……まぁ、その後の流れなんか大方予想通りである。
朝起きたら目の前にスリープモードのアニーが寝てるもんだから世の中そんなもんなんだなって思う。
「………………おはよう、ジョージ」
だからまぁ、目の前でジト目になってる
「おはようリサ。ちょっと着替えるから部屋から出てもらえると助かる」
「今更アンタの裸くらい見慣れてるっての」
「……その割には真っ赤だが?」
「うるっさい!」
リサが部屋から出て行く。
……暫くは口聞いてくれないかもなぁ。
「……マズったかなぁ」
「ふん、自業自得よ」
「おはよ、アニー」
目を覚ましたらしいアニーの頭を撫でる。
気持ち良さそうに目を細めた。
「まぁ、起こった事はどうしようもないから対処する。それが世の中だ」
「余裕ね」
「信頼してるからな。じゃなきゃお前倒せなかったし」
「……羨ましいわね、そう言うの」
「一朝一夕で勝ち取るものじゃないし、難しい。でもまぁ……幸い時間ならある」
ワイシャツに袖を通していく。
……また数減ってるな。
「アニーにも、アニーだけの信頼を作って欲しい」
「……ええ」
さて、今日も一日頑張るか。
ーーーーー執務室に、G17とノーススターがやって来た。
UMP40が部屋のドアを開ける。
余談だが、UMP40は火器管制装置を外されている為、戦闘に参加させられない。
そのため、副官業務に専念してもらっている。
「二人共、どうしたの?」
「あー、いや、そのね」
「ボス、聞いてくれ」
二人が神妙な面持ちをしているから少し身構える。
……が、お互いの顔をチラ見している辺り、そんなに緊急の話題では無さそうだ。
「あー、指揮官。あのね……私達、付き合う事にしたの」
「へぇっ!?おめでとう!!」
40が拍手する。
二人は照れくさそうに下を向く。
「そっか……おめでとう。ただ、それは報告の必要があったのか?」
「まぁ、その……人形と人間の恋愛について詳しそうだったから」
「あー……」
40がニヤニヤしなかまらこっち見てくる。
やめーや。
「要望があるなら指輪なりは発注しておこう。それと……人と人形、それに同性だ。障害は多いのかもしれない。だが……」
机の下から一本、酒瓶を取り出す。
「俺は祝福しよう。ささやかだが取っておいてくれ」
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうボス!」
二人は、晴れやかな顔で手を繋いで帰って行った。
「……人と、人形の恋、か」
「羨ましいか?」
「うーん……あたいは、分かんないや」
「普通は、そうだろうな」
人間は相手の見た目に引っ張られる。
人間から人形への好意はやっぱり成立する。
なら人形からはどうなのだろうか。
俺は、人形じゃないから分からない。
けれど、一定数好意を示してくれる人形達はいる。
「お前も、そのうち好きな相手が出来るかもな」
「好きな相手……か。あたいは指揮官のこと、好きだよ」
「ありがとう、俺も好きだよ」
LOVEかLIKEか。
感情を持つ者の永遠の課題である。
「ジョージ」
「リサ?どうした」
「……ごめんなさい、ちょっと気が気じゃなかったわ」
「気にすんな相棒」
こうして気の許せる相手が、出来てほしいなと願う。
「好意、か……」
平穏を取り戻したS-12地区の、ちょっとした変化。