通信からしばらくして、母親から手紙が届いた。
中身は…レシピ。
「流石」
材料から作り方まで事細かに記載されていた。
その料理とは…。
パンナコッタである。
かつて、イタリアと呼ばれた国発祥のデザートであるらしい。
…生クリームが多くカロリーが高いためあまり女性に人気ではない事をこの時の俺は知らなかった。
さて、材料を調達しなくちゃな…。
「用意出来はしますが…高いですよ?」
「どれくらい?」
「このくらいですね」
「…何これ、ふざけてるの?」
金さえ積めば何でも用意すると評判のグリフィンの後方幕僚、カリーナちゃんからとんでもない額が提示された。
「適正価格です」
「うっそだぁ…これ割と良い酒買える値段だよ」
「甘味は今のご時世貴重品なんです。諦めて下さい」
「そうか…」
これは、母さんには悪いが別の方法を考えた方が良いのかもしれない…。
すると、カリーナがこちらの顔を見てあっ、と言った顔になる。
「そう言えば、貴方ジョージさんですよね」
「え?あ、ああ…そうだけど」
「…グリフィンに多額の借金をしていらっしゃるとか」
「…………そうだよ」
何だろう、とんでもなく嫌な予感がする。
最近よく当たるんだよね俺の予感。
「なら、その借金に上乗せして差し上げましょう!」
「えっ何その地獄」
俺に借金を増やせと言うのかこの女。
しかもこんな命のやり取りも無い…あ、いや、どうだろう…。
何となく無事に済む気がしなかった。
「うぎぎぎぎ…」
「さぁさぁどうされます!?女の子に刺されるか、身を削ってお返しするか!」
「お前楽しんでるだろ!?この状況をよ!?」
コイツ判ってて煽ってきやがる。
「娯楽の少ない世の中ですからね。恋話なんていい刺激になります」
「なら話題提供でちょっと負けてくれない?」
「おっと、上手いことやられましたね…もう、今回だけですからね」
やった…値引きされそう…。
「とりあえずこちらでどうですか?」
「くっ…しゃーねぇか…」
悲報、借金増えました。
…まぁ、今まであった分からしたら微々たるもんだから。
たかが一ヶ月分…。
「…明日から携行食抜きだな」
「毎度ありがとうございます!ご武運をー」
明日部屋に届けてもらう手筈を整え、売店を後にした。
さて、とりあえず取り掛かろう…なんかどっと疲れた。
「…………」
また、誰かに見られている…って、そんな事するの一人しか居ないか。
最近あまり見掛けていなかった、青いリボンの白い頭が見えた。
「…さて、どう出るかな、あの子は」
ホワイトデーいつまで引きずるんでしょうね…。
皆様、いつも感想ありがとうございます。
最近忙しくて更新頻度が落ち気味なのが悲しくなる。