短く拙い作品ではありますが、何かの参考、或いはフロム脳の開拓にでもどうぞ。
フロム脳100%の妄想作品です。
「矢張りダミーか。聞こえるか、お前の言う通りだったぞ。」
輸送部隊のトラックを踏みつぶし、ネクスト、ワンダフルボディの搭乗者は呼吸器に大きく息を吐く
『だろうな、現在遠方からネクスト反応が二つ接近している。これを見過ごせばGA、そしてNSSプロジェクトのメンツに関わる。逃げるという手はない。良かったな、今までのノーマル共とは違うぞ。』
「まったく、人使いの荒いことだ……。方向は?」
『北西、おそらく数分後には投下されるだろう。インテリオルの事だ、GAの面目を潰す目的も考えてもウィン・D・ファンションを出すという事もあるまい
おそらく出すとしてもロイ・ザーランドだろう、それに囮の独立傭兵…例の、期待の新人かもな』
「勘弁してくれ、こっちは動かすだけでしんどいんだぞ。」
『そう言ってやめてくれる相手でもないさ。』
若干の苛立ちを覚えも、ぐっと飲みこんで頭を切り替える
『機体識別番号……よかったな、ロイ・ザーランドと新人傭兵だ。』
「冗談だろ、ああったく……」
はぁ、とまたため息が出る。
『安全装置の稼働を許可する。』
「停止後にコックピット撃たれりゃどっちにしてもおしまいだろが。」
『せいぜい死んだふりでもすることだ、それが嫌なら勝てばいい。』
言ってくれる。いつだってこの男はそうだ。
『情報を整理する。ロイ・ザーランド、重量二脚、一番注意すべきは双発のハイレーザーライフルだな。溶けるぞ。』
遠くで打ち合わせでもしているのだろう。レーダーで動かない二機を見て深呼吸し、頭を切り替える。
元より出来ることなど少ない、ノータリンの俺には分かりやすくて良い。
「ネクスト・ワンダフルボディ。敵機を迎撃する。」
遠くから耳をつんざく高音が響く
来る。
ミサイルが真上に発射される
『ロックオンが間に合っていない、落ち着け!』
「喧しい!!」
建物を遮蔽物に再びミサイルをロックオン、発射。
何発かあたったようだがそれよりも回り込んでくる中量二脚が放った何かが直撃する
直後、レーダーと通信が途絶え、APが大きく削られる
一体何を使われた?
大きくその場から後ろに距離を取る
空間には白い何かが蠢き、その正体を知らせてくる
「プラズマ!」
瞬間、横から飛んできたハイレーザーライフルが地面を溶かす
あの火力が叩き込まれていたらと思うとヒヤリとする
完全に偶然だった。
二対一、更に悪い相性に涙が出そうになるが大きな舌打ちに変える
折れている場合ではない、剥き出しになりそうな感情を無理やり落ち着ける。
ミサイルをオフに、ライフルと散弾バズーカを構える。
再びプラズマランチャーが発射される
ブーストを無理やり反対方向へ、ギリギリで足元に着弾、レーダーと通信が役立たずになるが
「いい所にいるじゃねえか。」
低空でこちらを狙う新人傭兵に散弾バズーカが直撃、大きくひるみ、慌てたようにQBを吹かし、距離を取る。
ほぼ同時後ろからブースターを吹かし風を切るよく聞きなれた音が響く
反射的にフレアを打ち上げれば何かが上へと上がっていく
QTでその方向を見ると同時、ロイ・ザーランドのガトリングガンが火を噴く
装甲の表面を銃弾が撫でる。
生憎、実弾防御は得意中の得意だ
再び散弾バズーカを撃つも当たらない。
ライフルのほうも二発ほど当たっただけ。
「くっ、遠い。」
ロイ・ザーランドに近づくために前に前に出る。
だが距離を保たれ、廃墟のビルを利用され、巧みに避けられる
苛立ちが募り、いい加減に、と思った時にゾクリと嫌な予感に襲われ、その場に足を止める
二歩先の地面を何かが通り過ぎていく
「っ」
何かを切り裂く音が響き目を向ければ、ビルに衝突している新兵が居た。
反射で散弾バズーカを撃てば二発ほどがあたり、大きく怯むもののすぐに遮蔽物を利用して距離を取られる。
レーザーブレード。
呼吸が浅くなる
乱される
恐ろしい
死にたくない。
そう、思ってしまった。
AMSを通じて流れ込む情報に恐怖が運ばれる
乱されたイメージが流れ込む
無様に足を動かす。
経験則が、男の生き抜いてきた常識は徒歩での移動という悪手を取った。
「死にたくないっ!はっ!はっ!」
悲鳴を上げていた
恐怖に怯えていた
頭が恐怖を覚えてしまった。
瞬間、レーザーが直撃、嫌な音を立てる
男にとっては十分だった
「いやだ!いやだ!!助けてくれ!!助けてくれ!!」
「大佐殿!!!」
『すまん。』
男の心が折れるには、十分すぎた
「やだ、いやだ、助け、助けて、誰か——―—」
そこからワンダフル・ボディが停止するまで、長くはかからなかった。
「大佐……もう、中に入りましょう、風邪を召されてしますます。」
男は身寄りのない、或いは表ざたにできない人間の墓場。
男は墓に無造作に酒をかける。
何も感じさせないその顔はしかし、どこか、遠い所を見ているようでもあった。
「……皆、そいつよろしく頼むよ。俺もいつかそこに行くからさ。それまでに何人になるかわからないけどさ、とりあえずどんちゃん騒ぎで迎えてやってくれ。」
空の瓶を持ったまま、傘を構えた秘書の横を通り過ぎる
「大佐。」
秘書の声に足を止める
「……大佐、風邪を召されてしまいます。」
秘書が大柄なカーネルのために差し出した傘を無視して歩みを始める
「今だけは、この方が良い。」
秘書は男を傘に入れて、墓場を後にした。
酒に濡れた墓には、ただ一人の名前が彫られていた。