【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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無事に筆者が第七戦役をクリアしましたので更新します。

本部からの応援、ネゲヴ小隊。
そして、かつての親友(ジョージ談)トカレフが到着。

反撃の狼煙を上げろ。


反撃開始

 

「ジョージ!大丈夫か、しっかりしろ」

 

ローニンが屋上に到着し、駆け寄ってきた。

慣れた手付きで応急処置を施す。

 

「ゲホッ…止血ジェルなんてウチあったか…?」

「ネゲヴ小隊が片っ端から救援物資を投下してる。補給班が大忙しだ」

 

あれからトラックが到着。

ずっと行ってきた周辺の鉄血掃討のお陰で、やっと本部との補給路が確保できたらしい。

 

ネゲヴ小隊を含む戦術人形部隊が徐々に戦線を押し上げ、基地から鉄血を追い出していく。

 

「ジョージ、お待ちかねの気付け薬だ」

「あ”…!?おま、それ、やめろ!アッー!!」

 

ローニンが手にしていたとてつもなく見覚えのある緑の薬品が躊躇いなく胸に突き立てられた。

 

「ご、げ、あ、あば、あばばばば」

「うわ、エグっ…これ人が使うもんじゃねぇだろ…」

 

殺す。

こいつ後で絶対殺す。

 

「か、ら、び、ぃ、な、ァ!!」

「えっ、指揮官さ」

「歯ァ食い縛れツ!!」

「ぎゃんっ!?」

 

跳ね起きて、呆然としているカラビーナの頭に拳骨を落とした。

俺が撃たれてからずっと名前を呼んでいた。

けど、今はその時じゃない。

荒療治で申し訳ない。

後で埋め合わせはする。

 

「何呆けてる!さっさと援護射撃しろ!ローニン!武器!なんか武器寄越せ!!」

「…効きすぎだろ」

 

投与されると一ヶ月は不眠症に掛かる違法薬物なのだから仕方ない。

 

『やージョージ!久しぶりやないかい!』

「え、誰?!」

 

さっきから無線に知らない奴がひっきりなしに声かけてきて混乱する。

 

『指揮官、紹介するわ。部下のガリルよ』

『よろしゅう!』

『前にガリルが貴方に助けてもらったって言っててね。それで今回の救援を引き受けたの。借りは返す主義ですからね』

 

なんてこった。

こんな所でも俺のお節介が縁を繋いでくれたらしい。

 

『それと、16LABからの差入れです。新兵器開発での失敗作ばかりですが、失敗作だからこそ値が付かずに寄越せた代物ばかりです』

「嘘だろ…」

『クルーガーさんから伝言もあります。「遅くなった」と』

「全くだ」

 

とにかく、建て直しだ。

 

「カラビーナ!行くぞ!一旦合流して掃討戦に移る!」

「は、はい!」

「第一部隊!今から俺とカラビーナが合流する!残りの奴らを掃討するぞ!」

『『了解!』』

 

補給部から銃を一丁受け取り、基地の防壁の上に登る。

前線へ合流する為に周囲を見渡し…。

 

そこで、息を呑んだ。

 

「あれは…トカレフか!?」

 

白い5つのシルエットが、敵の集団の中で踊っていた。

いや、違う。

ダミー4体と本体による精密な連携攻撃。

まるで周囲すべてが見えているかの様に次々と相手を撃ち伏せる。

 

ハンドガンでは火力は出ない。

精度もそれほど良い訳ではない。

 

だが、それでも一発撃つ度に敵が地に伏せる。

 

「…あの子、本当にハンドガンですか?」

「俺が聞きたい…」

『指揮官!ハイエンドです!』

「来やがったな…!」

 

ドラグーンやリッパーを引き連れて、艶の有る長い黒髪を翻し…夢想家(ドリーマー)が姿を表した。

 

『想定外もスパイスだと言うけれど…いい加減目障りね』

「やっとその面拝めたな夢想家(ドリーマー)!何だ、可愛い顔してるじゃねーか!」

『…この状況でまだそんな減らず口を』

「こんな状況だからだ!ここまでの借り、きっちり返させてもらう!」

『私を倒せるとでも!』

「やれるさ!俺達ならな!」

『抜かせ!』

「吠え面かかせてやれ!第一部隊、会敵(エンゲージ)!!」

 

こちらもアサルトライフル、フラットラインを構える。

 

決着を付けようじゃないか。

 

 




無事にROを入手しました。

…こっちの夢想家の撃破報酬は何にしようかな…。
勝っても負けてもジョージは興奮剤の副作用で失神する訳だが。

次回、VSドリーマー、決着。

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