メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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今回は一人称視点で書いていきます。

※この話は後編です。
前編から読む事を推奨します。


もう一度、キミが始める物語(後編)

小さい頃からずっと一人ぼっちだった。

パパとママはお仕事が忙しくて一緒にいる時間がとても短くて何度も寂しい思いをした。

 

そんなとき、私にお友達が出来た。

名前はぷうきち。見た目はくまのぬいぐるみだけど、私の大切なお友達で、大好きな家族。

ぷうきちは寂しがり屋で引っ込み思案な私を何度も助けてくれる。寂しい気持ちを何度だって忘れさせてくれる。弱い私を何度でも守ってくれる。

 

だけど、それが解るのは私だけ。

大きくなればなるほど、私は周りからだんだん距離を置かれ始めた。

まるでおかしなものを見るような目で見下され、私の世界はどんどん小さくなっていった。

 

別にそれでも良かった。

ぷうきちや、ぷうきちの家族が私を守ってくれるから。私と遊んでくれるから。

たまに一緒にいてくれるパパとママも過ごす時間も、私にとっては大切な思い出。

別にそれで良かった。私が幸せならそれでいい。

 

 

 

そんなときに、私の世界に外からズケズケと変なお兄ちゃんがやってきた。

 

 

 

はっきり言って興味がなかった。

アストルムで遊んでる私を心配だからとか何だとか、鬱陶しく絡んできた。

だから、意地悪して私のワガママにこれでもかと振り回してやった。

気分が良くなった私は、現実(リアル)でもお兄ちゃんを見つけた。

無害そうなでくの坊の顔が、アストルムと瓜二つだったからすぐに解った。

向こうも私だと気づいたみたいで、馴れ馴れしく近寄ってきたけれど、現実の私はそうはいかない。

いつものようにぷうきちに守ってもらってお兄ちゃんと話をしていたら、何だかどんどん楽しくなっていった。

 

不思議な気持ち。

鬱陶しかったのに、興味もないのにお兄ちゃんといる時間が楽しいと感じていた。

そして、そんな時間がアストルムでも現実でもどんどん増えていった。

アストルムでは私のワガママで散々振り回して。

現実ではぷうきちと一緒にお兄ちゃんをからかって。

そのたびにお兄ちゃんは怒ったり困ったりするけれど、私から逃げたりはしなかった。

 

……思えば、私とこうして私の世界でぷうきち達以外と一緒に遊ぶのは久しぶりだった。

だから楽しくて、嬉しくて、幸せだった。

 

寂しい時も、遊んでほしい時も、居て欲しいと思ったときはいつもお兄ちゃんがいてくれた。

パパとママ、ぷうきち達に続く、私の大好きな家族になっていくのを、ようやく私は理解した。

 

そして―――――

 

 

 

 

 

そして―――――私は、長い眠りから目が醒めた。

 

 

 

 

 

どうやら、私を眠りから覚ますアラームは余程のホラーテイストで構成されていたみたい。

まるで鏡を見せられているように、「私」はどんどん近づいてきて――

 

 

『パパ……ママ……寂しい……会いたい……お兄ちゃん……』

 

 

頭が弾け飛ぶような気分だった。

その言葉を聞いた瞬間に、頭の中がぐちゃぐちゃになるような痛みが私を襲って、声も出せなくて動けなかった。

 

その後のことはよく覚えてない。

なんか白いもふもふに背負われて、古い屋敷に連れて来られて、

金髪の耳の長い女の人にくどくどと説教されたような気がする。

でも私の頭には全然入ってこなくて、ただただ頭が痛くて気分が悪かった。

私の様子がおかしかったのか、よく似た背丈の女の子に部屋に連れて行かれて、ベッドに横にされた。

 

そのまま次の日の朝までずっと寝てたけど、頭が痛いのは治ってなくて、気分が悪いまま目が覚めてしまった。

 

 

(ここ……どこ……?)

