メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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いつも感想を書いていただきまことにありがとうございます。

短い文章でも次の話を書くモチベーションになります。


夢を持たないけれど、キミは何かのために頑張れる

「うわぁ〜! 凄いですね、どこまでも海が広がってますよ!」

 

 

長い船旅が始まり、ペコリーヌは青く広がる海を指差す。

 

エルピス大陸へ向けて船に乗ったペコリーヌとユウキはしばらくの間、船から見える景色を楽しんでいた。

 

今回【美食殿】が受けた正式な依頼は、エルピス大陸の短期間の開拓、及び護衛である。

前者は分かるが、後者の護衛とは誰を護衛すれば良いのだろう?

出発前に二人で首を傾げていたが、それはともかくとして二人は気分が上がっていくのであった。

 

 

「何だか船で旅行に行くみたいですね☆ ……キャルちゃんとコッコロちゃんが居ないのが非常に悔やまれます」

 

 

 

> そうだね……。

 

 

 

【美食殿】のギルド活動だというのに、キャルとコッコロの姿はない。

コッコロは一度故郷へ帰り、キャルはギルドハウスに来なくなった。

特にキャルはなんの連絡もないため、日増しに心配が募っていくのである。

 

 

「……あれ、そこにいるの、もしかしてユウキ?」

 

「えっ?」

 

 

ペコリーヌと話をしているユウキに後ろから声をかけてきたのは、金髪のボブカットの少女。

 

 

 

> あれ、ジータ?

 

 

 

「この子もお知り合いですか?」

 

「もしかして、隣りにいるのは前に話してたギルドメンバー?」

 

 

ユウキはお互いのことを紹介する。

 

ジータは最近ランドソルにやってきた少女であり、父親の行方を探すべく騎空士を目指している。

しかしそのためには飛空艇が必要であり、名を上げるためにもランドソルで働くようになった。

 

 

「じゃあ、ギルド管理協会から新たに雇った護衛役ってユウキとペコリーヌのギルドだったんだね」

 

「……そういえば、護衛も仕事の一つと言われましたけど、一体誰を護衛するのか聞かされてないんですよね。一体誰なんでしょう?」

 

「ああ、それは――」

 

 

 

「――静粛に」

 

 

 

ぴしゃり、とユウキ達に向けて放たれる冷たく鋭い一言。

カツンカツン、と足音を立ててよく声の響く女性がこちらに向かって言い放つ。

 

 

「先程から黙って聴いていれば、あなた方少々気が緩み過ぎなのではなくて? せっかくお金を出したのですから、もう少し気を引き締めていただけるかしら」

 

「あっ、ごめんなさい……」

 

「いえいえジータさん。わたくしはそちらの二人組に言っているのでしてよ。……全くギルド管理協会ももう少しまともそうな奴を……ん?」

 

「……はい?」

 

 

くすんだ金髪の女性はペコリーヌが視界に入ると、わずかに顔をしかめる。

 

 

「あなた……何処かで見たような……」

 

「…………ッ!!!」

 

「…………まあ、気の所為ですわね。あなたのような暢気そうな小娘の知り合いなどわたくしにはいませんし」

 

 

女性は踵を返して、大きな足音を立てて船の中に戻っていった。

見えなくなった女性を見送って、ペコリーヌははあ、と大きなため息をつく。

 

 

「えっと、今の人は……」

 

「【リッチモンド商工会】っていう商会ギルドのギルドマスターさんだよ。エルピス大陸の開拓に投資してるギルドの一つで、今回の開拓指揮を執ることになったんだ」

 

 

【リッチモンド商工会】。

そのギルドマスターであるクレジッタ・キャッシュとは、最近頭角を現すようになり、金に物を言わせて取引や工事などを行うかなり強引な人間らしい。

しかも、その金のやりくりも、色々と後ろ暗い噂があるようで……。

 

 

「もしかして、ジータちゃんはそのギルドメンバーなんですか?」

 

「ううん、私は今はギルド管理協会で働かせてもらってて、そこそこ腕が立つからって理由で短期間だけ出向することになったの」

 

 

ジータはいずれ騎空士になって世界中を旅する為に、色々と経験や実績を積みたいと考えていた。

 

 

「でも、その……あんまりこういうことは言いたくないんだけど、さ」

 

「?」

 

「ランドソルっていう国、ちょっと不便だよね。ギルドに所属してないと協会のお仕事って一つもできないんだもんね」

 

