「おいジョージ。そろそろ人形達の装備も拡張した方が良いんじゃないか?」
ある日。
業務に追われていた時だった。
後方幕僚兼補給担当のローニンがそう言った。
「拡張、か」
人形達は自身の半身である武器と刻印による接続があるため熟達の兵士の様に愛用できるのだ。
……ただし、それ以外の武器に関しては知識だけでコントロールする術を持たない。
「サイドアーム、持たせるべきかね」
「ライフル人形は近づかれたら終わりだからな。うちにはショットガンもいない」
「でもなぁ……春とか素手の方が下手したら強い」
「あー……」
余談だがノーススターは常にG17と行動するため死角が無い。
ただ、輸送中にひたすらいちゃついてるから何とかしてほしいと彼女の部下たちから苦情が来たので合コンをセッティングしてやった。
「スプリングフィールドもまぁ……お守り的な意味で持たせたら……」
「多分銃剣の方が良いかもしれん」
「うちの人形マトモじゃない奴しかいねーじゃん」
「人形と人間の混合部隊だぞ。何を今更」
「ごもっとも」
さて、サイドアームか……聞いてみるか。
――――――――――
「と言う訳なんだが。何か希望は?」
ライフル3人娘こと最愛の3人……リサ、カラビーナ、春の3人が丁度休憩スペースで談笑していたので混ざるついでに聞いている。
「そうですね……銃剣が欲しいです」
「サイドアームの意味わかってるか春?」
やっぱり言いやがった。
カラビーナがすっと手を挙げる。
「やはりハンドガンでしょうか」
「SMGはちょっとデッドウェイトかもなぁ。うちに残ってるSMG奴っていうとRシリーズだし」
R-99とR-97。
両方とも発射レートに優れたSMGだがじゃじゃ馬の様に跳ね回る困ったちゃんだ。
流石にこれの完熟訓練には時間が掛かりすぎる。
「ハンドガン、ですか。種類はありまして?」
「そうだなー……ウチにあるにはハモンドのP2016とRE-45マシンピストルだな。お前ら向きはP2016かも知れん」
ハモンドP2016はハンドガンと侮る事無かれ、かなりの威力を秘めた銃だ。
「マガジンは10発。相手は3発で仕留められる。お前らの精度なら問題なく……」
「ジョージ」
今まで黙っていたリサが、口を開いた。
「ん?どした」
「それ欲しいわ」
「お、ハモンドか。良いチョイスだ。流石……」
「違うわ。ウィングマンよ」
「……えっ」
リサが指さしたのはP2016ではなく、俺……俺のウィングマンだった。
「おいおい、こいつは……」
「あんたと同じが良いの」
「ぐ……」
不意打ちは辞めて欲しい。
「それは良いですわ!わたくしもウィングマンが良いです!」
「貴方とお揃いという事でしたら、私もウィングマンが良いです」
カラビーナと春も続いてくる。
「え、えぇ……これ結構扱い難しいぞ」
「勿論教えてくれるのでしょう?ジョージさん?」
「カラビーナ……俺も仕事がだな」
「仕事とわたくし達、どっちが大事ですの?」
「そんな事言わせてごめんな。勿論お前達だ」
この間1秒未満。
リサがため息を吐くけど笑っていた。
「それでこそジョージね」
「それでは、よろしくお願いしますね先生?」
「う……」
この後ローニンにウィングマン3丁を申請た所苦笑されたのだった。
ウィングマン3丁追加入ります(白目
サイドアームだって言ってんだろうが!