【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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と、言うわけでやってまいりました武器庫。

今回はジャベリン君も登場です。


☆アーモリー・ブートキャンプ①

「ぁぁあ゛あ゛あアア゛ああ゛アアア゛アああアア゛ああアア゛ア゛アァァ…!!!」

 

俺は今、走っている。

ただ走るだけじゃない。

 

……10kgの重りを付けての、フルマラソン。

 

何なんだこれは、いや可笑しいだろ。

 

「ひぎっ……ひぎぃ……」

 

息絶え絶え。

他のグリフィンの指揮官達はフツーにぶっ倒れてる。

武器庫の面々は……エッ、何で平気な顔してんの。

 

……まぁ、少なくとも俺は倒れるつもりはない。

 

なぜなら。

 

「しきかーん!頑張れー!」

「ジョージ!初日リタイアなんか許さないからね!!」

 

トカレフとリサが見ているから。

 

「う、お、ぬぁぁぁぁ!!」

 

カッコ悪い所は、見せられないのさ!

男の子だからな!

 

この日、指揮官勢唯一の完走者となったのだが……その後普通にぶっ倒れた。

 

武器庫の面々は鍛え方が足らないんじゃないかと笑っていたが、お前ら一体ナニモンなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーまた翌日。

 

 

待ってくれ。

5時間ほぼぶっ通しで筋トレってなんだよこれ!?

 

クレイモアと呼ばれた部隊長とスクトゥムと呼ばれる部隊長がインストラクターを努めているがとにかくしんどい。

 

基礎的なトレーニングから段々負荷を……負荷を……掛け過ぎだろォ!?

 

既に他のグリフィンの指揮官たちの姿は無い。

 

俺も正直倒れる手前だ。

 

 

だが……。

 

 

「ほらジョージ!頑張りなさい!」

「指揮官!頑張って!!」

「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

 

負けられない……!

負けられないんだぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

「……あっ」

 

駄目でした。

 

「ちょっ……ジョージィィィィィィ!!!」

 

意識がどっか飛んで行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………武器庫ヤベェな」

「……人のテントに来て何言ってんだアンタ」

「病み上がりで来るお前も大概だと思うぞ……ジャベリン」

 

設営されたテントの中、対面に座る黒髪黒目の日系イケメンに言葉を投げた。

 

彼のコードネームは『ジャベリン』。

俺と同い年で、傭兵時代から交流を持っている数少ない知り合いだ。

 

「全くだジョージ……何かの謀略を感じる。あぁ、オスカーに会いたい……」

「オスカー?」

「ああ、猫を飼い始めたんだよ」

「へぇ、良いな」

「猫は良いぞジョージ……見ても触っても吸っても癒やされる」

「最後。ヤバい薬かっての」

 

変人揃いの武器庫の中で比較的マトモな神経をして…………して?

うーん、だから苦労してるのかはさておき、割とまぁ好青年だ。

 

若くして槍部隊部隊長を努めている実力派だ。

 

「ヤバい薬って……お前が刺してるやつよりマシだって」

「……知ってたのか」

「イージスさんが、な。ジョージ……続けるのか?」

 

ジャベリンが真摯な目で言外に訴えてくる。

このまま、グリフィンを続けるかどうか。

……戦い続けるかどうかを。

 

「辞められる訳が無い。約束がある」

「約束……か。なんか、変わったなジョージは」

「変わった、か?」

 

そうだろうか。

 

「前に会ったときは金女金ってずっと言ってた」

「マジ?」

「マジ」

 

そんなに五月蠅かったのか俺。

 

「なんか、落ち着いたな」

「そうなのか……」

「ああ。指揮官になってから色々あったんだな」

「……そうだな。グリフィンに入ってから色々あったよ」

「あっ、ジョージここに居たのね」

「ん…?あぁ、ジョージのとこのWA2000か」

 

テントの入り口をリサが開いていた。

 

「初めまして、S-12地区のWA2000よ。噂はかねがね聞いているわ、ジャベリン」

「…………えっ、WA2000……なの、か?」

 

最近麻痺していたから実は忘れていたのだが、WA2000はそもそも性格設定が中々に捻くれている。

素直じゃないのだ。

その上赤面症だとか。

 

「紹介しようジャベリン。うちのリサだ」

「……リサ?名前付けてるのか?」

「え?ああ……長かったからな」

「へ、へぇ……」

 

ジャベリンが呆気に取られていた。

そんなにか……。

 

「ジョージ、戻るわよ…明日もあるんでしょ?」

「おう、そうだな……何だ、心配か?」

「フン……当たり前でしょ、相棒。今日みたいにみっともないとこを見せないでよね」

「これは手厳しい」

「トカレフにもちゃんとお礼言いなさいよ。あの子が看てくれてたんだから」

「そうだな。お前は?」

「……言わなきゃ、駄目?」

「冗談だ。愛してるぜ」

「……ばっ……!早く帰ってきてよ?」

 

そう言い残して、リサはテントから出て行った。

 

「……ジョージ、アレ……本当にWA2000なのか?」

「?そうだぞ」

「え……えぇ……嘘だろ?てか、指輪してたけど……まさか」

「ああ。誓約してる」

「は、はぁ!?」

 

ジャベリンが大声をあげた。

 

「嘘だろ!?お前が!?人形と!?」

「何だそんなに驚く事か?」

「え、だって、えっ、えー……?……ホント、変わったな……ジョージ」

 

そんなに驚く事だろうか……。

 

この後、テントを後にした。

さぁ、明日も頑張ろう……。

 

 

 

 

 




まだまだ続くよブートキャンプ。
ジョージは、生きて帰ってこれるのだろうか……。
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