Muv-Luv ALTERNATIVE Toy Warrior   作:はんふんふ

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三人娘

東京に着いた俺達が向かったのは、何の変哲もないただのホテルだった。

「それじゃ、行ってくるね!」

レオがそう言うと護衛の黒服の人達を何人も引き連れホテルの中に入って行った。

「俺達はこれからどうするんや?」

俺がこれからの俺達の予定をザウルに確認する。

「俺達は、樺太基地にいるtoy・Flowerが東京に来ているらしいから案内して貰おうと思ってな!」

トイ・フラワー、俺達が裏で使う戦術機専門のテストパイロット部隊だとすると、彼らは表のテストパイロット部隊だ。

彼らが任された戦術機は確かF-16XLをネフレで採用したF-16Eセイカーファルコンの筈だ。

この戦術機が表で使われるネフレの次期主力戦術機、確か第2.5世代機相当の実力がある戦術機らしい。

それを、任せられる人達なのだ実力は相当のモノだろう。

「で、和真も来ることは決定事項だからな!」

俺は笑いながらザウルに頷いた。

 

そしてホテルからそう離れていない繁華街の待ち合わせ場所にいくとすでに、三人の女の人が待っていた。

「やっほ~~!」

ウェーブした綺麗な髪とその綺麗な髪を後ろで1つに括りドリルのポニーテールにしている人が元気に手を振ってきた。

「久しぶりね!」

続いて、少し紫がかった長い髪の人が声を駆けてくる。

「お久ぶりです!」

最後に所々くせっけなのかアホ毛が跳ねており、左前髪を赤い髪留めで止めている人が声を駆けてきた。

それに対し、リリアはまるで女子高生のようにキャッキャッしながら走り寄って行き、ザウルは笑いながら手を振る。

俺はその様子を見ながら二人の後に着いて行った。

「あら、その子が新しい子?」

ドリルポニーテールが俺に近づいて来る。

それにつられ他の2人も俺の傍に来た。

「あたし、竹宮千夏よろしくね!」

竹宮さんはそう言うと、俺の手を掴みブンブン振ってくる。

「よ、よろしくお願いします・・・。」

何とか腕は千切れずに済んだ。

次に後ろにいた二人が自己紹介してくれた。

まず、紫ロングヘアーが自己紹介をしてくる。

「あたしは藤澤月子、よろしく。」

「はい、藤沢さん!」

藤沢さんは、満足したのかうんうん頷いている。

最後に、アホ毛の人が自己紹介をしてくれた。

「三浦園子です。よろしくお願いします!」

そう三浦さんは言うと、頭をおもいっきり下げる。

「い、いえこちらこそご丁寧にありがとうございます!」

俺もつられて頭を下げる、これは日本人の1つのクセではないだろうかと思う。

そんな2人を見て藤沢さんは、ニヤニヤ笑いながらからかってきた。

「園子~!それじゃまるで、お見合いしているみたいだぞ~?」

「つ、月子さん!」

三浦さんをからかう藤沢さんは物凄く良い笑顔だ。

「で、君の名前は?」

そんな2人の矛先を変えるように竹宮さんが話しを振ってきた。

「あ、はい!俺は五六和真です!」

「ふ~ん、じゃああたしは和真って呼ばせて貰うわ。」

藤沢さんは、三浦さんをからかうのを止め俺にそう言ってきた。

「はい、藤原さん。」

俺がそう言うと、藤沢さんは急に嫌そうな顔をする。

「あぁ~、やっぱその藤原さんは止めて、月子で良いから、てかそっちの方が良いから。」

「はぁ、分かりました月子さん。」

「じゃ、じゃあ私も園子でお願いします!」

少しテンパりながら話す園子さんに俺は笑いながら、はい、と答えた。

「あたしも、千夏でいいからね?」

忘れないでくれと主張するかのような千夏さんにも俺は、はい、と答えた。

「それじゃ、お互いに自己紹介も済んだことだし行こうとするか!」

ザウルの合図で俺達は動き出すことになった。

色々な所を観光し昼食を食べる時間になり、俺達は今どこか良い所が無いか探していた。

「なぁ、和真・・・。なぁ、なぁ・・・。」

俺の耳元に口を近づけ話し駆けてくる月子さんに俺は、少し引きながら問い返した。