「それは…………」

 

「しかも、ずっと前からそうだった、ってわけでもないみたいだし。確かユースティアナ、だっけ。王様のお名前。あの人がギルドを管理しやすくするために、そういう制度の義務化を確立させたんだよね?」

 

「ッ!!」

 

 

またしてもペコリーヌの表情が強張る。

それを横目で見るユウキ。

以前から何か隠し事をしているとユウキなりに感じていたが、彼女の身の周りで起きていることと深く関係しているのだろうか。

 

 

「…………それはっ」

 

「……あ、陸が見えてきたよ! あれがエルピス大陸かな?」

 

 

ペコリーヌは開きかけた口を閉じて、ジータが指差す方向を見る。

 

アストライア大陸に負けず劣らずの広大な大地。

エルピス大陸がすぐそこまで迫っていた。

 

 

 

 

 

「それでは、今回の開拓の目標を予め立てておきましょう」

 

 

キャンプ地についたあと、クレジッタは一同を集めて地図を開く。

 

 

「今回の開拓で、原住民の集落を見つけること。これに尽きますわ。先遣隊は安全な場所を確保するので精一杯だったようですが、わたくしが指揮を担う以上手ぶらで帰るなど絶対に許しませんわ!」

 

 

そう言って、クレジッタは各々の持ち場を指示し、開拓民達は茂みの奥へと消えていった。

 

そして、この場に残ったのは、【美食殿】の二人とジータ、クレジッタのみ。

 

 

 

> 僕達はどこに行けばいいんですか?

 

 

 

「はあ? あなたは何を言ってますの?」

 

 

呆れ返るようにクレジッタは顔をしかめる。

 

 

「ちょ、ちょっとユウキ。私達の仕事は護衛でもあるから……」

 

「ジータさんの言う通り、あなた方の仕事は開拓と護衛。持ち場に移動する指示がないのなら、この場でわたくしの護衛をするのだと少し考えれば分かるでしょう! 全く、何のために自分が雇われたのかもう忘れたのかしら……」

 

 

ブツブツとクレジッタはぼやく。

そして、さっきからうつむいたままのペコリーヌに目を向ける。

 

 

「聴いているのかしら、そこの金髪小娘!」

 

「……ぇっ」

 

 

はっと、ペコリーヌは顔を上げて苦笑いを浮かべる。

 

 

「ぁ、あ〜そうなんですね~。魔物の素材を手に入れたかったんですけど、残念ですね〜☆」

 

「あなたも何を言っていますの……?」

 

 

再び呆れ返るクレジッタだった。

 

 

 

 

 

「はぁ…………」

 

 

キャンプの周辺を見回りし、魔物が近くにいないか見張りをするユウキ達。

だが、エルピス大陸に上陸してから元気のないペコリーヌに、ユウキとジータは遠目で心配していた。

 

 

「ペコリーヌどうしたんだろう。船に乗ってる間は元気そうに見えたけど……」

 

 

 

> ペコさん……。

 

 

 

「もしかして船酔い……いや、そんなふうにも見えないし……」

 

 

うんうんと悩むジータを尻目に、ユウキはペコリーヌに声をかける。

 

 

 

> 大丈夫だよ。クレジッタさんはまだ気づいてないみたいだし。

 

 

 

「ユウキくん……」

 

 

翳りのあるペコリーヌの表情は力なく微笑む。

 

 

「いえ、気にしているのはそこじゃないんです。それはもう、慣れましたから……」

 

「えっと、ごめんなさい。何の話かな?」

 

「そうですね。そろそろちゃんと話すべきですね。ジータちゃんも折角ですから聞いてください。あなたにも迷惑をかけてしまったみたいですから」

 

 

要領を得ないとジータは首を傾げる。

ペコリーヌは佇まいを正し、真剣な表情で口を開く。

 

 

「わたしの名前は――」

 

 

 

「ぎゃあああああぁぁッ⁉」

 

 

 

『!?』

 

 

ユウキ達はその悲鳴を聞いて一目散にキャンプに駆けつける。

 

 

「クレジッタさん!」

 

「だ、大丈夫ですか⁉」

 

「あ、あなた達……! 早くあれを何とかしなさいな‼」

 

 

クレジッタは震える指でそれを指す。

 

空に浮かぶ大きな影。

それが大きくなるたび、頬を叩く風が強くなる。

そして、その風が振り払われ、辺り一面を暴風が駆け巡った。

 

 

――グオオオオオオォォォッ!

