Muv-Luv ALTERNATIVE Toy Warrior   作:はんふんふ

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阿修羅

朝と夜が逆転し、天と地が同化する。

夜なのに朝、京都の町は業火に焼かれ朝日が町に顕現する。

町を容赦なく燃やす太陽は、空と大地の境目を無くさんばかりの閃光を放つ。

一方では、魑魅魍魎の百鬼夜行が太陽の如き閃光から逃げ出そうと夜が支配する人の縄張りに押し寄せる。

それらは、阿鼻叫喚を呼び救いを求める諸人を踏みつけながら、逃げ惑う。

そして、諸人の叫びを聞きつけた神々がその悪鬼を払う雷を投げ入れ駆除し、さらに光の世界を構築していく。

だが、諸人の叫びは神には届かない。

舞い上がる粉塵が神の目から人々を隠してしまうからだ。

それでも、神々は人を救おうと雷を投げ入れる。

そこに、救いを求めた者が居ようと神にはそれらが見えないでいた。

この光景を現すなら、地獄絵図、もしくわ、ラグナロク、それらがこの京の都で行われていた。

 

俺は光線級がいるであろう、場所をさけながら京都の町をBETAを殺しながら移動する。

なぜ、光線級がいる場所が解るのかと言うと、空に向かい光が伸びているからだ。

光は、琵琶湖から放たれた砲弾を打ち消すが、砲弾の方が圧倒的に数が多く、チャージしている光線級を根こそぎ弾け飛ばしていた。

そして、その砲弾の雨は京都の町すら焼き払う。

「等々始まったか・・・。」

俺は、1人呟きながらビルの合間を縫いながら移動する。

目の前のまだ俺の存在に気が付かない、嫌、距離があり過ぎて気付けないでいる突撃級の群れのケツを蜂の巣に変える。

ビルから飛び出してくる要撃級の攻撃を紙一重で躱し足の大型モーターブレードで切り上げる。

脳から大量に送られてくる信号に反応しきれない筋肉を無理矢理動かし悲鳴を上げる筋肉を黙らせながら、戦術機を動かしていく。

頭を締め付けられるキリキリとした痛みは無い、そもそも筋肉が千切れて行く痛みすら感じない。

俺は友軍機を探しながら砲撃にさらされていない京都の町を進んでいた。

「はぁ・・・、はぁ・・・。」

息をするのも苦しい、陸に上げられた魚の様に口を動かしながら肺の中に酸素を送る。

それでも俺は、無理に体を動かし1人でも多くの人を助けようと動く。

例え可能性が低くても、俺は信じて動き回った。

そうしなければ、俺は俺を殺してしまいたくなる。

だが、それは出来ない。

ザウルとリリアに生かされたこの命は、三人分の命なのだ。

それを捨てるなんて俺には出来ない。

だからこそ、自分を納得させるために生き残りを探す。

例え、一分一秒長くこの町を戦場にしなかったにしろ、俺があの場でBETAを殲滅出来ていたら、その結果がこれだなんてあんまりだ。

春中尉や秋少尉、隊の皆、ザウルとリリアが残した結果がこんなのは認められない。

俺が、俺だけが彼らの死が無駄では無いと解っていても、この町の人がそれを認めてくれるとは限らない。

・・・そんなのは耐えられない。

だから俺は、それを認めさせるために、BETAを葬り続けた。

 

