メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~ 作:上月 ネ子
( ・_・)「さーて、メインストーリーはどう収集つけるのやら……」
( •‿•)「おっミロクぶっ倒したやん! アメスも解放したし、ここから最終決戦かな?」
(;・_・)「おーおー、最終決戦場みたいなの出てきたよ……。ゼーンもどう落ち着くのか……」
Σ( ゚д゚)「は? ミロク生きてる? ……はあ⁉ 何その姿⁉」
(; ゚д゚)「騎士くん拐われたー⁉ ミソラに連れてかれたー⁉」
(ノ•̀ o •́ )ノ 「え、待って。全然終わりそうにないし。何ならエリスじゃなくてミロクがラスボスだろこれ」
(# ゚Д゚)「騎士くんがそんな願い受け入れるわけ無いやろ‼ いよいよバグってるわコイツ!」
プリコネ『次回【終局序曲】』
( ゚д゚)「………………………」
(; ゚д゚)「やべぇ……今年いっぱいは続きそう」
「――ハンッ、弱え奴らはよく群れるっつうのはマジみてぇだな」
白いフードを被った少年は街道に群がるゴブリン達を一瞥して嘲笑する。
少年にとってゴブリンなど取るに足らない。眼中にすらない。
だが、このゴブリンの群れの中で一際異彩を放つ「例外」がいる。
「だが、テメーは別だデカブツ」
ゴブリン達を後ろから待機させている巨大なゴブリン――ゴブリングレートを睥睨する。
「テメーは及第点だ。手下の
そう言って少年は魔力で出来た鞭を構え、一歩踏み出す。
それを見てゴブリングレートは手下のゴブリン達に支持を出した。
「来るぞ、キイロ! 作戦どおりにやりやがれ‼」
『ぷるぷるるっ!』
バチンと少年は地面に鞭を叩くと、後ろに控えていた黄色いスライムが楽しそうに前に出る。
そして、黄色いスライムは体をブルブル震わせると、ぶしゃあ、と黄色い粘液が飛び出た。
粘液は突撃してきた前線のゴブリン達に命中し、粘液に絡め取られ身動きが取れなくなった。
「オラァッ! 雑魚ゴブリンに用なんざねえんだよッ‼」
動けないゴブリンを少年は鞭で乱暴に殴り飛ばす。
明後日の方向に飛んでいくゴブリン達の後ろからゴブリンの第二陣が突撃してくる。
「ハッ、バカの一つ覚えかよ――」
その瞬間、ゴブリンの群れの奥から、長く巨大な物体が少年目掛けて飛来する。
「うおぉっ⁉」
少年は飛び退いて躱すが、その隙をゴブリン達は叩いてくる。
「クソっ、寄んな雑魚ドモがッ‼」
一蹴しながらも少年は飛来したそれを一瞥して、軽く動揺する。
街道に突き刺さったそれは樹木。
切り倒された丸太ではなく根本から力任せに抜き去った、その辺に立っていたであろうそれなりに大きな木だ。
それを投げた張本人は言うまでもない。
少年はゴブリンをいなしつつ視界の奥を見やる。
ゴブリングレートは次の投擲物として、大岩を地面から引き抜き、振りかぶる体制を取る。
「冗談じゃねえ、好き勝手させるわけねーだろーがッ! キイロッ‼」
『ぷるぷる――ぷっ⁉』
黄色いスライムは再び粘液を飛ばそうとして、岩の礫に遮られる。
「あん⁉ 一体誰が……」
少年は前を見ると、後方からゴブリングレートの手のひらサイズの岩の礫が投げ飛ばされる。
てっきり大岩をそのまま投げてくると思っていたばかりに反応が遅れてしまい、少年とスライムは回避に専念することを余儀なくされた。
「クソッ、コソクなマネしやがって……っ」
恐らく大岩を投げようとする動作はフェイントだろう。
何らかの妨害が出てくるところまで奴は読んでいたのだ。
「こうなりゃ直接捕まえてやんよ!」
防戦一方の状況を変えるべく、少年は鞭を強引に振り回し、ゴブリン達を振り払う。
そして、少年はゴブリングレートを捕獲するべく前進しようとする。
だが、
「――がはっ⁉」
右肩に強烈な鈍痛が走り、鞭を落としてしまう。
「は、ハァ? なんで…………っ」
後ろから肩を棍棒で殴ってきたゴブリンを見て、少年は困惑する。
先程纏わりついてきたゴブリン達を振り払ったというのにいつ後ろに回り込んだのか。
「――ごふっ⁉」
その答えは
ゴブリングレートは今度は子分のゴブリンを投げ飛ばし、少年の不意をついたのだ。
そして今度は投げ飛ばされた勢いでゴブリンの頭突きが少年の腹にめり込む。
「ぁ、があぁっ…………ッ!」
そのまま地面に転がり込み、地面に激突した右肩が悲鳴を上げ、少年は気絶してしまった。
『ぷるぷる‼ ……ぷるるっ⁉』