「・・・な、なんや?」

直ぐに友達になることが出来るこれが、月子さんの凄いところなのだろう。俺はそれに気が付かずにいた。

「あの、2人ってさ・・・。やっぱり付き合っているわけ?」

月子さんの指差す方を見るとザウルとリリアがいた。

2人はラブラブを周囲に見せびらかす様に腕を組んで歩いている。

「あ、やっぱり月子もそう思う?」

千夏さんが話しに加わってくる。

「―――て言うか、もう付き合っている様にしか見えないです。」

園子さんも、話しに加わってきた。

そんなことより――――。

「あんたらは、何でそんなにくっついてくんねん!」

そう、内緒話を歩きながらするものだから自然と情報を聞き出される側の俺の周りには三人とも肌が触れ合う位近くにいた。

「す、すみません!」

顔を赤くし直ぐに離れてくれる園子さん。

「あはははは・・・。」

笑いながら離れる千夏さん。

「ちょ、お前こんな美少女を自分から引き離すとか・・・、まさか女に興味がないとか?」

月子さん・・・、あなたって人は。

「なんでそうなるんや!俺はゲイちゃうわ!!」

「だって、信じられないだろ!周りは美少女、しかもその美少女から近寄ってきてるのに何の反応もしないとか!」

「自分で美少女って言うなよ!!」

「まぁ、まぁ、それより実の所どうなの?やっぱり二人は付き合ってるの・・・。」

千夏さんが、話しを強引に元に戻す。

「付き合ってるも何も、婚約してますよ?あの二人・・・。」

それの発言に雷が落ちる。

「「「な、なんだってーーーー!!」」」

俺はビックリし、耳を塞いでしまった。

「まぁ、解っていた事だけどねぇ~。」

「ちっくしょーー!リリアに先を越されたーーー!」

「お似合いですからね、あの二人は、本当に良かったです。」

三者三様の言葉を歩道の真ん中で喚く。

「ほら、騒いでたら他の人の迷惑になるやろ、はよ行こ!」

そう言って歩き出そうとする俺の腕を千夏さんが掴み止める。

「な、なんや?」

「そうと、知ればあの二人の邪魔をするわけにはいかないわ!」

あぁ、千夏さん・・・、あなたは世話焼きタイプだったのですね。

「リリア、ザウルさん!あたし達は後で行くんで先に行って貰って良いですか?」

千夏さん・・・、先走り過ぎです。

その千夏さんの様子に気が付いたリリアは赤くなりながらも満面の笑顔になり、何かを千夏さんに話している。

千夏さんがこちらに帰ってくると二人は先にどこかに歩いて行ってしまった。

「どうしたんですか?千夏さん。」

首を傾げ問いかける園子さんに千夏さんは、笑いながら答えた。

「フッフフフ!あの二人には、さらにラブラブになって貰うためにこれからは別行動をするわ!」

それに続き、月子さんが答える。

「そんで、二人を追跡してラブラブを教授して貰うわけだな!」

「えぇ~!ダメですよ。そんな事をしちゃ!」

「いいえ、園子・・・。あの恥かしがりだったリリアがどれだけ開放的になるか、あたし達は確かめなくちゃいけないのよ!」

「そうだ!決して先を越された事が悔しいわけじゃないぞ!」

「ふ、二人とも~!・・・和真さ~ん。」

困りまくっている園子さんの頭を撫でながら俺は考える。

普段のあの二人はどういう感じなのだろうかと・・・。

「楽しそうやし、良いと思うで。」

等々、園子さんの仲間はいなくなった。

「それじゃあ、レッツゴー!!」

「「オーーー!!」」

「お~~~。」

 

電信柱の影に三人で隠れ現在ザウル並びにリリアを監視している。

2人はカフェテラスでも、ラブラブ空間を構築しておりア~ンおいしい?を交互にくりかえしていた。

「くぅぅぅぅ!若いっていいなぁ~!」

「えっ!?千夏さんってそんなに歳がいってるんですか?」

そう答えた俺の腹に千夏さんのパンチが炸裂する。

「グフっ・・・。」

崩れ落ちそうになる俺を園子さんが必死に支える。

「ザクとは違うのだよ!ザクとは!!」

「なんで知っとるんや、月子さん・・・。」

俺は、堕ちてしまった。

 

