メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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今回は今までで一番読みづらいと思います。ご容赦ください。


優しさが万能でないことをキミは知らない

きょうはおにいちゃんといっしょにお出かけの日。

キョウカちゃんもミソギちゃんもいないからおにいちゃんと二人っきり。こんな日はひさしぶり。

 

おもわず歌っちゃう。

 

 

「るんたった〜♪ るんたった〜♪ きょうは〜おにいちゃんと〜ふたりで探検〜♪」

 

 

 

> そんなに急ぐと危ないよ。

 

 

 

おにいちゃんはミミがころばないように横にやってきてミミの手をつないでくれる。

 

いつもならここにミソギちゃんが楽しそうにおにいちゃんの手を引っぱってどこかへつれていこうとするけど、今はミミしかいないからそんなこともない。

つまりこうして手をつないで歩けるのは二人きりのとっけんなのですっ。

 

ところで、きょうはおにいちゃんとたんけんするけれど、ただいつもみたいに探検するんじゃなくて、ひとさがしのために探検するんだ。

 

ランドソルから魔物さんがいなくなって、ミミはプチグリフォンさんともあえなくなっちゃった。

キョウカちゃんは魔物さんがいなくなったのは「せーたいけー」、っていうのがおおきくかわったのかもしれないって言ってたけど、どういうことかよくわからなかった。

ただ、どこかすごしやすい場所にいどうしたのかも、って。つまり、お引っ越ししたってことだよね。

 

だから、いつもプチグリフォンさんとであう場所より遠くまで探しにいくことにしたんだけど……。

 

 

「ふぅ、ちょっとつかれちゃった」

 

 

 

> 休憩しよっか。

 

 

 

「うんっ。おにいちゃんのおひざ、あったか~い♪」

 

 

さいきんはおにいちゃんのおひざに乗っていっしょにおかしを食べるのがブームなのです。

おにいちゃんといっしょにいられる時間がふえたから、こんなふうにおにいちゃんにくっつけるようになっちゃった。

キョウカちゃんがいたら「近すぎ」って言うけど、おにいちゃんのおひざはミミのとくとーせきなのでもんだいありませんっ。

 

でも、ここにプチグリフォンさんがいたらもっとたのしかったんだろうなぁ……。

 

 

「どこにいったんだろう、プチグリフォンさん……」

 

 

ミミたちは今大きなお花畑が遠くからみえるおかにいる。ここまでたくさんあるいたけど、プチグリフォンさんはどこにもいなかった……。

 

 

「もっと遠いところにいっちゃったのかな?」

 

 

おにいちゃんはう〜ん、とうなってかんがえてくれる。

そしたら、おにいちゃんはあっと大声を上げて遠くをゆびさした。

 

 

 

> 前にプチグリフォンさんを見たことがある。

 

 

「えっ、ほんとう⁉ それってどこなのおにいちゃん?」

 

 

おにいちゃんは大きくてながい山をゆびさしてミミの手をとってあんないをはじめてくれた。

 

 

 

 

 

おにいちゃんがつれてきてくれたやまみちをあるきながらミミはもういちど聞いてみる。

 

 

「ほんとうに、ここでプチグリフォンさんとあったの?」

 

 

おにいちゃんはうんうん、とうなずいてくれた。

 

でもおにいちゃんはゆびを口にあててしーっ、ってしずかにするようにあいずしてきたの。

 

 

 

> ここにはプチグリフォンさんのお母さんもいるから、怒らせないように静かに行こうね。

 

 

 

おかあさん、ってことはここはプチグリフォンさんのお家ってことなのかな?

ミミのおかあさんにも、「知らないひとをお家に上げちゃダメ」ってよく言ってるし、それとおなじなのかなぁ?

 

おにいちゃんのおはなしだと、プチグリフォンさんのおかあさんはおにいちゃんよりもっと大きい魔物さんで、たいあたりされるとぴゅ〜っ、って飛んでっちゃうかも。

たしかにおこらせるのはあぶないかも……。

 

 

 

> ……静かだね。

 

 

 

でも、こうしてやまみちを歩いてるけど、プチグリフォンさんだけじゃなくて、ほかの魔物さんもぜんぜんみあたらない。

前にサレンおねえさんに魔物さんがランドソルからいなくなったっておはなしをしてくれたけど、やっぱりもっと遠くにお引っ越ししちゃったのかな。

 

 

「〜〜〜〜っ、プチグリフォンさ〜〜んっ!

 

 

 

> ミミちゃん⁉

 

 

 

おにいちゃんにはしずかにって言われたけど、やっぱりガマンできないっ。

ミミ、プチグリフォンさんにあいたい!

