メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

14 / 55
「プリンセスコネクト!Re:Dive」2.5周年おめでとうございます!

さてこんな日に書くヒロインは☆6実装が確定されたこの子です!


キミの壁や障子には目と耳が沢山いる

ある日のランドソル。

ユウキは今日も今日とで【ルーセント学院】で勉学に励み、帰ろうとしている頃。

 

 

「――あら、今から帰り?」

 

 

振り替えると、ユウキにとってはもう毎日見る女の子――サレンがこちらに手を振りながら近づいてくる。

 

 

「どう? 学校は順調?」

 

 

 

> とっても楽しい。

 

 

 

「あたしは勉強について聞いたつもりだったんだけど……、まあ充実してるならいいわ」

 

 

ユウキの相変わらずの的外れな発言に呆れつつ、サレンはユウキの隣に立つ。

 

 

「丁度いいわ。このまま一緒に帰りましょ。今日は商談が早く終わったから、子ども達とも遊んであげられるし」

 

 

ユウキは頷き、サレンと共に歩き出す。

 

だがユウキは知らない。

この行動が後に頭を痛める種になることを。

 

 

 

 

 

「――ちょっとマコトさん、いきなり外に連れ出して、この集まりは何なんだい? 少しくらい事情を説明してくれないと推理のしようがないのだけれど」

 

「まあまあ、細かいことは気にすんなって。カスミはいっつもギルドハウスで缶詰なんだからたまには外にでないと気分が滅入っちまうぞ」

 

 

ランドソルの公園広場に四人の少女が集まっている。

まず、広場にやって来た獣人族の二人――狼のマコトとドーベルマンのカスミ。

そして、二人が来たのを確認して手を振る人間族のユイと、シートの上で膝を抱えて縮こまっているエルフ族のアユミ。

 

 

「ユイ、すまねえ。遅れちまった」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

「は、はわわわ、わたしまで誘ってくれるなんて、本当にありがとうございますっ」

 

「ん、アユミさんまで来てるのかい?」

 

 

あまり統一性を感じない集まりだが、カスミは一つ一つ共通点を探していく。

ユイはマコトの親友。マコト本人から何度も聞いているし、カスミも一度会ったことがある。

アユミとは一度尾行の心得について話してみたことがある。……本当にストーキングの容疑で検挙するべきか考えたこともあるが。

 

つまりこの集まりはマコトとユイ、カスミとアユミの二組の友人同士が集まっているということだ。

 

 

「……なるほど、この集まりで親睦を深めようと?」

 

「まあそういうこった。別に知らない仲じゃねえだろ?」

 

「そうだね。ただ、マコトちゃんに紹介してもらわなかったら、アユミちゃんとは知り合えてなかったと思うけど」

 

「わたしはユイさんのこと前から知ってましたよ? 【トゥインクルウィッシュ】のユイさんですよね?」

 

 

なぜアユミがユイの所属しているギルド名を知っているのかカスミによって追及が始まる。

そしてそれもほどほどにして、ユイとマコトが用意した弁当を皆で食べ始めようとした頃。

 

 

「先輩の気配がしますっ!」

 

 

そう言ってアユミはシートの上から姿を消した。

アユミはいったい何処に行ったのか。いち早く姿を見つけたカスミは公園広場の門へと駆け寄る。

 

 

「アユミさん、先輩ってもしかして――」

 

 

カスミはアユミの視線の先を追う。追いかけてきたマコトとユイも同じように視線を向ける。

 

そこには楽しそうに談笑しながら公園広場を通りすぎていく二人組の男女がいた。

その組み合わせにマコトとカスミは見覚えがあった。

 

 

「ユウキと救護院のお嬢さん……」

 

「……サレンさんだったかな」

 

「き、騎士クン、スッゴい綺麗な人と歩いてる……。何だか楽しそう……」

 

「と、とっても仲ががいいですよね。救護院でも楽しそうに暮らしてますし、同じ屋根の下で居ると自然と仲良くなるんでしょうか? ……いいなぁ

 

