AR小隊に担がれそのまま集中治療室にぶち込まれるのであった。
目を覚ます。
まず最初に視界に入るのは、一面白の天井。
体を起こそうと力を入れると、全身に鈍い痛みが走る。
思わず呻いた。
頭がぼうっとする。
どうして俺は寝ていたのか。
「…WA2000!!」
意識が戻ってきた瞬間、相棒の名前を叫んで跳ね起き…られなかった。
足に力が入らない。
微塵も動く気配が無かった。
「痛ぅ…やべぇ、思ったよりもガタガタか…」
「当たり前でしょ」
「あ…?」
隣から呆れた様な声が聞こえた。
首を何とか向けると、UMP45が椅子に腰掛けていた。
「ハァイ、ジョージ。やっと起きたわね」
「45…どんだけ寝てた?」
「二ヶ月」
「……マジ?」
「本当よ」
聞けば集中治療室に入ったときの俺はそれはもう酷かったらしい。
右掌に風穴は空いてるわ左足も大穴が空き、全身の筋肉は無理な動きをしたせいで断裂一歩手前。
足が今動かないのは興奮剤の副作用らしい。
あと一月は動かすなと言われた。
まぁ、それでも。
「…生き延びたか」
「ええ、何とかね。でも次からは絶対にやめて」
珍しくUMP45が逼迫した顔をしていた。
「努力する」
「駄目。もう貴方は指揮官なのよ?約束出来なかったらここから出してあげない」
「えぇ…」
「ここの電子ロックにハッキングして監禁してあげるわ…一生」
「勘弁してくれ…わかったよ、もう無理はしない」
45さんの瞳のハイライトさんがログアウトしたので変な迫力がある。
「…あれからどうなった?」
「そうね…グリフィンに救難信号が届いたのよ」
UMP45の話をまとめていくと、
…俺が相手してたPMC、現場の兵士が事もあろうにグリフィンに救難信号を出していたらしい。
それを拾って、戦力とAR小隊をあそこに派遣したと言う言い分らしい。
ちなみに、何故かグリフィンの傘下に新しいPMCが加入したとか。
…俺がやりあってる最中に、PMC本社へ404小隊がカチコミ制圧した後、クルーガーと向こうの社長が会談(圧力)しそうなったらしい。
「あの野郎…何とまぁ抜け目の無い」
「ジョージの知らない所での話だけど、私も貴方の為に頑張ったんだよ?」
「会社の為っぽいけど…まぁ、そういう事にしとくわ。手も動かせんから撫でてやれんけど」
「残念」
UMP45が立ち上がる。
「先生呼んでくるわ」
「あ、待った…最後に一つだけ」
「WA2000ならとっくの昔に修復終わって、また出撃したわ」
「…左様で。全く、戦術人形は最高だな…」
「なら、貴方も義体化する?」
「冗談。俺は不便だけど生の身体が良いさ…」
アレだけ寝たっていうのにまた瞼が重くなってきやがった。
「ふふ、おやすみ…ジョージ」
無事でした。
さて、借金指揮官が遂に指揮官になる訳ですが…。
このまま終わらせるか、日常回をやっていくか、ちょっと悩んでおります。
…どうしたもんかな。