 

 

「プチグリフォンさ〜〜〜〜んっ‼」

 

 

もういちどおおごえで呼びかける。

きっとこのやまのどこかにいるかもしれないから。

なんども、なんども。

おにいちゃんははじめにしずかにってミミに言ったけど、おにいちゃんはとめずにいてくれてる。

 

 

「プチグリフォンさん、プチグリフォンさ〜〜んっ!」

 

 

でも、なんどよんでもだれも来てくれない。

プチグリフォンさんだけじゃなくて、プチグリフォンさんのおかあさんも、それいがいの魔物さんも。

 

やっぱり、プチグリフォンさんは……。

 

 

 

> プチグリフォンさ〜〜んっ!

 

 

 

「おにいちゃんっ⁉」

 

 

こんどはおにいちゃんがおおごえでプチグリフォンさんをよんでる。

しずかに、っておにいちゃんが言ったのに。

 

 

 

> プチグリフォンさ〜〜〜〜んっ‼

 

 

 

「おにいちゃん……っ」

 

 

おにいちゃんも手伝ってくれる。

ミミももういちどおおごえでよんでみるっ!

 

 

「プチグリフォンさ〜〜ん!」

 

 

 

> プチグリフォンさ〜〜ん!

 

 

 

おにいちゃんといっしょになんども、なんどもよぶと、遠くからガサガサって草がゆれるおとが聞こえてくる。

……どんどんこっちに近づいてくる!

 

カサカサ、っておとがすぐちかくで聞こえて、しげみからなにかがかおをだしてきた。それは……。

 

 

「ぷぷっぷ……」

 

「プチグリフォンさん!」

 

 

まちがいないよ、あれはプチグリフォンさんだ!

プチグリフォンさんはミミのこえにはんのうすると、こっちにかおをむけてくれた。

 

 

「きゅる?」

 

「プチグリフォンさん、ミミだよ。ひさしぶりだねっ」

 

「ぷぷっ! きゅるきゅる〜!」

 

 

ミミがだれなのかわかってくれたみたいでプチグリフォンさんはミミのまわりをステップでくるくると回ってる。

ミミはそんなプチグリフォンさんをぎゅ〜っ、ってするとふわふわのプチグリフォンさんの温かさがかんじられる。

このかんじ、ちょっとなつかしい。

 

 

 

> 良かったね、ミミちゃん。

 

 

 

「うんっ! おにいちゃんもありがとうっ」

 

 

しずかにしたほうがいいってさいしょはおにいちゃんが言ってたのに、おにいちゃんはおおごえをだしたミミをおこらないでくれたし、おにいちゃんも手伝ってくれた。

 

やっぱりおにいちゃんは優しいな。

はじめてあったときからミミのことなんども助けてくれて。

 

やっぱり、おにいちゃんがだいすきっ。

 

 

 

 

 

プチグリフォンさんをつれてランドソルまでかえろうとしているときに、きゅうにプチグリフォンさんが止まっちゃった。

 

 

「ぷぷ……っ?」

 

「プチグリフォンさん? どうしたの?」

 

 

プチグリフォンさんはうしろをふりかえってじっとしてる、と思ったらきゅうに羽をバタバタとふってミミとおにいちゃんをまえへまえへ押してきたの。

 

 

「プチグリフォンさんっ?」

 

「きゅる! きゅ、くるるぁああっ‼」

 

「きゃあっ⁉」

 

 

プチグリフォンさんはおおごえをあげて、ミミがちかづこうとするのを止める。

どうして?

 

 

 

> 僕達を先に行かせようとしているのかな?

 

 

 

「ええ? どうして? プチグリフォンさんといっしょにランドソルにかえろうと思ったのに……」

 

「きゅるる! きゅるるぉおおっ‼」

 

 

プチグリフォンさんはなんどもほえて、ミミたちがちかづかせないようにしてる。

せっかくあえたのに、またお別れなの……?

