メモリーズコネクト!~プリンセス達の四方山話~   作:上月 ネ子

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気がつけば前回からまた一ヶ月以上経っていた。
何をいっているか分からないと(ry

さて、今回は私の独断と偏見で、前回のキョウカを参考にした、大人のレディを目指すとあるヒロインがメインのお話です。


キミの隣に立つヒロインの敷居は高い

ランドソルのとある学校――【ルーセント学院】。

学力の低迷が原因で現在は廃校の危機に陥っている。そんな崖っぷちのとあるクラスに、いつものようにユウキ少年は足繁く通っている。

元々ユウキはこの学園に在校していたわけではない。新任教師のイオが彼を見つけ、ユウキの記憶喪失を少しでも改善するべく急遽転入生として迎え入れる事が決まった。

そして、クラスメイトのミサキやスズナを始めとして、廃校を撤廃するべく今日も今日とで勉学に励む。

 

そんなある日の昼休み。

午前の授業が終わり、各々は昼食を摂るべく様々な行動に移す。ユウキは机の上にいつものように弁当箱を取り出すと、またまたいつものように彼に女の子が集まる。

一人はスズナ。おそらくランドソルの女子なら知らない人などいないくらいには有名なモデルである。

もう一人はミサキ。自らを大人のレディと称して度々トラブルを起こす少女である。

スズナはユウキの開かれた弁当を見て、ハイテンションでユウキに尋ねる。

 

 

「わぁ、ヒデサイの弁当って超キレイだよね~‼」

 

「……そうね、バランスがいい、って言うのかしら」

 

 

スズナの言葉に興味を示したミサキも弁当の中身を除き混む。そのあと自身の弁当を見つめてぽろりと言葉をこぼす。

 

 

「ユウキの弁当っていっつも丁寧よね。アンタが用意してるの?」

 

 

 

> いや、コッコロちゃんが用意してくれるよ。

 

 

 

「……コッコロ? 誰よそいつ」

 

 

ユウキは何と言って説明するべきか少し思案する。

ユウキはいつもその場の思い付きで斜め上な言動や行動をするため、ワンテンポ置いて冷静な思考をすることを最近身につけた。

その結果、

 

 

 

> ミサキちゃんと同い年の女の子だよ。

 

 

 

案の定、斜め上な言動でこの後のトラブルまでの一連が確約される事となった。

 

 

 

 

 

ミサキは焦燥した。

自身の弁当はいつも母親に用意してもらっているが、中身のクオリティは多少の波がある。しかし、ユウキの弁当をいつも用意しているというコッコロは毎日あのバランスがよく、見た目がよく、味付けも良い弁当を用意しているのだと思うと、一度お目にかからないと気が済まない。それが同い年の少女となると尚更である。

 

自身が大人のレディの一端であると信じて疑わないミサキはユウキに無理を言ってコッコロに会わせてもらうこととなった。

そして放課後、ユウキが所属するというギルド【美食殿】のギルドハウスに案内してもらうことになった。

 

 

「へえ、ここがギルドハウス……」

 

 

ユウキに案内してもらったギルドハウスの外観はあまり豪華そうには見えない。が、三階建てくらいか、規模としてはそれなりに大きく見える。

 

 

「というか、今さらだけどこういうのって部外者が来ても大丈夫なの?」

 

 

 

> 問題ないらしいよ。ペコさんも友達を連れてきても良いって言ってたし。

 

 

 

ペコさんとやらはギルドリーダーだと説明を受けて、扉を開くユウキに続くミサキ。

覗き込むようにギルドハウスを一通り見渡していると、

 

 

「…………、……んん?」

 

 

もさもさとスナック菓子を頬張る、黒い猫耳の少女と目があった。

 

 

「ユウキ、誰よそのチビ?」

 

「なっ、誰がチビよ‼」

 

 

思わず声を荒げたミサキ。

それをよそにユウキはミサキを簡潔に紹介する。

 

 

「へえ、コロ助から簡単に聞いてたけど、そいつが件の学校のクラスメイトね」

 

「な、なによ」

 

「いや、コイツには色んな女の子の知り合いがいるのは知ってたけど、こんな子どもまでとはね」

 

