ジョージの明日はどっちだ。
「待て待て待てステイ…俺は…もしかして、もしかしなくても…ヤッちまった…?」
「ジョージ…」
全裸のスプリングフィールドが俺に体重を預けるように寄り添ってきた。
「スプリングフィールド…教えてくれ…俺は、何をした…」
「…何もしてません」
「えっ、この状況で?もしかして俺ED?」
「単純に私が来た時には寝ていました」
「それで、わざわざ服脱いで隣で寝たの?不自然じゃね…」
「普通に添い寝するだけでは面白くありませんから」
この人相当たち悪い。
それより416より遥かに豊かな肉体がぴっとりとくっついてるもんだから俺の理性もそろそろヤバい。
視線を向けるとわざとらしく赤面してこちらをじっと見詰めるもんだからなおの事。
「スプリングフィールド、悪ふざけはやめてくれ」
「ふふふ、昨夜はやはり惜しい事をしましたね…なので、今から」
「こいつら起きるぞ…」
「その時はもう一度夢を見てもらいます」
「人形は夢を見な…うおっ」
スプリングフィールドに押し倒され、マウントを取られてしまう。
…その裸身が惜しげもなく晒される。
「私、綺麗ですか?」
「ああ…」
「ジョージ」
駄目だ駄目だ!
今ここで手を出す訳に…。
がちゃん。
「「?」」
ドアから物音がした。
このタイミングで誰か来るとは考えにく…。
「ジョージさんから離れて!!」
…トカレフちゃんが愛銃をスプリングフィールドに向けて吠えた。
「トカレフ!?」
「スプリングフィールド!見損ないました!」
「あら、トカレフさん。どうしてここに?」
「今日は非番と聞きましたので…その、えーっと、何で貴女に言わなきゃいけないんですか!!」
「何で俺の勤務形態ここまで筒抜けなの…」
果てしない疑問である。
とりあえずトカレフを宥めなくちゃいけない。
「スプリングフィールド。とりあえず服着ろ。悪いけどこいつらの面倒も」
「…分かりました」
「トカレフも出直してくれ…ちょっと今は説明出来ない」
「……………………」
「トカレフ。銃を俺に向けないでくれ。電脳がエラー吐きまくってるだろ」
「………わかり、ました」
トカレフは銃を降ろすと、足早に去ってしまった。
「トカレフを追いかける」
「分かりました…ジョージ、その…ごめんなさい」
「悪いと思うならやらないで欲しかった…けど」
スプリングフィールドにシーツを投げてやる。
「俺なんかにそんな物見せなくていい。勿体無い」
「どういう事ですか」
「次から有り難みが消えちまう」
「ジョージが望むなら、いつでも相手しますよ」
「…人形と重い女はあんまり」
「残念。ですが諦めませんので」
「切り替え早いのがいい女だと思うんだ俺」
「私、一途でしつこい嫌な女なので」
「…行ってくる」
何でこう、人形どもはどいつもこいつと愛情表現が重たいんだろうな。
そのへんに落ちていたワイシャツに袖を通して、トカレフを追い掛けた。
………あれ、これ失くしたと思ってた奴…。
てっきりM4が着てたかと………ん?コーヒーの匂い…。
「犯人スプリングフィールドかよ!!」
流石に事後じゃないってのは苦しい。
修羅場…で良いのかなこれ。
自信ない。