スライムは少年を助けようと駆けつけるが、ゴブリン達に遮られてしまい逃げ惑うことしかできない。
残りのゴブリン達は倒れた少年に止めを刺そうとして――
> はああっ‼
――駆けつけたユウキになぎ払われた。
ユウキは少年を庇うように立ち、なおも向かってくるゴブリン達を睨みつける。
そして、
「うさぎさんスラッシュ‼」
ミミの大振りな剣の攻撃がゴブリン達を全て吹き飛ばした。
子分がいなくなったことで、ゴブリングレートは前に出てくる。
乱入してきたユウキとミミを睨みつけ、二人もまたじっと武器を構えている。
そこを――
「タイガーヒーローボンバーッ‼」
ゴブリングレートの頭上から急襲し、ゴブリングレートに強力な一撃を叩き込む少女――マツリ。
叩き込んだ斬撃は爆発し、ゴブリングレートは後ろへとたたらを踏む。
「……いや、颯爽と現れて攻撃したはいいッスけど、ホントにでかいッスね。これ自分たちだけでなんとかなるんスか?」
ゴブリングレートにとっては堪えた一撃だろうが、それでも撃破には遠く及ばないだろう。
ゴブリングレートの報復が来るか、と一同は警戒するが、ゴブリングレートはしばらくじっとしたあと、何故かユウキを一瞥してから背を向けて街道から立ち去っていった。
「あれ、帰っちゃった?」
「逃げた……わけないッスよね。あのまま戦えばどうなるか分かんなかったし」
ミミとマツリはゴブリングレートの遠ざかる背中を見ながら首を傾げる。
それはそれとして、とミミはマツリに向き直る。
「マツリちゃん、てつだってくれてありがとうっ」
「ありがとう、じゃないよミミちゃん! いきなり呼び止めたと思ったら強引に連れてくんだから。単独で行動しちゃダメってトモねーちゃんから言われてるのに……」
「――覚えていてくれて何よりだよ、マツリちゃん」
「うあっ、トモねーちゃん⁉」
後ろからやって来たトモの声にマツリはビクッと飛び跳ねた。
「全く、他の団員から魔物がいる方に住民と一緒に向かったって聞いたときは何事かと思ったよ。あんまり危険なことはしないでほしいな」
「うぅ、ごめんなさいッス……。で、でもこっちに子供が来たって言ってたし、向かったほうが良いのかもって」
「だからってそれはマツリちゃん一人の仕事じゃないでしょ? まあ市民を守るのが仕事ではあるんだけれども……」
そこまで話して、そういえばとトモは振り返る。
ゴブリンの群れに立ち向かったというフードを被った魔族の子供は何処に……と見渡すと、既にユウキが倒れた子供に呼びかけていた。
「ユウキさん、その子は?」
マツリ達は倒れた子供に駆け寄ると、一同に息を呑んだ。
「ひどい……この子きずだらけ……」
「ちょ、大丈夫なんスかこの人?」
「…………、いけない⁉」
子供の状態を観察していると、トモが焦ったように声を荒げる。
「その子右肩が折れている! 早く処置をしないと……」
「ええ⁉ でも自分たちは回復魔法は……」
『ぷるぷるぷるっ!』
担架を用意しようと人を予防としたマツリとトモの耳に、何やら不可思議な音が聞こえた。
一同がそちらに目を向けると、プルプルと震える黄色いスライムが粘液を飛ばし、少年の右肩に付着する。
付着した粘液はまるでギプスで固定するように右肩部を覆い、肩を正常な位置へと戻していく。
「……え? 今、何したんスかこのスライム??」
「わ、わからない……。そもそもこのスライムは? こんな種類のスライムは初めて見たよ」
「さっきのゴブリン達の仲間ッスかね?」
「う〜ん、ミミはちがうと思うな〜」
「え、どういうこと?」
それまで黙っていたミミは黄色いスライムの行動を見て呟く。
「このスライムさん、この子をたすけるためにとってもがんばってたように見えたけど……」
「魔物が人間を助けたってこと?」
『ぷるるっ!』
スライムはまるで肯定するようにピョンピョンと飛び跳ねる。
そしてスライムは次に、ユウキに駆け寄ってユウキの周りで何度も飛び跳ねる。
「こ、今度はなに?」
「……う〜ん? もしかして、おにいちゃんを見てよろこんでる?」
「え? もしかしてユウキさんの知り合い……いや、違うみたいだね」
トモはユウキをちらりと見たが、ユウキはトモに対してブンブンと首を振り否定の意を取る。
「……って、こんな悠長なことをしている場合じゃない! 早く処置をしないと! マツリちゃん、担架の用意を!」
「了解ッス‼」
『ぷる、ぷるるっ‼』