 

 

 

> ミミちゃん、行こう。

 

 

 

「え、でも……」

 

 

 

> また会えるよ。今日みたいに。

 

 

 

「…………」

 

 

もういちどプチグリフォンさんをみると、こわい顔でミミたちをじっとみつめてる。

おにいちゃんの言うとおり、いっしょにはきてくれないかも。

 

でも、またあえたから。

きっとまたあえるよね。

 

 

「またね、プチグリフォンさん。こんどはいっしょにあそぼうねっ」

 

 

だから、ミミはプチグリフォンさんとさよならした。

 

 

 


 

 

 

ミミとユウキが振り返らずにランドソルに向かったのを確認してから、プチグリフォンは振り返る。

 

自分に向けられた、悪意の主を。

 

 

「――大変興味深い行動ですね。ただの敵性データにも関わらずプレイヤーを守ろうとするのは」

 

 

死角から現れたのは全身を黒いローブで隠す長身の男。

悪意の張本人を見つけて、プチグリフォンは唸り、毛を逆立たせる。

 

 

「先程の少女は魔物使いということでもなさそうですし、疑問が尽きません。本来プレイヤーに襲いかかるように設定(プログラミング)されているというのに、飼い犬が飼い主を守るような行動を取るとはまさにイレギュラーと言えるでしょう」

 

「クルルルルルル……」

 

 

プチグリフォンには男の発言内容など欠片も理解できない。

プチグリフォンが感じるのは、目の前の男から発せられる底なしの悪意。

それがミミにも向けられる予感を察して自身は立ち塞がる。

 

 

「ぜひ捕獲して解析してみたいですが、生憎とランドソルに魔物が少しでも確認されると大型の魔物がリポップしづらくなるので、非常に惜しいのですが――」

 

 

男はフードの下でニヤリと微笑む。

 

 

「クオオオオオオッ‼」

 

 

プチグリフォンは飛びかかり、男に体当りしようとする。

だが、その攻撃が男に当たる直前、プチグリフォンの体は霧のように散った。

 

それを見て、男はクククと喉を鳴らす。

 

 

「何とも救い難い。哀れなものです。ただのデータでしかないあなたには、我らが神も救いの手を差し伸べることはないでしょう」

 

 

勝手なことを言いながら、男はユウキ達が立ち去った方向を見やる。

 

 

「さて、念には念を入れておきましょうか。まだ彼には私の存在を確認されるわけにはいきませんからね」

 

 

 


 

 

 

なんどもなんどもふりかえってもプチグリフォンさんはあとを付いてこない。

プチグリフォンさんになにかきゅうよーでもできちゃったのかな。

 

おにいちゃんの言うとおりいったんあそこでさよならして、またあえる日をまつしかないのかも。

 

ランドソルにもどってきて、おにいちゃんにお家までおくってもらってると、なんだかさわがしかった。

 

 

「誰か! 誰か王宮騎士か【自警団】を呼んでくれ!」

 

 

むこうのかいどーからおじさんがはしってくる。

 

 

 

> 何かあったんですか?

 

 

 

「魔物だ! ゴブリンの群れが街道に出てきたんだ! しかもそのうちかなりデカいゴブリンもいる!」

 

「魔物さんがっ?」

 

 

どうして?

魔物さんはランドソルからいなくなったんじゃなかったの?

 

 

「それだけじゃない、子供がゴブリンの群れに立ち向かっていった! あんなの危険すぎる‼」

 

 

 

> 子供??

 

 

 

「ああ、白いフードを被った魔族の子供だ! 危険だから行くなって止めたんだが聞く耳持たなかった……」

 

 

おにいちゃんはそれを聞いたらかいどーのほうにはしって行っちゃった。

 

 

「おにいちゃん、まって‼」

 

「おい、何してるんだ! 行くんじゃない‼」

 

 

おじさんがとめようとしてるけど、ミミはわかっちゃった。

きっとおにいちゃんはおじさんが言ってた子どもを助けようとしてるんだ。

だったらミミもてつだわないとっ。

 

やさしいおにいちゃんに助けてもらったから、こんどはミミがおにいちゃんを助けるんだっ!




ミミ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する純粋な兎の獣人族の少女。幼くとも獣人族なので、その一撃は強力なため侮ってはいけない。
10歳とは思えないほど言動が幼く小柄である。だが、幼さ故の純粋な優しさが魔物であるプチグリフォンとの友誼を深めることを可能にした。
初めて合ったときから自分を助けてくれたユウキを「おにいちゃん」と慕う。なお、記憶喪失のユウキにお絵かきや文字を教えたこともあるらしい。



4.5周年おめでとうございます!
そして、メインストーリー第二部もそろそろ終わりそうですね。
マジでどうやって風呂敷たたむのか想像できません。

さて、今後も書いていくつもりなのですが、読者の皆様も既にご存知の通りこのSSは原作と全く違うオリジナル展開として舵を切っております。
また今後の原作のストーリーと照らし合わせて矛盾が生じたり設定が違っている場合が多々あるでしょうが、皆様にはご了承のほどをお願いいたします。

以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?

  • アユミ
  • イリヤ
  • スズメ
  • マホ
  • ルカ
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