Muv-Luv ALTERNATIVE Toy Warrior   作:はんふんふ

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灰色の空

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

人工的な光を体に浴びながら、和真は息を整える。

「反応速度+2遅れています」

管制官から無機質な声が聞こえて来る。

機会が話しかけてきていると錯覚させるその声は、実質は人間味を持たせるよりも聞き取りやすい。

「くっ」

和真の瞳はヴェルターと同一化している。

だが、和真の瞳にはヴェルターから見える景色とは別の景色が写り込んでいた。

その数は20。

20個の瞳が和真の瞳と合わさり、脳が無理矢理すべてを理解しようと動き回る。

和真本来の二つの瞳は固定し、視神経のみを活性化させる。

そして、20個にも及ぶ瞳の一つ一つが狩りをするように小型無人戦闘機を追いかけまわす。

和真の目蓋は無意識のうちに痙攣していた。

だが、その痙攣と同調するかのように、次々と小型無人戦闘機は撃墜されていく。

ヴェルターは指1つ動かしていない。

なら、なにが撃墜したのか。

それは和真の脳の大部分を処理に追いやっていた20にも及ぶ瞳だった。

その瞳は長方形の板の先端に取り付けられており、板の後方部歪に盛り上がった箇所に空いている穴から黒い弾丸を吐き出す。

黒い弾丸は目標に当たるまでに徐々に拡散していき、黒い流星のように線を引きながら目標を貫く。

「反応速度-1、目標値を越えました」

ヴェルターの周りを海を泳ぐ魚のように長方形の物体、ルーラーが飛翔する。

和真が指示を出すとそれらは、何も疑問を持だずに目標に向け突進していき次々と目標を撃墜していく。

ヘルメットのバイザーには、和真の吐く息により白い靄が生まれては消えて行く。

そしてすべての小型無人戦闘機の撃破を確認した和真は、ルーラーに帰還を指示する。

すると、それらは肩部、腰部に殺到し我先にと接続されていった。

「お疲れ様です!五六中尉、記録更新ですね?」

先程とは違い人間らしい暖かさの籠った声で管制官が俺を褒める。

それに俺も一息つきながら答えた。

「・・・チョコレートが食べたい」

 

テストを終えた俺はヘルメットを椅子代わりにして、渡された板チョコを黙々と食べていた。

「脳が癒される~」

チョコレートに含まれる糖分が脳の疲れを癒してくれる。

まるで脳ミソをマッサージされているかのような気持ち良さだ。

「結果は良好だね?」

疲れを癒していた俺にレオが話掛けて来た。

「ルーラー、ビット兵器の扱いは正直疲れる・・・。」

俺がそう言うとレオは苦笑いを浮かべた。

「本来あれは複数人で扱うモノだからね。個人ですべてを扱おうとする方がどうかしているよ。」

「でも、それを個人で扱えるようにするために今俺がヒィヒィ言いながらデータ取に明け暮れてんねんやろ?」

「給料分は働いてくれないとね?」

「解ってますよ~!」

俺はそう言いながらヴェルター二号機を見る。

ケルブヴェルター、セラフヴェルターと違い装甲が青く塗装されている。

だが、綺麗な光り輝く青空を写す海の様な青ではなく底が見えない光すら届かない深海を思わせる青色だ。

そして智天使の名が与えられている。

本当にネフレの技術力は俺の想像を遥かに超えている。

Gドライブに貯蔵された粒子を火器に転用しだしたのだから。

まぁ、粒子を利用した火器のテスト自体はすでに知っていたし俺もそれに関わっていた。

だが、ビット兵器は別だ。

もうここまでくれば元の世界のアニメと同じだ。

ビームライフル擬きを見た時は正直な話テンションが上がった。

だが、逆に恐ろしくもあった。

この兵器は人の命をなんなく貫く。

今世界で出回っているどんな固い装甲であろうとも紙のように貫いてしまう。

俺にはそれが恐ろしかった。

「でも、まだ実戦じゃ扱えんと思うわ。」

「だろうね、和真君の処理能力も追いついていないしね」

「あぁ、ヴェルターの方でもサポートをもう少ししてくれればいいねんけどな・・・。」

「今までの君のデータのおかげでそれも直ぐに完成するだろうからね。ケルブヴェルターが戦場に立つ時は、もっと簡単に扱える筈だよ」

「そいつは有難い。」

俺は最後のチョコレートの欠片を食べ終え指を舐めた。

 

