転生してから、いわゆる前世の記憶を思い出したのは4歳の頃だった。
まだ、正しく言葉を発せられなかった記憶が戻っていない俺はよくわからない奇声をあげていた。父と母の微笑ましいものを見る目はとても恥ずかしく、ここにナイフがあったら十七分割にしていたかもしれない
そして俺の生まれた七夜家はかなりの名家でボンボンだった。俺は長男として生まれ、テーブルマナーだの、お勉強だの、運動、コミュニケーション能力の育成だのをさせられた。
勉強は普通より少しできる程度だったにしろ、七夜流体術はやはり体に染み付いており、やはり七夜(前世の方の)の最高傑作と言われるだけはある高い身体能力を見出した。
コミュニケーション能力は自身では普通だと思っていたもののクラスメイトなどには『コミュ力おばけ』の異名。
影では『天然無自覚型女たらし』と言われていたことに式は気づかない。
次に魔眼。
神によるものなのかはしらないが、前世にてあらかじめもっていた浄眼も引き継がれており、直死の魔眼をオンオフが可能ではあった。
しかし、魔眼使用時にかかる脳への負担はなかなかのもので、使うタイミングは見計らった方がいいと考えていた。七夜流体術と浄眼だけで『魔』には対抗できるのだから問題はなかった。
それとみんなおなじみ『七ッ夜』だが何故か俺の部屋のタンスに入っていた。解せぬ
そして気づいたこと。
今俺が住んでいる七夜邸は東京にある。
俺はもともとYAMA育ち系男子。都会の空気が合わないのだ。それ故、友達に誘われたとき、つまり用がなければ意味なく外に出ることはなかった。
(それでも『コミュ力おばけ』と言われていたのには式の圧倒的すぎるコミュ力が原因)
しかし、ネットなどがあるだけで遊ぶことに関しては暇することもなく、充実した日々を過ごしていた。
唐突だが七夜式の思いつきは度を過ぎている。家や学校にて会話中や、ぼーっとしている時に「唐突に閃いた!」とどこかの女剣士のスキル使用時のボイスを用いて行われる。
そしてそれはある雨の日にもあった訳で…
「唐突に閃いた!」
株やろ。
それから2年が経過し、式個人の通帳の額は既に七夜家総資産を上回っていた。具体的には●●●億円。
やがてお金稼ぎに飽きた式はやはり都会の空気が合わないことに苦渋していた。
家のものに頼んで日本各地の田舎町の情報を取り寄せてもらい。
気に入ったところに引っ越そうと考えていた。
ちなみにそのころやはり七夜家後継者に抜擢されていた式だが悩みに悩んだ結果、それを断りほぼ破門という形で引っ越すことになるが本人は気にしない。
そして引っ越す場所を決めた式は早速そっちに家を作らせ、向こうの学校に転向する手続きを済ませ、家のことを弟(ほぼ無能)に押し付けた。この時既に高校二年生。
そして、肝心の引越し先。
そこの地名は穂織。
文明開化からも取り残され、周囲との交流を避けてきた、古きよき時代の街並みと温泉街。そこに惹かれた理由はそこにあったYAMA。
写真越しにもわかる『魔』の気配。
田舎で、そして『魔』のいる町。
最高じゃん。その一言に尽きていた。
このころ既に叢雨丸のを抜いた男が巫女姫さまの婚約者になっていたがそれを知っているものは少数。
転生してきた七夜式と有地将臣が出会うのはいまから3日後のお話。
ちなみに主人公と将臣の出会いは学校での転校生の紹介の予定です。それと何故将臣がいるのかといえば、この作品の主人公が七夜の人間だからです。妖刀に選ばれる?七夜が?ないない