メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

1 / 55
「プリンセスコネクト!Re:Dive」一周年おめでとうございます‼

新年明けてから現在までずっとやってますが、もうすでにPLvが70に到達しそうな位ハマってます。

中々初期★3のキャラが当たらないのは厳しいですが、それでも他のスマホゲーより母数が少なく、キャラを集めやすいのがまだ救いでしょうね。



さて記念すべき第一話のヒロインキャラは、プリコネRのメインヒロインの一人、アイコンにもなっている彼女です!


第一部 プリンセスコネクト!Re:Diary
昼も夜も、輝きはキミの傍に


剣と魔法と魔物の溢れた大陸、アストライア。

人間(ヒューマン)、エルフ、魔族、獣人(ビースト)など、多種の人族が存在している。

その中でも、王都ランドソルは様々な人族が住んでおり、それぞれギルドを掲げ、長い時を移ろいながら生きている。

 

その中で、ある一つの小規模なギルドがあった。そのギルドの名は――【美食殿】。十代の若い男女四人で構成された、世界中の美食を食べ歩くことを名目としたギルドである。

 

メンバーの一人――ユウキ少年。

弱冠十六歳(たぶん)の普通の人間である――と、一般的な周りの人間はそう見えるだろう。しかしながら、この少年は壊滅的な記憶喪失であり、それが災いして何度か【自警団(カォン)】や【王宮騎士団(NIGHTMARE)】に逮捕されかけた事がある。

 

そんな彼の特筆すべき特徴、それは――女の人の知り合いが極めて多い、所謂主人公気質なところである。

 

 

 

 

 

ある日、ユウキはいつものように日銭を稼ぐために募集していた仕事をこなすべく、森の中に来ていた。今回の仕事内容は魔物討伐である。

今回の討伐対象である魔物は少々特殊であり、群生生物を討伐するよう依頼を受けている。

討伐対象は常に群れを成し、合わさって一体の大きな魔物へとカモフラージュする知能を持つ。そんな魔物が目に見えて増えているのを問題視し、依頼として発注したそうだ。

 

一体一体の戦力はとても低いので、うまく立ち回れば自分でも勝てる。そう考えたユウキは討伐に買って出て今に至るのだ。

 

……しかし、どういうことか討伐対象の魔物はいまだに見つからない。人間に姿を見せるときは必ず群れの状態で出てくると聞いたのに、それらしい姿すら見えない。

 

もっと森の奥の方にいるのだろうか。

 

もう少し踏み込んでみようと、ユウキは森の奥へと足を運ぶ。そんな時、何やら焦げるような臭いがユウキの鼻孔を擽った。

臭いを辿って茂みを掻き分けながら歩いていくと、少し開けた場所に出る。その中心にはゆらゆらと揺れるハニーブロンド――もとい、ユウキがよく知る少女の後ろ姿が。

 

 

 

> 何してるの、ペコさん。

 

 

 

「モグモグ……――っは! おや、ユウキくん? 森の中で会うとはまた偶然ですね。運命感じちゃいますね☆」

 

 

何かを頬張りながら、ニパーッと笑う少女。

彼女の名はペコリーヌ――ではなく、本名は別にある。これはユウキのガイド役兼従者を名乗る少女が、彼女の燃費の悪さにちなんでつけたあだ名なのだ。

ユウキはいまだにペコリーヌの本名を知らない。だが、いつか本人から明かしてくれる日が来ると信じ、追及はしないと決めているのだ。

 

それはさておき、ユウキに挨拶を投げ掛けながらも、傍らにある串を刺した何かの肉を頬張る彼女。よく見ると、その肉や焚き火の近くにおいてある何かの小山は、何処かで見たことがあるような。

 

 

 

> ねえ、そのネズミみたいなのって……。

 

 

 

「モグモグ……、んん、もしかしてユウキくんも食べたいんですか? 構いませんけど、この子、体が小さくて食べるのに少し一工夫が必要ですよ」

 

 

 

> そういうことではなく。それ、僕が探してた手配書の魔物なんだけど。

 

 

 

「ええ! そうだったんですか?」

 

 

こんなに小さくて可愛いのに、と彼女は魔物のなれの果ての山を見る。

小さくて可愛い、と彼女は言うが、その手で己の胃に放り込む事に一切の躊躇を感じられない。

 

 

「ど、どうしましょう……。私、ユウキくんのお仕事を奪っちゃいましたか?」

 

 

 

> 一体どうしてこんなことに?

