現れたものや現状を分析し、それに基づいた助言を行なったり、目的のものの特徴を覚えて本体(神剣)の剣先でそれを追える『ダウジング』の能力によって、勇者の旅路をサポートする。

 リンクのことを『マスター』と呼び、『〇〇の確率〇〇%』といった感じのコンピュータじみた口調や思考回路を備えていた彼女は、ただの果たすべき務めだった筈の旅路の中で、掛け替えのない想いを得る。

 

 『ありがとう、マイマスターリンク。いつかまた、あなたの魂と共に……』

 

 リンク(マスター)の剣(ソード)……それは与えられたものではなく、彼女自身が誇りと歓びをもって名乗ったものなのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創剣の勇者

 

出典:ふしぎのぼうし 

機種:GBA・WiiU

特化クラス:セイバー・アサシン

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:ピッコル族と同じ大きさになった姿での冒険が面白すぎて、溢れてやまない好奇心と探求心を子供らしからぬ身体能力で満たしまくり、出会い当初こそ我が儘で横暴だったエゼロを正当なストッパー役に昇華させた(あまり効いていなかったけれど)。

 

 

 大地に降りて新たな生活を始めたスカイロフトの民、その子孫達によって建国された、ハイラル王国一の鍛冶屋の孫。

 王国には『ピッコル族』という、親指ほどの小さな体を持ち、かつて勇者に聖剣を授けた不思議な妖精の伝説が伝わっていて、年に一度のピッコル祭りは毎年賑やかに行なわれていた。

 100年に一度の、ピッコルの世界と繋がるという特別な周期に重なったその年の祭りは特に盛大で、リンクも幼馴染のゼルダ姫と共に楽しんでいたのだけれど。

 その喧騒の中に紛れ込んだ謎の男『グフー』によって、かつてピッコル族から授けられて無数の魔物を封印する鍵となっていた聖剣が破壊され、ゼルダ姫は石化の呪いをかけられてしまった。

 

 封印から解き放たれてハイラル中に蔓延る魔物達の脅威と、娘の身を蝕む呪いの両方に対抗するために、ハイラル王はピッコル族の助けを求めることを決めた。

 グフーに折られてしまった聖剣、『ピッコルの剣』。

 それを蘇らせることが出来れば、魔物を再び封印し、ゼルダの呪いも解くことが出来る筈。

 しかし、ピッコル族は不思議な種族で、その姿は子供にしか見つけることが出来ない。

 祖父の推薦に頷き、王の要請を受け入れた幼い勇者の、ハイラル王国とゼルダ姫を救うための冒険が始まった。

 

 ピッコル族が住むという森に向かったリンクはその道中で、自らの意思で動いて喋る不思議な帽子『エゼロ』と出会う。

 後に明らかになる彼の正体は、力を求める欲望に憑りつかれた弟子のグフーによって呪いをかけられた、ピッコル族の賢者だった。

 弟子の暴挙を食い止めようと何とかここまで来たものの、帽子の身で動くのは流石に辛く、目的を同じくするリンクの頭上に収まったエゼロ。

 彼の力を借りて小人化し、森や山だけでなく人の町でも密かに暮らしていた、ピッコル族達の助力や導きを得ながら乗り越えていく冒険の先で。

 リンクは、『ピッコルの剣』を越える新たな剣を……最大で三体の、所有者の能力をそっくりそのまま写した分身を作り、力を込めて振ればあらゆる呪いを解くことが出来る聖剣『フォーソード』を完成させ、その最初の担い手として、力に呑まれた末路の姿『魔神グフー』を打ち倒すこととなる。

 

 この作品で個人的に最も魅力的だったのは小さくなった視点で見る世界、特に人間の町で密かに、実際はかなり大胆に間借りしながら暮らしている、ピッコル達の暮らしっぷりでした。

 思い出したのは、『借り暮らしのアリエッティ』ですね。

 梁の上とか壁の隙間とかのちょっとしたスペースで、人間からこっそり頂戴するだけじゃない、ピッコル達自身の高度な文化の存在を窺わせる描写が冒険していて凄く面白かったです。

 

 この次のタイミングで、復活した魔神グフーを相手にフォーソードを携えて戦う『四つの剣』があるのですが、現状では手に入らなくて未プレイなので省略します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の勇者

 

出典:時のオカリナ・ムジュラの仮面  

機種:N64・3DS・NSW

特化クラス:セイバー・キャスター・アルターエゴ

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:森育ちの上に子供だったため、適度に負けてもらわないと商売にならないのだということを分からずに、賞品や賞金が出るゲームや競技で情け容赦なく荒らしまわり、『緑の悪魔』呼ばわりで悉く出禁にさせられた。

 

 

 迷いの森の奥深くに住む、いつまでも子供の姿のままという不思議な性質を持ったコキリ族の、誰もが持つ筈の相棒の妖精がいつまで経っても現れないことで、仲間達からも変わり者とされていた少年。

 本人も知らなかったその正体は、戦火を避けて森に逃げ込んだ女性の、我が子を最期まで守ろうとしていた姿に心を打たれたのと、その子自身が大変な運命を担っていることに気づいたコキリ族の守り神『デクの木』によって、森の民を装いながら育てられたハイリア人だった。

 悪しき力によって命を蝕まれていたデクの木から、今わの際の言葉としてそれを告げられたリンクは、彼の言葉通りに自身の運命と向き合うべく旅に出る。

 

