メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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闇のドMとかいう一生かかっても聞くことはないだろう意味不明な単語。
プリコネやってなかったら「はあ?」ってなる。
やっぱCygamesって頭おかしい(褒め言葉)

そもそもドMが闇落ちしても何が変わるというのか。
→ランドソル全市民強制ドM堕ち

ええ……??


人は見かけによらない瞬間をキミは目撃できない

「あら〜! 王子はんや〜、こんなところで出会えるなんてうちも幸運やわ〜♪」

 

 

ランドソルの雑貨店通りを歩く中、ユウキはピコピコと狐耳が動く獣人の少女――マホと出会う。

 

 

 

> こんにちはマホさん。

 

 

 

「もうっ、うちのことは『マホ姫』って呼んでくれてええのに……」

 

 

ぷく、と頬を膨らませながらマホはとてとてとユウキの隣に立つ。

 

 

 

 

>マホさんはどうしてこんな所に?

 

 

 

「そうやなぁ。マホマホ王国に招待出来そうな子を探してるんやけども、王子はんは心当たりありますやろか?」

 

 

マホマホ王国に招待出来そうな子とは、厳つい名前の割に可愛らしい外見を持つぬいぐるみ達の事である。

 

良かったら一緒に探す事をマホに尋ねると、マホは大喜びしてユウキの手をとった。

 

 

「そんなら、王子はんと『でぇと』やなぁ〜。ふふ、今日のうちはとっても幸運やわ〜♪」

 

 

そのまま二人は片っ端から雑貨店へと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

だが、そんな二人を後ろから黄色と桃色が混じった目つきで見つめる者がいた。

 

 

「ぐふ、ぐふふふふ……。王子、王子ですか……」

 

 

彼女の名はクウカ。ショッキングピンクのツーテールに、ボディラインが分かりやすいレオタード、自縛目的の鎖と、見る人が見ればかなり目立った格好をしている。

彼女は普段飲食店で踊り子のアルバイトをしており、「そういう」目で見られる様な試行錯誤を何度もしているが、そんな彼女には、大して秘密でもないとある趣味があった。

 

 

「仲睦まじく、まさに王子と姫のような王道なデート……、しかし人気のない所に連れて行く王子が突然ドS王子に豹変し、『そのモフモフしっぽ犬のようにフリフリして誘ってたんだろぉ?』と着物のようなドレスを無理やりはだけさせて『どっちが本物のビーストかわからせてやるぜ!』とガバッとおそいかかり……ぐふ、ぐふふふふふふふふふ……!」

 

 

よだれを垂らしながら、周りに見られている可能性も考慮せずに脳内のありもしない想像も垂れ流すこの少女。

クウカは控えめに言って妄想好きであり、何かあればドSでドMな妄想へと繋げることが取り柄のランドソルの厄介人である。

 

最近はもっぱらユウキに関する妄想を捗らせており、女性との交流が指では数えられないくらい経験しているユウキはクウカにとって妄想のネタに事欠かないのである。

 

クウカの脳内ではユウキはとんでもない人格破綻した超絶ドSであり、彼に攻められる女の子は問答無用でドM化すると信じて疑わない。

なお、ドM化した被害者にクウカ自身が含まれている事も自覚しているのもさらにたちが悪い。

 

だがここで振り替えっていただこう。

クウカの特技は妄想。趣味は妄想。

だが、これを他人に明け透けに見られることは全く考慮してないのだ。

つまり――

 

 

「――ねえお姉さん、こんなところでボソボソと何話してるんですかぁ?」

 

「……っ!? ひ、ひええええええっ!」

 

 

顔を覗き込んで尋ねてくる銀髪の少女に驚いたクウカは全速力で退散するのだった。

 

 

 

 

 

「はあ……、はあ……。こ、ここなら誰もいませんね……」

 

 

ランドソルから離れて人気のない街道に出てきたクウカ。

周りに人がいない事を確認してから、石の出っ張りに腰を下ろす。

 

 

「こういう時は妄想に限りますねぇ。……ぐふふ……」

 

 

目を閉じると五秒で妄想開始するのはもはや才能の域である。

 

 

「…………ふう、今日の妄想も好調でした。覚えてるうちに書き留めないと……、あれ?」

 

 

クウカは懐をまさぐってあるものが無いことに気づく。

 

