メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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あけましておめでとうございます。


犬も歩けば棒に当たるが、キミが歩けば家来になれる(前編)

「さあ、ショーグン! 今日もショーグンの忠臣を探しまショウ!」

 

 

ニコニコとショーグンと呼ばれたユウキの周りをくるくる回るニノン。

彼女は特殊な力を持つユウキを国の大将――つまりは将軍だと信じて疑わず、このように時偶家来を探す行脚を始めるのだ。

 

 

「では、早速一人目の忠臣候補のところへ向かうデス!」

 

 

 

> 候補って?

 

 

 

「今回は、このニノンが事前にショーグンの有能な家来になれそうな人材を口コミで色々見つけてきたのデス。これぞシノビの諜報活動デス! ニンニン!」

 

 

両指を絡めて人差し指を立てるニノン。

 

まずニノンに連れて行かれたところは、ランドソルの住宅街。

ニノンいわく、この辺りにまず一人目の家来候補がいるらしいが……。

 

 

「ムムム、ムムムムム……」

 

 

何故か彼女は人の往来ではなく、住宅街の真上をキョロキョロと見渡している。

何をしているのか聞いてみると、

 

 

「可笑しいデスね……、最近この辺りで空を飛ぶ人間の目撃情報があるのデスが」

 

 

空を飛ぶ人間について心当たりがあるのが何人かいるが、考える前にその答えが見つかった。

ピンク色でフワフワと浮かぶ少女――ハツネである。

 

 

「見つけマシタ! 年貢の納め時デース‼」

 

「スヤスヤ……むぎゅっ!? ……え、え、なに?」

 

 

ニノンに体にしがみつかれたハツネは飛び起き、そのまま垂直落下した。

 

 

「あたた……、あれ? ここ外? 私またやっちゃった?」

 

「イタタ……でも、ようやく捕まえマシタ。神妙になるデス、アナタはショーグンの御前にいるのデスよ!」

 

「将軍? ……あれ、ユウキ君?」

 

 

びしぃ、とニノンはユウキを仰ぎ、ハツネはその姿を捉える。

ぴょんと飛び起きたハツネはパタパタとユウキに近づき、

 

 

「ユウキ君久しぶり☆ もう体は大丈夫?」

 

 

問題ないようにユウキはマッスルポーズを取る。

それから楽しそうに話を始めるが、

 

 

頭が高いデース‼

 

「うわあ‼ さっきから何⁉」

 

 

ムカッとしたニノンの一声でハツネは素早く振り返る。

 

 

「このお方を誰だとココロエヨウ! デゲデゲデン!」

 

「でげ……なに?」

 

「このお方はいずれこのアストライアを統一するショーグンデス! 無礼も過ぎればカミカクシデース!」

 

「…………」

 

 

呆気にとられて何も言えないハツネ。

それを見て恐れ慄いたと勘違いしたニノンは畳み掛ける。

 

 

「デスが、ショーグンは春風よりも優しく、大海よりも深い器をお持ちデス。今ならショーグンに忠誠を誓えば、そのフケイはお許しになるデショウ!」

 

 

デゲデン! ……とかっこよく締めたつもりのニノン。

ハツネはただ一言。

 

 

「……何だか、個性的な友達だね」

 

 

と苦笑を浮かべていた。

 

 

 

 

 

「……ええと、それで家来を集めてどうするの、ニノンちゃん」

 

「トーゴクの童話には、旅の途中で仲間を集めて鬼退治をするお話があるデス。それに倣って、ワタシ達も旅の道中で仲間を集めれば、どんな敵もバッタバッタの勧善懲悪! そして天下統一の夜明けゼヨ! ……というわけデス」

 

「旅……、これ旅なのかな?」

 

 

ランドソル内をただ散歩しているようにしか見えない、とは言わなかったハツネ。

 

 

「でもユウキ君なら平和な世の中に出来そうな予感はするね! 優しいし、友達も多いしね」

 

「オオ! ハツネさんはよく分かっているみたいデスね。それでこそショーグンの忠臣デース!」

 

「もう私は忠臣になってるんだ……」

 

 

展開が早い。

 

次にニノンが向かっているのは獣人族の居住区。

ニノンは地図を確認しながらキョロキョロと辺りを見渡す。

 

 