それから二週間後、オホーツク海のど真ん中ロイヤルスウィーツの甲板の上にいた。

「寒いなぁ~。」

俺の言葉は誰にも拾って貰えずに、灰色の空を映し出す海に吸い込まれていく。

俺がここにいるのは俺達に依頼が来たからだ。

正確に言うなら、俺達というよりもネフレにソ連から要請が来た。

今までソ連は国連の過度の干渉を恐れどれだけ自分達がBETAに追い詰められようとも、助けを求めなかった。

それが、いきなり掌を翻してきた。

一体どんな目的があってなのか解らないし知りたいとも思わない。

実際、ここまで追い詰められるのはソ連にとってみれば予想外のことなのかも知れないしな。

衛士である俺のもつ力で出来る限りのことをするだけだ。

俺は懐からタバコを取り出し火をつける。

「すぅ~はぁー・・・。」

俺の口からは空の雲と同じ色の煙が吐き出される。

今回の任務にはストーはいない。

ソ連に第三計画の生き残りを連れて行く訳にはいかない。

だから、ストーは樺太に待機させている。

あそこなら、いい経験が詰める筈だしな。

トイ・フラワーの皆にもよろしく伝えているし、問題はないだろう。

俺は風を切り進むロイヤルスウィーツの甲板からグルリと周囲を見る。

この地に派遣された国連軍、それに同行するネフレ軍。

何十隻もの戦艦や輸送船その他の船が前線に向け進んでいた。

すると、それぞれの船が新たな群れを作り出しそれぞれの場所に向かっていく。

それぞれがそれぞれの戦場へと向かって行ったのだ。

「俺達はエヴェンスクか・・・。」

俺は海の向こう、微かに見える大陸を見ながらそう呟いた。

その時、海上をサイレンの音が支配する。

「――――ッ!」

「コンディションレッド発令、コンディションレッド発令!各員は所定位置へ、繰り返します!」

俺と同じように甲板の上にいた船員達は即座にだらけた顔を引き締め各々の持ち場に向かう。

俺もその人達に続き、船内に駆けだした。

 

「艦長!」

俺がロイヤルスウィーツ戦闘指揮所に向かうとそこでは様々な情報が行きかっていた。

「先程、エヴェンスク基地から緊急入電が入った。BETA突出群がエヴェンスク基地から直線距離20kmの距離にまで達したそうだ。」

「それで、俺はどうすればいいですか?」

「君はすぐにファンデーションを使用し戦線に合流、各国連軍と共同で防衛戦を押し上げる。今現在、当基地所属のジャール大隊がなんとか押さえてくれているらしいが、時間の問題だ。・・・急ぎ向かってくれ。」

「了解!」

そして俺は、格納庫に向かった。

 

ジュラーブリクに乗り込んだ俺はカタパルトを移動させ後部エレベーターに接続、上昇していく。

ロイヤルスウィーツ中央エレベーターからは、ファンデーションが姿を表しジュラーブリクの足元に運ばれる。

ジュラーブリクE型の複眼から周りを見ると、すでに国連軍の戦術機輸送船から多数のイーグルが顔を出していた。

だが、この中で一番足が速いのは俺だ。

俺が誰よりも早くに戦場に向かう。

ジュラーブリクE型の新武装をチェックする。

すでに使いなれてはいたが、この武装で戦場に出るのは今回が初だ。

確認はどれだけしても、御つりがくる。

新たに背部に搭載された、ロングソードのような銃剣、ガンブレードを確認する。

銃剣としての利点を活用したこれは、ガンマウトに装備されている。

この装備はアローセイカーように開発された。

俺はコイツが作られる時の会話を教えて貰っていたのを同時に思い出し、思い出し笑いをしてしまう。

「たしか、こんな感じだったかな・・・。」

 

