「指揮官、指揮官!起きて!」
「んぅ……?リサ?まだ夜中だろ…?」
「緊急事態よ!起きてったら!」
「はいはい……わかっ、は?」
夜中。
まだ深夜とも言える時間帯。
リサに叩き起こされて目を覚ます。
そして、眼の前に見えたのは………。
「…………」✕???
無数のWA2000の顔だった。
「えっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?!!?」
叫んだ。
ーーーーーーーーーー執務室。
「……何この状況」
「分かんないわよ……」
俺とリサの前に並んでいる……総勢100体のWA2000。
正直怖い。
「なんでお前増えたの?」
「知るわけ無いでしょ!?」
「昨夜何したっけ……」
「きっ、昨日は……その、な、何もしてないわよ!!」
「あ、そうだ確かお前と……」
「言うな!!」
「ぐえっ」
リサにぶん殴られた。
その間も、WA2000達は微動だにしなかった。
「……なぁ、リサ。こいつらもしかして」
「えぇ、ダミーね……命令待ちの」
「リンクして情報取れないか?」
「私用のダミーじゃないわよ?」
「だよな……」
しかし、俺の指示には従っていた。
何なのだろうか。
「この中に親機は居るのか?」
100体は一斉に顔を見合わせて……前に向き直り、首を振った。
「……うぅん?」
「妙ね……」
「またペルシカか?」
あいつも妙な真似をする。
……ダミーが一体、前に出てきた。
「どうした?」
サラサラ、と紙に文字を書いている。
あぁ、喋れないのか……。
「なになに……『頭を撫でてください』……ん?」
「んなぁっ……!?」
微笑んでダミーが頭を下げた。
特に拒む理由も無いので撫でた。
猫のように目を細めている。
「ちょっと!何で普通に撫でてるのよ!?」
「え?マズかったか?」
「そ、そうじゃないけど!けど!」
「判ってるって。お前が一番だよ相棒」
隣で憤る相棒の頬を撫でる。
すぐ赤くなるのが本当に愛おしい。
ガタッ。
「「うん?」」
ふと前を向くと、ダミーが全員こっちを凝視している。
えっ、何この状況。
ずいっ、と前列がこっちに詰めてくる。
「……逃げるぞ!」
「えっ、ちょっと!?」
走り出した。
……後ろからドタドタと無数の足音。
振り返りたくねぇ。
「ちょっと!これどうするのよ!!」
「どうって………どうしよう!?」
「馬鹿っ!!」
「うるせぇ!!げっ」
こんな時に足がもつれて転ぶ。
「うわっ、ちょっと、待っ」
無数の手が俺に群がってくる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!」
「…………夢かよ」
しばらくリサの顔がまともに見れなかった。
なお、拗ねられて暫くしたあと部屋に押し掛けられて押し倒された。
夢 オ チ。
すみませんでした。