「ええっ⁉ い、一緒に暮らしてる⁉ そ、そそそ、そうなのマコトちゃん⁉」

 

「あー…………」

 

 

そういえば話してなかった、と頭を抱えるマコトだった。

ちなみに、あの二人の関係についてアユミが知っている限りの事をユイに教えるが、それをカスミにまた追及されることになるのは別の話である。

 

 

 

 

 

「――うーむ、今日はどれにするか」

 

「ぐ、ぐふふ。クウカはこれにします……。まさか、こんな棒のような形状の飴があるなんて駄菓子屋さんは進んでますねぇ。……これでまた妄想が捗ります……」

 

 

ランドソルの大通り。

その隅の方の一角に、駄菓子屋の屋台が設けられている。

モニカは駄菓子屋の存在を知ってから、すっかり常連となりそれを知られたクウカには口封じとして駄菓子を奢っているのだ。……もっともモニカのお菓子好きはギルドメンバーの周知の事実なので無意味の口封じだが。

 

 

「ほらほらちゃんイオ、ここがうちの行きつけの駄菓子屋なんだ~‼ ちゃんイオも絶対オキニになるから見ていってよ!」

 

「も~、私まだ仕事が残ってるのに……。でもちょっとくらい甘いものが欲しかったし、ここで買っていこうかな」

 

 

すると後ろから二人組の女性の声が聞こえる。

魔族の二人組――スズナとイオはモニカ達の隣に立ち同じように駄菓子を手に取り始める。

それを見たモニカは、

 

 

「……な、何だか意外だな。あんなあからさまに大人な雰囲気の女性が駄菓子屋に来るなど」

 

「淡いピンク髪の人――スズナさんは確か無類の飴好きと聞いたことがあります。よく駄菓子屋に来るとか……」

 

「ほぉ……、人は見かけによらないものだな」

 

「……あら、この棒状の飴とか良いわね。これなら舐めたいときに舐められるし、長く楽しめそうだわ」

 

「ぐ、ぐふっ⁉ あんな大人の女性が棒状の飴に目をつけるとは……! ぐふふ、人は見かけによらないですねぇ……」

 

 

モニカ達はスズナ達を横目で観察していると、一足早く精算したスズナがふと明後日の方向を見やり、大声をあげた。

 

 

「あ! あんなところにヒデサイがいる‼」

 

「え、ユウキ君が?」

 

「なに、ユウキだと? 何処だ?」

 

「ど、ドSさん⁉ あ、あんなところに金髪のエルフ美少女と隣り合っています……!」

 

 

四者四様。

視線の先にはユウキと隣に立つエルフの少女。

二人はパン屋の屋台で買い物をしている。

すると近くのベンチに腰を下ろし、一緒に買ったパンを食べ始めている。

その風景はまるで……。

 

 

「いわゆる買い食いデートかしら。少女マンガでもある王道なデートシチュエーションの一つね。ユウキ君たら、経験豊富なのね……」

 

「ええ⁉ デート⁉ ……むう~、うち、ヒデサイとデートしたことないなぁ……」

 

「……彼女、見たことあるぞ。確か【サレンディア救護院】の院長だったはずだ。私と同い年なのに、保護した孤児達の世話をしているとか」

 

「ミサト先生から聞いたことあるわね。確かスズナちゃんと同い年のはずよ」

 

「ええ、そうなの?」

 

「アユミさんの話だと、あの二人って同じ屋根の下で暮らしてるんですよね。年頃の同い年の男女、寝食を共にする仲、そしてドSさん、なにも起きないはずがないです~‼ ぐふふふふふ……」

 

 

クウカの爆弾発言が、自然と会話をしている他三人を混乱に陥れた。

 

 

 

 

 

時は少し遡る。

 

公園広場を通りかかる時、ふとサレンは口を開く。

 

 

「ねえ、少しだけ小腹が空かない?」

 

 

ユウキは頷いて肯定すると、サレンは顔を少し赤く染めて、

 

 

「実はね、最近大通りの方でパン屋の屋台が出来たらしいの。もしかしたらそこに、焼きそばパンが売ってるかもしれなくて……」

 

 

 

> いいね。行こう!