ドイツの変態技術者は言った。

「防衛の要であり、攻めにも使用される戦術機には戦車と同等の火力が必要だ。だからこそ、Mk57を戦術機に搭載するべきだ!」

イギリスの変態技術者は言った。

「Mk57では火力が低すぎる!それでは、要塞級は倒せないぞ!ここは、フォートスレイヤーを装備させるべきだ!」

日本の変態技術者は言った。

「ならば、合体させれば良いのではないか?」

「「それだ!」」

ロシアから亡命してきた変態技術者は言った。

「時代はモーターブレードだ!これだけは譲れないッ!!」

すると、日本の変態技術者は言った。

「・・・それも合体させれば良いのではないか?」

「「「それだ!!」」」

 

「くくく、こうして出来上がった武器を使わされるなんて俺もとんだ貧乏くじを引かされたもんやな。」

だが、このガンブレードが予想以上に使えるのだから何が起こるか解らないものだ。

そして、腕部に搭載された固定武装を見る。

モーターブレード収納部の先端に、00式近接戦用短刀が取り付けられたような武装、スラッシュアンカーだ。

これは、ネフレの方で開発した。

もともと、俺をビット兵器に慣らさせるために開発されたものだ。

「戦場でコイツをうまく使えんと話にならんな」

その時、CPから連絡が入る。

「ファンデーションとの接続を確認、操縦権を譲渡します!」

俺は息を肺一杯に溜めこみ気持ちをこめて言った。

「アイ・ハヴ・コントロールッ!」

「御気を付けて!」

「はいッ!ジュラーブリクE型、五六和真中尉、行きます!」

 

猛スピードで他の戦術機のどれよりも早い速度で戦場に向かう。

エヴェンスク基地を飛び込え、ソ連軍の戦術機を追い越し、そのまま真っ直ぐ谷に侵入、山々の間を音速で進んでいく。

重金属雲は見当たらない。

どうやら、若いハイヴには光線級が生み出せないと言う説は本当のようだ。

ヴェルホヤンスクハイヴは出来て間もない。

BETAもそれほどの数がいないのかもしれないな。

だが、そんな事は問題ではない。

現にソ連軍は押されているのだ。

だが俺はそこで疑問に感じた。

「・・・何故爆撃機がいない?」

爆撃機がいればもっとやりやすい筈だ。

一体何故?

俺は疑問に思いながらもファンデーションを操縦する。

その時、若い女の声が俺の耳に届いた。

「誰か、誰か応答して下さいッ!中佐が、中佐がッ!」

俺は急いで返事を返す。

「こちらは、国連軍所属の五六和真中尉です。他の部隊に先んじて救援に来ました!応答願います!」

すると、サブウィンドウが開く。

そこに移ったのは、栗色の髪をした気の強そうな女の子だった。

だが、それはおそらくそうだろうと言う予想でしかない。

なぜなら、今の彼女は目に涙をため自分を見失いそうになっていたからだ。

「あっ!い、今、ちッ!」

彼女は突然の増援の知らせに歓喜するが、急ぎ過ぎ呂律が回らないようだ。

このままでは、訳が分からない。

俺は語気を荒げる。

「落ち着けッ!一体どうした!?戦況は、部隊の状況は、落ち着いて話してくれ!」

俺がそう言うと、一瞬親にしかられた子供のようにビクッとする。

だが、それは一瞬ですぐに軍人のそれに変わる。

「BETAの増援が現れ、防衛ラインは抜かれ部隊は壊滅的なまでの打撃を受けました。ですが、部隊長・・・、ラトロワ中佐が1人敵中に残っています。私達を逃がすために・・・。お願いです!中佐を中佐を助けて下さいッ!!」

俺は懇願する女の子に対し安心させるように笑顔を作った。

「任せろ!俺はこういった時のために来たんだからな!お前達は基地に帰投しろ、ラトロワ中佐は俺が連れて帰る!」

俺がそう力強く言うと、女の子は安心した顔をし俺に言った。

「お願いします」

俺は歯を見せ笑い頷く。

「任されたッ!」

 