 時の勇者は、『ゼルダの伝説』という物語全体における重要な転換期となる存在です。

 彼が時を越える冒険を行ない、幾つもの可能性を残したことで、後の世界線が分岐しました。

 『力の魔王』は『知恵の姫』を捕らえ、『知恵の姫』は『勇気の少年』を導き、『勇気の少年』は『力の魔王』を打ち倒すという、トライフォースにまつわる運命の三竦みの構図が最初に築かれたのも、彼の時代でのことになります。

 

 ゼルダから託された時のオカリナで数多くの力持つ曲を奏で、それによって自身の運命を成し遂げたリンクは、去ってしまった友を捜すための新たな旅路の途中で、次なる戦いの舞台へと、終焉を前に繰り返される三日間の中へと身を投じる。

 志半ばで力尽きてしまった魂の無念を癒し、存在そのものを身につけることでその姿と能力をそっくりそのまま受け継ぐ『仮面』の力は、音楽を始めとして他にも色々と要素がある『キャスター』の枠に追加で収めるのには、それ単体であまりにも強力かつ特殊すぎるのではないかと思って。

 『仮面をまとう』ことは、実態としても概念としても『別の自分になる』ことではないかと考え、『アルターエゴ』の枠に合致すると解釈しました。

 

 彼が『勇者』として成し遂げた冒険、世界を救ったのだという偉業は、過去に戻り、ガノンドロフが本来起こす筈だった凶行を未然に防いだため、彼がその後生き続けた世界線においては『無かったこと』になってしまいました。

 冒険の中で得た絆や思い出も、覚えているのは自分だけで、この世界にいるのは大切な人達とよく似た別人で。

 ファン達の間では、世界を救った末に一人ぼっちになってしまったリンクがあまりにも可哀想だという声や、彼のその後の人生は無念と未練に満ちたものだったという解釈も、結構多いみたいですけれど。

 彼だって人間ですし、そういう気持ちが欠片も無かった筈はないと、世界が救われたのならば自分はそれで構わないと心から思えるような聖人なんかではなかったと、私だってそう思うけれど。

 それでも、大切な人達との絆と思い出は決して忘れずに、新しい人達との出会いに恵まれ、寂しさや後悔で開いた心の穴を少しずつ埋めながら、それなりに幸せに、前向きに生きてくれたんじゃないかとも思いたいです。

 

 現実では救いようのない展開やキャラクターを幸せに出来る、それは『二次』の領域を超えた創作活動そのものの大きな醍醐味だと考えています。

 『彼(彼女)は幸せに生きたんだ』と信じれば、少なくとも自分の中にひとつは、その人が幸せに生きられる世界線を作ることが出来ます。

 そもそも、執筆するにあたって私が設定した『リンク』の人物像が、大切なものを守るために必要ならば幾らでも戦うけれど、平和に暮らせるのならそれに越したことは無くて、家族や友人を蔑ろにしてまで戦いのスリルや功名を求めようとは思わない、感性としては普通のものを持った少年なので。

 勇者ではなくただのハイリア人として、幼い頃の分を補えるような家族を持って、平凡で幸せな人生を過ごして……その先に居てくれたのが、『黄昏』の彼だったと。

 新たな勇者を導くために今一度、安らぎを捨ててかつての勇者として立ち上がってくれたのだと、そんな世界がある可能性を示してみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『時のオカリナ』で分岐した。三つの可能性のひとつ。

 時の勇者がガノンドロフに敗れ、後を継いだ者達の奮闘によって、多大な犠牲と引き換えに魔王の封印が辛うじて成し遂げられた世界線。

 このルートでの魔王ガノンは封印されながらも強い力を保ち続けていて、彼自身や信奉者による復活の試みが幾度となく行なわれ、それに対抗できる新たな『勇者』も、それと同じだけ現れることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めの勇者

 

出典:神々のトライフォース 夢をみる島

機種:SFC・NSW GB・NSW

特化クラス:セイヴァー

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:面白半分の悪戯でコッコ(ニワトリ)にちょっかいを出した結果、群れごと盛大な逆襲を受けて、謝罪も反省も聞き入れて貰えずに情け容赦なくズタボロにされるという恐怖と絶望を魔物ではなく鳥を相手に味わわされ、来世にまで引きずるような因縁とトラウマをその魂に刻まれた。

 

 

 かつて行われた『封印戦争』で最前線にて奮闘し、滅亡寸前の憂き目に遭いながらも魔王封印の最大の功労者となった、ナイトの一族の末裔。

 かつての惨劇が遠い過去の伝説となったハイラル王国で、自身の血筋の秘密を知る機会も無く、両親こそいないものの親代わりの伯父と共に平和に暮らしていた彼は、ある雨の夜に『勇者』として導かれることとなる。

 

 魔王を倒す力を秘めたマスターソードを手に入れ、ゼルダ姫を含めた魔王復活の生け贄として捧げられた娘達を助け出し、魔王ガノンの復活を阻み、王国に再びの平和をもたらした彼はその後、新たな力を身につけるための修行の旅に出た。

 それを終え、ゼルダ姫達が待つハイラル王国への帰路についた海上で嵐に巻き込まれたリンクは、地図に載っていない不思議な島へと流れつき、そこの住人によって助けられる。

 その島から出る方法を探すため、自身を待つ人々の下へと帰るために、謎のフクロウに導かれながら島での冒険を始めた彼は、その道中でこの島の真実と、自身がこの島に辿り着いたのは偶然ではなく、果たすべき務めがあったからだということを知る。

 

 

『ゆめよ どうかさめないで

 ひとはねがうけれど

 

 ゆめは いつかさめるもの

 それがときのさだめ

 

 かぜのように すべてきえさっても

 おもいでのそらをおよぐ

 

