メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~ 作:上月 ネ子
第二部第十三章見てから書くつもりだったのですがだいぶ遅れました。
そして感想としてはミロクは想像通りのろくでなしでしたが、目的が少しはっきりしたのに非常に不気味な印象が拭えません。
あと、もしかして最後の七冠って離反してるのかな?
ランドソルから遥か遠く離れた森の中にあるエルフの里。
そこに、小さなエルフが戻ってきた。
「ふう、ようやく着きました」
コッコロは長旅にため息を付き、里をグルっと見渡す。
「里も、お変わりはないようですね……」
コッコロは早速当初の目的である社……の前に、コッコロの実家でもある長老の屋敷へと足を運ぶ。
コッコロの実の父であり、このエルフの里の長老――エルフィリア・タレル・ダール・ゾラは、コッコロ同様アメスからの託宣を受け、コッコロをランドソルへと向かわせたアメスの信徒である。
「お父さま、コッコロただいま戻りました」
「……む」
コッコロの挨拶を受け、ゾラは腰を上げて彼女に近づく。
「おお、久しぶりだな。ランドソルへ出立して以来か。少し体つきが逞しくなったか?」
「ふふ、でしたらきっとギルド活動のお陰でしょうね」
「ふむ、どのようなことをしていたのか気にはなるが、まあ良い。戻ってきたのだ、しばらくゆっくりしていけコッコロよ」
ゾラは薄く微笑み、コッコロの頭を優しく撫でる。
コッコロは擽ったそうにしながらも、それに抵抗はしない。
「……申し訳ありません、お父さま。今回は火急の用事があり、里へ戻らせていただきました」
「……何やら忙しないが、それはこの里にとって重要なことなのか?」
「いえ、里、というよりはアメスさまに関することでして……」
コッコロはゾラにアメスについての異常事態を詳らかに話す。
実はコッコロはランドソルに来てから少しの間はアメスより定期的に交信を受けていたのだが、ある時期を境にそれが全く無くなったのである。
単にコッコロとユウキがランドソルの生活に慣れたため、逐一連絡する必要もなくなっただけ、とも解釈はできる。
しかし、先のシャドウ大量発生や魔物が見当たらない事態は何かの異変の前兆だと考えられるのに、アメスに祈りを捧げ、交信を試みてもアメスの声は返ってこなかった。
だというのに、ユウキへは夢の中で何度か交信はしているらしく、何か自身に落ち度があるのでは、と考えた結果、コッコロはアメスを祀る社があるエルフの里もへ戻ってきたのだ。
「……その、お父さまの方では何かアメスさまより伺っておりますでしょうか?」
「……残念だが、私の方でもアメス様のお声は久しく聞いていない」
「そうですか……。ではやはり社の方で直接お伺いしに行くしか……」
「あまり気負いすぎるな。アメス様にも何やらお考えがあるのやもしれぬ」
「いえ、問題ありません。何より、ランドソルでは未曾有の危機が訪れるかもしれないのです。どうしても、アメスさまより何かお伺いしたいのです……」
神妙な顔付きになるコッコロに対し、ゾラは少しだけ驚いた顔をして、再び微笑んだ。
「逞しくなったのは体つきだけではなかったようだな」
「えっ?」
「コッコロよ。お前はお前が信じ、進むべき道を自身で選び取り、幸せになりなさい。今までそうしてきたようにな」
「お父さま……」
「さあ行け。アメス様からお言葉を賜わろうとも、出来なくとも、お前は大切なもののために行動することは変わらぬのだろう?」
「それは……はい!」
コッコロは一礼して、屋敷を後にする。
その際に、ゾラはコッコロを呼び止める。
「ああ、すまぬ。社には客人が居るだろうから、挨拶はしておいてくれ」
「……? 客人ですか?」
「へ〜、これがアメスさまの社……」
コッコロが社に参入したとき、既にその少女はいた。
大きな弓を背負い、興味深そうに社の中をキョロキョロと見渡している金髪のエルフ。
エルフの少女はコッコロの視線に気がつくと、慌てて口を開く。
「ご、ごめんなさい! 騒がしくしちゃったかな?」
「いえ、そのようなことは……もしや、あなたが長老が仰っていた……」
「あ、もしかして長老さんから聞いたの? 私はアリサ、見ての通り、他所のエルフの森から来たんだけど……」
「申し遅れました、わたくしはコッコロと申します」
アリサと名乗った少女は荷物を指差して苦笑する。
「これからの旅にご利益があるかな〜って立ち寄ったんだけど、よくよく考えたら私そういう作法ってよく知らないなって思って」
「ふふ、アメスさまはそのようなことはあまり気にされない方ですよ。わたくしのような者に対してもとても優しい方です」