 

 

 

「いつもの事ですよ。武者修行中に、大きな魔物が寄ってきたから、先手必勝で斬りかかるとこんな感じに……」

 

 

ペコリーヌは街の外に出ると、よく魔物に襲われるようだ。原因はよくわからないらしいが、襲ってきた魔物を返り討ちにして、自身の腹の足しにしているのだ。

今回の場合、斬りかかった大型の魔物はネズミ型の魔物の群体で、ダメージの拍子に何体か死んだことで、維持できず、小さなネズミの群れへと代わったそうだ。

それを一匹ずつ倒していくと、必然的にネズミの死骸の山が出来るわけで。

 

 

 

> 何匹倒したか覚えてる?

 

 

 

「えーっと、……もう50匹くらいは食べましたから、残りの数を数えていくと……」

 

 

死骸の山を掻き分けながら数えようとするペコリーヌを、流石にユウキは止める。数えたわけではないが、ユウキの目から見ても、その数はペコリーヌが胃に入れたネズミの数とほぼ同じだろうと思ったからだ。

約百匹討伐すれば、十分依頼完了のラインに到達するだろう。

 

その旨をペコリーヌに伝えたところ、

 

 

「そうなんですか。でも、結果的にユウキくんの仕事を奪っちゃいましたね……」

 

 

 

> こちらとしては助かった。お礼に報酬はペコさんにあげるよ。

 

 

 

「そ、それこそダメですっ! それはあなたが受けたお仕事なのに……」

 

 

と、ユウキの感謝を拒まれてしまう。

 

ここでユウキは思案する。

確かに、今回このネズミ魔物を討伐するのが仕事であったが、それを彼女が大多数討伐してしまった。討伐した過程はどうあれ、このままランドソルに戻れば依頼は完遂と見なされるだろう。

 

しかし、それではあまりにも不誠実ではないか。

自分は苦労せず、ペコリーヌの功績を横から奪っていくなど誉められた行動ではない。

 

彼女が納得し、かつ彼女にお礼が出来る方法とは――それをユウキは伝えるべく、今一度口を開いた。

 

 

 

 

 

「えっと、本当に良かったんですか? まさか奢って貰うなんて」

 

 

ランドソルに戻り、時刻は夕方。

ペコリーヌに出来る一番の感謝の表し方と言えば、やはり食事だと判断したユウキ。

 

 

 

> 我ながら安直だったかな……。

 

 

 

「いいえ、そんな事ないですよっ。とっても嬉しいです! でもここって確か、前に【美食殿】の皆と一緒に食べに来た場所ですよね?」

 

 

【美食殿】のギルドメンバーとは何度もランドソル中を食べ歩きしており、果ては街を出ることもしばしば。

そんな中、ユウキが選んだのは、ペコリーヌが絶品だと称賛したこのファミレスである。

 

一見ただのファミレスかと思うが、彼女の情報では特定の条件を満たすと注文した料理の量をワンランク上げることが出来るそうだ。

つまり、この飲食店は常連御用達とも言える。

 

 

「えへへ、あれからまた何度か来ているので量のランクはかなり上がっているんですよね~☆ …………んん?」

 

 

早速メニューに目を通したペコリーヌ。そんな彼女の目に映ったのは、とある企画。

 

 

「……ねえねえユウキくん。私、これに挑戦しても良いですか?」

 

 

彼女が指で示したそれを読むユウキ。

 

 

 

> …………限界チャレンジ?

 

 

 

読んだだけで嫌な予感を覚えたユウキだった。

内容としては、店の全メニューを食べきることが出来るかというシンプルなものだ。しかし、その全てが数ランク上の量で出されるという、本当に人間の胃袋の限界を訴えかけてきそうな企画である。

ペコリーヌの底無しの胃袋はユウキもよく知っているが、流石に厳しいのでは、と止めようとする。

 

 

「いいえ、私は挑戦しますよ! それに、全部食べきるとかなりレアな物が貰える見たいですし、狙っちゃいますよ~☆」

 

 

……不安になりながらも、ユウキは店員を呼んでペコリーヌが限界チャレンジに挑戦する事を伝える。

 

 

「こちら、先に料金をお支払いただく事になっておりますが、問題ありませんか?」

 

 

ユウキは頷き、チャレンジ料一万ルピを支払った。……今回の報酬の殆どが飛んだが、元々ペコリーヌへのお礼なので特に問題はないだろうと、ユウキは思った。

 

十数分後、自分達の座っているテーブルに、見ただけでお腹一杯になるほどの大量の料理が持ち運ばれた。

圧倒的な料理の存在感。出来立ての湯気。野次馬の視線。それら全てが五感への暴力になりかねない程のこの状況に対し、

 

 

「うわぁ~~~~っ! 絶景ですね、ヤバいですね☆」

 

 

ペコリーヌは、ただいつも通りにこれから味わう美食に興奮していた。

 

 

 

 

 