次に2人が向かったのは湖がある公園だった。

公園は木々の間を風が通り過ぎ太陽の光が湖に反射し、その湖を見つめる2人は凄く綺麗に見えた。

俺がそんな事を空を見ながら、感じてシミジミしていると、突然三人が騒ぎ出す。

「ちょっと、静かにしやんとバレますよ!」

俺がそう言って視線を下げると、二人はキスをしようとしていた。

「あわあわあわ!!」

「もう少し~~!」

「やるのか、やっちゃうのか!!」

俺は、その三人と同じにハシャギそうになる。

2人の顔が近づく。

そして、重なり合いそうになり俺達のテンションも爆発しそうになった時。

―――――カシャ。

カメラのシャッター音が聞こえた。

「「「「えっ・・・。」」」」

「皆良い顔してたよ♪」

「はははははは!!」

ザウルとリリアには、俺達が後をつけていたのがばれていたようだ。

「やられたーー!」

「あちゃ~!」

「す、すみません。」

悔しがったりしている三人を他所に俺は2人に近づく。

「リリアってカメラ持っててんや?」

「コイツの趣味は、写真だからな!まぁ、それが相手に無断でしかも気付かせないってのが難点だけどな!」

まさか、リリアにそんな趣味があったなんて。

俺が二人とさらに話しをしようとすると、後ろに引きずり込まれた。

「グエっ!」

「ほほほほ!それじゃ、あたし達は先にお暇しますわ!」

そして、俺は三人に拉致られた。

 

「はぁ、作戦は失敗したしこれからどうしようか?」

「どっか入って飯でも食わねぇ?」

「あれ?和真さんは?」

 

俺は、1人小ウィンドウにある向日葵の花を見ていた。

それは、本物の花では無く綿が詰められた人形だ。

どこか丸みを帯びていてそれでも、空に自己主張するそれを見て俺はあることを思い出していた。

それは、リリアとザウルの思い出の話し、昔二人でヒマワリ畑を見た時の話だ。

2人はそれ以来ヒマワリが好きになったらしい、だがそこはすでにBETAに蹂躙されており一生見ることが出来ないそうだ。

俺は、その向日葵の横に作り方の乗った本がある事を見つける。

2人に何かを渡したかった俺はそれを食い入るように見ていた。

そして、買う事にした。

店から出ると、三人が店の前にいた。

「あ、いたいた!」

千夏さんが俺を見つける。

「うん、何を持ってるんだ?」

月子さんが俺の手元の袋を除きこんだ。

「これ人形作りの本ですか?」

園子さんが、袋に入っていた本を見つけ俺に問いかける。

俺はそれに顔を赤くしながら、答えた。

「リリアとザウルが向日葵が好きやって言うから・・・、本物は用意できひんし、これで我慢して貰おうかなって・・・、手作りやったら喜んでもらえるかなっておもったから・・・。」

俺は、そう言って恥ずかしさから俯く。

すると、俺の頭を抱きしめられた。

「もぅ、かわいいなぁー!和真は!!」

千夏さんは、その豊かな胸を俺の頭に押し付ける。

どうやら、俺の事を弟か近所のガキくらいにしか思っていないのだろう。

「ちょ、止めて!恥ずかしいから!!」

「もう、照れなくても良いのに。」

俺は、袋の中の物を守る様に抱え月子さんが腹減ったとうるさいので、昼食を食べに向かった。

 

レオ達と合流した後、俺達は船が出港するまでの間に港にあるホテルで飲み会をすることになった。

えぇ、そりゃ飲まされました。

俺はもう良いと言うのに飲まされました。

しかも、レオとザウルは俺が意識を保つギリギリを見極めて飲ませるのでまさに生き地獄でしたとも。

リリアはザウルに膝枕され、まるで猫のように甘えている。

レオは相も変わらず酒瓶を愛おしそうに抱いている。

千夏さんは月子さんにキスの雨を降らせている。

・・・千夏さん、あなたはキス魔だったのですね。

月子さんは、キスをされながら泣いている。

・・・月子さん、あなたは泣き上戸だったのですね。

そんな2人を見ながら股を開き、笑い転げる園子さん。

・・・園子さん、あなたは笑い上戸だったのですね。

そして、ザウルはタイミングを見計らい俺にレオと共に酒を飲ませる。

「・・・誰か、助けてくれ。」

俺の救いを求める声は誰にも届く事は無かった。

 

