【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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みんな大好きちょろ甘ドMメンヘラガールカラビーナ回。
なお終始キレイなカラビーナです。

…僕はね、本当はカラビーナ好きなんだ。


誓約 Kar98k-カラビーナ

 

「おはようございます、指揮官さん」

 

執務室に入ると、珍しくコートを脱いでいるカラビーナが立っていた。

 

「おはよう、カラビーナ。珍しく軽装だな」

「こう暑いと人形とは言え参ってしまいますわ。わたくしの服を考えた方達は何を考えていらっしゃるのか」

「ははは、違いない」

 

執務室に入りネクタイを緩める。

そんな様子にカラビーナがため息を付く。

 

「もう、指揮官さん…あんまり緩くし過ぎると締めるときにびしっと出来ませんわよ?」

「ビシッと、ねぇ…あんまり縁のない言葉だ」

 

割とS-12地区基地の規律はゆるい。

最低限度のマナーさえ守れば基本的に自由だ。

 

でも時々ノーススターがスコーチにシバかれている。

アレはセクハラし過ぎだ。

 

閑話休題。

 

「指揮官さんには、いつもカッコよく居てもらいたいですわ」

「何でさ」

「これがわたくしの惚れたお方です、と」

 

したり顔で言われる。

流石に顔が熱くなる。

 

最近人形達に良いように言われている気がする。

 

「お前なぁ…」

「あらあらまぁまぁ。指揮官さんも可愛いお顔なさいますのね?」

「ちょっ、見るな…!」

「良いではありませんの良いではありませんの〜。いつもわたくしたちを手玉に取るんですもの。たまにはいいじゃないですか」

 

俺の両腕を掴んで顔から離そうとしてくる。

戦術人形の腕力にただの人間が勝てるわけ無いだろ!

加減しろ!

 

そんなふうにカラビーナとじゃれていたら、ポケットから封筒が落ちてしまった。

 

からん、と中に金属製の物が入ってるとわかる音を立てて。

 

「あっ…」

「あら…?」

「やばっ…傷は!?…良かった、無いか…」

 

慌てて中身を確認する。

折角渡すのにいきなり傷がついていたりするんなて台無しだ。

 

…後ろにカラビーナがいて、バッチリ見られているので台無しも何も無いのだが。

 

「あの、指揮官さん…?」

「あー、その、何だ…落とした物を渡す訳には」

「構いません」

 

…カラビーナに腕を取られる。

 

「それは、指輪ですわね」

「…ああ」

「わたくしに、くださるのですよね」

「勿論…ただ」

 

落とした指輪なんて縁起でもない。

 

「ふふ、気にしませんわ」

 

それでも、と一言入れて。

 

「気になるようでしたら、わたくしが忘れさせて差し上げますわ」

「…わかったよ。カラビーナ…モーゼルカラビーナー・アハトウントノインツィヒ・クルツ。俺と、一緒に…いつまでも、戦ってくれるか?」

「…覚えてくれたんですね。わたくしの名前…」

「カラビーナって愛称を気に入ってもらったけどそれとは別さ。それで、返事は?」

 

カラビーナが両手を俺の頬に当てて、引き寄せる。

そのまま唇が重なる。

 

「…勿論。貴方の障害を全て排除し、貴方に一生を捧げます」

「ありがとう」

「愛してますわ、ジョージさん」

「…ありがとう、カラビーナ…愛してるよ」

「ふふっ…わたくしは何番目かしら」

「えあっ、それは…」

「…ふふふっ、大丈夫ですわ。貴方に愛されるなら、何番目でも構いませんもの」

 

ああ、駄目だなぁ。

惚れた弱みというか…。

彼女達に何を言われても、俺は受け入れてしまうんだろう。

 

照れくさくなり、ちょっとぞんざいに指輪を通してやった。

 

それでもカラビーナは嬉しそうだ。

 

「カラビーナ」

「はい」

「…今夜、開けておいてくれ」

「はいっ」

 

 




…誰だこれ!?(驚愕
真面目に書いたらただの美少女になってしまった。

…え?最初から真面目に書けって?
ごめんなさい…。

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