暗殺教室〜3人目のsniper〜   作:柱島低督

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お待たせいたしました。
アニメの話数と少しずれていますが……

今回から修学旅行です。
ちょっと多めになる予定。


6限目:修学旅行の時間 -00-

「再来週の修学旅行に向けての準備ですが、まずは班決めを来週までに行っておいてください。男子15人、女子13人、計28人なので、原則として7人班4つですね。ですが、場合によっては6人班や8人班程度なら認めることにします」

 

という殺せんせーの発言があってから早くも一週間。恵美はどこかの班に誘われたらしいので、心配しなくて大丈夫そうだと思い、昨日のうちに手近な4班班長の渚と話をつけておいた。

 

「修学旅行の班か……カルマ君、同じ班にならない?」

 

「オッケー」

 

「大丈夫かよカルマ、旅先で喧嘩売って問題になったりしねぇよな?」

 

「ヘーキヘーキ」

 

と答える業。目に邪悪な色を浮かべながら、1枚の写真を取り出す。

 

「旅先の喧嘩は()()()()目撃者の口も封じるし、表沙汰にはならないよ」

「おい!アイツだけは誘うのやめようぜ!」

 

急いだ風の杉野が、渚に耳打ちする。しかし渚はちょっと微妙な顔で答える。

 

「でも気心知れてるし……」

「で、メンツは?」

 

それを遮って訊く業。答えを待たずに渚の手に握られた紙を覗き込む。

 

「渚君に杉野と茅野ちゃんと羽賀さんと……」

「奥田さんも誘った!」

「あとは悠人君も」

 

「なるほどね、7人きっかりだけど……1班2班は7人ずつ、3班は6人で決まったらしいから1人足りなくね?」

 

どこから仕入れたのか不思議な情報を言いながら、周りに目を向ける業。

 

周囲を見回した視線は、自慢げな顔をした杉野で止まる。

 

「実は、女子が1人足りない時があるんじゃないかと見越して、だいぶ前から誘っていたのだ」

「実際にはそんなことにはならなかったけどね……」

 

「渚、それは言わないお約束だ……それで、クラスのマドンナ、神崎さんでどうでしょう!?」

 

といい、わずかに頬を赤らめながら紹介する杉野。なるほどそういうことね、と呟く業。

 

(なるほど、そういうことか杉野)

 

1人後ろから納得する悠人。

 

「おー、異議なし!」

 

少し首を傾げたままの神崎さんが、軽く会釈をして、微笑みながら渚に語り掛ける。

 

「よろしくね、渚君」

 

「よぉし!どこ行くか決めよう!」

 

「暗殺のことも考えなきゃいけないんだよな……」

 

と言いながら、悠人は先日の体育の授業を思い返す。

 

 

 


 

 

「みんな、知っての通りだと思うが、来週から京都二泊三日の修学旅行だ。君たちの楽しみを極力邪魔したくはないが、これも任務だ」

 

授業が始まり、前に立った烏間先生から練習メニューが発表されるのかと身を構えたE組は、緊張を緩める。

 

「ってことは、あっちでも暗殺?」

 

「その通りだ」

 

質問する岡野に、それに答える烏間先生。

 

「京都の町は、学校とは段違いに広く複雑。しかも君たちは、廻るコースを班ごとに決め、奴はそれに付き合う予定だ。スナイパーを配置するには絶好のロケーション」

 

「烏間先生」

 

「なんだ?」

 

一瞬言葉が止まったタイミングで、悠人が声を上げる。

 

「京都で観光中に暗殺となると、もし成功したとして……いや失敗しても、一般の観光客に見つかるのでは?騒ぎになったらマズイと思うんですが……」

 

「奴の暗殺に関して、事は人類の存亡に関わる重要事項だ。奴は、発見されるのを極端に恐れているようだから、一般人に気づかれないように暗殺を跳ね除けるだろう。だがこの際、奴の暗殺に成功しさえすれば、騒ぎが拡大したとしても事後発表で済ませられる。なんせその時には、脅威は消え去った後なんだからな」

 

「なるほど……」

 

「既に国は狙撃のプロを手配した。成功した場合、貢献度に応じて100億円の中から分配される。他に質問は無いか?……無いようだな。暗殺向けのコース選びを、よろしく頼む」

 

『はーい』

 

 

 


 

 

「そうだね、暗殺に適した場所って何処になるんだろう?」

 

「烏間先生は、スナイパーを手配したって言ってたよね」

 

茅野の素朴な質問に、渚が合わせる。

 

「狙撃なら、開けた場所がいいんじゃね?」

 

そこに業も加わる。この三人組は仲いいな、と思いながら悠人は口を開く。

 

「国が手配したってことは相当な実力者。というかあんな超生物のタコがターゲットだって言われたら大概の殺し屋は辞退すると思うから、腕は超一流だととらえていい筈。長距離からの狙撃もできると思うけど……」

 

「確実性は欲しいよな」

 

一瞬止まった悠人の言葉を引き継いだ杉野。

 

「そう。だとすると、何かしらの建物から見下ろす形で狙撃できるポイントが近くにあればいいから……」

 

「逆に条件が緩くなったね」

 

そこに続ける神崎さん。落ち込んだオーラを出す悠人。

 

「で、でも、近くに人がいない方が好都合だよね」

 

フォローしようと必死に意見を出す恵美。

 

「殺せんせーを惹くなら観光地がいいんだろうけど……矛盾するな……」

 

「あ、いいところ思い出しました」

 

「ホント!?」

「さすが神崎さん!」

「どこどこ!?」

 

「当日までは秘密。殺せんせーがどこで聞き耳立ててるか分からないし」

 

その一言で、騒ぎは収まる。

 

「ビッチ先生、置いてけぼりくらいそうだけど……」

 

「ビッチ先生なら大丈夫だろ、ああ見えてあっさり本音吐くし」

 

茅野が視線を向けた先に目の焦点を合わせた悠人が言い切らないうちに、ビッチ先生が逆ギレして前原にキレ返される。

 

「ほら」

 

「あぁ、うん……そうだね……」

 

「っていうか、アレ完全に銃刀法違反……」

 

その喧騒の中現れる殺せんせー。クラスが静まり返るが、その視線は触手の上に乗った赤い()()()()()()()()()に注がれている。

 

「一人一冊です」

 

そう言うや否や、誰も動かない内にマッハ20で全員に配る。

 

「うわ重っ!」

 

「なんだよコレ!」

 

その中でも再び前原がキレて殺せんせーに食って掛かる。

 

「修学旅行のしおりです」

 

「辞書だろコレ!」

 

(前原、ナイスリアクション)

なんてことを悠人が思っているうちに、殺せんせーは一冊余った()()()の最後のページをやたら丁寧に切り離す。そこから先はマッハ20で作業して、気が付くと指先には黄色い建築物が乗っていた。

 

「殺せんせーがマッハ20で下見した観光マップと、京都土産人気ベスト10。初回刊行特典は『組み立て紙工作金閣寺』です!」

 

『ノリノリじゃねーか!』

 

このとき、まさかあんな目に遭おうとは誰も知る由は無かったのだ




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