BETAを殺しながら突き進むと、四機の戦術機のマーカーが現れた。

俺は、生き残りがいることに歓喜しながらその場に向かう。

すると、その内の三機が離れて行った。

進行方向は京都駅のようだ。

残された一機にBETAの群れが向かう。

「クソッ!間に合ってくれ!!」

京都の町をジグザグに最短経路で向かう。

ビルや家を飛び越えて行けば一瞬だが、まだ光線級が完全に排除された確証がない状況では自殺行為だ。

俺は、戦術機を器用に動かしていく。

ビルを飛び越える場合も、一瞬で姿を隠す。

それを繰り返し突き進む。

それでも、間に合わなかった。

残った一機の戦術機はBETAの波に呑みこまれた。

「クソがッ!俺は何で、いつも遅すぎるんだ!!」

俺は戦術機の向きを強引に変え、京都駅に向かう。

京都駅に向かうために大通りに出た俺を出迎えたのは、要撃級の群れだった。

俺はその群れを飛び越え、前に躍り出る。

そして、京都駅を背後に突撃砲をすべて前面に展開し撃ち払って行った。

肉の壁を作る。

要撃級の死体を踏みしめ向かってくる要撃級を撃ち殺す。

そして、その上をまた踏みしめ向かってくる。

これを繰り返していた。

弾は最小限に止めるように殺している。

日本に来てからの戦闘で、だいたい何発撃ちこめば死ぬか感覚で解っていた。

一体の要撃級が築かれた仲間の死体の山を足場に跳躍し、その鋭利な腕を振り上げる。

両腕、両肩の突撃砲はすべて別の要撃級に向いている。

今さら、後ろに下がれない。

そう判断した俺は足のモーターブレードを展開し、蹴り上げようとする。

その時、通信が開かれ懐かしい声がした。

「その必要は無いわよ、五六少尉。」

飛び掛かる要撃級の横のビルが爆ぜ、ビルの瓦礫をその堅牢な体で弾きながら青い武御雷が姿を現し目の前にいた要撃級をその爪に装備された、カーボンブレードで握り刻む。

そして、鳥爪のように尖った爪先で蹴り上げもう片方の爪で横薙ぎに斬り裂いた。

要撃級は肉片を飛び散らせながら息絶える。

その後方から、赤色、山吹色、白色の武御雷も姿を現し青い鬼の横に着く。

その姿は、まさに鬼。

俺達との模擬戦から、さらに凶悪になった鬼は日本最古の都の番人として冥府から這い出してきた。

「嵩宰少佐?」

「えぇ、久しぶりね。それにしても、相変わらず派手な戦い方をするわね!あなた、ここら一帯だけで、3百近くのBETAを殺しているわよ?―――ッ!!」

そう言いながら俺の顔を見た嵩宰少佐の目が驚きに見開かれる。

「五六少尉、あなた・・・、平気なの?」

「何がですか?」

「自分の顔を確認して見なさい・・・。」

俺はそう言われ自分の顔に触れる。

ヌチャ―――。

そんな音が俺が振れた箇所から聞こえてきた。

俺はその手を確認する。

すると、その手は血で赤くなっていた。

俺の目、鼻、口からは少なくない量の血が流れていた。

俺は知らず知らずの内に、体を酷使していたようだ。

だが、痛みは感じない。

焦りもしない。

俺の中には、二人の思いが入ったのだ。これくらいどうってことは無い。

俺は、それを無理矢理拭いさる。

「あの凄腕の2人は・・・?」

嵩宰少佐は俺に問いてきた。

その悲しそうな顔を見れば、この人はもう答えに行きついているのが解る。

それでも、1人でいる俺をどうにかするために聞いて来たのだろう。

国連軍の俺を部隊に臨時編入するために、確認をとっているのだろう。

「・・・二人は俺と共にあります。」

俺の答えに嵩宰少佐は一瞬目を瞑り黙祷を二人に捧げてくれているのだろう。

俺はそれに心の中で感謝する。

「嵩宰少佐、京都駅に三機の瑞鶴が向かいました。京都駅とは連絡が付かず恐らく襲撃されたものと判断します。救援に同行していただいてもよろしいですか?」

俺は口早に嵩宰少佐に告げる。

「解った。私達も向かおう・・・、だが五六少尉、瑞鶴を安全な場所まで連れて行くのは、貴様の仕事とする。そして、そこで護衛する事を命ずる。・・・良いな?」

嵩宰少佐の口調が変わる。

どうやら、何が何でも俺に戦って欲しくないようだ。

だが、その命令を俺は受ける訳にはいかない。

でも、早く救援に行きたかった俺は、ここで口論するよりも形だけでも納得することにした。

「了解しました。」

嵩宰少佐は一瞬俺を訝しむが、頷く。

「それじゃ、早く向かうとしましょう!」

そして、俺達は真っ直ぐに京都駅に向かう。

 