 

 

 

「ほ、ホントに? ……よかった

 

 

ユウキとサレンは談笑しながら大通りに出て、件のパン屋に足を運ぶ。

早速探してみると、丁度二つだけ焼きそばパンが売れ残っていた。

 

 

 

> 焼きそばパン二つください。

 

 

 

「え、ちょ、ちょっとユウキ?」

 

 

ユウキはサレンの制止をよそに二つの焼きそばパンを精算して、片方をサレンに手渡した。

 

 

「……もう、お金ならあたしも出すわよ。あたしから言い出したんだから」

 

 

 

> サレンちゃんはいつも頑張ってる。だからご褒美。

 

 

 

「ご、ご褒美って……」

 

 

サレンは目を見開いたあと、にやり、と意地悪に笑う。

 

 

「……偉そうな事を言うようになったじゃない。自分の記憶喪失だってまだ儘ならない癖に」

 

 

痛いところを突かれたようにユウキの顔が歪む。それを見てサレンは笑って、焼きそばパンを食べようとベンチに促す。

 

ユウキとサレンの口内に懐かしい味わいが広がっていた。

 

 

 

 

 

「――お か え り な さ い ま せ あ る じ さ ま 、 サ レ ン さ ま」

 

「こ、コッコロ? ど、どうしたの?」

 

 

救護院に戻ると、明らかに不機嫌オーラを隠そうともしないコッコロが上目遣いで二人を睨み付けていた。

 

 

「主さま、本日はお帰りが少々遅く感じられましたが、どこで何をされていましたか?」

 

 

 

> 買い食いしてました。

 

 

 

「…………やはりデートでしたか」

 

「で、デート⁉ っていうか、やはりって何よやはりって⁉」

 

「今日、主さまを除いた【美食殿】の面々でギルドハウスに集まっていたのですが、キャルさまからおかしな噂をお聞きしまして」

 

 

それは、ユウキとサレンがランドソルでデートをしていたという噂。何人もの目撃情報が挙がっており、所詮は噂と切り捨てることも出来なかった。

 

 

「公園広場を仲睦まじく歩いていただの、ベンチで隣り合ってパンを食べていただのと……」

 

「なんでそんなに詳しく知られてるのよ……!」

 

 

サレンは真っ赤になって頭を抱えるが、コッコロのブッコロポイントはそこではなかった。

 

 

「……主さまが誰と何処でどのようなことをされていたのかはこの際些末事としましょう。……ええ、些末事です。ですが――」

 

 

――噂が出回るような、ふしだらなデートをなされていたのか少々詳しく聞かせてもらいたいのですが。

 

 

今日のコッコロには誰も逆らえなかった。




サレン
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、少々貧乏性の癖があるエルフの少女。気高き理念と騎士剣は、守るべき子ども達のために振るう。
元【王宮騎士団】の副団長を勤めていたが、退団し「ロスト」による孤児等の子ども達を保護する【サレンディア救護院】を設立した。
やりくり上手で、効率的にお金を使うことを好む。救護院の子ども達から「ママ・サレン」と呼ばれている。ユウキと自分の関係について何かが気になる今日この頃。



という訳で、今回は少し長くなってしまいました。
ぶっちゃけた話をすると、本編は大体3000字前後を目安にして書いているので、4000字を越えるようなら流石に長いかな、と修正するよう心がけています。

次回はアンケート結果に則り、シズルを予定しております。お楽しみに!

追記
またアンケートを設けさせて頂きました。
次回シズル予定→ハツネ予定→シオリ予定→ミヤコ予定→アンケート結果一位キャラ予定
となりますので、その辺りをよくご理解いただいた上でアンケートにご協力をお願い申し上げます。

以下のキャラの中で誰を優先的にお話しを書いて欲しい?

  • エリコ
  • クウカ
  • ナナカ
  • リマ
  • ヨリ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。