 ゆめは きえてしまっても

 いつもきみのなかに』

 

 

 救うために滅ぼす……そんな重すぎる業と責任を、最後まで背負い抜いて。

 誰かが覚えていてくれれば、忘れられさえしなければ、例え幻でもその存在は永遠だという新たな希望を示され、それを確かに叶えてみせた彼は、FGOにおいてはまだ未実装でFateシリーズ全体からしても非常に珍しい、セイヴァー(救世主)クラスの適性があるような気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ことわり)の勇者

 

出典:ふしぎの木の実『時空の章』『大地の章』

機種:GBC・3DS

特化クラス:キャスター

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:たてごとやロッドを使用して状況を変化させた際に、どう変わるのかを計り損ねて穴や水に落ちたり、魔物の群れの中に放り出されたりと、何度か洒落にならない事態に陥りかけた。

 

 

 謎の導きを受けた少年リンクは、それに応えてハイラル城を訪れ、その地に安置されていたトライフォースの力を手に入れる。

 それによって新たな試練を与えられたリンクは、ハイラル王国から遠く離れた場所に飛ばされ、その地で特別な役目を果たしていた巫女が悪しき者の手で連れ去られる現場に居合わせてしまう。

 巫女を失ったことで理が歪み、めちゃくちゃになってしまった世界の均衡と平和を取り戻し、攫われた巫女を助け出すための、勇者の新たな冒険が始まった。

 

 冒険の舞台と巫女は、『時空の章』と『大地の章』でそれぞれ異なります。

 『時空の章』では古くからの歴史が伝わる地『ラブレンヌ』の、『時の巫女』ネール。

 『大地の章』では四季に恵まれた豊かな地『ホロドラム』、『大地の巫女』ディン。

 それぞれの話はソフトとしては独立していますが、『あいことば』の機能を使用することで、前後こそプレイする順番によって入れ替わるものの、連続する同一の物語として成り立たせることが出来ます。

 

 ラブレンヌでは『時のたてごと』の力で過去と現代を行き来し、過去の世界で植えた種が現代で育っていたり、長い年月の中で地形が変化していたり、どちらかでしか手に入らないアイテムを探して持っていったりといった時間の経過を。

 ホロドラムでは『四季のロッド』で周囲の季節を変え、夏ならば蔦が伸びて足場になっていたり、冬ならば水が凍って渡れたりなどの環境の変化を利用して、先へと進んでいきます。

 そうして、魂、森、獣、炎、土、山、海、星の8つの『時空の理』と、同じく8つの、土、時、太陽、雨、ぬくもり、風、実、四季の『大地の理』を得た彼は、その力で以って乱れてしまった世界の拮抗を正し、巫女を攫った悪しき者へと戦いを挑みます。

 

 タイトルにある『ふしぎの木の実』は、戦闘や謎解きに使用するギミックアイテムで、ぶつけることで対象を燃やす『アチチの実』、物理ダメージを与える『イテテの実』、自身の移動速度を上げる『サッサの実』、ぶつけた相手を吹っ飛ばしたり自分自身を任意の場所に移動させたりする『ピューの実』、普段はランダムで特殊な状況では特別な効果を発揮する『ハテナの実』があります。

 

 OPの段階で既にトライフォースを、それも完全版を手に入れていたり、二度の冒険を経ながら世界の理を得たり、間違いなく☆5キャスターだと思えるような凄まじい力を持ったアイテムを駆使していたりと、何気に『リンク』の中でも上位に食い込むような実力の持ち主だった気がします。

 『合言葉』を使用した二度目の冒険ではゼルダ姫が登場し、通常のラスボス戦が終了した後に続いた更なる物語の中で、彼女が三人目の巫女として攫われます。

 巫女達を攫い、民の恐怖や絶望で世界が満たされることを促そうとした者達の目的は、『太古の魔王を復活させる』こと。

 その魔王とはもちろん、シリーズお馴染みの彼のことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次元の勇者

 

出典:神々のトライフォース2 トライフォース三銃士

機種:3DS

特化クラス:フォーリナー

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:ロウラルから戻るために亀裂を進んだら、出た先が見知らぬ誰かの家の中で、盛大に不法侵入をかましてしまった。

 

 

 鍛冶職人見習いの少年リンクは、謎の男『ユガ』によって人が絵に変えられ、連れ去られるという事件の現場に居合わせる。

 他人だけでなく我が身をも絵に変え、攻撃がまともに届かないユガを相手に、リンクは手も足も出なくて。

 倒れてしまった彼を助けて家まで運んだのは、紫のローブを纏い、不気味な兎のようなフードを深くかぶって顔が窺えない謎の少年、旅の商人を名乗るラヴィオだった。

 

 彼に押し切られて家への滞在を許したリンクは、宿代替わりだという謎の腕輪を受け取った後に、此度の事件について報告すべくゼルダ姫の元を訪ねる。

 緑の少年が邪悪な者と戦う夢を見ていたゼルダ姫は、リンクを今代の勇者と確信し、事件と犯人についての調査を進めることを頼んだ。

 その結果、ユガが狙っているのはかつての賢者の末裔であることに辿り着いたリンクは、ラヴィオの腕輪を身につけることで備わっていた、ユガのように我が身を絵に変えて、壁の中と外を自在に出入りし、絵と化したまま壁の中や亀裂を移動することも出来る能力を駆使しながら、ユガの企みを阻止するべく奔走する。

 

 しかしその手は僅かに及ばず、ゼルダ姫を含めた当代の賢者達は残らず絵に変えられ、ハイラルの至る所に走った次元の裂け目の先、ハイラルとは表と裏、光と影の関係となっている異世界『ロウラル』へと連れ去られてしまった。