まるで二人の行動を咎めるようにスライムは興奮し、少年の腹の上に乗る。
「ちょ、何をやっているんだ! その子は怪我人だぞ!」
「……もしかして、スライムさんはその子をつれていってほしくないのかな?」
「ええ⁉ で、でもそれじゃ……」
「そもそもそのスライムはその子にとって何なんだ? まさかその子が魔物使い、なんてことはないだろうし……」
しかし、これでは少年の治療が出来そうにない。
だからといってこのスライムまで街に入れることはできない。
今しがた魔物の群れを追い払ったばかりだ。町の人達は魔物の脅威にまだ敏感になっており、たとえスライム一匹でも大騒ぎになってしまう。
どうしたものか、と一同が顔を見合わせているところに、
「……あれ、ユウキさん? ミミちゃんに【王宮騎士団】の方々も、何をされているんですか?」
この雁字搦めの状況を打開してくれる救いのメイドが現れた。
「――…………で、うちに連れてきた、と」
スズメによって少年を回復魔法で治療してもらい、ユウキ達は少年を連れて【サレンディア救護院】へと足を運んだ。
少年の連れであろう黄色いスライムをやはり街の中に連れて行くことは出来ず、安全に子供を匿う場所がユウキにはここしか思い浮かばなかったのだ。
「あのね、前のハロウィンの時にも思ったけど、訳アリの子なら誰でもうちに連れてきてもいいってわけじゃないのよ。大体その子のご両親が何ていうか……」
「いや〜、それなんスけど……」
言いにくそうにマツリが口を開く。
実はあのあとこの少年について【王宮騎士団】の方で両親について聞き込みをしてみたところ、それらしい話は全く入ってこなかった。
白いフードの魔族の子供。そしてこの子によく懐いている黄色いスライム。街中ではよく目立つため該当者がすぐに見つかるかと思ったが当てが外れたのである。
「お嬢様のお気持ちは解りますけれど、この子さっきの戦闘で出来た怪我以外でも身体中に古傷が沢山あるんです。放っておいたらまた今日みたいに魔物を探して危険なことをするんじゃないかと……」
「…………はあ」
仕方がないか、とサレンはため息をつく。
「ところで、その子の名前はなんて――」
「…………ぅ、ぐぅ……っ」
「あれ、もしかして目がさめたのかな?」
ミミが少年の顔を覗き込む。
少年はユウキの背中でもぞもぞと動いたあと、顔を上げて――バッと跳び下りた。
「だ、誰だてめー⁉ ……ってここは何処だ、さっきのデカブツは⁉」
『ぷるっ、ぷるるっ!』
少年が目が覚めたことで側にいたスライムは嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「ん、キイロ? ……てめ、なにオレの鞭を飲み込んでんだ! 吐き出せコラ!」
『ぷるっ』
「おいコラ、逃げ……いつつ⁉」
「ああ、肩を動かしちゃだめですよ! 骨折は治しましたけど、痛みはまだ全然抜けてないはずですよ‼」
少年は身体を動かそうとして痛みに悶える。
「骨折……そうだ、あの雑魚どもに不意をつかれて……」
「状況は飲み込めたかしら?」
「あん? そもそも誰だてめーら」
状況をうまく飲み込めない少年にユウキ達はここまでの経緯を話す。
少年はぶすっとした顔で聴き終えたあと、聞こえよがしに舌打ちをする。
「チッ、余計なことしやがって……」
「余計なこと⁉ 何いってんスか、自分たちが助けに行かなかったら死んでたッスよ‼」
「オレぁあのデカブツを捕まえるつもりだったんだよ! おまけに頼んでもねーのに助けやがって……」
「な、なんてやつッスか……」
助けたことを感謝されることこそあれど、まさか余計なことと文句を言われるとは思わず、マツリは絶句する。
「おかげでまた振り出しだ。ただでさえ魔物を見なくなったっつーのに……!」
「な、なんでそこまで……」
「ハッ、んなもん強くなるために決まってんだろ。魔物使いが強い魔物を求めるのがそんなにおかしいか?」
「魔物使い? あんたみたいな子供が?」
「ああ、そうやって子供扱いしてくる舐め腐った大人ドモを叩き潰すためにな。オレはこの世界で誰よりも強く、誰よりもデカい存在になる。そのためにもシモベを集めてんだよ」
余りにも短絡的な野望を堂々と口にした少年に一同は何も言えなくなってしまう。
だが、そんな野望を一蹴したのが一人。
「安っぽい強さね」
「ンだと……⁉」
「そんな薄っぺらで安っぽい強さに誰が興味を持つものかしら」
