メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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気がついたらもう2月……それどころか3周年目前でした。
去年もそうでしたね……。


キミに群がる同じ類は二人では済まない

ランドソルから外れた深い森――ミステリオン森林。

掻き分けるように慎重に歩く男女の三人が同じ目的で歩いていた。

さらに、そのうちの二人の女子は同じ心境であった。

 

 

(ど……どうしてこんな事に……!?)

 

 

ピンク髪のボブカット少女――ユイと、銀髪のショートカット少女――ヨリは、おたがいに顔を合わせることなく、ダラダラと冷や汗を垂らしながら前を歩くユウキの後をついていくしかなかった。

 

 

 

 

 

きっかけは同日のランドソルでの出来事である。

 

 

 

> 魔草集め?

 

 

 

「そうよ。例のごとく、イリヤさんの魔力を回復させるために必要なのよ」

 

 

いつものようにアルバイトを探すユウキは偶然にもヨリと出合い、手を貸してほしいと頼まれる。

【悪魔偽王国軍】リーダーのイリヤは魔力が枯渇していることが原因で本来の姿より幼くなってしまっているために、魔力を回復する方法を試行錯誤している。

 

その一環として、魔草から魔力を摂取するべく、ヨリと妹のアカリはほぼ毎日魔草集めをしている。

 

 

「ただ、いつも探してた場所はもう殆どなくなってたから、今度は別の場所を探すことにしたの」

 

 

 

> 別の場所って?

 

 

 

「そ、それは……た、例えばちょっと森の奥深いところ、とか?」

 

 

 

> 例えば?

 

 

 

「た、例えば、って…………っ!」

 

 

ヨリは言葉に詰まり、誤魔化すように眦を上げる。

 

 

「さっきから質問ばっかりね……。なに、私を手伝うのがそんなに不服なわけ? だったら最初からそう言いなさいよ!」

 

 

そんなつもりはない、とユウキは慌てて否定する。

ヨリは顔を顰めたまま、ユウキの背中を押して、ランドソルの外へと赴く。

 

 

「ほ、ほら、さっさと行くわよ!」

 

 

一先ずランドソルの外に出て、魔草がありそうな場所を見つければいい。

多少の申し訳無さを感じつつも、ここは強引に押し切ろう。

そう思ったヨリは――

 

 

「……あ、いた騎士クン! よ、良かったら今日も特訓に、付き合って…………!?」

 

「へ」

 

 

――突然のイレギュラーに対応など出来るはずもなかった。

 

 

 

 

 

ユウキの提案のもと、ユイも魔草集めに同行することになり、パーティーは3人に。

そしてユイの提案によって、一同はミステリオン森林に赴くことになった。

 

しかし、その内の二人の胸中はとても複雑だった。

 

 

(ど、どどどどうしよ〜〜〜ッ!?)

 

 

人見知りなヨリにとって初対面の人と足並みを揃えるほど高難易度なものはない。

ユウキと二人だけなら自分の素を知られていることで心の余裕はあるのだが、全く知らない人――それも年上の人といきなり魔草集めをするという事態をヨリは未だ飲み込めない。

 

 

(それもこれもアンタが誘ったから……っ)

 

 

もちろんユウキには悪意どころか、むしろ善意でユイを協力者にしてくれたのは解っている。

だが理屈で感情を抑えられないのが人の性である。

ヨリから見て、ユイはかなりの美少女と窺える。

清楚な雰囲気。

抜群のスタイル。

何処を見てもヨリとは真反対の人間だと感じる。

それこそが、ヨリの複雑な感情を加速させていた。

 

しかし、そんな劣等感を抱いているのはヨリだけではなかった。

 

 

(な、なんだかチラチラ見られてる気がする……。や、やっぱりお邪魔だったのかな……)

 

 

ユイがそれを見かけたのは本当に偶然だった。

今日こそユウキとの距離を縮める。

そう発起してはや数ヶ月が経とうとしていた。

それだけユウキは忙しく、また引く手あまたなのだと実感する。

だが、それを頭では分かっていても、実際に自身の目で見てしまうと、ユイは頭が真っ白になってしまった。

 

 

(この二人、すっごい距離が近かったなぁ……。ヨリちゃんだっけ、多分ヒヨリちゃんより年下だよね……)