 

 

辺りを見渡しても心当たりはない。少なくとも自宅じゃない。

私の家にこんな古臭い部屋はない。

不安になってしまって、いつもの癖でぷうきちを胸に抱いて……、

 

 

『――…………おお、アヤネ。起きたのか』

 

「…………ぇ……」

 

 

胸に抱いたそれから聞き慣れた声がした。

大きなくまのぬいぐるみ。

だけど、その圧を感じる口調には心当たりがあって。

 

 

「……ぷうきち…………?」

 

『……なんだ、まだ寝ぼけてるのか。よく見りゃ顔色も良くねえな』

 

 

こちらに顔を向けると尊大な顔つきのくまが私を見つめている。

 

 

『無理はすんなよ。昨日あんな事があったばかりだ。スズメの姉ちゃんに頼んでおかゆでも用意してもらうか。……オレも昨日の夜からなんか体が気だるくて……オレも風邪ひいちまったかな』

 

「………………っ???」

 

 

 

――このこはだれ?

 

 

 

『おわぁっ⁉』

 

 

気づけば私はそれを胸から投げ出していた。

そして逃げるようにベッドから転げ落ちる。

 

 

『何すんだアヤネ‼』

 

 

それはいきなり投げ飛ばされたから怒っているんだろう。

 

でも――違う。

この子はぷうきちじゃない。

ぷうきちはそんなこと言わない。

ぷうきちは私に怒ったりしない。

ぷうきちは弱音を吐くような事は言わない。

 

その事実がわかった時、私の頭痛は更に酷くなった。

 

 

「っぅ…………⁉」

 

『お、おい? アヤネ、大丈夫か?』

 

「……ん、アヤネちゃん? どうしたの?」

 

「……ッ⁉」

 

 

隣から女の子の声が聞こえる。

どうやらこの部屋にはもう一つベッドがあって、そこで女の子が寝ていたみたい。

大きなリボンをつけた女の子。

でもこの子にも見覚えはない。

 

 

「…………ぇ、ぁ……」

 

「あ、アヤネちゃん……?」

 

『クルミ、何とか言ってやってくれ! なんか様子が変なんだ。顔色も悪いし、口数も少ないし、いきなりオレを投げ飛ばすし』

 

「え……? と、どうしたのアヤネちゃん。ぷうきちを投げるなんて普段なら絶対にしないのに……」

 

「――どうしたの、騒がしいけれど」

 

 

ガチャリ、とドアが開く音が響き、誰かが入ってくる。

先頭に立ってる人には……ちょっとだけ見覚えがある。

確か……高等部の生徒会長さん。

 

 

「アヤネ、起きたのね。結局昨日は寝たきりだったみたいだけど……。顔色も良くないわね、スズメ今からおかゆと薬の準備よ」

 

「はいっ、お嬢さま!」

 

 

顔を見たことがあるからって、こんなに馴れ馴れしくされるような関係でもない。

ここは、この人たちは、一体何なんだろう?

 

 

「……あ」

 

 

 

>アヤネちゃん、大丈夫?

 

 

 

「……お兄、ちゃん?」

 

 

 

見たことがある格好をした男の人。

私のワガママに何度でも付き合ってくれる人。

私の大切な、お兄ちゃん。

 

 

 

> 体調が悪いなら、無理はしないで。

 

 

 

「……ん……」

 

『な、なんだ。やけに坊っちゃんには素直だな。さっきあんなに取り乱してたのに』

 

 

お兄ちゃんの顔を見ていると、さっきまで不安になっていた心が少しずつ落ち着いていく。

誰も知らない、何もわからないこの状況で、お兄ちゃんがいてくれたらなんとかなりそう。

根拠もないのに、そう思っちゃう。

 

 

 

でも何でだろう。

お兄ちゃんを見ていると、頭の痛みが少し強くなった気がした。

 

 

 

 

 

その後、サレンって人とスズメって人が用意してくれたお粥を食べて、薬を飲んだあとベッドに寝転んだ。

 

 

「アヤネちゃん、なにかして欲しい事があったら言ってね」

 

「…………」

 

「…………ぅぅ……」

 

 

そんな泣きそうな顔をしないでほしい。

 

別に嫌いになったから無視したわけじゃない。

例えばここがアストルムの中ならちょっとふざけてみたりとか、ワガママを言ってみたりとかするけれど。

あいにくとそんな気分じゃない。

 

 

『おいアヤネ、無視すんなよ。クルミがお前のこと心配してるだろ』

 

 