「そうなんだ~。…………ん?」
何か引っかかりを覚えたアリサだが、深く考えないことにした。
コッコロは一言断りを入れてから、アメスの祠の前に跪く。
「アメスさま、どうかわたくしたちにアメスさまのお導きを……」
コッコロは手を合わせ、深く長く祠に祈りを捧げる。
長い時間その状態を続けるが、
「……どうして、なのですか……っ」
帰ってくるのは無音。
アメスの福音も、その存在も、祠の前で祈りを捧げているにも関わらず、何も感じ取れない。
「もしや、アメスさまに何かが……? だとするなら、主さまにはどうして……」
「だ、大丈夫コッコロちゃん? 顔色が青いけど……」
目に見えて気が動転しているコッコロに駆け寄り、アリサはコッコロの背中を擦る。
「……お騒がせしました」
「いやいや、そんなことはないけど……。何か問題でもあったの?」
「アメスさまにはああして祈りを捧げることでお声を聞くことができたのです。しかし最近はそれも能わず……ですので社に赴いたのですが」
「う〜ん……」
アリサは腕を組んで考え込む。
そして何かを思いついたのか、明るい表情で社の前に立つ。
「もっと呼びかければ反応するんじゃないかな。神様だってきっと寝てる時くらいあるんだよ!」
「ええ……??」
斜め上の発想にコッコロの顔がひきつる。
そんなドン引きの反応にも気づかずにアリサは先程コッコロがした作法を真似して、大きな声で社に呼びかける。
「アメスさま〜どうか私に道を示してくだされ〜!」
「あ、あのアリサさま……」
「お願いです! どうか、どうか……!」
コッコロの静止も耳に届かず、アリサは必死に社に向かって懇願する。
お願いです、と何度も何度も指を絡めて社に頭を下げながら叫ぶその懇願には次第に迫真さが乗り、
「どうか、どうか私にロザリアの居場所を教えて下さい……ッ!」
最後のその真剣な懇願は、コッコロの耳には深く届いた。
結局、コッコロもアリサもその祈りに応えてくれる者は居らず、いつの間にか外は夜になっていたために長老宅へと戻っていった。
寝室のベッドで横になる二人は寝付くまでお互いのことを話していた。
「……では、そのロザリアという方はアリサさまのご友人だったのですね」
「うん、私よりも弓の扱いが上手くって、故郷じゃ守番として相応しいエルフはロザリア以外にいないって言われてたくらいだもん。なのに……」
突如としてそのロザリアは行方不明になり、欠けた守番の役目はアリサを埋め合わされた。
その後アリサはロザリアの行方を追うために旅を始めることになる。
「やっぱりランドソルみたいな大きな街に行かないと手掛かりが見つからないかなぁ」
「ランドソル、ですか?」
「うん、元々は大きな街を目指して森を出たんだけどね。道中でこの里を見かけたから寄ったんだ。ここに来たのはほんとうに偶然だったんだよ」
「でしたら、わたくしと共にランドソルへ向かわれますか? わたくし、今はランドソルで居を構えておりまして」
「いいの? ならお願いしようかな。私ちょっとたどり着けるか不安だったんだ〜」
ニコニコと屈託のない笑顔を向けられて、コッコロも自然と笑みを浮かべる。
「それにしても、コッコロちゃんって巫女さんだったんだね」
「巫女、とは?」
「神様と交信する女の子のことだよ。巫女は神様を信仰して身も心もささげるものなんだよ」
「なるほど。でしたらわたくしは巫女ではございません。わたくしは主さまに身も心も捧げ、お導きすることを誓っておりますので」
「主さま?」
「わたくしが仕えている方です。草原のように優しく、大空のように広い心をお持ちの方でございます。わたくしはそんな主さまの身の周りのお世話をさせていただいております。……まあ、気の多いところは直してほしいと思っておりますが」
「えっ、コッコロちゃんって私より年下だよね? そんなことするんだ、都会って凄いね〜」
コッコロの最後のつぶやきはアリサには聞こえていなかった。
翌朝。
ランドソルへ戻るコッコロは旅支度を済ませ、アリサと待ち合わせの場所へと向かう。
その前に、コッコロはゾラに呼び止められた。
「待ちなさいコッコロ」
「お父さま? どうかされましたか?」
「お前に渡さねばならぬものがある」
ゾラは懐から包を取り出し、コッコロの手のひらに乗せる。
「……何でしょうか、これは。形状からして丸いものが入っているのはわかりますが……」
「それが何なのかは私にも分からぬ。ただ、それを中から取り出さぬことと、時が来るまで肌見放さず持っておくように、とアメス様より託宣があったのだ」
「アメスさまが⁉」