 魔王ガノンの力を手に入れようとしているユガの企みを知ったリンクは、ゼルダ姫によく似たロウラルの姫君ヒルダによって導かれ、出かけている隙に完全に家を乗っ取って商売を始めてしまったラヴィオから攻略用のアイテムを借り、または買い取りながら、囚われた賢者達を助けるべく、ロウラル各地のダンジョンへと挑んでいく。

 

 自分自身を絵に変えて、敵の攻撃から逃れ、壁面を伝って移動する。

 ……書くだけなら簡単ですけど、普通にこれ、凄まじい能力だと思います。

 壁画化すれば、同じく壁画となった身同士でなければダメージを与えられないという点からしても、ただ絵になっただけではなくて、三次元から二次元へと存在そのものを移動させてますよね。

 次元の割れ目を通り道にロウラルへと移動出来る力でもありますし、その辺りから彼の二つ名は『次元』かなと思いました。

 フォーリナーのクラスに関しては、リンクに外宇宙の神や旧支配者の要素が混じり込むことはあり得ないと、最初は思っていたのですが。

 クトゥルフ由来の『降臨者』に限らず、遠いところや異なる世界からの『来訪者』という意味でもあるそうなので。

 異世界であるロウラル由来かつ、異なる次元を行き来するという力の性質からして、フォーリナーに相当すると解釈しました。

 そんな力をリンクに託したラヴィオが、一体何者かというと……言うなれば彼は、平和な異世界を巻き込んでしまう企みを阻止するため、二度と帰れないことを覚悟で『ハイラルの勇者』を探しに来た、『ロウラルの勇者』です。

 

 調べてみたら続編だったらしい『トライフォース三銃士』も、一応プレイしてみたのですが……三人での協力プレイが前提となっているシステムを、一人でこなすのが厳しすぎて、作品の雰囲気とストーリーを把握した段階で止めてしまいました。

 別々の能力を持った三人がそれぞれの役割を果たす必要があるのを、協力プレイならそれぞれで動けるのを、一人でかつ一時停止無しのリアルタイムで切り替えながら、一瞬の判断と操作を要求されるアクションをこなさなきゃいけないなんて、とんだ鬼畜難易度でしたよ。

 

 あと、多少シュールな要素がシリーズを通して存在しているゼルダの中でも、ストーリーとノリが特にコミカルで、はっきり言って他のゼル伝シリーズと比較しながらまともに考えてしまうとやってられない感がありまして。

 物語の始まりからして、国を挙げてオシャレであることを絶対の価値観としているドレース王国の、中でも最も美しいと評判のフリル姫が、魔女の呪いによってクソダサな全身タイツ姿にされてしまい、哀しみと恥ずかしさのあまりに閉じこもってしまった姫を救うべく、9:1分けの髪形と立派な揉み上げを備えていることという、ドレース王国に古くから伝わる姿を条件に勇者を集い、そこにリンクが現れるというものでした。

 

 特殊な材料を使用したドレース王国特製の服は、どれも着るだけで様々な効果を得られるという優れもので、そういう国の象徴である姫様が最も重要な力を奪われたというのが国を揺るがす重大案件だということは、紛れもない事実ではあるんですけどね。

 『末代の勇者』の本には、友好関係にあるドレース王国が窮地にあることを聞きつけたゼルダによって、リンクがハイラルの勇者として派遣されたなんて感じの流れが記されてそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再生の勇者

 

出典:ゼルダの伝説・リンクの冒険

機種:FC・NSW

 

 シリーズの最初期、FCソフトとして発売された一番目と二番目で、『リンク』としての個性や能力の差異などがまだ描かれていない頃の作品で、クラスとエピソードに関してはちょっと分からないので除外しておきます。

 

 

 長きに渡る魔王ガノンとの戦いの中で荒廃し、幾つかの小国へと分かたれてしまった、かつての大国ハイラル。

 旅の途中にこの地を通りかかった少年リンクは、魔物に襲われていた老婆を助け、彼女がハイラル王国の系譜を受け継ぐゼルダ姫の乳母インパであることと、力のトライフォースを奪った魔王ガノンの手によって、ゼルダ姫が攫われてしまったことを知る。

 王国の人々が苦しめられているのを見過ごせなかったリンクは、力のトライフォースを得た魔王ガノンに対抗するために、もうひとつの知恵のトライフォースを探してハイラルの地を冒険する。

 囚われる寸前のゼルダ姫が、それまでもがガノンの手に渡ってしまわないようにと、八つに砕いてハイラルのあちこちへと散らせた知恵のトライフォースを集めたリンクは、その力で以って魔王ガノンを倒し、ゼルダ姫と王国を救った。

 

 魔王ガノンを倒した後も、主の復活を企む残党の魔物が暴れまわっているせいで、王国は平和とは言い難い状況にあった。

 旅を続けずにハイラルに留まり、ゼルダ姫を手伝って復興に精を出す日々を送っていたリンクは、16歳の誕生日を迎えた朝、自身の手の甲に正三角の紋章が浮かび上がるのを目の当たりにする。

 それを見たインパが驚愕の後に語ったのは、以前リンクが取り戻した『力』と『知恵』の他に実はもうひとつ、『勇気』のトライフォースがあるということと、とある古い過ちの話。

 

