全員分指輪を渡すシーンを書きます。
なので、完結まで伸びます。
申し訳ありませんが、またもうしばらくお付き合いください。
…砂糖を吐く準備は出来たか?
早朝。
まだ起床して動き出すには早い時間。
俺とリサはベッドの上で向かい合って横になっていた。
「リサ、あのさ…ちょっと謝りたいことがある」
「指輪でしょ?」
「…隠し事できねーな、お前には」
「付き合い長いんだから無駄よ」
「…お前は、どうして欲しい?」
リサが望むなら、指輪は残り破棄する。
そんな言葉は流石に言えなかったが。
「…みんな待ってるんだから、早くしなさいよね」
「良いのか…?」
「私が貴方の一番よ…それだけで、充分だわ」
…駄目だなぁ。
朝から心臓に悪いぜ相棒。
不覚にもリサにときめかされてしまった。
ーーーーーーその日の夕方。
指輪の封筒を片手に屋上で夕日を眺めていた。
結局、残りの指輪は全て届いた。
あとは、渡すだけだ。
「お、遅くなりました!指揮官!」
慌てて駆け上がってきた影が一つ。
…M4A1だ。
初めて会ったときよりも、相当落ち着いた様に見える。
「姉さん達に捕まってしまって…すみません」
「気にしてないよ。誰かを待つって言うのは悪くない経験だ」
ぶっちゃけ、俺はこの子達を相当待たせていた。
だから、これくらいなら待った内に入らない。
「それで、お話というのは…」
「大したことじゃない…なぁ、M4。お前の想いは…変わらないか?」
「はい」
即答。
大分この子も自分に正直になったなと苦笑する。
「成長したな、M4。会ったばかりの頃より段違いに魅力的だ」
「あっ…あの頃は、その…色々暴走していたと言いますか」
「ま、初めてはあんなもんだ。俺も初めて惚れた時は…」
「…指揮官の初恋ですか?」
「あはは…すまん、嫌だったか?」
「聞かせてください。指揮官の初恋の話を」
他人に話したことの無い話。
しかし、初恋…か。
「アレは…15の頃だったかな。まだガキんちょ真っ盛りでさ。…たまたま街に来た旅人の一人と会ったんだ」
親父の知り合いだったらしく、親しげに話していたのを覚えている。
…母が無言の圧をかけていたのも。
「キレイな人だったよ。白銀の髪と…いつも目を閉じてたけど」
「その人とは、どうしたんですか?」
「滞在の最終日にアタックしたよ」
「えっ…ど、どうなったんですか!?」
やけに食い付きが良いな。
正直、恥ずかしい思い出と前置きしたんだからオチはわかっている。
「玉砕だよ。大人になったらまた来てくれってさ」
「そう、ですか」
「まぁ、これも思い出さ…」
「ふふ、指揮官も最初から口が上手かった訳じゃないんですね」
「当たり前だろ?誰だって最初はちっぽけなガキだったんだ」
ふと、ポケットに手を突っ込む。
さて…なんて切り出そうか。
「指揮官は、WA2000と誓約されましたけど…他の…私達とは、どうするつもりなんですか?」
ポツリ、とM4がそう呟いた。
彼女の初恋は、俺と違ってまだ終わっていない。
「そうだな…M4、左手を出してくれないか?」
「?はい」
きょとん、とした顔で左手を出してきた。
その手を取り、薬指に指輪を嵌めた。
「え、これ…嘘、1つしかなかったんじゃ」
「これが俺の答えだ。節操なしと罵ってくれてもいい」
「そんな…」
「お前の初恋、終わらせたりはしない。M4、俺と戦ってくれ」
「…はい」
もしかしたら、彼女のとびきりの笑顔を初めてみたのかも知れない。
そんな事を思ってしまった。
と、言う訳でM4A1が二人目でした。
砂糖はまだあるからな。遠慮しないで食っていけよ。