 

 

色とりどりの羽根を持つ大怪鳥が、その鋭い目つきでユウキ達を見下ろした。

 

 

 

> あれは……ジズ⁉ エルピス大陸にいたのか⁉

 

 

 

「じ、ジズ⁉ それって魔物図鑑にも載るくらい有名な……!」

 

「お、大きすぎないですか⁉ ワイルドグリフォン以上の巨体ですよ!」

 

 

一同は武器を構えるが、相手は空にいるため手を出しづらい。

 

 

「でも、このままだと開拓どころか、周りにも被害が及びます! ユウキくん!」

 

 

ペコリーヌに応じ、ユウキは剣を構えて強化の力を使う。

ペコリーヌは王家の装備の力を振り絞って、高く跳び上がる。

 

 

プリンセスストライクッ‼

 

 

長剣にありったけの力を込めて叩き切る。

だが、その一撃はジズの纏う気流に受け流されて、体勢を崩された。

 

 

「うひゃあっ⁉」

 

 

そのままジズは気流を放出し、暴風となってペコリーヌを襲う。

勢いをましてペコリーヌは地面に落とされるが、王家の装備によって頑強さを高め、力強く着地する。

 

 

「くっ、攻撃が届かない……っ。キャルちゃんの魔法なら……」

 

「気をつけて! 反撃が来るよ!」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい! これ以上なにかされたらキャンプ地が……⁉」

 

 

クレジッタが何か言っているがユウキ達にはそれどころではない。

 

ジズは雄叫びを上げて暴風を展開し、キャンプ地を飲み込むほどの巨大な竜巻を展開する。

轟々、と空を切る音と木々がめくれ上がる音が鳴り響き、津波のように勢いよくこちらに飛んでくる。

 

 

「ペコリーヌ、クレジッタさんを!」

 

「はい!」

 

「え、ちょ……!」

 

 

クレジッタの制止も聞かず、ペコリーヌは彼女を肩に担ぐ。

ジータはユウキを脇に抱えて、ペコリーヌと共に跳ぶ。

 

木々を転々と跳び駆けて、迫りくる竜巻から逃げる。

横目で振り向くと、あの場にあったもの全てが竜巻で浮かび、ぐちゃぐちゃに砕けていく。

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ‼ キャンプ地があああぁあァァァんまりですわあァァアァッ‼」

 

「ちょ、落ち着いてくださいクレジッタさん! もがかれると落としちゃいますよ〜⁉」

 

 

当然巻き込まれたのはキャンプ地であり、設営されていたテントや物資などもあの竜巻の中。

今回の開拓が大失敗に終わった瞬間であり、クレジッタの慟哭が天高く響くのだった。

 

 

「とにかく広い場所に出るよ! 巻き込まれたら一巻の終わりだから! それとユウキ、試したいことがあるから力を貸してほしいんだ、いい?」

 

 

 

> もちろん!

 

 

 

キャンプ地周辺の林を抜け、一同は平原に出る。

後ろを振り返ると、暴風を纏いながら、こちらに降下してくる。

 

このまま体当りされればひとたまりもないだろう。

 

 

「よし、いくよユウキ!」

 

「ジータちゃん? 一体何を……」

 

 

ジータはユウキの強化を受け、自身の奥底にある力を開放する。

 

 

「いくよ――ジョブチェンジ・ソーサラー‼」

 

 

ジータの体が強い光に包まれ、近くにいたユウキ達や、ジズが軽く怯む。

そして光が落ち着いたとき、ジータの姿にペコリーヌとクレジッタは驚きの声を上げる。

 

 

「え、ええ⁉ なんですかその姿⁉」

 

「ジータさん、なぜ急に着替えたんですの⁉ というか、かなりはしたない格好でしてよ!」

 

「――はしたないとはご挨拶だな」

 

「「え」」

 

 

ジータから帰ってきた声は、先程までの快活な声音とは違い、押し殺すように低く高圧的な声だった。

 

 

「これは由緒正しきソーサラーの礼装。ジョブチェンジの力で私は魔法使いになったのだ」

 

「じ、ジョブチェンジ? それに雰囲気も……」

 

「な、なんですの? まるで人が変わったようですけど」

 

 

二人の困惑を意に介さず、ジータはジズを睨みつける。

 