「確か、獣人族の居住区に、【自警団】というギルドがあるはずデスが……」

 

「ああ、それなら向こうだよ。私が案内しよっか?」

 

「では、先導をお願いシマス!」

 

 

ハツネはシオリが【自警団】に所属しているため、何度か通ったことがあるので詳しい道筋を知っている。

 

 

「お邪魔しまーす☆」

 

「ん? あんたは確か、シオリの姉さんだったか。久しぶりだな」

 

「マコトちゃん、久しぶり! いきなりで悪いんだけど……」

 

「ヒカエオロウ、デース‼」

 

「うおわっ! な、なんだ⁉」

 

 

割って入ってきたニノンに驚き、思わず剣に手を伸ばしかけるマコト。

 

 

「ようやく見つけました。アナタこそ我らがショーグンの切り込み隊長にふさわしいデース!」

 

「急に何なんだあんたは……それに将軍?」

 

「ご、ごめんねマコトちゃん。ニノンちゃん悪い子じゃないから……」

 

 

 

> ショーグンって呼ばれてます。

 

 

 

「いっぺんに喋んな!」

 

 

マコトはその場に座り込み、ニノン達にも腰を下ろすよう促す。

 

 

「……で、急に何なんだ、将軍とか切り込み隊長とか」

 

「アナタは【自警団】の切り込み隊長として数々の事件を解決したと聞いてマス」

 

「いや、そんな隊長になった覚えはねえけど……」

 

「だから、そんなアナタはショーグンの忠臣にふさわしい人物デース! ともに巨悪を倒し、ショーグンの名の下に天下統一シマショウ!」

 

「よく話すやつだな……」

 

 

既に気圧されているが、マコトはマコトなりにニノンの言いたいことを考える。

 

 

「よく分かんねえけど、何か事件が起きてんのか? だったら力を貸すぜ」

 

「ノン‼ 事件は現場で起きているんじゃアリマセン、未来に起きているのデース‼ クワバラクワバラ……」

 

「はあ?」

 

「――つまり、何かあった時の為にチームを作りたいって言っているんじゃないかな彼女は」

 

「うおっ、いたのかよカスミ!」

 

 

ぬっと影から出てきたカスミ。

 

 

「ノン! チームではなく、ショーグンの忠臣蔵デス! それに、色合いもバランスが取れているのでショーグンの威光を示すのにピッタリデース‼」

 

「色合い? 何の話ニノンちゃん?」

 

 

 

> ヒーローショーみたい!

 

 

 

ここでユウキが目を輝かせる。

ヒーローショーとは、以前に【王宮騎士団】が大広場のステージでやっていた演目のことだ。

 

 

「ああ、あれか。最近人手が微妙に足りないからってやらなくなったらしいけど」

 

「あれも一つの勧善懲悪デス! ショーグンが忠臣を束ねてランドソルを守れば、天下統一も夢じゃアリマセン! そのためには、色が重要だと聞きマシタ」

 

 

つまり――

 

赤……???

黒……マコト

黄……ニノン

桃……ハツネ

緑……???

 

と、ニノンは考えている。

 

 

「あたしは黒なのかよ……。どっちかって言うと青じゃねえか?」

 

「突っ込む所はそこじゃないよマコトさん。既に頭数に入れられてるけど良いのかい?」

 

「私、桃要素髪しかないけど……」

 

「そんなこと言ったらニノンさんだってそうだろう」

 

「青はショーグンなので問題ないデス!」

 

「助手くんにもやらせるのかい⁉ 将軍とか言っておきながら⁉」

 

 

息を切らしながらツッコミをするカスミはそろそろ根本的な疑問を投げかける。

 

 

「……そもそも、なぜそんなヒーローショーじみたチーム編成にこだわるんだい?」

 

「最近、魔法少女なる謎の四人組が台頭するようになったらしいデス。モニカさんに調べようと頼んでも聞いてくれませんでした。あんなの初めてデス……」

 

「え゛」

 

「えっ」

 

 

魔法少女という単語を聞いてカスミとハツネがビクリと跳ねる。

 

 

「ユエに! 魔法少女に負けないためにも、ショーグンの威光が分かりやすく伝わるためにも、ヒーローのような色合いを重視した忠臣蔵を作る必要があるのデス‼ …………ハツネさん、どうかしたデスか?」

 