 伝説の物語となるような遥か昔、まだ大国だったハイラルは完全なトライフォースの力によって収められ、繁栄を謳歌していた。

 しかし、ある時の代替わりにおいて次代の王子は、トライフォースの全てを受け継ぐことが出来なかった。

 当時のゼルダ姫、妹が自身を差し置いてその謎を父から聞いていたことを知った王子は、側近の魔術師を伴いながら彼女を問い詰めるも、姫は決して口を割ろうとはしない。

 王子以上に業を煮やした魔術師は、流石に止めようとした王子を弾き飛ばしながら、ゼルダ姫に決して覚めない眠りの呪いをかけてしまう。

 完全なトライフォースを手に出来なかったのは、とんでもない過ちを犯しかねない危うさが自身にあったからだと、妹を失ってから気付いた王子は酷く後悔して。

 遠い未来で誰かが彼女を目覚めさせてくれることを信じて、彼女の身を秘密の部屋に安置し、王家に生まれた娘には代々『ゼルダ』と名付けることを命じた。

 そしてその後、国の繁栄をトライフォースの力に委ね切ってしまっていたハイラル王国は、その恩恵を受けられなくなったことで徐々に衰退し、今に至ってしまったのだという。

 

 当時の王が遺し、不思議なことにリンクにしか読み取れなかった巻物には、真のトライフォースを得るに値する者が正しく成長した暁にはその証が紋章となって現れるということと、勇気のトライフォースを手に入れるための方法が記されていた。

 インパから改めて、勇気のトライフォースを見つけ出し、王国に再びの平和を取り戻すことと、今も眠り続けるゼルダ姫を救い出すことを頼まれたリンクは、魔王ガノン復活の鍵として自身の命を狙う魔物がひしめくハイラルの地へと、再びの旅に出る。

 

 上記のストーリーは当時付属されていた説明書に記されていたもので、実際にプレイしたゲームの中には一切出てきません。

 今ではどのゲームも、始めたばかりの時はチュートリアル込みで操作方法を説明されるのに、スイッチのオンラインでプレイしてみた際にはそういうのが一切無くて、いきなりフィールドに放り出されたので思わず『へっ!?』となってしまいました。

 調べてみたら、私が生まれた頃に発売されたゲームなんですね……そんな昔と思うべきか、たったそれだけの年月でゲームはここまで進化したのかと驚くべきか。

 

 ゼルダシリーズとしては偉大なる初代なのですが、時系列として見てみると結構後の方の、それもハイラル王国が衰退してしまっている時代に活躍したリンクなんですね。

 公式では『始まりの勇者』という二つ名がついているのですが、メタ視点が無いと何が『始まり』なのか分からないので、別に考えてみました。

 失われてしまっていたトライフォースを再び集め、『勇者』の伝説と活躍を蘇らせ、ハイラル王国がかつての平和と繁栄を取り戻すための第一歩となった彼は、『再生』の勇者です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時の勇者が魔王ガノンを倒し、勇者自身は彼の時代に帰ってしまったものの、勇者が魔王を倒して王国を救ったという伝説は確かに、後の世へと伝えられていった世界線。

 後の世で復活したガノンドロフが、再びハイラルへの侵攻を開始した時。

 人々は、また勇者が現れて自分達を救ってくれると信じ、一心に祈りを捧げたのだけれど、残念ながら勇者は現れなかった。

 時の勇者は彼が生きるべき時代へと帰ってしまった、ここは『勇者の魂を持つ者』がいなくなった世界線だったのだ。

 ハイラル王国は水底深くに沈み、その後長い時が経ち、果ての見えない水平線の中にぽつぽつと島が顔を出しているだけの世界が、『そういうものなんだ』と人々の間で当たり前になっていた頃。

 とある島に、一人の少年の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風の勇者

 

出典:風のタクト・夢幻の砂時計

機種:GC・WiiU NDS・WiiU

特化クラス:セイバー・ライダー・キャスター

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:新手かつ凄腕の海賊が現れたという噂を耳にして、『テトラ達以外にも海賊っているんだ、物騒だな~』と思っていたら、帆を張った小さな小舟でルートも何も関係なく爆走し、大砲を所かまわず撃ちまくり、ドンピシャの狙いで海底の宝物を根こそぎ頂戴しているという目撃証言が続いて、『それ僕だ』と赤獅子の王と一緒に虚無顔になった。

 

 

 穏やかで平和な時間が流れるプロロ島で、祖母と妹との三人家族で暮らす少年リンク。

 12歳の誕生日を迎え、島に古くから伝わる祝いの風習として勇者の緑衣を身につけた彼は、一人の少女が謎の怪鳥によって攫われている姿を目撃する。

 船からの砲撃を受けた怪鳥は少女を離し、その身を心配したリンクは彼女が落下した森へと駆けつけ、男勝りな女海賊テトラと知り合った。

 その後、彼女と共に森を出たリンクの目の前で、『耳の長い少女』を狙って再びやってきた怪鳥は、テトラではなく彼女と同じ特徴を持っていた妹アリルを連れ去ってしまう。

 孫を攫われて憔悴しながらも、もう一人の孫の気持ちを尊重して背を押してくれた祖母や、島の皆に見送られながら、リンクはテトラが指揮をする海賊船に乗って妹を助け出すための旅に出る。

 それがいずれ、世界を救う旅になるのだということを、この時はまだ想像すらしないまま。

 

 テトラの海賊船とは早い段階で別行動となり、リンクの相棒は意思を持った不思議な船『赤獅子の王』となります。

 彼から与えられた『風のタクト』の力で、航海の命である風向きを自由自在に操り、砲弾を撃ちまくって要塞を攻略したり立ちはだかる敵船や魔物を沈めながら未開の海へと乗り込み、宝の地図を元に財宝を探す。