俺は、目を覚ますと女子軍団がどこかに姿を消していた。

どうやら俺は撃沈していたようだ。

隣を見ると、ザウルとレオはまだ飲んでいる。

しかも、かなり出来上がっているようだ。

「おう、和真目が覚めたか!こっちに来い!!」

俺は、嫌々するが、無理やり引きずり込まれる。

「・・・和真君、君に最重要なミッションを言い渡す。」

レオは、出来上がった酒臭い顔を俺に近づけてくる。

「これを持って、女子風呂に行きビーナス達の姿を収めてくるのだ!」

レオから手渡されたのはカメラだった。

「嫌やよ!何で、俺がいかなあかんのさ!俺はまだ死にたくない!!」

俺が、そう言うとザウルは肩を組んでくる。

「・・・これは、今後のネフレのためでもあるだ!」

妙にスケールが大きい話になってしまった。

「なんでネフレが関係してくるねん!これは盗撮つまり、犯罪やぞ!!それに、リリアの裸の写真が撮られることになるねんぞ、ザウルはそれでも良いんか!?」

「良い!!」

断言したよコイツ・・・。

「・・・たまには、その写真を使ったプレイもしてみたいと思っていたんだ!」

もうダメだ・・・、誰かここに病院を建ててくれ。

「まぁまぁ、これでも飲んで落ち着いて考えてくれ。」

「ちょ、またッ、ガボゴボゴボ!!」

口の中奥深くまで押し込まれた酒瓶から、度数がいくらか解らない酒が流し込まれる。

しかも、俺が沈む前に抜かれ俺の意識は朦朧とする。

「準備が整ったようだな、五六少尉・・・。」

「ハッ!」

俺は、テンションが壊れてしまったようだ。いまなら、何でも出来そうな気がする!

「よし、少尉これを持って女子風呂に潜入、ターゲットを収めて来い。」

「ハッ、了解しました!」

俺の中の今まで隠してきた情熱が爆発する。

「よし、行け!!」

ザウルが俺の背中を叩き活を入れる。

「五六和真少尉、行きま~す!」

俺は走る、まるで体が羽のように軽い、廊下を走り女子風呂まで突き抜ける。

「俺は風だ!なんでも出来るんだ!!そう、まさにこれは天命、神が俺に与えた天職!そうだとも、私はオッパイに魅せられた!これはまさしく愛だ!!」

目の前に女子風呂の暖簾が見えてくる。

「見せてやる!これこそが、俺の新必殺技!名付けてゴッドローリングクラッシャーショット和真スペシャル!!今の俺は、重光線級すら凌駕する存在だ!!」

そして、俺は勢いよく女子風呂の扉を開けた。

「いざ!我がパラダイスへ!!」

そして、湯煙の先にはいくつもある中で一番大きい湯船に浸かる四人の女神がいた。

「和真?」

リリアが湯船の中から顔をこちらに向け驚いた顔をする。

「和真さん・・・?キャッ!!」

風呂の淵に座り足だけをつけていた園子さんが、体を慌てて抱き湯船に身を隠す。

「すっげ~!女子風呂に突撃かます奴初めて見たよ!!」

湯船の中でこちらに輝いた瞳を向ける月子さん。

「へぇ~、やっぱり和真も男の子なんだね~。」

そして、余裕の笑みを見せる千夏さん。

・・・フム、みなさん良いナイスバディです。

俺は、頭の中のアルコールが一気に抜け正気に戻ってくる。

「―――えっ、あ・・・。その、あの・・・。」

もっと、園子さんみたいにキャーとか、エッチーとか言ってくれるとテンションがさらに上がり大変な事になったのだろうが、他の三人は余裕の表情で逆に見ているはずの俺が恥ずかしくなってくる。