ジズは雄叫びを上げて、再び巨大な竜巻を発生させる。

ジータはそれを見て、ふう、とため息を付き、

 

 

エーテルブラスト・ウィンドッ‼

 

 

魔導杖を横薙ぎに振り、ジズの竜巻に負けず劣らずの威力で出来た球体が生まれる。

それは竜巻に触れるとブワアッ、と轟音を立てて、竜巻もろとも消え去った。

 

 

「き、消えた……!」

 

「単純なトリックだ。渦を巻く竜巻と逆方向に渦を巻く同程度の規模の竜巻をぶつければ対消滅する」

 

「簡単に言ってますけど、とんでもないことしましたわねあの子……」

 

 

ジータは鼻を鳴らし、一転して警戒心を見せるジズに吐き捨てるように呟く。

 

 

「どこの誰がけしかけたのかは知らんが、躾のなってない鳥だ」

 

 

 

> え?

 

 

 

ジータは再び魔導杖を構える。

 

ジズは自身に暴風を纏って、高く飛び上がり、そのまま急降下してくる。

 

 

「風は炎をよく巻き込むものだ――エーテルブラスト・フレイムッ‼

 

 

魔導杖から出た巨大な火球はジズに命中する。

暴風によって勢いよく燃え上がる炎は一瞬でジズを赤く包み込み、ジズはジータ達から大きくそれて地面に墜落する。

 

ジズは悲鳴を上げて藻掻くが、次第に動きも弱々しくなり、ついには動かなくなった。

炎が消えて中から出てきたのは、全身を黒く焦がしたみすぼらしい大きな鳥だった。

 

 

「い、一撃で……」

 

「ジータちゃん、ヤバいですね……」

 

「――…………ふぅっ」

 

 

ジータはまたしても光りに包まれ、いつもの姿に戻る。

 

 

「うまくいってよかったぁ〜」

 

「え、えええ…………」

 

「何なんですのこの子は……って、それどころじゃありませんわ‼」

 

 

我に返ったクレジッタはキャンプ地があった方向へ走り出す。

 

そこは見るも無惨に薙ぎ払われた木々の残骸で足の踏み場もなく、撤去するだけでも時間がかかるだろう物悲しい景色と成り果てていた。

 

 

「こ、こんな……こんなはずでは……」

 

「えっと、クレジッタさん。今回ばかりは仕方ないですよ。あれはアクシデントだし……」

 

「そんな言葉で片付けられる訳無いでしょうが‼ エルピス大陸の開拓には少なくない金額を投資しているんですのよ! それが、その結果が、これだなんてっ……」

 

 

その場に膝を付き、エグエグと泣き始めるクレジッタ。

ユウキとジータも何も言えなくなってしまう。

だが、

 

 

「辛いときこそ美味しいものを食べましょう!」

 

「…………?」

 

「はい、これ! クレジッタさんも食べてください☆」

 

「こんな時によくそんなお気楽なことが言えますわね。状況がわかってますの⁉」

 

「だからこそ、今はお腹いっぱい食べて元気になりましょう! 困ったときはお互いさまさま、だそうですよ?」

 

 

そう言ってペコリーヌはクレジッタによく火の通った肉を差し出す。

クレジッタはそれを見つめて、震えながらかぶりつく。

 

 

「……単調な味付けですわね。もう少しどうにかならなかったのかしら」

 

「それは、ごめんなさい……。ありあわせの調味料しかなくって……」

 

「全く、本当にお気楽ですわね……。ところで、これは何の肉ですの?」

 

「ジータちゃんが焼いてくれたジズの胸肉ですよ」

 

「えっ」

 

「は?」

 

 

二人はその肉を見つめる。

かぶり付いたクレジッタはわなわなと震え、爆発した。

 

 

「あああああなた、わたくしになんてもの食わせるんですの⁉ イカレてるんじゃないかしら⁉」

 

「ええ? だって美味しいですよ。ほら、ジータちゃんも食べましょう☆」

 

「え、あ、うん……」

 

「ちょっとジータさん! 素直に受け取ろうとするんじゃないですわ‼」

 

 

ぎゃあぎゃあと賑やかに騒ぐ。

 

なお、これが後にお騒がせ主従と呼ばれるペコリーヌとクレジッタの出会いなのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

「……大丈夫です。どんなに苦しいことが待ち受けても、わたしがなんとかしてみせます。だってわたしは……」

 