 

「ない、……ない! クウカの妄想ノートがない! まさかまた落とした……!?」

 

 

妄想ノートとは名の通りクウカの妄想を書き記したノートである。

以前にも一度落としたことがあり、それを拾ってくれたユウキがクウカの目の前で朗読するという珍事が起きた。

 

クウカは慌てて腰を上げて、それと同時に背後から少女に声をかけられた。

 

 

「あのー、これってお姉さんのノートですよね? さっき落としてましたよぉ?」

 

「ふえっ!?」

 

声をかけてきた少女は、先程の銀髪の少女と同一人物だった。

銀髪のツインテールに、大きな槍を後ろ手に持つ魔族の少女――アカリは手に持ったノートをクウカに差し出した。

 

 

「……あっ、く、クウカのノート……」

 

「やっぱりお姉さんのノートだったんだ! 走り去った方向で見つけたからもしかして、って思ったんだけど……」

 

 

クウカはアカリからノートを受け取ってから、ぷるぷると震えながら口を開く。

 

 

「中、見たんですか……?」

 

「中? 見てませんよ。大事なものだったんですよね。人には大事なものの一つや二つ、誰にも触れられたくないものくらいありますもんね」

 

「は、はい、そうですけど……」

 

「私にだってありますよ? 誰にも見せられないアカリの秘密の部分が」

 

「は、はあ……」

 

「あ、でもいつか見てもらいたい大切な人はいますけどねぇ? アカリしか知らない、あんなことやこんなこととか……♪」

 

「…………っ!」

 

 

その時、クウカに電流走る。

 

この少女からの意味深な発言と雰囲気。これは激しくインスピレーションが掻き立てられる。

 

 

「そっ! その話、詳しく聞かせてください!!」

 

「え、ええ!? そんなこと急に言われても、アカリ困っちゃいます〜! それに恥ずかしいです〜!」

 

「お願いします! きっと貴女とお話が出来れば、クウカの殻が一つ破れるかもしれないんですっ!」

 

「殻を破る? よくわからないけど……」

 

 

うーん、と頬に手を当てるアカリ。

しばらく長考して、名案を思いついたようにパッと顔を上げる。

 

 

「クウカさんでしたっけ? じゃあ、こうしましょっか」

 

「へ?」

 

「私も恥ずかしい話をしますから、クウカさんも恥ずかしい話をしてくれますか?」

 

「く、くくくくくクウカが恥ずかしい話をッ!?」

 

「はい♪ お互いがお互いに恥ずかしいところをさらけ出すんです。そうすれば、恥ずかしいって気持ちも少しくらいは誤魔化せますよね」

 

「そ、それは…………、確かにそうかもしれませんが……」

 

 

口篭るクウカ。

クウカは別に羞恥心が無いわけではない。ただ羞恥心すらもドMパワーで興奮することができるだけである。

 

 

「……〜〜〜〜〜〜っ!」

 

 

クウカは意を決して、手に持っていたノートをアカリに差し出した。

 

 

「こ、これ……見てください……。これが、クウカの恥ずかしいところです……」

 

「これが、ですかぁ?」

 

 

アカリはぺらぺらとノートを表紙から捲っていく。

最初はアカリはその内容を読んでいて、小説を読む感覚で好奇心がどんどん膨れていったが、とあるページを読んでから目を丸くする。

 

 

「これってお兄ちゃんの……」

 

「へっ?」

 

 

最後まで読み終わったあと、アカリはムッと頬を膨らませて――不意に笑った。

 

 

「ノート、ありがとうございますね。……それで、何が聞きたいんでしたっけ?」

 

「えっ、あー……そういう話でしたっけ……」

 

 

羞恥心でいっぱいになり、なんの目的でノートの中身を見せたのか忘れかけたクウカだった。

 

 

「えっと、それじゃあ……、誰か気になってる人でもいるんでしょうか?」

 

「いますよ。アカリが滅茶苦茶になっちゃいそうなくらい、気になる人が」

 

「わ、わぁ……」

 

 

舌を出し、小悪魔チックに体を少しくねらせながら、アカリは彼について話し出す。

 

 

「あの人とのファーストコンタクトは、確か……腰に跨った時だったかなぁ?」

 

「こ、腰に……跨った!?」

 