 文句のつけようのないライダークラス、海賊系サーヴァント達にとっては偉大なる大先輩にあたるのでは。

 

 先だって書いたように、風の勇者がいるのは『勇者の魂』が存在しなくなってしまった世界線で、彼自身は他のリンク達がそうであるような、勇者の転生体ではありません。

 勇者が現れることのない世界で、それでも何とかしなければと足掻いた赤獅子の王によって『彼ならばもしや』と見出され、それに応えてマスターソードすらも認めさせてみせた、正真正銘の新たな勇者です。

 『リンク達』に関しては、彼らは皆お互いを前世や来世の『自分』と言うよりは、『同じ運命を負って戦い抜いた者達同士』という括りで考えているので、風の勇者に関しても『君もそうなんだね』と普通に受け入れています。

 なので彼と、彼の次代となる『大地の勇者』も、ちゃんと『勇者リンク』の一人として『末代の勇者』の中に加わっています。

 

 かつてハイラル王国が存在していた故郷の海での冒険を終えた後、自分達の手で新たなハイラルを興せる新天地を探して旅立ったリンクとテトラ。

 その道中、謎の幽霊船に出くわしたテトラは、正体を暴いてやると意気込んで乗り込んだまでは良かったものの、敢え無く囚われてしまった。

 リンクも慌てて後を追ったものの、懸命に伸ばした手は届くことなく、その身は海へと落ち、見知らぬ海域のとある砂浜へと流れついた。

 テトラを助けるべく幽霊船を追うことにしたリンクは、幽霊船に積まれていると噂の宝を求める船乗りラインバックと共に、新たな海へと船出する。

 

 航海可能な範囲を増やすには新たな海図を手に入れる必要があるのですが、そのために必要なのがタイトルとなっている『夢幻の砂時計』と、それを利用してのダンジョン探索です。

 海図が収められている神殿は、点在している聖域以外では居るだけで生命力を消費するという厄介な仕様となっているのですが、この砂時計を使用している間だけは、その消耗を避けることが出来るのです。

 ……呪いや結界によるダメージやデバフを回避して、時間制限ありとはいえ万全な状態での潜入を可能にすると考えると、とんでもないキャスター殺しのアイテムですね。

 しかも、砂の力を復活させるために必要なのは、一旦外に出て日の光を浴びせることだけ。

 時計の砂はボスを倒すごとに少しずつ増えていき、物語が進むごとに、神殿の更なる深部を探索できるようになっていきます。

 そうして完全な力を得た砂時計と、旅の中で鍛えられた剣を合わせることで作り出されるのが『夢幻のつるぎ』。

 短時間ながら時間停止をも行えるという、登場するのがここだけなのが惜しいくらいの凄まじい力を持った剣です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地の勇者

 

出典:大地の汽笛

機種:NDS・WiiU

特化クラス:ライダー

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:線路沿いの魔物や障害物に片っ端から砲撃をかまし、スピードに目覚めたゼルダ姫と共に機関車を爆走させて歓声を上げる日々を送っていたら、周辺の人々から『あれが例の魔族が乗っているという汽車か』と噂され、賢者達から二人揃って怒られた。

 

 

 新天地を求めて旅立ったテトラが、辿り着いた先で興し、それから100年ほどの時が経った新たなハイラル王国。

 この国では、広大な国土中に張り巡らされた線路を利用して走る機関車が交通と物流の要で、それを操る機関士は国から認められた者だけが就けるような特別な職業だった。

 機関士見習いの少年リンクは、一人前の機関士となるためにハイラル城を訪れ、任命式の中でゼルダ姫から密かに呼び出される。

 赴いた先で彼女から頼まれたのは、近頃王国内の至る所で起こっている、線路が消えるという異常事態について調べたいため、賢者が住むという『神の塔』まで連れて行ってほしいというものだった。

 

 それに応えて彼女を密かに連れ出し、神の塔へと向かう途中で、ゼルダ姫が密かにリンクを頼らざるを得なかった原因である大臣が、二人の前に立ち塞がる。

 魔族だという正体を明かした彼はゼルダ姫へと魔力を放ち、それによってゼルダ姫は魂と肉体を分離させられ、大臣は空っぽの肉体を奪って去っていった。

 魂となってしまったゼルダ姫を何故か問題なく見ることが出来たリンクは、当初の予定の通りに、彼女と共に賢者を訪ねる。

 

 そこで知ったのは、神の塔にはかつての魔王マラドーが封じ込められていること。

 塔を起点に張り巡らされた線路はただの交通網ではなく、封印のための力を各地の神殿から神の塔へと送る役割を持っており、それが消えるのは魔王復活を企む輩の仕業だと考えられること。

 そして、奴らがゼルダ姫の肉体を奪ったのは、優れた巫女としての力を備えているその体ならば、魔王の新たな器として耐えうると見なされたからだろうと告げられた。

 『魔王の復活なんて断固阻止です!!』と、国と同じくらい、もしくはそれ以上に自分の体を案じながら震え上がるゼルダ姫。

 彼女の体を取り戻し、魔王マラドーの復活を阻止するため、賢者から託された『神の汽車』を操る機関士リンクとゼルダ姫の冒険が始まった。

 

 膨大なゼル伝シリーズの中で何気に珍しい、『最初から最後までゼルダと共に冒険する』リンクです。

 魂だけになってしまったゼルダは、リンクと賢者以外の普通の人には見えないし、物にだって触れませんが、魂だからこそのやり方でリンクをサポートしてくれます。

 各地のダンジョン以外に、線路を復活させて行動範囲を広げるために、神の塔の上階に挑む必要があるのですが、そこには『ファントム』という強力な敵が巡回しています。

 このファントムにゼルダ姫が乗り移ることで、ファントムの能力と頑丈さを利用しながら、二人が協力することで先に進めます。

 この作品におけるリンクはまだ幼い子供寄りの少年で、ゼルダも同じ年頃の少女なので、そんな二人が互いを信頼し合い、協力し合いながら冒険を進めていく姿は、大変な旅路の筈なのにどこか微笑ましかったです。