 

 

> ………………………。

 

 

 


 

 

 

「あっちゃ〜、やられちゃったか。捕まえるのに結構苦労したんだけどなぁ〜」

 

 

高いところから、平原の四人を見つめる男が一人。

 

軽薄そうな笑みを浮かべ、風に揺られる銀髪の男は独りごちる。

 

 

「でもまあ、キャンプ地はあの有様だし、遅くても明日には帰るかな?」

 

 

男は踵を返す。

 

 

「特に彼には絶対に見つかるわけにいかないし。それじゃあ、悪いドラゴンさんを見つける仕事に戻りますか」

 

 

 


 

 

 

結論から言うと、開拓部隊は翌日に戻ることになった。

 

ユウキ達が魔物と戦っている間に、部隊の一部が原住民と接触することに成功したようだが、全体を通してみると得られたものに対して失ったものが大きく、開拓計画は一度中断することになる。

 

そして――

 

 

「それで、ペコリーヌ。話って一体?」

 

 

ユウキとジータはペコリーヌに呼び出され、海岸までやって来た。

 

ペコリーヌは今までにないくらい真剣な表情で、改まった振る舞いで口を開く。

 

 

「二人には、改めて自己紹介がしたいんです」

 

「自己紹介?」

 

「はい―――――」

 

 

 

「―――――わたしの名前はユースティアナ・フォン・アストライア。王都ランドソルを統治するアストライア王家――その正当なプリンセスにあたります」

 

 

 

「………………え、え、ええ???」

 

 

突然のカミングアウトにジータは混乱する。

 

 

「無理もないです。ランドソルの住人は()が正当な王族だと思い込まされていますから」

 

 

 

> どういうこと?

 

 

 

「アストライア家は人間の家系です。そして、代々プリンセスが王位継承権を与えられます。ですが、彼は――覇瞳皇帝(カイザーインサイト)は獣人族であり、女性ではありません」

 

「そ、それじゃあ今ユースティアナを名乗ってる王様って……!」

 

「彼はわたしの立場を乗っ取り、ランドソルを掌握しようとしています。目的は……わかりません…………―――――」

 

 

 

 

 

ところ変わって【リッチモンド商工会】のギルドハウス。

 

宝石の保管部屋に腰を下ろしてクレジッタはうんうんと唸っていた。

 

 

「……クレジッタさま、何をされているのですか」

 

「うるさいですわね。今考えごとをしてるんですのよ」

 

「考えごとですか。エルピス大陸開拓が大損になったこと以上に考えることが?」

 

「だからうるさいですわよ‼ 全く、頭も痛いし、雇った護衛役も暢気な小娘で……」

 

 

何か引っかかりを覚え、どんどん語気が弱くなっていくクレジッタ。

 

 

「そう、あの小娘……何処かで見たのですわよね」

 

「はあ、それは何処で?」

 

「確か、大分前にギルド管理協会から人相書きを渡されて、それで……はっ!!!」

 

 

ガタリと立ち上がるクレジッタ。

その揺れで積み上げられた箱が揺れ、側にいた秘書が抑える。

 

 

「秘書一号! ギルド管理協会から貰った人相書きはどこに保管してあるかしら」

 

「え、えー……たしか、資料室においてあるんじゃないでしょうか」

 

「資料室ね……。ふっふっふ、お金が動く匂いがしますわよ……!」

 

 

……このクレジッタの余計な閃きで、ペコリーヌに試練が待ち受けていることも、また別のお話。




ジータ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、騎空団の団長を夢見る少女。どんな武器でも使いこなし、オールマイティに戦う。
騎空士である父のように自身も騎空士になって空を駆ける事を夢見る少女。そのためにも、飛空艇を手に入れて名を上げるためにランドソルにやってきた。
ジョブチェンジという特殊能力を持っており、武道家や魔法使いなど様々な戦い方にシフトチェンジすることができる。その際に、ジータの性格が大きく変わることも……。



気づけば4周年記念から一ヶ月経ちましたね。
私はウマ娘に時間泥棒されてプリコネをやる時間が減ってしまいました。

アニメも何だか大変なことになってしまってますね。
遊戯王ばりの顔芸晒す覇瞳皇帝は最終的に何処へ落ち着くのやら。

以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?

  • アユミ
  • イリヤ
  • スズメ
  • マホ
  • ルカ
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