リサと春とただいちゃいちゃするだけ。
一緒に過ごしていると、趣味嗜好が似るという事があるらしい。
「「ふぁ……」」
ある日の昼下がり。
リサと春と一緒に執務を片付けている時だった。
「……ふふっ、二人とも同じタイミングで欠伸をしていますね」
「えっ……やだ、嘘」
春の指摘に真っ赤になったリサが口元を抑えた。
「何だ、お前も眠いのかリサ」
「ち、違うわよ!」
「ふふ、指揮官、わーちゃん。今珈琲淹れてきますね」
「ありがとう、春。ブラックで」
「私も」
リサの言葉に、俺と春は一瞬目を見合わせて……二人でリサを見た。
「な、なによ」
「いや……お前、苦いのは駄目じゃなかったか?」
「そんな事ないわよ」
「あらあら……指揮官、愛されてますね」
「は、ハァッ!?何言ってるのよスプリングフィールド!?」
「春は愛してくれないのか?」
「どうでしょう?」
春は自分の左手に嵌る指輪を一瞥して、綺麗にウィンクして給湯室に引っ込んだ。
「……で、リサ。何でまたブラックなんだ?」
「別に。好きな人の好きなもの、共有したいじゃない」
顔を赤らめて口を尖らせながらそんなことを呟いた。
思わずくらっときたね。
最近人形達に弄ばれている気がしないでもない。
「リサ……」
「ちょっと、ジョージ、やめてったら、スプリングフィールドが」
「私が、なんですか」
「きゃあああああああああああ!!!」
「ごふっ」
戻ってきた春に驚いて突き飛ばされた。
派手に転がってしまう。
「あらあら……大丈夫ですか?ジョージ」
「ああ……大丈夫だ。問題ない」
「あっ……ごめんなさい、ジョージ」
「構わないよ……さて、休憩しようか」
春から珈琲を受け取る。
「リサ、本当にブラックで大丈夫なのか?」
「……にがい」
「ふふっ」
「はは……」
今日も穏やかに過ぎていく。
……春が、近づいてきた。
「ところで、ジョージ?」
関係ないが、春が俺を名前で呼ぶときは……大体甘えたいか、揶揄いたいか。
どっちだろうな、と思っていると。
「甘いものはいかが?」
「ん、じゃあ貰おうか」
「はい――――」
「えっ、ちょ」
春の方を向いたら顔が目の前にあった。
……そのまま唇を奪われた。
今日は甘えたい日らしい。
「ちょ、ちょっとスプリングフィールド……」
「たまには、良いでしょう?」
「……ジョージ」
「あ?お、おいリサお前m」
「ふぅ……しょうがないじゃない、珈琲苦かったんだから」
「あのなぁ……おい、その手を放せ。春、ちょ、止まれ?な?今執務中だから、頼むよ、リサ?ベルトから手を放してくれ……春、待って、リサあの……うわああああああああああああああ」
今日は残業が確定した。
嫁とただいちゃついてる話って需要あるんですかね…。