「黙れッ‼ オレぁそういう奴らを――」
「叩き潰してお山の大将気取っていたいっていうの?」
「なっ……!」
言葉を遮られ、少年の心中を的確に貫いたサレンの言葉が少年の顔を歪ませる。
「どうぞご勝手に。誰も見向きもしない、誰も耳を傾けない、そんな小さな世界で王様を名乗りたいなら好きにすればいいわ。もっとも、どちらにせよそんなボロボロの体じゃ何もできやしないでしょうけどね」
「……黙って聞いてりゃ、このクソアマ――ッ⁉」
少年は殴りかかろうとして、全身の痛みに悶えその場に蹲ってしまう。
「はわわ、うごいちゃだめってスズメおねえさんもいってたよ〜!」
「うるせー‼ コイツだけは、いつか絶対にブチ殺して……うおぁっ⁉」
蹲る少年を担ぎ上げるように黄色いスライムは少年を持ち上げる。
そのまま救護院へと運んでいき、粘液を器用に使ってドアを開けていた。
「おいコラ、キイロ! 何してんだ降ろせ! オレはここに住むなんて一言も言ってねーぞぉ――!」
パタン、とスライムはドアを閉めた。
「き、器用なスライムですね……じゃなくて! スライムがいきなり中に入ってきたら皆驚いちゃいます! 待ってくださ〜い‼」
と、スズメは追いかけていった。
先程の騒がしさが嘘のように静かになり、マツリは感心したように口を開く。
「……そ、それにしてもサレンねーちゃんって結構ハッキリ言うんスね。カッコよかったッスよ!」
「これくらい大したことないわ。大人っていうのはね、背負う義務があるのよ。ああいう世間知らずの子供を守って、躾けるっていう義務がね」
肩を竦めながらサレンは大きくため息をついた。
そして、ユウキを睨みつける。
「仕方がないからあの子はうちで面倒を見るわ。ただし、連れてきたからにはあんたにも手伝ってもらうからね」
望むところだ、とユウキはサムズアップする。
その横でミミとマツリもガッツポーズをする。
「サレンおねえさん、ミミもまた来ていい? ミミもてつだうよ!」
「自分も! ……まあ、【王宮騎士団】の仕事が無いときに限るッスけど」
「ふふ、二人ともありがとう」
こうして、【サレンディア救護院】に新たな仲間が加わるのだった。
「…………そういえば、あの子の名前を聞きそびれたわね」
「――…………元ギルドメンバーのよしみで様子を見に来たけど、まさかこうなるとは……」
救護院でのやり取りを、遠目から見ていた少女――ミソラはびっくりした顔でため息をついた。
だが、それも一瞬。すぐに笑みを浮かべる。
「まあでも、カリザくんにはあれくらいおせっかいな人たちがそばに居たほうがいいかもしれませんね♪ ……少なくとも、アゾールドさんはそう言いそうです」
クスクスと笑い、ミソラは踵を返す。
「それでは騎士さん、また会いましょう。今度は……学院で★」
その場には、ミソラの楽しげな言葉だけが残った。
マツリ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、ヒーローに憧れる少女。たまにやる大げさな動きはヒーローアクションを真似ているようだ。
種族は獣人族だが、ヘルメットで耳を隠し、尻尾もアクセサリーと言い張って自身を人間と偽っている。だが、【王宮騎士団】の団員達にはバレている。
ヒーローショーを見たりヒーローグッズを集めるのが趣味。だが、最近魔法少女ベルルちゃんにも興味を持ち始めたらしく、グッズも集めているとか……?
またしても遅れました。
せめてメインストーリー更新前に投稿したかったのですが。
しかし、前書きには今年いっぱいは続きそうとは書きましたが、5周年位まで続きそうな予感がするんですよね。
……流石に言いすぎかな?
以下のキャラの中で誰を優先して書いてほしい?
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アユミ
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イリヤ
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スズメ
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マホ
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ルカ