「指揮官さん、朝ですよ」
「…ああ、おはようGrG3」
カーテンを開く音がし、差し込んだ日の光が顔に当たる。
自室の窓に、ブロンドの髪をした人形が立っていた。
…いつもの格好と、違う。
「気に入ったのか?その服」
「はい」
「そうか。似合ってるぞ」
「ありがとうございます」
スッ、とコーヒーカップが差し出される。
「まるで本当のウェイトレスみたいだ」
「そうですか?だとしたら、指揮官さん専属ウェイトレスですね」
「ウェイトレスは困るな。俺は君とはビジネスな関係じゃないと思ってたんだけど」
「…そう言うの、よく分からないです」
「本当に?」
コーヒーに口を付ける。
最近ウチの基地で出されるコーヒーは代用コーヒーとは比べ物にならない程美味い。
春が豆を仕入れて入れてくれているお陰が大きい。
「嘘です。私は指揮官さんが大好きなので」
「そっか…えっ」
「さ、指揮官さん。今日も頑張りましょう」
微笑みながらGrG3は部屋を後にした。
「…変わったなぁ、あいつも」
さぁ、仕事を始めようか。
ーーーーー昼。
「お疲れ様です、指揮官さん。お昼ですよ」
「ん?もうそんな時間か」
GrG3をそう言われて、時計を見る。
…昼を指しているが、今日の執務はほとんど片付いてしまっている。
「うーん、今日の作業進行的に半休出しても良さそうだ」
「そうなんですか?」
「ああ。近々大きな作戦があるからな。休めるときに休ませてやりたい」
デストロイヤー殲滅作戦。
詳しい日程はまだ出していないが、そう遠くない筈。
「指揮官さんは、休まないんですか?」
「え?ああ、ぼちぼちな」
「…指揮官さん。なら、この後の休み時間は…私に、くれませんか?」
「え?」
ーーーーーーーーーそして。
「指揮官さん、どうぞ」
「あ、ありがとう…しかし、君がそんな強引だとは思ってなかった」
場所は、基地近くにある小高い丘の上。
そこにレジャーシートを広げて俺とGrG3は座っていた。
俗に言う、ピクニックの様に。
てわたされた箱には、サンドイッチが敷き詰められていた。
「…もしかして、今朝から狙ってた?」
「さぁ、どうでしょうか」
「ははは…有り難く頂くよ」
一つ摘んでかじる。
うん、美味しい。
うちの基地の食料事情も一年前と比べて格段に良くなったな。
「…GrG3、この一年…長かったな」
ぽつり、とそんな事を漏らした。
「そうですね…」
「なあ、GrG3…俺さ」
「…指揮官さん」
「うぇ…?んっ」
顎に手を添えられたと思えば、GrG3の方を向かされて唇を奪われた。
「GrG3?」
「ふふ、やっと二人きりですね」
「…参ったな。君のペースか」
そのまま胸を押されて、押し倒される。
胸元にGrG3も優しく倒れ込む。
「ちょっと、寂しかったです。あれからなかなか時間が無くて」
「そう、だな」
「指揮官さん。私は…あなたの事が好きです。貴方は、どうですか?」
「俺は…」
関係を持ってしまった人形達への責任と言う形で指輪を渡している。
…勿論、彼女達のことは愛している。
だが…。
「…なんて、少し意地悪でしたか?」
「え…」
「私達に責任を感じるほど想ってくれているのは理解しています。違いますか?」
「…そうだ」
「なら、それで良いです。手の空いたときに、私の事を愛してください」
「…GrG3」
「なんて、ちょっと良い子ぶり過ぎですかね」
「もう少し、わがまま言ってもいいんだぞ」
「じゃあ…」
GrG3が、俺の手を取る。
「私と、誓約を交わしてくれませんか?」
「…言われちまった。こう言うのは先に男が言うもんだろ」
「ふふっ、取っちゃいました」
GrG3がふわりと微笑む。
本当に、この子は変わった。
「可愛い奴め…ほら、手を出して」
すっかり常備する事が習慣になっている気がする。
指輪を取り出し、GrG3の指に通す。
「遅くなったな…愛してるよ、GrG3」
「はい…ありがとうございます、指揮官さん。私は…これからも、貴方と共に」
穏やかに風が吹く草原で、俺達はそのまま抱き合って横になっていた。
空が、青い。
全員書くとか言っておいてちょっと間があいてしまった。
と、言うわけであと半分…。
砂糖は足りてるかな?