【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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ジョージ、デートするってよ。


埋もれていた平穏

 

「呆れるほど有効な戦術だぜ…」

「指揮官?」

「あーいや、すまん。ちょっと思いついただけだ」

 

グリフィン管轄地域の市街地を、俺とM4は歩いていた。

今日はなんてこと無い、以前の約束を果たす日。

 

「…試験が近いのですか?」

「気にしなくていい。対策は万全だからな」

「そんな時に…その」

「謝るのはナシな!大丈夫だ、モンダイない!」

 

俺が指揮官見習いとしてグリフィンに所属して早二ヶ月。

そろそろ見習いが取れる時期がやってきた。

 

「今日は、お前の為の日だ。気にしなくて良い」

 

別に試験と言ってもクルーガーが俺の働きを見に来るだけだ。

…あれ、割と重要なんじゃね?

 

「指揮官?汗が凄いですけど…」

「え、アハハ行こうか」

 

M4の手を取る。

今日は休みなんだし、気にしちゃいけない。

 

「あ、ちょっと指揮官…?」

「さ、遊ぼうぜ。時間は有限だからな」

 

 

とりあえず、何処へ行こうか。

 

 

ー映画館ー

 

今どき、映画なんて新しい物を撮ることは出来ない。

遺された大戦前の古いフィルムを取り扱うため、割高になってしまっている。

 

…まぁ、この程度の出費なら明日の携帯食料のグレードが下がるくらいだ。

 

「…それで、これで良いのか?」

 

M4が選んだのは、コッテコテの恋愛映画。

こんな物で良いのだろうか。

 

「こういった物は…あまり見たこと無いので…」

「まぁ、そうだろうな…」

 

戦術人形にはどう考えたって必要の無い知識。

 

「でも…以前から興味があって」

「なるほどね…お、始まるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、砂糖を吐いた。

 

(甘っ!何だこれ……えぇ、ここまでテンプレ的なやつ初めて知ったぞ)

 

そもそも俺が映画を観たことないと言うのがあるが。

…内容は、宇宙に進出した人類とアンドロイドの恋愛。

人形が人類の労働の代替品となった現代において、中々考えさせられる内容ではあった。

 

「指揮官、どうでしたか…?」

「うーん…まぁ人間の代替品って話なら…恋人の代わりにもなるんだろうか」

 

昨今、人形の方が下手をしたら生き残っている人間よりも数が多い。

疑似とはいえ感情を持っている。

生体パーツを使用しているため、思ったよりも柔らかい。

 

「指揮官は、そう思うのですか?」

「意外と相性が良かったりしてな」

「…人形(わたしたち)は、代わりになれるのでしょうか」

「充分に勤まってると思うぞ?」

 

いつの日か、彼女達が人間に成り代わるのかもしれない。

そんな事が頭を過った。

 

「さ、M4。飯でも食って帰ろうか」

「はい…あ、指揮官」

「どうした?」

「今日は、ありがとうございました」

「…どういたしまして。こっちもいい気分転換になったよ」

「明日、頑張ってください」

「ああ。失望させないように、努力するよ」

 

明日も、頑張ろう。

 

 

 




大変申し訳ありませんでした(土下座)。

昨夜投稿した内容が、起きてから見直すとあまりにも詐欺した上に酷すぎたのでまるごと差し替えました。

もう少し、考えて文字を打つことを覚えます…。

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