「い、いや何でもないよ~☆ 一体誰なんだろうな~魔法少女?」

 

「おい、カスミ。どうしたんだ顔真っ青だぞ。……そういやお前、魔法少女の調査するときあんまり乗り気じゃなかったよな」

 

「き、気のせいじゃないかい? ……す、すまない、私はもう少し仮眠を取ってくるよ」

 

 

覚束ない足取りでカスミは帰っていった。

 

 

 

 

 

「はあ、何だか成り行きであたしも来ちまったけど。まあ魔法少女達にばかり任せてられねえし、腹くくるとすっか!」

 

「あ、アハハ、そうだね〜☆」

 

 

少しずつ乗り気になっているマコトと、魔法少女について詳しい話をしないように注意深く言葉を選んでいるハツネ。

 

 

「ムムム、後は赤と緑デスね……」

 

 

地図とメモを見比べながらキョロキョロと見渡すニノン。

 

 

「そのメモなんだ?」

 

「これはアユミが作ってくれた人物メモデス! かなり正確に書かれてあるので助かりマス! 流石アユミデス!」

 

「あいつか……」

 

「……え、もしかしてそのアユミって人に、私のこと書かれてるの⁉ 何者なのそのアユミって人⁉」

 

 

フワフワと浮いていたところをわざわざニノンが探しに来たことを考えるに、自分の秘密がバレているのではとハツネは冷や汗を流す。

 

 

「デスが、赤が中々捕まりそうにないですね……ムム、ム⁉」

 

 

ニノンは地図とメモを懐に隠し、武器の団扇を薙ぎ払う。

ガキン、と金属音がなり、攻撃してきた影が空中から降り立つ。

 

 

「……まったく、ふざけた風体の割に勘が鋭いのですね」

 

「ナニヤチュ‼」

 

「誰だお前は‼」

 

「も、もしかして早速事件⁉」

 

 

一同は武器を構え、奇襲してきた者を捉える。

 

 

 

> あれ、エリコ?

 

 

 

「はい、あなた様のエリコですわ」

 

 

現れた赤い影――エリコはユウキに微笑んだあと、斧を構え直す。

 

 

「な、ナント! アナタは……」

 

「さて、ふざけたお遊戯からユウキ様を解放していただけるかしら?」

 

「お、お遊戯……ある意味では間違ってないかも……」

 

「ユウキに何の用だ、『壊し屋』! 手荒な真似するならタダじゃおかねえぞ!」

 

「――何の用だ、だと? 知れた事だ!」

 

 

全く別の方向から少女の声が響き、空から緑の影が落ちる。

 

 

 

「そこに居る閃光のシグルドは前世からの我が好敵手(ライバル)にして盟友! それを、よく分からん徒党に無理やり組み込もうなど、このアンネローゼ・フォン・シュテッヒパルムの魔瞳(イービルアイ)が逃すと思うなよ!」

 

 

 

「……うわー、類は友を呼ぶ、っていうのかな」

 

 

混沌とした状況を見て、ハツネは一言呟くのだった。




ニノン
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、トーゴク大好きサムライ少女。時に侍、時に忍ととにかくトーゴクに関わる振る舞いで派手に戦う。
ユウキの強化の力を受けたときに、それが将軍の鼓舞による士気向上だと勘違いした結果ユウキを「ショーグン」と呼ぶようになる。自称忠臣。
忍術っぽい魔法を使うことが出来るが、よく魔力切れを起こす。また忍者っぽい小道具を沢山持っているがたまに自爆する。滑舌が不安定。



おまけ
(魔法少女イベントを話題にしたため思いついた小ネタ)

カスミ「ウゾダドンドコドーン!」
(通りすがりに強制変身させられた)

モニカ「私を子供と言ってみろ……ワタシハクサマヲムッコロス!」
(子供とバカにされた)

トモ「徹夜でポーズを考えたせいで、ワダシノカラダハボドボドダー!」
(寝不足)

シオリ「これが最強の魔法少女の戦い方です」
(罠を設置しながら)


魔法少女のデザインの元ネタがトランプのスートだからどうしても仮面ライダー剣が頭にチラつくんです。
俺は悪くねえ、俺は悪くねえ‼

以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?

  • アキノ
  • スズナ
  • チカ
  • ミサト
  • ミミ
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