身を凍えさせる風が吹き抜ける平野には、杭の森が出来上がっていた。

数えることが馬鹿らしくなるほどの杭は、平原一体に成り立っており森と呼べるほどだ。

だが、その森は美しさ何て微塵も無い。

木々が育つために吸い込んでいるのが血液だからだ。

木々の足元を流れる血液は大きな川のように流れ川下に流れつく。

そこが川の行きつく先となり血の湖を作り出す。

血を生み出しているのは、BETA。

もがき続けるBETA達はカズィクルに貫かれながらも、生きようと必死に暴れる。

だが、暴れれば暴れる程に杭はさらにBETAを貫いていく。

その光景はまさに、ヴラド・ツェペシュがオスマン帝国兵に行った串刺し刑そのものだ。

違う点は規模が林から森になった程度である。

だが、メフメト2世のようにBETAは撤退したりしない。

カズィクルの森からの唯一の出口である1点に大挙として押しかける。

だが、地獄から抜け出そうにも抜け出せなかった。

何故ならそこには、凶暴な番犬がいたからだ。

番犬は森から逃げ出そうとした咎人を食らい殺す。

「はぁ、はぁ、くっ・・・」

フィカーツィア・ラトロワは傷つきボロボロになったチェルミナートルの中で歯噛みをした。

「さて、この状況はどうしたものか」

向かってきた要撃級に向け36mm弾を撃つ。

チェルミナートルは、動くことが奇跡と思わせるほどに損傷していた。

コックピット内にうるさいアラームが鳴り響く。

「あの子達は逃げ延びることが出来ただろうか・・・」

多数を生かすために、少数を切り捨てる。

その少数が自分になっただけだとラトロワは静かに笑う。

「そもそも、機体がこの状態では逃げることもできないがな・・・」

軍人であるラトロワは、自分の命令で部下達を逃がした訳では無い。

もし、自分の独断でそんなことを行えば部下達がどんな目に合うか理解しているからだ。

その点新たにエヴェンスク基地に派遣された司令は理解があって助かった。

前任の無能では、戦況を理解もせずに自らの出世のために無駄な命を散らせていただろう。

今回はその司令の命令により撤退が可能となった。

本当にあの司令には感謝してもしきれないな。

ラトロワは、カズィクルに足止めされたBETAを見る。

「・・・企業も良い物を作るじゃないか。気に食わないがな」

チェルミナートルは、最後の弾丸を戦車級に撃ちこむ。

「さて、この機体状況でどこまで近接戦ができるか・・・」

チェルミナートルはモーターブレードを展開し眼前に迫るBETAを睨み付ける。

「・・・すまない」

頭の中によぎるのは、軍に連れて行かれた息子の事。

どこかで生きているだろう息子の顔が脳裏に浮かぶ。

次に浮かんできたのは政争に首を入れ過ぎ殺された夫の姿。

「・・・怒るなよ?」

モーターブレードを振るい戦車級をズタズタにしていく。

「私もすぐに行く」

カズィクルを乗り越え要塞級が姿を表す。

周りは戦車級の群れ、すぐそこには要塞級、もう逃げ道はない。

頭では生に諦めていようとも心はまだ諦めていなかった。

悪あがきを行うように戦車級を殺していく。

そして、要塞級の射程圏内にチェルミナートルは入ってしまう。

要塞級が触覚を構える。

ここまでか・・・。

そうラトロワが思った時、通信に男の声が聞こえた。

その声は、夢の中でしか聞くことが出来ない今でも愛している男の声に聞こえた。

「諦めるなッ!!」

その時、要塞級に何かが突き刺さり要塞級は頭部を切り裂かれ崩れ落ちた。

 

俺は、さっきの女の子からデータリンクで貰った戦場に向かっていた。

すると、満身創痍になりながら戦うチェルミナートルを見つける。

要塞級の存在に気が付いていないのか周りの戦車級ばかりに気を取られているのが遠くから見ても分かった。

頭の中でBETAの日本進行で助けられなかった女の子の顔が浮かぶ。

俺がもっと早くに気が付いていれば救うことができたかもしれない女の子の笑顔を思い出す。

どれだけ叫ぼうとも届かなかった手。

同じことは繰り返さない!