後少しで、レーダーに写る瑞鶴三機と合流できる。

俺達は、最大加速で向かっていた。

俺は隣を俺と同じ地面と水平に匍匐飛行する青い武御雷を見る。

あの重い機体で俺のジュラーブリクと同じ速度が出せるとは、日本は推力を重点的に鍛えたようだな。

俺が、そんな事を頭の片隅で考えていると突然、瑞鶴三機のマーカーの内、二機が京都駅に突っ込み、残りの一機が京都駅屋上に墜落する。

なぜ―――ッ!!その答えは直ぐに見つけ出せた。

「要塞級ッ!!」

要塞級は、俺達を迎え撃つつもりなのか、大通りの真ん中で立ち止まり向きを俺達の方に向ける。

「五六少尉は、京都駅に向かえ!ハイドラ02は、屋上に墜落した瑞鶴の衛士の安否を確認、03、04は私と共にあの木偶の棒を殺るぞッ!!」

「「「「了解!」」」」

俺のジュラーブリクは、武御雷より小回りが利く、だからこそ俺に京都駅に向かうようにいったのだろう。

俺は、要塞級の攻撃を躱し京都駅に向かった。

 

私の乗る青い武御雷は、背部のブレードマウントを起き上がらせる。

匍匐飛行からのそれは、青い武御雷の姿も相まって鮫の背鰭のように見える。

その背鰭をブレードマウントから取り外さずに、柄の部分を片手で掴み固定する。

そして、後ろから二機の武御雷に援護されながら要塞級の尾を躱し接合部から要塞級をその背鰭で、進みながら斬り裂いていく。

そして、要塞級の後方に周り長刀を抜き、要塞級の頭頂部に刀を突き刺した。

「よし、全機無事だな!」

私は、自分の部隊が無事なのを確認する。

その時、赤い武御雷に乗るハイドラ02が私の横に着地し連絡を入れてくる。

「屋上の瑞鶴は中身が空でした。おそらく、脱出したものと思われます。」

「そうすると、京都駅内部に向かったと言うわけね。」

「・・・おそらく。」

―――最悪だ。

京都駅はすでに落ちていると見て間違いないだろう。

だとするなら、内部は小型のBETAで溢れかえっている筈だ。

狭い空間内でも自由に戦えるからこそ、五六少尉を向かわせたのに・・・。

このままだと、その衛士は小型BETAに殺される可能性が高くなった。

しかも、運良く五六少尉が見つけたとしても、生身の人間がいる中では行動に制限が掛かる。

戦術機に乗っている京都駅に墜落した瑞鶴の衛士を救出どころの話しではなくなってしまう。

私は慌てて五六少尉に通信を繋いだ。

だが、聞こえて来たのは悲しみに溢れる彼の叫びだった。

「やらせるかぁあああああああッ!!これ以上、俺の前でやらせるかぁあああああ!!」

 

俺は、嵩宰少佐達から離れた後、京都駅内部に突入しようとしていた。

「どこだ、どこにいるッ!!」

すると、見つけた。

地獄の底に繋がっているのではないかと錯覚させる程に、暗く口を開ける穴を・・・。

俺は、迷う事無くその中に侵入していく。

すると、通信をする声が聞こえてきた。

「た・・・か、むら・・・さん。」

「山城さん!?」

その声を聞いた瞬間に俺の中で歓喜の渦が巻き起こる。

が、次の瞬間にはその渦が掻き消された。

「――――撃って。」

何―――?

「山城・・・さん?」

その会話を聞いた頃には、俺は京都駅内の広場に降り立っていた。

そして、俺は見てしまう。

戦車級に群がれている瑞鶴と地面に蔓延る戦車級の奥で、兵士級の群れに食い散らかされている民間人達を、そしてその兵士級を上の階から見下ろす山吹色の強化装備を身に纏う衛士の女の子を・・・。