 

 リンクが操縦する機関車は、襲ってくる敵を大砲で撃退したり、魔物によっては汽笛で追い払えたり、魔の機関車へと聖なる力を纏いながら体当たりをかましたりと、結構なハイスペックです。

 これを是非とも、いつのことになるのかは分かりませんが、第五特異点のアメリカ大陸に走らせたいと思っています。

 大海原を奔った風の勇者に続いて、笛の音と共に地を駆けた大地の勇者。

 彼の存在と逸話によって、蒸気機関開発の偉業とその方向性が補正され、キャスターではなくライダーとしての適性が上がった人の存在なんかも考えてます。

 当人としては恐らく、大切にしたいのはキャスターとしての功績の方なんでしょうけれどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔王ガノンを倒した時の勇者が過去へと帰り、その後を生きた世界線。

 『ムジュラの仮面』の事件が起きたのは、この時間の流れにおいてのことです。

 本来ならば、ハイラル王国を手中に収めていた筈のガノンドロフの野望が、未来から帰ってきたリンクと彼の言葉を信じたゼルダによって未然に明らかにされたことで、彼はその企みを実行に移す前に捕らえられ、世を乱した魔王を勇者が打ち倒すという事実そのものがこの世界においては無くなりました。

 『緑衣の勇者』はあくまで古いお伽噺の存在で、魔王によって世界が脅かされるとか、世界の危機には勇者様が現れてくれるとか、本気で思っている人は全くと言っていいほどいなくて。

 そんな世界にだって不穏の種はあるし、いざという時には、勇者たる存在が現れるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄昏の勇者

 

出典:トワイライトプリンセス

機種:GC・Wii・WiiU

特化クラス:アサシン

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:狼に変身して匂いや痕跡を追っていた際に、夢中になりすぎて壁に激突したり、氷が浮かぶ冬山の川に落ちたりした(私のことです)。

 

 

 牧畜が盛んなトアル村、そこで愛馬エポナと共に日々山羊追いに精を出しながら暮らす牧童の少年。

 優れた乗り手である上に剣の扱いにも優れている彼は、大人達からは頼りにされ、子供達にとっては憧れの対象だった。

 王都に献上品を運ぶという重要な仕事をこなすことになり、旅立ち前の最後の時間を過ごしていたリンクは突如魔物達の奇襲を受け、幼馴染の少女と自身を慕う子供達を目の前で攫われてしまう。

 咄嗟に彼らを追ったリンクが、村はずれに奇妙な領域が発生しているのを見つけて足を止めたその瞬間、謎の手によって向こう側へと引きずり込まれてしまった。

 我が身を蝕む闇の力の中で悶え苦しむリンクは、自身の手の甲から光が迸った次の瞬間、狼と化して気を失ってしまい。

 次に目を覚ました時には、獣の姿のままどことも知れない牢屋の中で鎖に繋がれ、そんな有り様をあざ笑う、謎の魔物ミドナを前にしていた。

 

 幼馴染と子供達が攫われた事実を改めてリンクにつき付け、助けに行きたいだろうと、でもその状態では無理だと、逃がしてやるし元の姿への戻り方も教えてやるから代わりに自分の言うことを聞けと、交渉という名の強要をするミドナの提案を今のリンクは受け入れるしか無く、彼女に先導されながら牢を脱出。

 そうして、自分が今いたのがハイラル城の地下であったことと、この事態が『影の世界』の者達がハイラル王国に侵攻してきた影響であることを、囚われの身になっていたゼルダ姫から教えられた。

 自身を狼へと変えた元凶、影の領域『トワイライト』を消滅させて元の姿に戻るためには、その地を守護する光の精霊に力を取り戻させる必要がある。

 それを成し遂げ、取り戻した光の世界で元の姿に戻ったリンクは勇者の緑衣をまとっていて、光の精霊も彼のことを『勇者』と呼び、ハイラルの命運を託した。

 

 ウルフリンクへの変身は、最初は初期のヘシアン・ロボのようにライダーかなと思っていましたけど。

 実際にプレイしてみると、正体を隠しての暗躍とか、感覚を研ぎ澄まさせて目には見えないものを捉える能力とか、アサシンクラスへの適性を思わせるものでした。

 最初こそ厄介な呪いでしたが、ストーリーを進めるうちに人の姿と獣の姿を自在に変えられるようになり、能力のひとつとして躊躇なく使いこなすようになります。

 

 謎の魔物ミドナ、その正体は家臣の反乱によって玉座を追われ、民を奪われ、呪いによって姿までをも変えられてしまっていた、影の世界の王女。

 タイトルの『トワイライトプリンセス(黄昏の姫君)』とは、他でもない彼女のこと。

 最初こそ、影の世界を取り戻すことしか考えていなく、ハイラルのことなんてどうでもよくて。

 リンクのことだって、光の世界の民がトワイライトに取り込まれれば、普通ならば闇の魔物と化してしまう筈なのに、なぜか獣と化すだけで済んでしまった彼のことを『使える』と思い、利用してやる気満々で接触したのに。