「子どもじゃないわよ! アタシは立派な大人のレディなんだから‼」

 

「大人のレディ? どこを見て?」

 

 

胡乱げな目でミサキを睨み付ける彼女は呆れたような声で呟く。

 

 

「……どこをどう見ても子どもじゃない。【リトルリリカル】だっけ? あの子どもの集まりと良い勝負でしょ」

 

「なあっ……、だ、黙って聞いてれば、いったり何様のつもりよ! アンタなんてクラスの生意気な男子と大差無いじゃない!」

 

「はいはいそうですか。どうせあたしは性根がひねくれてるわよ」

 

 

何の痛痒も感じない様に、彼女はミサキから目を離した。その対応がさらにミサキの感情を逆撫でする。

 

 

「き、きぃぃぃぃっ‼ な、なんなのよこいつ! ちょっとユウキ、アンタのギルドメンバーってこんなのしかいないの⁉」

 

 

 

> キャルちゃんは良い子だよ。

 

 

 

「ちょっと、余計なこと言うな! ぶっ殺すわよ!」

 

 

さっきまで冷めた態度をとっていたキャルは頬を少し赤く染めてユウキに過剰反応する。

 

 

「だいたいそいつ、何のために連れてきたの? もしかして仕事の依頼?」

 

 

 

> コッコロちゃんに会いたいって言って。ところで他の二人は?

 

 

 

「ペコリーヌならまだバイトでしょ。コロ助は、そろそろ買い物から帰ってくるんじゃない?」

 

「…………ねえ、さっきから聞いてるんだけど、コロ助って誰のこと?」

 

「……そういえば、コロ助に会いたいって言ったっけ? アンタ、あいつに何の用よ?」

 

「あ、アンタには関係ないし! というかそのコロ助がコッコロの事なんだ……」

 

 

 

> いつも弁当を作ってくれるコッコロちゃんに興味があるんだって。

 

 

 

「へえ、なるほどねぇ」

 

 

ニヤニヤと見つめられてミサキの羞恥心が上昇する。

 

 

「だから、アンタには関係ないって言ったでしょ! あたしはあくまで大人のレディとしていいライバルになりそうなそのコッコロってやつに一言挨拶したいだけよ」

 

「こ、コロ助が大人のレディ? ぷぷっ……!」

 

「……な、なんで今笑われたの?」

 

 

突然吹き出したキャルにミサキは困惑が隠せない。

刹那、後ろの扉が開いた音がして、そちらに視線を向けると、

 

 

「キャルさま、ただいま戻りました。……おや、主さま。ギルドハウスに来ていらしたのですね」

 

 

買い物袋を片手間に、てくてくとユウキに駆け寄る銀髪エルフの少女。ユウキを視界にいれた瞬間に、表情に花が咲いた様に見えた。

 

 

「ああ、お帰りコロ助。突然だけど、アンタにお客さんよ」

 

「はい? わたくしに、お客人ですか?」

 

 

コッコロはキャルが指す方向に顔を向けると、ユウキの傍にいるミサキをようやく目視した。

 

 

「こちらの方は……、また主さまのお知り合いですね?」

 

 

 

> ミサキちゃんだよ。前に話したと思うけど。

 

 

 

「ミサキさま……――ああ、【ルーセント学院】の。お初にお目にかかります。わたくし、ユウキさまの従者を務めます、コッコロと申します」

 

「え、あ、ど、どうも……」

 

 

抑揚の少なく、かつ無駄のないお辞儀を受けてミサキは思わずたじろぐ。そんなミサキを見てキャルは軽く笑ってから、

 

 

「そいつ、コロ助を大人のレディとして参考にしたいんだってさ」

 

「ちょ、ちょっと! 変なこと言わないでくれる⁉ あたし、そんな事一言も喋ってないわよ‼」

 

「わたくしが、大人のレディ、ですか?」

 

 

こくり、とコッコロは小さく首を傾げる。動作が一々人形を想起させる振る舞いにミサキは自分とは違うなにかを感じてしまう。

 

 

「……失礼ながら、大人のレディとはペコリーヌさまのような方を指すのではないでしょうか?」

 

