結局、アニーのポストは事務副官と言うポジションに落ち着いた。
と言うのも、UMP40が割かし事務作業を苦手としていた為に二人で四苦八苦する羽目になり、急遽増員すればまさかの回転具合だったため……。
元鉄血にそんなポスト与えてどうすると言う声もあったが……。
「ジョージ、誤字」
「マジか」
「この表現、もう少し変えて。稚拙」
「お、おう」
「脱字。意味不明よ」
「……」
「何この要望、何でこんなのに印押してるの?」
何だこいつ、めっちゃ有能やん。
その時、リサが執務室に入ってきた。
……アニーに一瞥し……手を軽く振る。
アニーも照れくさそうに振り返した。
「どうした?」
「お客さんよ」
「急だな……」
「知り合いらしいわよ」
「知り合い……?」
リサが連れて来た来客……それは、人形と、1人の男だった。
俺は、立ち上がり、拳を握り、叫んだ。
「……このッ、クソ親父ィ!!今更ノコノコ出てきやがったな!!」
「「えっ」」
男目掛けて拳を振る。
男は口笛を軽く吹いて後ろに跳び退る。
ウィングマンを抜き放った。
「ちょっと、ジョージ!!?」
躊躇わず発砲。
……しかし、着弾したのは、
「ふぅ、あぶねー……俺もウィングマンじゃなかったらお陀仏だ」
男は涼しい顔で……黒いウィングマンを降ろした。
俺の持つ銃と違う、エリート用の黒い拳銃。
俺が発砲した瞬間、後追いで抜きほぼ同タイミングで発砲。
更に俺の銃弾と自分の銃弾をぶつけで弾道をずらした。
「久しぶりだな、
「……生きてたのかよ、
銀の髪を頭の後ろで適当に結んだ、顎鬚を蓄えた初老の男性……こいつは、紛れも無く……ジョン・ベルロックだった。
後方に居た白髪の人形が親父を諌めた。
「大尉。お戯れは困ります」
「すまんな、向こうが血気盛んで当てられた」
「お前……AK-12じゃねーか」
「ハァイ、ジョージ。久しぶりね」
白髪の瞳を閉じた美女……戦術人形AK-12……そして、その反対側に立っているのプラチナブロンドの人形。
「AN-94も」
「久しぶり……
「……は?!」
リサが、詰め寄ってきた。
「ちょっとジョージ?!相棒って何よ!?」
「えっそこぉ!?いやいやいや身に覚えがないッ?!」
「忘れたの、相棒……?私達の絆を」
「待て!待て待て!何か勘違いしてるな?!俺はお前と一緒に出撃した事はない!!」
えっちょっと、94さん瞳にハイライトありませんけど。
「AN-94と言ったかしら?悪いけど、コイツの相棒は売約済よ……一生ね」
ヒュウ、と親父が口笛を吹く。
ムカついたからウィングマンを向けると、向こうがノールックでこちらに銃口を向けている。
早い。
「まだまだだなジョージ。撃つまではスマートに、引き金に乗せるのはその後だ」
「ぐっ……で?何のようだ」
「腰を据えて話そう。珈琲とか出ないのか?こっちも長旅で疲れてるんだ」
来客用の椅子にどかっと座り込んで足を組む。
両腕を広げてめっちゃ寛いでやがる。
「……リサ」
「……わかったわ」
リサが給湯室に引っ込んだ。
まだ動揺してるのか、ちょっとふらふらしていた。
アニーに目配せして、席を外してもらう。
「さて、息子よ。俺の代わりに律儀に借金返してくれてたみたいだな」
「……」
「おっとだんまりか。お父さん悲しいねぇ。母さんは元気か?」
「……何の用だ、今更」
「殺意を隠そうとしない、か。良いねぇ、良い男になったな。だが、そんなおっぴろげだと女の子が寄り付かねーぜ?」
あくまで軽口を減らさない様子にちょっとイライラする。
「要件を話せって言ってるんだ……」
「おお、怖っ。わかったよ、良いか?」
その後、親父の言った言葉が信じられなかった。
「ジョージ、あの借金は……無くなった」
「……はァ!?」
遂に登場、ジョージ父。
何気にハーメルンのオリジナル主人公の中で珍しく両親存命という主人公。
そして、衝撃の一言。