「えっ、どうしたんだグリズリー……らしくないぞ」
「頂戴」
「……今日はいやに押しが強いな」
「ジョン」
「………………」
「ジョン!」
「………………」
「ジョン帰ってきたんでしょ!!実家の場所教えなさい!!」
「嫌に決まってんだろ!!」
「ハァッ!?アンタこんだけ待たせておいてそれ!?こっちは委員会もなんか潰れて行く宛もないし貴方の元に居る意味も無くなったのよ!!」
「うっそぉ……」
「良いからさっさと出しなさい!そして教えろ!!」
「やめろ揺するな!ぐええええええ?!」
……3時間の言い争いの結果、グリズリーは旅立った。
ごめん、親父……。
長期休暇の申請書と長距離旅行の申請書を受領して印鑑を押していく。
すまねぇ親父……止める義理は果たした。
「ねーねー指揮官」
「……何だ?」
ある日の昼下がり。
俺とUMP40が事務作業をしていたときだ。
彼女が唐突に口を開いた。
「……あの人、いつまでこっち見てるの」
「………………(ぶつぶつ」
「見ちゃいけません」
……AN-94が、執務室のドアを半開きにして目線だけこっちから見える。
正直言って怖い。
リサ泣きそうになってたし。
「あんなの見たら集中出来ないよ……」
「気持ちは分かる」
「いつもみたいに口説いてなんとかして~」
「人聞き悪いわ!!」
心外だ。
俺がいつも口説いてるみたいな言い方。
「……失礼するわ」
AK-12が、部屋に入ってきた。
……AN-94の襟首を掴んで引きずって。
「お、おう……どうしたAK-12」
「ジョージ。私が、貴方の母親と同じ顔という事について聞きに来ました」
「ああ……」
その話結局なぁなぁにして流してたんだよなぁ。
「まぁ……その、お前の顔のモデルが……俺の母親だったんだ」
「そう。それで私に靡かなかったのね」
「言い方」
そりゃまぁ母親と同じ顔だしそんな奴にな……。
「……つまり、私に母性を感じてくれる……そういうことね」
「一度オーバーホールが必要か?」
「あら、心配してくれるのかしら?お母さん嬉しいわ」
「オォン……手遅れかよ。40、モナーク呼んでくれ」
「モナークさん、手が離せないって」
「嘘付けぇ!!」
両手を広げてこっちに向いてくる。
ハグのポーズかよ…。
「間に合ってる」
「さぁ」
「聞けよ」
じりじりと近付いてくる。
アニーがその後頭部にファイルの角をぶつけた。
「やめなさい新入り。指揮官に迷惑掛けるんじゃないの」
「アニー」
「はい、ジョージこれ。資料持ってきたわ。進んでる?」
「悪いな……実はあんまり」
「はぁー……全く、私がいなきゃほんと駄目ね。UMP40、貴女も何してたの?」
「ご、ごめん……」
「まあ、原因はこれでしょ?」
AK-12とAN-94を指差す。
全く持ってその通りだった。
「二人共。想いを伝えるのは構わないけど、一方通行は迷惑でしかないわ。頭を冷しなさい」
アニーが二人を摘みだした。
あれ……なんか強くないこいつ。
「すまん、アニー」
「私は貴方の副官よ。これくらいやってあげる」
「さすがアニーだね!」
「……まぁ、あの二人も時間が必要だな」
放置は出来ないかな……。
必ず向き合わなきゃいけないだろう。
「さ、仕事しようか」
全然進んでないのである。
本日三回目の投稿です。
これでとりあえず書きたかった事全部まとまりました。