俺は、ファンデーションを最大加速にする。

突然の加速にジュラーブリクが大きく震え軋み上げる。

そして、ファンデーションを要塞級とチェルミナートルに蔓延る戦車級の群れに突っ込ませファンデーションを解除する。

ジュラーブリクE型に新たに搭載された跳躍ユニットに火が灯る。

あの頃とは違い、ハイパワーな跳躍ユニットは機体重量が増していながらも以前とは段違いの速度を出す。

ファンデーションが戦車級の群れ内で爆発を起こす。

背部ガンマウトからガンブレードを取り構える。

その姿は、ランスを構えた騎馬兵のようだ。

「もうあんな思いはこりごりなんだよ!」

そして俺は最大加速で要塞級に突撃した。

要塞級の首が体にめり込みそうな勢いで頭部前面に突き刺さったガンソード。

ただの剣なら、この時点で押し切るか跳躍ユニットを使用し引き抜くしかない。

だがこのガンソードは違う。

俺はキャリングハンドルを左手で握る。

すると、刀身が左右に開け中から大型モーターブレードが姿を表し回転する。

要塞級の固い外皮をモーターブレードが火花を散らせながら削る。

そして要塞級の内部からは肉と血が噴き出す。

俺は傷口を開けるようにキャリングハンドルを持ち上げる。

すると、肉を削りながら刀身は上下に割れる。

刀身の内部からは銃身が姿を表す。

頭部を斬り広げられる要塞級は悶え苦しむように触覚の狙いを俺に変更する。

だがその時にはすべて遅かった。

ジュラーブリクE型はその悪魔のような複眼を光らせながらトリガーを引いた。

要塞級内部を57mm弾が貫き進む。

そして頭部を斬り裂いた。

内部をズタズタにされた要塞級は戦車級を道ずれにその場に倒れ込む。

それと同時に反転、肩部に装備された4つの突撃砲をチェルミナートル周辺の戦車級に向け放つ。

番犬の前に阿修羅が降り立った。

俺はチェルミナートルの衛士に通信を繋げる。

「少し待っていてくださいラトロワ中佐、すぐに援軍が来ます!」

「貴様は・・・?」

「話は後です!」

跳躍ユニットを噴射し、チェルミナートルの頭上に機体を維持する。

遠方をガンソードで狙い、中距離を突撃砲で葬る。

だが、地面を赤く染める戦車級はすぐに目の前まで来ていた。

戦車級が驚異的なジャンプでジュラーブリクに飛び掛かる。

だが、飛び掛かった戦車級達は横から刺し貫かれた。

戦車級を貫いたのは腕部のスラッシュアンカーだった。

スラッシュアンカーはまるで意志があるように動き回る。

ジュラーブリク、チェルミナートルの周りにいた戦車級はスラッシュアンカーのスーパーカーボンブレードに貫かれ、腕部の収納部から伸びるカーボンチューブに斬り裂かれていく。

それはジグザグに多角的な動きをし、檻を作り出す。

火花を出しながらカーボンチューブを巻き戻しブレードを装着、そしてまた撃ちだす。

それだけで、戦車級は近づくことが出来ずにいた。

和真は阿修羅と言われた力を遺憾なく発揮する。

「このおおおおおおおッ!!」

だが、和真の中では焦りが募っていた。

「このままじゃジリ貧だ!」

戦域地図はすでにBETAの色しかない。

数も減るどころか増えている。

俺はどうやってこの窮地を脱するか脳をフル回転させる。

だが、その必要はなかったようだ。

何故なら、レーダーが国連軍の増援が来たことを知らせてくれたのだから。

「・・・私は生き永らえたのか?」

俺はラトロワ中佐との回線を開けたままだったのを思い出す。

「はい、助かりました」

そして、国連軍の戦術機部隊が増援に来たことにより何とか防衛戦を押し上げることに成功した。

 

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