極めつけはこの独りでに喋るぬいぐるみ。

アストルムで使ってるぬいぐるみに似ているだけに、まるでぷうきちを似せて喋っているのが途轍もなく気味が悪い。

 

そうした日々が何日か続いて、いつまでも部屋でじっと蹲るのにも少し飽きてきた頃、こっそりと部屋を出ていくことに決めた。

ずっと私に話しかけてくる「ぷうきち」も、力が出ないのか眠っているから誰にも気づかれない。

 

階段を途中まで降りると、子供たちの騒がしい声が飛び交うのが聞こえる。

覗いてみると、どうやらおままごとをしているようだ。

その中心には、お兄ちゃんが。

 

 

「お兄ちゃん、こんどは椅子の上で丸くなってる猫のモノマネやってね」

 

「じゃあ次は、夜にうるさく鳴いてる犬のモノマネ!」

 

「赤ちゃん役やって!」

 

 

それらの無茶苦茶な難題を、お兄ちゃんは楽しそうに、嫌がりもせず全てこなしていた。

 

 

 

――なにあれ。

 

 

 

最初に浮かんだ感想はそれだった。

私が知ってるお兄ちゃんは、そう言う無理難題をふっかけられたときは大抵最初は面倒くさそうな表情を浮かべる。

でも、別に断ったり嫌がったりはしないの。

なんだかんだ言って、私のワガママにいつも付き合ってくれていた。

 

でも、あれは違う。

嫌がりもせず、周りの子供たちと一緒にはしゃいでる。

まるで無邪気な子ども――ううん、もっと酷いかもしれない。

ただ一つだけ確信を持って言えるのは、あれは私の知ってるお兄ちゃんじゃない。

 

 

 

――そう思ったとき、私の頭痛は一際強くなった。

 

 

 

 

 

翌朝、私は屋敷から抜け出した。

あの屋敷にいる限り、私の頭痛は収まらない。

誰も知らない人たちばかり。ぷうきちもいない。

誰も頼れない。

 

だから、勇気を出して自分から動き出すことにした。

まずは遠くからでも見えるあの大きな白い壁から調べよう。

 

そこまで近づくと、なにか強い既視感をどんどん感じていく。

門を潜ると、ようやくこの既視感がわかった。

 

 

「……アストルム?」

 

 

そう、アストルムだ。

アストルム内の主な舞台であるランドソル。

外から見た白い城壁や、周りの家屋にとても見覚えがある。

けれど、どうして私は今アストルムに居るんだろう?

いつログインしたんだろう。

 

何か肝心な事を忘れているような気がする。

しかし今考えても仕方がない。そういうのはパパとママに聞いてみるといい。

 

ログアウトしようとして――出来ない。

そもそもやり方を思い出せない。

 

 

「なんで……」

 

 

冷や汗が流れるのを感じる。

どうやって帰ればいいの?

私に何が起きてるの?

考えても、考えても、何も解らない。

 

ふと、さっきから渦巻く違和感に堪えきれず、空を見上げる。

青々と広がる高い空。

でも――アストルムの空はあんな色じゃない。

あれは現実の空だ。

 

でもここは現実じゃない。

 

 

「………………ッ‼」

 

 

喉の奥までこみ上げてくる恐怖をごまかすように、踵を返してランドソルを出ていく。

その際に脚がもつれて前に思いっきり転んでしまった。

 

 

「いたい…………、……え」

 

 

なんで痛いの?

アストルム内で転んで怪我をしたところで痛みなんて感じない。

その筈なのに、痛い。

痛い。痛い。地面にぶつけた膝が痛い。痛い。頭が痛い。

 

痛い痛い痛いイタイイタイいたい痛いいたいいたいいたいいたいイタイ痛い痛いイタイイタイイタイ逞帙>逞帙>いたい縺?◆縺縺?◆縺縺?◆縺縺?◆縺イタイ繧、繧ソ繧繧、繧ソ繧繧、繧ソ繧繧、繧ソ繧逞帙>逞帙>逞帙>縺?◆縺縺?◆縺―――――

 

 

 

 

 

「―――――たすけて、お兄ちゃん……っ」

 

 

 

 

 

