バンガード……UMP40との衝撃的な再会から少し。
二人にはそれぞれ部屋を……バンガードにはいるのだろうか、を用意して案内した。
「ふぅ……やっと落ち着いたか」
溜っていた書類の山を見てげんなりする。
春のコーヒーが飲みたい。
それより、
「……リサ」
相棒に会いたい。
……廊下から誰かが走る音がしている。
「ん?」
執務室のドアが、ノックもなしに開けられる。
「ジョージ!」
「……リサ」
「起きたのね!?体に異常は?!私が判る!?」
「お、おう。大丈夫だ」
「そう、良かった……」
詰め寄って来るなり捲し立て、落ち着いたと思ったら両膝を床に付けて正面から俺にもたれ掛かる。
過保護が過ぎる。
「……ただいま、ジョージ」
「お帰り、リサ……ただいま」
「おかえりなさい」
リサが立ち上がり、そのまま俺と唇を重ねる。
……結構な時間そのままだったので酸素が、
「ぶぁっ!?ハァッ、ハァッ、ちょっ、リサ、長っ」
「……ごめんなさい」
バツが悪そうな顔をするけど、未だ離れない。
……寂しい思いをさせたんだろうな。
ぞんざいになってしまったけど、胸元にあるリサの頭をなでる。
「良いよ。身体が治ったら、思いっ切りしよう」
「……ばか」
「それで、わたくしはいつまでそれを見せ付けられてなくちゃいけないんですの?」
「見てるだけじゃなくて、こっち来いよカラビーナ」
出入り口で呆れていたカラビーナに手招きする。
ため息を吐きながら近くに来たカラビーナの手を引いて抱き寄せる。
リサは空気を読んで離れた。
「も、もう……強引なんですから」
「おかえり」
「……ただ今戻りました」
そういうなり、胸元に顔を押し付けて声を殺して泣き出した。
リサを見ると、「自業自得よ」と言わんばかりに首を振っていた。
「ごめんな、心配掛けた」
「うっ、ううっ……このまま、目が覚めないかと……思ってしまって、わたくしは……っ」
「ありがとな」
「おがえりなざい……っ!」
まだ涙が残っていたけど、カラビーナは笑ってくれた。
「それで、ジョージ。ドリーマー何だけど……」
「ああ」
リサが話を切り出す。
俺もカラビーナも居住まいを正す。
「今はまだ仮の措置として独房入りしてるわ」
「まぁ、そうだよな」
「でも、あんた本気なの?アイツに部屋を与えるって」
「ペルシカの言を信じるなら、アイツはもうただの女の子だ……それに、一生過してもらわなきゃいけないんだ。独房じゃ、可哀想だろ」
「……本気で言ってますの、それ」
二人からの視線は、冷たい。
「ああ」
けど、俺は即答した。
「「…………………はぁ、本当に馬鹿ね(ですわ)」」
「二人して言わなくても」
「言うわよ、アンタね、アレは4度私達の前に現れた宿敵よ。あんたは良くても……直接対峙した部下はどうなのよ」
「実際にやりあったのはほぼ俺とお前だ。……リサ、異論は?」
「……納得はしてないけど、アンタが決めたんでしょ」
「貴女が止めなかったら、わたくしには止められませんわ」
「すまん、迷惑かける」
そう言うと、二人に頭を引っ叩かれた。
「「謝るなら言うな!」」
「ご最も」
「……で、行くの?」
「ああ」
「私も行くわよ。異論は?」
「あっても聞いてくれないだろ?相棒」
さて、会いに行こうか……元凶に。
遂に、ドリーマーとの対面。
ジョージの甘さは、彼女にどんな反応をさせるのだろうか。