コッコロは驚愕し、ゾラに詰め寄る。
「お父さまはアメスさまのお声を聞かれたということですか⁉」
「……期待させてしまって申し訳ないが、この託宣を受けたのはコッコロがランドソルへ発って間もない頃の話だ」
「わたくしがランドソルを発って……?」
それはつまり、コッコロがユウキのガイド役としてアメスに選ばれ、ランドソルへと旅立った頃の話ということ。
それは今からすればかなり前の話であり、昨日ゾラが久しくアメスの声を聞いていないという発言ともあまり矛盾しない。
「一体これが何を意味するのかは分からぬが、コッコロが里に戻ったときに必ず渡すよう申された。……今思えば、あのときのアメス様のお声は切羽詰まっていたように感じる」
「切羽詰まって……?」
「私達には到底見えぬ何かが、あの方には見えていたのだろう。そしてそれはコッコロ、お前やお前の仲間たちにも関わるものである可能性が高い」
ゾラはコッコロの肩を叩き、視線をコッコロに合わせる。
「見極めてくるのだ。アメス様さえ動揺するほどの、アストライアの未来を」
「はい!」
コッコロはゾラにお辞儀をして、振り返らずに今再び旅立つのだった。
その後、コッコロの先導の元アリサはランドソルへと歩みを進める。
その際にアリサは気になるものを見つけた。
「……あれ?」
「……どうかされましたか?」
「いや、あんなところにお屋敷があるな〜って」
「さようでございますね……」
アリサが指差した先には大きめの屋敷があり、比較的新しく見える。
こんな街から遠く離れた場所に家屋が立っているなんて、と思ったが。
「……ねえ、何かあの周りだけ薄暗くない? ちょっと不気味……」
「…………こころなしかこの辺りも少し薄暗いです。妙ですね、天気は晴れているのに……」
言葉にできない不気味さを感じた二人は、足を早めてその場を立ち去る。
そして、開けた通りに出て少しすると、コッコロは指を指して立ち止まる。
「このまま道なりに進まれたら大きな壁が見えてきます。それがランドソルです」
「ありがとうコッコロちゃん! ……でも、コッコロちゃんは一緒にはいかないの?」
「申し訳ございません。わたくし現在は街から外れた場所を住まいとしておりまして、ここから道が別れてしまうのです」
「そうなんだ……わかった! ここまでありがとうねコッコロちゃん! また会おうね!」
コッコロとアリサは別々の道を歩き始める。
きっとまた出会う。そう信じて。
だからこそ――
「……ん? いま向こうから声が聞こえたような……」
アリサは道から外れた方向から唸り声のようなものが聞こえ思わずそちらに歩みがそれる。
そして、魔物に襲われている少年の姿を見つける。
「危ない‼」
アリサは弓を構え、風の力を載せて射抜く。
魔物は吹き飛ばされて、安全を確認したあとアリサは少年に駆け寄る。
> 君は……?
「大丈夫? 怪我はない?」
そう、だからこそ――この出会いも必然かもしれない。
アリサ
「プリンセスコネクト!Re:Dive」より登場する弓を扱うエルフの少女。守番として森の平和を守り、その弓から放たれる矢は全てを貫く。
故郷では幼馴染のロザリアが守番として森を守っていたが行方不明となり、後釜としてアリサが守番となった。以降ロザリアを探すためにランドソルへと旅立つこととなる。
戦闘では冷静で的確な立ち回りができるが、日常生活では隙が多く都会の空気がわからないため世間知らずな振る舞いをすることもある。
大変お久しぶりです。
第二部のクライマックスも見えてきたので急いで筆を早めました。
4.5周年ももう秒読みですし。……半年くらい前にも似たようなこと言った気がしますが。
あと、メインストーリーでも可愛そうな目に合ってる子もいるのでその子達にスポットライトを当てたいな~とも思いましたので、頑張って書いていきます!
以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?
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アユミ
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イリヤ
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スズメ
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マホ
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ルカ