日本で守れなかった人達の顔が出ては消えて行く。

俺は、シート横のショットガンが置いてあった箇所を見る。

そこには、花冠が落ちていた。

おそらくショットガンを取り出す時に落ちたのだろう。

それを、見た俺はすべての突撃砲をバラバラの位置に向ける。

「もう、あんな思いは嫌だ・・・。」

そして、すべての突撃砲から弾丸を吐き出さす。

その内の1つの突撃砲は、兵士級の群れに向いている。

俺は突撃砲を横薙ぎに振るい。

36mm弾で兵士級諸共、民間人の死体を吹き飛ばした。

そして、左手の突撃砲を投げ捨てる。

それは、5体の戦車級を押しつぶす。

右手の突撃砲は、瑞鶴に群がっている戦車級に向けている。

だが、当てる訳には行かないのでギリギリの所を狙っている、そのため威嚇射撃程度にしかならない。

それでも、戦車級の動きを鈍らせるには十分だった。

俺はそのまま、地面の戦車級を踏み潰し足の大型モーターブレードで切り刻みながら移動する。

そして、左手を伸ばし兵士級を吹き飛ばした俺に驚いた衛士に腕を近づける。

右手の突撃砲は瑞鶴の戦車級の威嚇に撃ち続けている。肩部の四つの突撃砲は地面に蔓延る戦車級を近づく前にミンチに変える。

俺は、これらの動作を同時に行い、そしてすべてのカメラの情報を把握していた。

忙しなく目が動き零れ落ちてしまいそうだ。

また、目から血の涙が流れ出す。それすら無視する。

そして、コックピット横に左手を付けハッチを開く。

コックピットを開けながらも俺は、突撃砲を操縦し続ける。

女の子が、コックピットに入ったのを確認するとハッチを閉める。

「後ろの席に行ってくれ。」

そういう、俺を見ながら女の子は俺の流れる血の涙を見て息を飲んでいた。

俺はそう言うのと同時に左手のモーターブレードを展開し、本格的に戦闘を始める。

 

モーターブレードをまるでイライラ棒を高速でするように、戦車級を斬り裂く。

最後の戦車級は、上半身を半ばまで斬り裂かれ、死ぬことも出来ないまま血を吹き出し瑞鶴から転げ落ちて行く。

「はぁ・・・、はぁ・・・。」

俺は目元の血を拭い取る。

良く見ると、俺を殺す事が不可能と判断したのか数匹の戦車級が瑞鶴に向かっていた。

「やらせるかぁあああああああッ!!これ以上、俺の前でやらせるかぁあああああ!!」

俺は、暴れ狂う獣のように次々と溢れ出る戦車級を殺す。

「うッくぅぅぅぅ・・・。」

俺の無茶苦茶な機動のせいで、後ろにいる女の衛士は辛そうにする。

だが、それに気御使っていられるほど、俺にも余裕が無かった。

「纏わり着くなッ!!気持ち悪いんだよッ!!」

飛び掛かってくる戦車級を左手のモーターブレードで、斬り刺し殺す。

そして、レーダーを見るとこの場にBETAがもういない事を知った。

俺は、肩部の突撃砲をオートに設定し突然BETAが現れても対処できるようにする。

そして、左手を瑞鶴のコックピット横に着ける。

そして、操縦席と衛士強化装備の固定を外し後ろの操縦席に座る女の子に代わりに操縦するように指示を出す。

「俺にもしもの事があったら、コイツを使って逃げてな?」

俺はそう言うと、ハッチを開きジュラーブリクの腕を伝い瑞鶴に向かった。

 