「なんだ~!和真も一緒に入りに来たの?でもその前に服を脱いでこなきゃだめだよ?」

リリアは、もうしょうがないなぁ~、と言いながらこちらに向かってくる。

前を隠さずに・・・。

「ま、前!見、か、隠して!!」

俺はカメラを投げ捨て出来るだけ見ない様に両手で目を隠す。

「なんだ、なんだ?やっぱり、フニャチンかよ情けねぇな~。男ならガン見するくらいの根性みせろよなぁ~。」

「つ、月子さん!」

さらに足音が増える。

「もう、和真は初心でかわいいなぁ、前線じゃトイレもお風呂も男女一緒だよ?恥ずかしがってちゃこの先大変よ?」

さらに、足音が増える。

俺は、両目を隠しながら後ずさる。

「良いから!見せなくていいから!ご、ごめん俺どうかしてた!も、もう帰るから・・・。」

そう言って走って行こうと振り返ろうとすると滑ってしまう。

「わっ!!」

「危ない!!」

リリアが、俺の腕を掴み何とか俺はケガをせずに済んだ。

「あ、ありがとうリリア・・・ッ!!」

そして、リリアの方を見るとそのたわわに実ったスイカが直ぐ近くにあった。

しかも、慌てて目をそらそうとすると、その後ろから来ていた月子さんと千夏さんの生まれたての姿も目に入る。

凄く・・・、眼福です。

俺は、そこで等々意識を手放してしまった。

・・・父さん、くまさん、ごめん。俺、幸せだ・・・。

 

気を失った和真を前に私はどうしようか悩む。

「気絶しちゃったね、どうしよ?」

「とりあえず、見られてばかりも腹が立つし・・・、見せて貰おうか!トイ・ボックスの実力とやらを!」

そう言って、月子は和真の服を脱がしていく。

「つ、月子さん!いけませんよ!!」

そう言いながらも、園子もガン見だ。

私も、和真がまだお風呂に入っていないのを知っていたから特に止めもせずにむしろ手伝った。

「おやまぁ~。」

「ほうほう・・・。」

「はわわわわ!」

千夏、月子、園子の順でそれぞれ声を発する。

私は、特になんとも思わない。

和真は弟のようなモノ、嫌もう弟だ。別に家族に裸を見られたからと言って恥ずかしくない。それより・・・。

「ふむ、中々可愛らしいね。」

素直な感想が自然と口から出た。

「小さくも無く、大きくも無い・・・。一番助かる大きさかな?」

千夏がマジマジと観察しながら言う。

「ちぇ、つまんないなぁ~!もっと、インパクトがあると思ったのになぁー!」

月子が愚痴を零す。一体どんなサイズを想像していたのだろうか。

「・・・なんだか、可愛いです。」

弟達のを見慣れているのか、どこか微笑ましそうに見ている。

たぶん、それが一番傷つくかな。

「まぁ、取りあえずお風呂に運ぼうか!」

そして、和真をお風呂に私を背もたれにして入れる。

「それにしてもさぁ、コイツさっきまで苦しそうな顔してた癖にリリアに抱かれた途端に安心しきった顔をするな!」

「ふふ、普段はどこか難しい顔をしているからね和真は・・・、でも月子、この顔可愛いでしょ?」

「た、確かに、昼間とのギャップが卑怯だな・・・。」

「そうよね~、さっきの仕草と言い、こう母性がくすぐられるわね。」

「ですね~、弟達を思い出しますね!」

「園子の家族は元気にしてる?」

「はい!ネフレで治療して貰って職場まで与えて貰って、皆第一町で元気にしていますよ!」

「あたしの火傷で酷かった顔も完全に元どうりにしてもらったし、超優良企業に雇って貰えたし、人生勝ち組な気分だね!」

「2人が無事な事を、伊隅にも伝えて上げれればいいんだけどね・・・。」

「伊隅なら、今頃大出世して自分の部隊を任せられるようになってるって絶対!」

「ですね~!」

この三人は、横浜の訓練校からの付き合いで、あと一人分隊長をしていた人がいる。

伊隅みちる、確かそんな名前だった筈だ。

演習中に月子が事故を起こし、それを園子が助けに行きその時の爆発に巻き込まれ園子は大怪我を負った。

園子の体の殆どは、疑似生体で直されている。

園子の体は、その当時の最先端の技術で直されたのだ。

園子には悪いが、ネフレに実験体にされたようなものだ。

そして、実験が成功し戦術機にも乗る事が可能となった園子、その成功例を逃がさないために人質として連れてこられた家族・・・、園子は樺太で死にそうな目に合いながらも必死に戦っている。