「あいつが大人のレディなのは見た目だけでしょ? 口を開けばお腹すいた~とか、魔物料理~とかばっかりじゃない」

 

「ですが、時折わたくしたちにはない高貴な気品というものが感じられます。おそらく一挙手一投足全てが洗練されているあの振る舞いこそが、大人のレディというものなのではないでしょうか?」

 

「……どうかしらね」

 

 

目の前で大人のレディの何たるかを談義している二人を前に、ミサキは口を出せずにいた。

だが、黙って聞いていると一つ聞き捨てならない言葉がちらほらと出てくる。

 

 

「……ねえ、そのペコリーヌってどんな人?」

 

 

 

> ペコさん? ペコさんは――

 

 

 

「――おいっす~☆ ただいま戻りましたー!」

 

 

バタン、と勢いよく扉が開き、ハイテンションで中に入ってきたハニーブロンドの少女。

 

 

「お帰りなさいませ、ペコリーヌさま」

 

「こ、この人が……⁉」

 

 

コッコロの挨拶に、ミサキはもう一度ペコリーヌを見やる。

綺麗なハニーブロンドに、お姫様みたいな水晶のティアラ。綺麗な顔立ちに、イオと良い勝負が出来るスタイルのよさ。

 

 

「おや、こちらの女の子はお客さんですか?」

 

「え、えっと……」

 

 

ただこちらに近づいただけで、自分にはない上品さが醸し出される。一挙手一投足の洗練された大人の雰囲気にミサキは飲まれてしまう。

 

 

「――へえ、ユウキくんのお友達ですか。ちっちゃくて、細くて、お人形さんみたいですね、かぁわいぃ~☆」

 

「あ、あの……」

 

「抱きしめてもいいですか?」

 

「ええ⁉」

 

 

急に両腕を広げてとんでもない提案をしてくるペコリーヌ。

もしこのままその身を受け入れてしまえば、イオに負けず劣らずなその果実に――

 

 

「き――」

 

「き?」

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

 

 

窒息させられる。

確信したミサキは全速力でギルドハウスを走り去った。

 

 

 

 

 

翌日。

ミサキは前日の事を振り替えってある一つの結論が出た。

それは――

 

 

「ちょ、ちょっとミサキちゃん? それ以上後ろから押されたら、ユウキ君にぶつかっちゃうわ!」

 

「だ、ダメ! 今はイオちゃんで対抗しないと勝てないの!」

 

「だ、だからなんの話なの~??」

 

 

イオを呼び出したミサキは、ユウキに一時的にイオをあてがうことであの面子に対抗することを考えた。

思い返せば、【美食殿】の面々は皆レベルが高い。あのペコリーヌを筆頭に、同い年にも関わらず大人びたコッコロや、見てくれならあのキャルだって高レベルだ。

 

故にイオで対抗する。

 

 

「ユウキも! 今に見てなさいよ!」

 

 

 

> な、何が?

 

 

 

「決まってるでしょ! 絶対に、絶対にイオちゃんやあのペコリーヌって人よりすごい大人のレディになるんだから!」

 

 

――絶対になるんだからあぁぁぁぁっ‼

 

 

その宣言は、校舎内に行き届いたという。




ミサキ
前作「プリンセスコネクト!」より続けて登場する、大人のレディになることを夢見る少女。「デモネス・アイ」という生ける杖が彼女のトレードマークである。
自らを大人のレディと称し、周りの子ども達と足並みを揃えることを嫌う節がある。よく背伸びをした行動や言動が原因で何度もトラブルを起こしてしまう。
実際は実年齢と遜色のない精神年齢を持ち、自身の気持ちと願望が著しく食い違い、癇癪を起こしてしまう事がある。友達思いなので根っこは良い子である。



という訳で、前回のキョウカと同じく一日でも早く大人になることを願うミサキでした。この子の設定をあらかじめ確認したとき、一つだけ思ったのは、「この子ホントにコッコロと同年代なのか?」ということですね。
まあキャラストーリー見る限り、コッコロが歪なのでしょうけども。

さて、次回は当初の予定に則って、以前に集計したアンケートを参照し、マコトを予定しています。
次回もお楽しみに!
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