「オイッ!生きているか!?」

瑞鶴のハッチは戦車級により無理やりこじ開けられており、中が丸見えの状態だった。

俺は衛士の安否を確認するために、中に入り込む。

「うッ・・・篁・・・さん?」

どうやら、この子も女の子のようだ。

俺は無事であるのを確認すると、今まで堪えていたモノが溢れ出してくるのが解った。

「生きてる・・・、生きてくれている・・・、俺は・・・間に合った。」

俺は、溢れ出す涙をそのままに、手動で操縦席と衛士を取り外す。

そして、大怪我を追っているが生きていることに感謝しながら、もう一度女の子の顔を見て確認する。

そして、やはり生きているのをその目で見ると、涙がさらに溢れ出してくる。

「良かった・・・、本当に、良かった・・・。」

俺はそう言いながら、女の子を抱え上げジュラーブリクの腕に飛び乗る。

そして、ジュラーブリクのコックピット内に戻ると、中にいた女の子が喜びの声を上げる。

「山城さん!!」

「篁さん・・・?」

俺は、篁さんに山城さんを渡し、ベルトで固定する。

そして、花冠を山城さんに握らせる。

あの子に、守ってくれと願いを込めながら・・・。

「それじゃ、向かうで?」

だが、返事が返ってこない。

俺は慌てて振り返ると、二人とも気絶しているかのように眠っていた。

緊張の糸が切れたのだろう。

俺はバイタルチェックを行いながら、ゆっくりと京都駅から外に出る。

そして、嵩宰少佐達と合流し避難施設に向かった。

 

避難施設に到着した俺は、すぐに2人を衛生兵に渡す。

「どうか、よろしくお願いします!」

そう言い頭を下げる俺に医師は、任せて下さい、と力強く言ってくれた。

そして、俺は仮設通信室に向かいロイヤル・スウィーツに連絡を入れる。

ディスプレイには、艦長が姿を現す。

「すみません・・・、ザウルとリリアは・・・ッ!!」

俺は涙を流しながら謝罪する。

「気にするなと、言わんがな・・・。思いつめるじゃないぞ、五六少尉・・・。君は残された者として、彼らの意志を引き継いで行くんだ。」

俺はそれに立ち上がり敬礼し、はい!、と答えた。

俺が、二人の分まで計画を進める。

それが、残された俺の責任だ。

その時、警報が鳴り響く。

「どうやら、また来たらしいな・・・。」

「はい。」

「日本帝国艦隊は、直ぐに砲撃するそうだ。だが、着弾までに三分かかるらしい・・・。どうする?」

「行きます!そして、生きます!!」

俺がそう言うと、艦長は頷いた。

「よし、では2分30秒後に君を拾えるように、ファンデーションを出そう。悔いを残さずに戦え!」

「了解!!」

俺は、動く事ができない戦術機から武装を貰い受け戦場に向かう。

艦砲射撃が決まった戦場では、突撃砲による遠距離での戦闘を行っていた。

光線級が居ない事はすでに確認済みである。

俺は、日本の戦術機達を飛び越えBETAの中に踊り出る。

「五六少尉!艦砲射撃が行われるのを知らないのか!すぐに戻れ!!」

嵩宰少佐から通信が入る。

「知っています!それでも、俺は生き残る!生き残って戦い続けなければならないッ!死ぬつもりなんてありません!」

俺は最後に、援護射撃よろしくお願いしますと、こちらに間違っても誰も来させるなと言う思いを込めて伝え、通信を切る。

BETAの大群は迷う事無く、避難施設に向かっている。

おそらくこれが、今日の最後の戦いになる。

俺は、頭の中の湖の上でザウルとリリアと共に、多数の腕に締め付けられながら二人に行った。

「俺、頑張るから・・・、だから、見ていてな?」

2人は笑って頷いてくれた気がした。

 

俺は戦う。

向かってくるBETAをすべての腕を足を使い、ここから先には行かせないと暴れ続ける。

その姿は、異常だった。

まるで、すべての範囲が見えているように的確に殺していく。

合計六本の腕を使い殺し、同じ戦術機なのか疑いたくなるような機動をとる。

BETAの血が、同時に何体も噴き出す事により血の霧が出来上がる。

その中を演武を踊るように、戦う悪魔。

「―――阿修羅だ。」

どこかの衛士が呟いた。

「あれは、阿修羅だ・・・。」

そして、空より現れた飛行艇に飛び乗った阿修羅は、琵琶湖の方角に姿を消し、その数秒後には、天空から現れた砲弾の雨にBETAは吹き飛ばされた。

 

気が付けば俺はベッドで寝かされていた。

「そういや、ロイヤル・スウィーツに着いたとたんに気絶してもうたんやったっけ。」

俺は目を瞑る。

すると、また俺は湖の世界に来ていた。

だが、そこには腕が無くリリアとザウルの姿も無かった。

俺はそれを確認してから、目を開け自分の胸に手を乗せた。

 




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