月子も同じだ。

唯一違うのは千夏だけ、どこから仕入れたのか2人が無事なのを知りネフレに乗り込んできた。

まぁ、当時は仲間を訓練校に置いて来たのを悔やんでいたが・・・。

だが、それも仕方のない事だろう。

彼女がその情報を仕入れたのは、訓練校を止めてしばらくしてからなのだから・・・。

もしかすると、ワザとネフレ側からリークしたのかもしれない。

彼女の格闘戦技術には目を見張るものがある。

その若い人材をネフレは欲していた。

これまでの、話を振り返るとネフレが物凄く悪い会社に見えてしまう。

それでも、三人は生きて再び会う事が出来、三人とも利用されているのを知ってここにいる。

なら、私がとやかく言うことでは無いだろう。

言ったとしても、深暗まで知っている訳では無いが色々な事を彼女達は知っている。

辞めさせて貰えるハズがないだろうな。

私が、暗い気持ちになり考え込んでいると肩を優しく千夏が揺らしてきた。

「リリア、私達はちゃんと自分で決めてここに居る。だからそんなに心配しなくていいわよ。」

「千夏・・・。」

私が謝罪の言葉を言おうとすると、和真が身じろぎをした。

「・・・う、ん・・・リリア、姉ちゃん。」

「くすっ。」

私は、私の胸の中で安心しきって眠る和真を愛おしげに抱きしめ和真の髪に鼻を付け和真の甘い匂いを楽しむ。

「こうやって見ると、姉と言うより母親だな。」

「ふふ、月子、和真って凄く甘い匂いがするんだよ?それに、頬っぺたも凄くプニプニで気持ちいいんだよ?」

「男でそれってどうよ・・・?」

千夏が和真に近づき、頬を触る。

「どれどれ・・・、うわ、本当だ!良いなぁ~!」

「わ、私も・・・、凄~い。おもちみたい。」

「ほら、月子も触っときなさいよ!この機を逃すと次は無いよ!」

「ったく、どれどれ・・・、何だよこの餅肌!男の癖に~!」

月子はそう言うと、和真の頬を抓った。

「・・・う~ん。」

「こら、月子和真が起きちゃうでしょ!今起きたら和真今度こそパニックを起こしちゃうよ!」

私は和真の頬で遊ぶ月子を叱る。

素直に手を引いた月子はニヤニヤしながら私を見てくる。

「な、なに?」

「まさか、あのビクビクしてたリリアがこうなるとわね~。」

「ど、どう言う意味?」

「だって、私達と初めて会った時、ずっとザウルの後ろでビクビクしてたじゃん。」

「・・・うっ、それは。」

「しかも知らない内に婚約までしてるしさ~。」

「あたし達もうかうかしてると、神宮寺教官みたいになっちゃうかもね?」

「うげっ、それはマジ勘弁・・・。」

「こらっ、月子さんそんな事言っちゃダメじゃないですか!」

「う・・・ん。」

「二人とも声が大きいよ!」

「そう言うあんたが一番大きいわよ・・・。」

「それにしても、和真ってこんな可愛い顔するのね。普段だと、昼間みたいに難しい顔してるの?」

「そんな事は無いよ千夏、・・・あっ、そうだ!私の秘蔵のアルバム焼き回ししてそっちに送って上げようか?」

「えっ、本当!?」

「ザウルはさすがに私のだから、ダメだけど、和真の別の一面を知って貰うためなら用意するよ!」

「出たよ、パパラッチ・・・。」

「凄く見たい!これで、話題にも困らないしね!助かるよ!!」

「因みに、リリアさんのオススメの表情とかってあったりするんですか?」

「う~ん、私のオススメは、嬉し泣きした後の笑顔の和真かな?整備班の人に撮影して貰ったベストショットだよ!もうね、母性がキュンキュンして抱きしめたくなるんだよ!!」

「へぇ~、昼間のコイツの顔じゃ良くて中、悪くて下の上くらいの顔だったけど、確かにこの顔を見ると解らなくもないわ・・・。」

「でねでね、それ以外でね――――――。」

私達は、そこから和真の顔が熱で赤くなるまで話し込んだ。

因みに、和真の体を皆で隅々まで洗い服を着せるのも皆でやった。

本当に、楽しい一日だった。

こんな日がずっと、続けば毎日が楽しくてきっと、凄く幸せなのだろうな・・・。

 