「知り合ったきっかけはそれで、その後よく会うようになって……。そういえば、時々足腰がガクガクになっちゃうくらい動かされた事もあったな〜」

 

「あ、足腰がガクガクに……!?」

 

「あとは……、薄暗いところで抱かれたり……」

 

「だ、抱かれたッ!?」

 

「ああ、えっちなパンツもプレゼントしてくれました! あれは嬉しかったなあ♪」

 

 

まあお姉ちゃんと選びに行ったのは面白くなかったけど、とは心の中で付け足すアカリだった。

 

 

「あ、あわ、あわわわわわ…………」

 

 

しかしそんなアカリの胸中など知らず、顔を真っ赤にしながら妄想を繰り広げていた。

 

アカリはパッと見てクウカより年下だ。

そんな彼女は初対面の男と男女の関係になるくらい大胆なことをして、そのうえ頻度も多いくらい経験豊富である。

しかしそんな経験豊富な彼女をここまで垂らし込める男とは一体どんな存在なのだろうか。

 

片腕一つで屈服させられるくらいの巨漢か。

地位と財力を駆使して色んな女を取っ替え引っ替えする色男か。

あるいはどんな女も雌にできるような人格破綻した超絶ドSな――

 

 

「………………………」

 

 

ここまで風呂敷を広げておいてふと我に返る。

 

もしかしてその男とは、クウカの知っている人なのではないか、と。

 

 

「あ、あのアカリさん?」

 

「なんですかクウカさん?」

 

「そ、その人って……あ、あの人だったりしますか?」

 

 

あの人、という言葉を聞いてアカリはにっこり笑う。

 

 

「そうだと言ったら……どうしますか?」

 

 

クウカの頭は爆発した。

完全にキャパシティオーバーとなってしまった。

 

 

「ひょ……ひょええええええええええええええええっ!!」

 

 

クウカは真っ赤になってその場から走り去った。

 

なおその日の夜、【ヴァイスフリューゲル ランドソル支部】ギルドハウスにて。

 

 

「ぐ、ぐふ、ぐふふふふ……ぐふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ…………ふふふふふふふふふふふふ――」

 

「ちょっとクウカさん、うるさいんだけど」

 

「どうしたのだ今日のクウカは? なんだかずっと顔が真っ赤だが……」

 

「な、何やら一心不乱の乱のごとく勢いで、ノートブックに殴り書きしてるデス……。ちょっと、いやすっごく怖いデース!?」

 

(……確かクウカさん、今日アカリさんと一緒にいたところを見たような……。うーん、なんの話ししてたんだろ……)

 

 

クウカは狂ったように妄想ノートにこの日の出来事から連想する妄想を書きなぐっていた。

 

 

 

 

 

「ねえお姉ちゃん」

 

「どうしたのアカリ?」

 

「アカリ達、もっと頑張らないとお兄ちゃんはアカリ達のものにならないと思うの……」

 

「本当に何言ってるのよアカリ⁉」

 

 

これがまた新たな火種になることを、渦中のはずのユウキは全く知らない。




クウカ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、妄想癖が強すぎる少女。どんな攻撃を受けても恍惚な表情を浮かべて戦場の前線に立つ。
身の回りにあるありとあらゆる物を妄想に結びつけ、その度に恍惚な表情を浮かべるすこし困った趣味を持つ。なおこれでも一応一定の良識はあるらしい。
ユウキを妄想のネタにしようとして何もされなかった事で、クウカのドMアクセルがフルブーストになった。以降クウカの妄想の中心にはいつもユウキがいることに。



お久しぶりです。
またしても一ヶ月以上空いてしまいました。
それと少々難産だったのもすこしキツかったです。
そのうえ今回はちょっとセンシティブな内容が含まれてるので運営から警告が来そうです。

今回のクウカですが、彼女って多分主人公に一目惚れしてると思うんですよね。
少なくとも妄想を垂れ流す相手は選んでるみたいですし、主人公以外にそういうのを明確に向けられると嫌悪感もあるみたいですし。
だからすっごい拗らせた乙女みたいな。

さて、アンケート通りなら次回はヨリですが、先にアカリを書くことにしました。
ご了承願います。

以下のキャラの中で誰を優先的にお話しを書いて欲しい?

  • アヤネ
  • カスミ
  • シノブ
  • ニノン
  • ミソギ
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