 

 

背中を押すヨリと、押されながら歩くユウキ。

何があったのかは分からないが、密着する二人を見て、ユイは否応なく感じてしまう。

自分よりも、ヨリのほうがユウキと仲が良いのだと。

ユイはああもユウキと密着する度胸もなければ、あんな強引な行動をユウキ相手にできる図々しさもない。

その上、ヨリはユイの目から見て美少女だと感じる。

線の細い体格。

庇護欲を湧き立たせる様な雰囲気。

自分とは似ても似つかない彼女に、大人気なく複雑な感情を抱いてしまっていた。

 

そんな二人を一瞥して、

 

 

 

> (魔草、見つからないな……)

 

 

 

この少年は何も察せていないのである!

 

ユイとヨリ。この二人は顔を俯かせて目も合わせずただじっとユウキの後を付いていくだけ。

口数も少なければ、顔色を窺うだけで何かがあったのだと、いつものユウキなら簡単に察することができる。

しかし今日の目的は魔草集め。

魔草――つまり草は地面から生えている。それは地面を注意深く見ないと見つからないものである。

必然的に地面に顔を向ける体制になるため、ユウキからは問題が発生したようには見受けられない。

むしろ二人は自分よりずっと集中して魔草を探しているようにさえ見える。

 

故に何もユウキはフォローすることが出来ない。

 

 

 

> …………あ、見つけた!

 

 

 

出来る事と言えば、こうして魔草を見つけ出すだけ。

 

 

「……え、何が?」

 

 

 

> ほら、魔草。

 

 

 

「………………………ああ! ホントだわ! 見つけてくれて、あ、あり……! ぁぅ…………」

 

 

……余談だが、ヨリは恥ずかしがり屋なため、ユウキに素直にお礼が言えない時がある。

そういった素直になれない自身がまたコンプレックスのひとつなのだが、今回は居心地の悪さから我に返ったその反動で自然にお礼が言えると思っていた。

しかしその時視界の端でユイが映り、出かかった言葉が急速に引っ込んでしまった。

 

 

「えっと、それが探してた魔草?」

 

 

ユイも我に返り、ユウキが地面から引き抜いたそれを見る。

 

 

「……は、はい。そうですね……。いつも探してる場所からは、なかなか見つからなくなって……」

 

「それなら……」

 

 

ユイはあたりを見渡して、あることに気づいた。

 

 

「この辺りに生えてるもの、全部そうなのかな?」

 

 

ユイが指差した先には、ユウキが抜いた魔草と同じ植物がこれでもかと沢山生えている。

 

 

「ホントだ……っ」

 

 

ヨリはすぐに飛びつき、可能な限り引き抜いて持ってきた籠に入れていく。

 

 

 

> 全部抜いちゃ駄目だよ。少しは残さないと。

 

 

 

「そ、そんな事今更言われなくても分かってるわよ! ……ぁぅ」

 

「あ、あはは……。わたしも手伝うね?」

 

 

素直になれず、思わず反発してしまい、それをユイに見られるのはヨリにとってかなりの羞恥心を覚えさせる。

 

もう嫌になってきたヨリはさっさと終わらせたい。そんな一心で無心で魔草を抜いていく。

 

その時、不幸が起きた。

 

 

――ア――――――――――ッ‼

 

 

耳を裂くような絶叫が響き渡り、驚いたヨリはそのまま後ろに倒れてしまう。

 

 

「……え、え? な、なにこれ…………!?」

 

 

尻餅をついたヨリは、引き抜いた魔草を握ったまま体が石になったように動かなくなってしまう。

 

 

 

> 今の声は、マンドレイク!?

 

 

 

「マンドレイクって、たしか魔物の事だよね?」

 

「そ、それって、今私が動けないのと関係あるの!?」

 

 

 

> 説明は後!

 

 

 

ユウキは手に持っていた魔草を放り投げて、ヨリに駆け寄り持っていたマンドレイクを捨てさせる。

そして、

 

 

「ひゃっ!? ちょ、ちょっとなにをっ!?」

 

「き、騎士クン!?」

 

 

そのままヨリを抱き上げる。所謂お姫様抱っこである。

 

 

 

> このまま逃げるよ!