目が覚めると、俺は船の待合室で眠っていた。

「はっ!!」

俺は急いで周りを確認する。

だが、誰もいない。

俺はあれは夢だったのかと安心し待合室をでた。

外に出ると、皆すでに荷物を船に積み込んでいた。

「遅くなってすみません!!」

俺は慌てて近寄り手伝おうとする。

「おう、おはよう和真!良い夢が見れたか?」

「えっ・・・、あはははは!」

俺は、笑ってやり過ごし荷物運びを手伝った。

船が出る時間が来る。

園子さん達は、別の船で樺太に向かうそうだ。

俺達は別れの挨拶をしていた。

「お世話になりました。」

「今度は樺太においで、歓迎するから!」

「はい、千夏さん!」

「ケガしちゃダメですよ?」

「気を付けますよ、園子さん。」

「・・・フニャチン。」

「―――――ッ!!」

あれは夢では無かったのか・・・、お、俺はーーーー!!

そして、俺達は船に乗り込んだ。

 

船の甲板で、俺は離れ行く日本を眺める。

時間はもう深夜だ、町の明かりがほんのりと見える程度である。

本当に楽しい日だった。今までのストレスを一気に発散した気がする。

だが、そう思えば思う程にこの時間を作ってくれたのは、今もどこかで戦ってくれている人達が作り出した貴重な時間なのだと俺は理解したつもりになっている。

そして、そんな感情で見るその明かりを、俺は命の灯のように感じた。

個々の光は精一杯輝いているが暗闇がそれを飲み込もうとにじり寄ってくる。

その暗闇にどれだけの命が食われていったのだろうか・・・。

そして、船が進み明かりは完全に見えなくなってしまう。

辺りを静寂が支配する。

音など無い暗闇が俺を包み込む。

波の音も聞こえない完全な死の世界だ。

俺は、眼前にあるはずの海に視線を移す。

合いも変わらずこの海は俺を別の世界へと連れて行ってくれそうな気がする。

ただ、ここから海に飛び込むだけで夢の世界に行けそうなそんな気持ちが俺を支配する。

海を覗き込むと、暗闇の底から声が聞こえたような気がした。

「あなたは、どこにいますか・・・。」

俺の耳には・・・、嫌、心にそう囁きかけてくる。

ここで、俺がどこの世界にいるのかを明確化すればそこに行けるのだろうか・・・。

父さんと初めて船に乗り同じように海を見ていた時は、タエが俺を引き留めてくれた。

だが、ここには俺を邪魔する存在はいない・・・。

今、答えを出せば行けるのだろうか・・・、あの時行けなかった世界にいけるのだろうか。

俺は、自然と上半身を柵から乗り出す。

すると、また心に声が聞こえた。

「―――あなたは、どこにいますか・・・。」

俺は、さらに上半身を外に投げ出し顔を下に向け。

そして、―――――――。

その声の主に向かって唾を吐きかけた。

そして、体を柵より内側に戻し船内の入り口に向かう。

扉に手をかけるときに暗闇に振り返る。

「俺がどこにおるかやと?・・・アホな事ぬかすな、俺は・・・、ここにおる。ここにおるんや!」

それは俺の決断、ここで別の答えを出していたら結果は変わったかもしれない。

それでも、俺はこの答えを出した。

俺の居場所はここなのだと、答えを出した。

それは、今決めた事じゃ無い。

あの日、父さんを殺した時からもう決まっていた。

例え償い切れない程に重い十字架であろうと、進むべき道が解らず見えていなかったとしても、ただ歩みだけは止めないと、この足だけは心だけは前を向いて進み続けるのだと・・・。

「あの頃の俺なら、そっちに行ってたかも知らんけどな・・・、今はやらなあかん事があるんや、俺の邪魔をするな・・・、寝言は寝てから言えど阿呆が。」

そして、俺は船内に入った。

この決断自体が間違いなのかもしれない、俺のエゴを世界に押し付けるだけかもしれない、それでも今はこの答えしか俺は用意できないのだ・・・。

なら、最後までやり通してやるさ。

「――――死んで罪を償うのは、それからでも遅くはないやろ?なぁ、父さん」

 




読んでいただき、ありがとうございます。
今回登場した三人娘は、クロニクルズ告白に登場します。
toy・FlowerのFが大文字なのは、彼女たちが元F分隊だからです。
彼女達の事を知りたいと思う人がいれば、ぜひプレイしていただきたいと思います。
オルタ漫画八巻にも、神宮寺軍曹の回想で登場しています。

次回は京都防衛戦をします。
戦闘描写は苦手ですが、読んで頂けたら幸いです。
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