どこまで走っただろうか。

どうしようもない現実から、未だに引いてくれない痛みから、それらの恐怖から逃げるために。

 

でも、逃げたところでどうしようもない。

誰も頼れない。

何もわからない。

なんの進展もない。

 

私はその場に腰を下ろす。

周りは視界が悪い森で、いつの間にか遠くまで来ていたみたいだ。

おかげで疲労感が全身にどっしり伸し掛かるし、朝から何も食べてない所為かお腹がすいた。

 

これが本物の現実だと突き付けられた動かぬ証拠だった。

そう受け入れると、少しずつ頭痛が収まっていくような気がする。

もうしばらくこのままじっとしていよう。

 

そう思っていたけれど。

 

 

『繝代ヱ縲√?繝樞?ヲ窶ヲ蟇ゅ@縺?h窶ヲ窶ヲ』

 

「――ひっ⁉」

 

 

唐突に後ろから声が聞こえて跳び上がり、後ずさる。

 

そこに鏡が置かれているのかと思ったが、違う。

 

ああ、どうして。

 

 

『縺雁?縺。繧?s縲∵怙霑大ソ吶@縺昴≧』『繧「繝ォ繝舌う繝医?縺九j縺ァ縺翫∪縺セ縺斐→縺ォ莉倥″蜷医▲縺ヲ縺上l縺ェ縺』『縺雁?縺。繧?s縺悟?髯「縺励◆』『縺雁?縺。繧?s縺後>縺ェ縺?舞隴キ髯「縺」縺ヲ縲√%繧薙↑縺ォ縺、縺セ繧薙↑縺九▲縺溘s縺?』『縺雁?縺。繧?s縺後Α繧ス繧ョ驕斐↓縺ー縺」縺九j讒九≧』

 

 

どうして。

あれはただの悪夢じゃなかったの?

まだ悪夢は続いてるの?

 

もし、このまま身を任せたら、この悪夢から醒めるのかな。

 

 

「ぃゃ」

 

 

―――――お兄ちゃん、助けて。

 

 

 

 

 

> アヤネちゃんッ‼

 

 

 

その時、聞き覚えのある優しい声が聞こえた。

その人は悪夢を斬り裂いて、横にいる女の子は爆弾みたいなもので悪夢を吹き飛ばして、私に駆け寄ってきた。

 

 

「アヤネ、大丈夫? しっかりして!」

 

 

 

> アヤネちゃん、見つけたよ。

 

 

 

「…………お兄ちゃん……」

 

 

別人だと思った。

けれど、困ってる人を本気で、全力で助けてくれるこの人は、やっぱりお兄ちゃんだった。

 

 

「……おにい、ちゃん…………」

 

「アヤネ? アヤネ、しっかりして、アヤネ〜〜⁉」

 

 

女の子の叫びが最後に聞こえて、私の意識は落ちていった。

 

 

 


 

 

 

はーい、お疲れ様ー。

 

いやぁ、焦ったわ……。前からそうなんじゃないかと思ってたけど、まさかアヤネちゃんの認識の修正が緩んでいたなんて。

そのせいで一時的に現実のアヤネちゃんが今のアヤネちゃんの意識に乗り移って、現実とアストルムとの乖離を認識して、ずっと頭痛に苦しんでいたわ。

 

それだけじゃない。ここ最近のアヤネちゃんの精神状態はちょっと不安定だったわ。アンタが入院したり、救護院の外で色んな事してたり。今でこそそんな素振りは見られないけれど、あの娘の本質は人見知りで寂しがり屋なのよ。

 

……ああ、今はもう安定しているわ。アンタがカッコよく助けたことで、アヤネちゃんも安心したんでしょうね。次に目が覚めたらもう「いつもの」アヤネちゃんとぷうきちに戻ってるはずだわ。

 

まあ、今回はグッジョブだったわよ♪ 今後はコッコロたんだけじゃなく、アヤネちゃんにも気にかけることね。

 

……そして、絆をどんどん強くして。今のアンタに出来るのはそれくらい。だけど、とっても重要なことなの。

それこそが、もう一度特異点(ターニングポイント)を乗り越える唯一の方法なんだからね。

 

それじゃあ、またね〜。

 

 

 


 

 

 