結論から言うと、ペコリーヌの圧勝であった。

ユウキとしては、あのネズミ魔物を一通り食べたあとの事なので、途中で根を上げるのでは、と心配した。

 

しかしこのペコリーヌ、まるで食べた料理をすぐにエネルギーに変換するように(・・・・・・・・・・・・・・・・)、際限なく己の胃に次々と飲み込んでいったのだ。

 

食べ終わったあと、彼女はこっそりとユウキに、

 

 

「……ちょっとだけ、ズルしちゃいました。美味しかったけど、申し訳ないですね……」

 

 

と眉を垂らして言っていたが、ユウキにはなんの事やらさっぱりである。

 

 

「――はいっ、ユウキくん! これ、あなたにあげますね‼」

 

 

店を出たあと、ペコリーヌはユウキの正面に立ち、ユウキの胸に手を伸ばした。そうしてゴソゴソと何かをし始めたので、たまらずユウキは声をかける。

 

 

 

> ペコさん?

 

 

 

「えーっと、こう付けるんですよね……? ……よし、付きました☆」

 

 

伸ばした手を戻し、彼女は再び笑顔を浮かべる。

一体何をされたのだろうか。ユウキは視線を下げ、左胸に見馴れないものが引っ掛かっていた。

 

 

「さっきの景品のブローチです。ナイトラズリ、っていう夜になると淡く光る変わった鉱石だそうですよ」

 

 

へえ、とユウキはそれに手を置く。

空はもう完全に陽が落ち、黄昏色から闇色へと変わっていく。今はまだ光を放っていないが、これからそうなるのだろう。

 

 

「この鉱石を大切な人に渡すことで、どんな場所にいても必ず帰ってくるという御守りになるそうなんです。でも、結構貴重な鉱石だから、こうして景品になってたんですね」

 

 

言いながら、彼女はユウキにもう一度近寄り、今度はぎゅっと抱き締める。

溢れるような豊乳を押し付けられ、女子特有の甘い臭いがユウキの鼻孔を擽る。世の男ならすぐ勘違いしそうなこの状況だが――そこはユウキ少年、彼女の顔が近づいた気恥ずかしさで少々照れるだけ。

 

ペコリーヌは彼の耳に口を近づけ、

 

 

「ユウキくんはよく無茶しますからね。コッコロちゃんやキャルちゃんもそうですが、私だってすごく心配するんですっ。でも、私たちはずぅっとあなたの傍にいる訳じゃないですからね」

 

 

今回のお仕事の件についても、と付け足される。

確かに、ペコリーヌと出会わなければ延々と魔物を探していただろう。もっと最悪な場合、自分があの大量の数を相手にしていたのだ。

元々そのつもりだったのに、本当に自分一人で勝てたのだろうか、と今更ながらに不安になった気持ちがユウキの中で生まれてくる。

それを見抜いたのか、彼女はクスリと笑う。

 

 

「だから、必ず無事で私たちの所に戻ってきてくださいね☆」

 

 

夜でも彼女の笑顔は輝いていた。




ペコリーヌ
「プリンセスコネクト!Re:Dive」で初登場したメインヒロインの一人。透き通るようなティアラ、青い長剣、腰まで伸びたハニーブロンド、溢れるような胸が特徴的。
常軌を逸脱した食欲と大食らいだが、生粋というわけでもない。まるで空になったエネルギーを大量に補給するかのようなそれには、何か理由があるようだが……。
性格は善良で誠実。しかしほんの少しだけ欲望が勝ったりすることもしばしば。今回のケースでは景品のブローチをユウキに渡すためにある裏技を使ったようだ。



ユウキ
「プリンセスコネクト!」「プリンセスコネクト!Re:Dive」の主人公。ある事件を切欠に、ほぼ全ての記憶と人格を喪う。
記憶喪失の彼は一般常識すら儘ならないため、ランドソルで仮住まいを始めてからは周りに誤解を幾度も与えてしまう。鍵となるのは、携えた謎の能力を持つ剣にありそうだが……。
記憶喪失となった彼は、所謂赤ん坊のような精神状態だ。しかし、根っこのお人好しな部分が幸か不幸か、千差万別な少女達との絆を結び、人格を再び形成していく事になる。



いやー、書いていて何が良いか、って主人公にデフォルトとはいえちゃんと名前があることですよね。この手のゲームってユーザー名が主人公の名前になったりして明確な名前が定められてなかったりと、ssを書く身としては中々動かしづらいイメージがあるのです。
下手に名前を勝手に付けると反感を買いそうで……(がんばれエリオちゃん日記から目を逸らす)
メインストーリーはまだまだ全然進んでないので、そちらも走りながらになりますがゆっくりと書いていきたいと思います‼
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。