 

 

 

「あ、あわわわわ……っ」

 

「こ、こんな恥ずかしいことしてて、何から逃げるのよっ!」

 

 

真っ赤な顔をする二人は、周りからガサガサと茂みが揺れる音を聞く。

それと同時に獣のような唸り声も聞こえて、瞬時に理解した。

 

ヨリを抱えたユウキとユイは、そのまま全速力でランドソルへと戻っていった。

 

 

 

 

 

「はぁ、死ぬかと思った……二重の意味で……」

 

 

ランドソルへ戻ってきて、体が動くようになったヨリは、ユウキから降りて、ガクガクと震える身体と赤くなった顔を押さえる。

 

 

「でも、騎士クン凄いね。マンドレイクの声を聞いて、あんなに早く対応するなんて」

 

 

 

> 前に同じような目にあったからね。

 

 

 

「……でも、お陰で助かったわ。……その、あ、あ、……ありが、とぅ…………」

 

 

何とかお礼を言えたことに安心したヨリは、大きく息を吐いた。

 

 

「そ、それと、ユイ、さんも……。て、手伝ってもらったのに、こんな事になってしまって、ご、ご、ごめんなさいっ!」

 

「ううん、大丈夫だよ。ヨリちゃんは大丈夫? マンドレイクの声、至近距離で聞いちゃったけど、他に異常はない?」

 

「た、多分大丈夫だと、思います……。後でイリヤさんにも確認して貰おうかな……」

 

 

 

> ギルドハウスまで送るよ。

 

 

 

「べ、別にそこまでしなくても大丈夫よ。…………」

 

 

 

> ……?

 

 

 

不意に、ヨリは柔らかく微笑んだ。

 

 

「……ホント、アンタにはいつも感謝してるわ。優しいし、何度も助けてもらってるし、アカリだけじゃなく私にも仲良くしてくれるし……」

 

 

続けて言葉を紡ぐ。

 

 

「だから、いつもありがとう。アンタのそういう所が私はだいす――」

 

 

言葉が止まる。

空気も止まる。

代わりにヨリの顔に熱が上がる。

 

 

「あ、ああああああ私、また何を言いかけて……っ!」

 

 

ヨリは口を押さえるがもう遅い。

決定的な瞬間を見届けた少女がそこにいる。

 

 

「あ、あわわわわわわわわわ……よ、よよよよよよヨリちゃんっ⁉ い、今何を言いかけて…………⁉」

 

「ち、ちがっ! 違わない……いや違います! 違うから! 私が言いたかったのはそういう事じゃないから〜〜‼」

 

 

渦中の少年は、ただ首を傾げるだけである。




ヨリ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、引っ込み思案な双子の姉。押しが弱いが魔槍の一撃は雷のように豪快に轟き、敵を吹き飛ばす。
普段からオドオドしており、自分の意見を他者にはっきりと言えない。特に男性が苦手である。妹のアカリとは違い、恥ずかしがり屋で内弁慶である。
ユウキとも初対面はヨリはとてもビクビクしていたが、あまりにユウキがしつこいので自分の素を見せるようになった。言いたい事と口にした内容が大きく変わりやすい。



お久しぶりです。
2ヶ月以上も間が空いてしまいました。
さて、今回のヨリですが、個人的にはラブコメのメインヒロイン出来るくらいくっそヒロイン力高いと感じております。
星6も実装されましたし(まだストーリー見てない)、3周年も直に来ますしプリコネもまた再燃し始めるかな?

ここからは最近のプリコネについてでも。
アニバーサリー記念イベントですけれど、とても感動しましたが、一つだけくっそきな臭い設定が出てきましたね……。
主人公がコッコロを忘れると強化の能力が使えなくなるとか。
アメスはコッコロとの『始まりの絆』を忘れてしまったから絆に関係する強化の力を使えなくなってしまったと言っていましたが、それが本当ならメインストーリーでも影響でそうですよね。
今のメインストーリーもめちゃくちゃきな臭いですし……。

それもこれもメインストーリー更新で分かることですが。

以下のキャラの中で誰を優先的にお話しを書いて欲しい?

  • アヤネ
  • カスミ
  • シノブ
  • ニノン
  • ミソギ
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