暗殺教室〜3人目のsniper〜   作:柱島低督

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とりあえずtex変換ツールを使ってみます(まぁどうせ定期テスト数学回で使う事になるでしょうが……)。

暫く狙撃は鳴りを潜めています。


2限目:あばずれ女の時間

『英語教師!?』

 

烏丸先生のカミングアウトにクラス中が騒然とする。

 

昨日にあった渡辺と羽賀の転入騒動も一頻り終わり、席も決まったところだ。渡辺は菅谷の後ろ、羽賀は奥田の後ろに収まり、漸く落ち着いたかと思った矢先でこの新たな騒動だ。

 

「ゼッテー殺し屋だな(前原)」

「どう見てもおかしいしな(菅谷)」

「烏丸先生が抜いてきた私たちとは違うよね(羽賀)」

「やっぱり恵美もそう思うか(渡辺)」

「羽賀さんらも何も聞いてないんだ(赤羽)」

 

様々な意見が飛び出すが、その悉くで殺し屋ではないかと思われている。

 

「恐らくだが、この時期に、しかも国からの斡旋で入ってくるということは、君らの予想通り暗殺者だろうな、と言うべきなのだろうが、奴がいない今なら問題無いな。彼女は殺し屋だ。色仕掛け専門の」

 

烏丸先生からも、肯定する言葉が飛び出す。全員が警戒を強めた刹那、迎えに出ていた殺せんせーが帰ってくる。

 

ガラガラと音を立てて開いた扉に全員の視線が集中する。教室内に入って来るや否や、殺せんせーが腕に誰か連れているのがはっきりと分かってしまった。異常なほどにピンク色のオーラを教室に振りまきながら、周囲に警戒感を与える。

 

当の本人の殺せんせーとは言うと、ピンク色の顔をしてニヤニヤしている。

 

(あぁ、オッパイに弱いのか……バカかよ)

 

全員が内心そう思った。そして一部の生徒(主にカルマ・悠斗・中村)はこうも思った。チョロすぎだろ。

 

「曖昧な関節、正露丸のようなつぶらな瞳、殺せんせー、私、虜になってしまいそう」

 

(殺せんせー騙されないで、そこが好みの女なんていないから)

 

女子の大半が心中そう思った。

 

そんな警戒を向けられているのに気づいていないのか、そのふりをしているだけなのか、ベタベタと殺せんせーにくっつき、甘い言葉をかけ続ける。

 

「イリーナ・イェラ・ヴィッチと申します。皆さん、宜しく」*1

 

(こんなんでこのクラス大丈夫かな……)

 

殺せんせーの本気を知らない渡辺と羽賀は、2日目ながら早くも不安を感じ始めていた。

 

 

 

ーーーーー

 

「暗殺バドミントン……?……菅谷、どんなのだ?」

 

2限が終わり、女子が使われていない別部屋へ移動して着替えが始まると、クラス中からボソボソと聞こえてきた『暗殺バドミントン』というパワーワードに眉を顰める悠斗。

 

「あぁ、悠斗は初めてなのか……うーん、なんていえばいいのかな……」

 

「おぉ、どうした菅谷?悠斗も」

 

菅谷が困ったこの状況で、颯爽と現れる磯貝。おぉ、イケメンだ

 

「実はかくかくしかじかで……」

 

悠斗が磯貝と話し始めると、もう出番は無いとばかりに着替えに戻る菅谷。

 

「なるほど……つまり烏丸先生の提案で、体幹と動体視力を鍛えるということか」

 

「なんだ、分かるじゃないか」

 

「説明が上手いんだよ」

 

「あぁ、そうか……なら良かったわ。俺も早く着替えなきゃ」

 

そう去り際に言葉を残し、自分の席へ戻っていく磯貝。それを見届けた悠斗も着替えに戻り、クラスは再び落ち着きを取り戻す。

 

 

 

ーーーーー

 

「うぐおりゃっ!」

 

前原が力の限り高く跳ね上がり、斬撃でボールをコートへ叩き込む。凄まじいスピードで地表へ落ちていき、勝ったと確信した前原は姿勢を緩める。

 

「させるかぁぁぁ~!」

 

しかし滑り込んだ岡野が弾き飛ばして打ち上げ、隙の空いた前原の脇へ羽賀が撃ち込む。

 

「やった!」

 

『おぉ~』

 

本人はマグレと言いながらも、初めてで点を決めた羽賀にクラス全員が感心する。

 

次は向こうのサーブで始まるが、磯貝が高く跳び、ボールがネットを超えるかどうかのタイミングで撃ち返し、岡島の脇に落とす。

 

「運動音痴にはできない芸当だな……」

 

「言うほどじゃないよ~。力抜きなよ~」

 

「中村、いやホント無理だから……」

 

味方の磯貝・前原、相手の岡野・羽賀を見ながら呟く悠斗。中村が横から気の抜けた声をかける。

 

そんな最中、集中力が欠けていると悟った木村が刺突で、コート後ろにいた悠斗の足元へボールを落とす。

 

「うわぁ~っ!」

 

悲鳴を上げながら、悠斗は前に出て打ち返そうとナイフを構える。斬撃で真下から切り上げるように打ち返したが、タイミングが悪くネットに直撃する。

 

「あっ……」

 

「やるじゃ~ん」

 

「全然やれてないでしょこれは……」

 

中村に反論する悠斗。次のボールを菅谷が打ち上げ、サーブで打ち込もうとした瞬間、コート脇で見守っていた殺せんせーにイリーナが近付く。

 

「こ~ろせ~んせ~!こ~ろせ~んせ~!足がすっごくお速いとお聞きして…インドのお茶を買ってきて頂けますか?」

 

「お安い御用です」

 

またピンク色の顔になって応える殺せんせー。一瞬した後には、衝撃波を周囲に残して姿を消している。

 

「えっと、マッハ20だから24,000 km/h……んでもってインドのチャイの本場……大陸北部まで6,000kmだから……$\frac{1}{4}$時間、つまり片道15分程度か……往復でも30分ちょい」

 

チャイムが休み時間の始まりを告げると同時に、悠斗が呟く。

 

「あっ、先越された……」

 

口を開こうとした瞬間言い終わられた片岡が項垂れる。悠斗と恵美はサッパリだが、周りは何かとフォローしようとする。

 

「片岡、前に麻婆で同じ事やってたんだよ」

 

「あぁ……そういう……」

 

「まぁ、気にして無いからいいよ」

 

「その割には結構落ち込んでたよね」

 

恵美の一言も片岡には結構効いたようだ。恵美は無言でその場を去ろうとする片岡に気付き、ごめんなさいと声をかけている。

 

磯貝がイリーナに振り返る。悠斗もその先を追い、イリーナに辿り着く。そこには意外な(ある程度予期していた)、煙草を咥え火をつけているイリーナの姿があった。

*1
本音をいえばピンク色で書いてやりたかった




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