目が覚めると、【サレンディア救護院】の私の部屋だった。

すぐ側にはクルミ、ミソギ、お兄ちゃんがじっとこちらを見つめてた。

 

 

「ど、どうしたの皆? 横並びになってこっち見て」

 

「アヤネちゃん……もう大丈夫なの?」

 

「クルミから聞いたけど、ずっと顔色悪かったんだよね? いまはなんともなさそうだけど……」

 

「……ええ?」

 

 

なんか心当たりのないことを言われたけれど……。

 

 

 

> アヤネちゃん達が無事で良かった。

 

 

 

「達……? あれ、なんでお兄ちゃんぷうきちを抱っこしてるの?」

 

『他人事みたいに言ってんなよ、アヤネ。お前がオレを投げ飛ばすせいでオレはずっとホコリまみれだったし、こうして坊っちゃんに抱えられるハメになってんだぞ』

 

「ええ〜? わたしがぷうきちにそんな事するわけないでしょ!」

 

『やったっての! なんで覚えてねえんだよ⁉』

 

 

ぷうきちと口喧嘩をしたあとに、ミソギが何だか大人しそうに声をかけてきた。

 

 

「えっとね、この前はあんな危ないことに付き合わせて本当にごめんなさいっ」

 

「えっ、あ、ああ…………」

 

 

この前って、探検に行ったことかな?

実はシャドウから逃げた後の記憶ってよく覚えてなくて、ずっと眠ってたような気分なんだよね。

 

まあ、こうしてミソギが謝ってくるのもちょっと珍しいから、たまにはお返しすることにしよう。

 

 

「いいよ。許してあげる。ただし……」

 

「た、ただし?」

 

「今度はミソギ達がわたし達のおままごとに付き合ってね♪」

 

「……! うんっ、それくらいなら――」

 

「もちろん、遊びに来るときは毎回ねっ」

 

「えええ⁉ そんなの退屈だよ〜〜っ‼」

 

 

ちょっとは仕返し出来たみたいで、大分気分が良くなった。

これからもきっと楽しい毎日になりそう♪

ママ・サレンが、スズメが、クルミが、救護院のみんなが、お兄ちゃんが、コッコロが、何よりぷうきちがいる。

 

こんなに幸せな毎日がこれからもずっと続いていきますように。

 

 

 


 

 

 

「ふふ、ひとまず大団円って感じですね……★」

 

 

日が傾き、少しずつ闇に染まる空の中。

救護院のひと時をじっと見つめていた少女がいた。

 

少女は愉快そうに微笑み、それから一度目を離し、今度は牧場のある方角を見る。

 

 

「……ごめんなさい。今すぐにでも会いに行きたいですけれど、今のわたしは裏方ですから、目処が立つまで会いに行けそうにないです」

 

 

本当に残念そうに語る少女の脳裏には、大切な友達の微笑む表情が浮かぶ。

少女はゆっくりと頭を振って、再び救護院に目を向ける。

 

 

「それでは騎士さん、また会いましょう♪ 今度はもっと長く一緒にタノシイ事をしたいですね★」

 

 

クスクスと少女は笑う。

 

 

「そして、第一の特異点(ターニングポイント)を乗り越えてください」

 

 

――これは、あなたがもう一度始める物語ですから。

 

 

意味深な言葉を残して、少女は闇へ消えた。




アヤネ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、くまのぬいぐるみと共に戦う少女。相棒のぷうきちとの息が合った攻撃は全てを吹き飛ばす。
元々はランドソルの一般家庭の少女だが、なにかしらの認識の乖離があったのか、自身の両親を本当の両親と思えず、【サレンディア救護院】へとやってきた。
ぷうきちの声は誰にでも聞こえるというわけではないようだ。少なくとも救護院のみんなや、ユウキと仲の良い人物たちにはぷうきちの声は届いているらしい。



ギリギリセーフ!
これにて3部にわたる話は区切りました。
そしてこの3話でいくつか今後の展開を思わせる情報を開示したつもりです。
なお、今回一部文字化けを使用しております。
ですのでお使いの端末な正常だと思いますのでご安心ください。

以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?

  • アユミ
  • イリヤ
  • スズメ
  • マホ
  • ルカ
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