 攫われた顔見知りだけでなく、旅先で知り合った人達のため、ミドナのために頑張ってくれるリンクやゼルダの姿に、元が善良だった彼女は徐々に絆され、救うべき影の世界だけでなく、大切な相棒リンクと、彼が守ろうとしている人達や光の世界のためにもと考えるようになります。

 

 勇者が活躍した事実が無いこの世界で、ただ一人だけ、リンクのことを立派な『勇者』となれるように導いてくれる人がいます。

 それは、旅路の中で時折遭遇し、剣の奥義を授けてくれる骸骨剣士の亡霊。

 彼の正体は、自身が世界を救ったことを誰も知らない、どころかその事実そのものが無くなってしまった世界で生きた、かつての時の勇者。

 黄昏の勇者は、そんな彼の直系の子孫にあたる存在なのです。

 当人曰く、こんな姿でこの世に残ってしまったのは、勇者として生まれながらその名と功績を残せなかった無念故に、とのことでしたが。

 プレイしながら私は、『それは建前で、自分と同じ勇者の運命を果たすことになった子孫に、自分が戦いの中で築いたものを、もう勇者ではないのだから別にいいかなと思って子に託したりはしなかったものを、改めて授けてあげたかったんじゃないかな』と思っていました。

 時の勇者のその後は、『勇者であったこと、世界を救ったという事実は無くなってしまったけれど、辛い思いをして戦う必要のないところで、家族と一緒に幸せに暮らしました』でいいではないかと信じたい派なので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 万を越える年月の中で、分かたれながらも隣り合わせに並行していた三つの時間軸が統合し、全ての可能性の先に存在するただひとつの世界線。

 野生の息吹に満ちた、どこまでも広がっているかのような美しい世界の至る所に、かつて繰り広げられた数多くの冒険を思わせるものが残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

息吹の勇者

 

出典:ブレス・オブ・ザ・ワイルド

機種:WiiU・NSW

特化クラス:ルーラー

 

末代の勇者が知るやらかしエピソード:人里離れた秘境や強大な魔物など、様々な困難を乗り越えてみせた彼を最も苦しめたのが、食糧不足及び空腹のあまりに適当なものに手を出したことによる地獄の腹痛だったという事実(めげずかつ懲りずに繰り返した結果、ゴロン族のダルケルと共に岩を齧って平気でいられる鋼の胃袋を手に入れたので、本人としては結果的には良かったと思っている)。

 

 

 ハイラル王国に古くから仕える由緒正しい騎士の家系、幼い頃から天才剣士と名高かったその嫡男。

 史上最年少で近衛兵となり、真の勇者のみが扱えるという神剣すらも抜いてみせた彼は、迫る厄災ガノン復活の時に備えて結集された『英傑』達の筆頭となり、その長であるゼルダ姫の護衛役ともなった。

 しかし、入念な前準備も空しく、厄災ガノンはそれら全てを無意味なものとする形で復活を果たす。

 頼れる仲間達は皆死んでしまい、リンクもまた、命尽きるその瞬間までゼルダを守って戦い抜いた。

 そんな彼を、遥か未来へと託す最後の希望として回生の眠りにつかせたゼルダは、我が身と引き換えにしてでも封じ、時間を稼ぐべく、厄災ガノンの下へと一人赴く。

 そうして長い時が経ち、ハイラル王国の滅亡を人々が昔話として語るようになった、そんな頃。

 死の運命をも覆すための治療が終わり、100年ぶりに勇者が目覚めた。

 自分は誰なのか、なぜ一人眠りについていたのか、何が起こったのか、何をすべきなのか。

 何もかもを忘れてしまった、寄る辺の無い一人の少年として。

 

 私にとっての記念すべき初ゼルダです、時系列で最も新しいこの時代から遡って色々とプレイしました。

 用意された広大すぎる箱庭で、どんな順番で冒険を進めようと、何をしようとプレイヤーの自由。

 かつて『時のオカリナ』が3Dの時代を切り開いたように、再び『ゼルダ』がゲームを変えた、オープンワールドの新基準を作り上げたと、発売後の評価で書かれているのを見たことがあります。

 このゲームに関しては、現状で最も手に入れやすいゼルダだと思うので、ここで詳しく解説するよりも、是非とも自分の手で遊んでみてもらいたいです。

 

 『ルーラー』というクラスに関しては、王国周辺の友好民族を含めて募った実力者を任命した五人の英傑、そのリーダーであることからですね。

 リンク自身としては、上下関係とか自分が纏めなきゃとかは考えていなくて、あくまで頼れる仲間なのだけれど。

 魂になってもリンクを信じ、彼が来てくれることを待ち続けていた英傑達と彼らが操る神獣は、リンクがリーダーとして号令を出せば、必ずや応えてくれることでしょう。

 ……あと、『最終的に目的を果たしさえすればそれでOK』な認識で、『俺がルールだ』を何の悪気も無く素で体現しているので、その辺りも含めて。

 以前コメントでいただいた、『ルーラークラスのリンクの号令で神獣達がビームを一斉に発射する』というネタを『それいいなあ』と思ったので、調整しながら使わせて頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この数百年後に『末代の勇者』が現れ、彼の活躍によって、『ゼルダの伝説』の物語とハイラルの歴史は幕を下ろします。

 その辺りは『外伝』の方で描かれていますので、未読の方は、是非一度ご覧になって下さい。

 勇者リンクと仲間達による人理修復物語を、これからも頑張って書いていきます。

 




 現状で手に入れられるだけの『ゼル伝』をクリア出来たので、そろそろ戻ってきます。
 途中、気分転換に『外伝』の方でセイレムを幾つか投稿していたので、まだ見ていないという方は是非ご覧になって下さい。

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