【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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薬を盛られても反応しないジョージ。
それに対して、ジョージ抜きで緊急会議が開かれた。

…あ、これで1日三回目の更新なんでもしかしたら前二話分飛ばしてるかもしれないので注意してくださいね。


作戦会議

 

「…由々しき事態です。お義母様」

 

夜。

場所は喫茶店店内の4人掛けテーブルにて。

それぞれ母さん、リサ、カラビーナ、春が座っていた。

 

「ジョージさんにあの媚薬が効かなかった、と」

「…私は見てなかったんだけれど、そうなの?わーちゃん」

「私は…カラビーナが入れたって言ったのを聞いただけ。というより何で私まで?」

「強く断らないで付き合ってくれるのは、わーちゃんの良い所ですね」

「そ、そんなんじゃないってば!」

 

母さんが持っていたカップを置く。

その眼は、真剣そのものだ。

 

「…もしかしたら、お父さんに使い過ぎてジョージさんに先天的に耐性が付いてしまった…?」

 

いや、待ってくれ。

どんだけあの薬親父に服用したんだ。

 

「お、お義母様…」

「うふふ、若気の至りって恐いですね。私、若い頃は諜報部に居てそれなりに薬物の心得があったんですよね」

「そうなのですか?元正規軍と聞いていましたけれど」

「その話は…置いておきましょうか」

 

さて、と場を仕切り直す。

…雰囲気が変わる。

さながら、大きな作戦が行われる前のブリーフィングルームの様な…。

 

()()がジョージさんに気があると言う事で間違いないですよね?」

 

…様な、雰囲気で何とまぁゆるい事を。

 

「「はい!」」

「わ、私は別に…」

「わーちゃんも素直じゃないですね?」

「ジョージさんと一番距離が近いのは貴女なんですのよ?ただの戦友って事は流石に無理がありますよ」

「…なんであんた達こんな時に限って息ぴったりなのよ」

 

春とカラビーナに詰問される形になるリサ。

状況は割と追い詰められている。

 

「…アイツは、私が酷い姿になっても鼻で笑って助けてくれたし…自分でも、素直じゃないって思ってる性格を受け入れてくれたし…………き、嫌いじゃないって」

 

そう告白するリサをほっこりした笑顔で見る三人。

 

「な、何よその顔!?」

「やっぱり、わーちゃんもジョージが大好きなんですね」

「はぁ!?違うわよ!あいつはただの戦友!相棒なの!」

「なんて言ってますけど、でもでも本当は?」

「あぁもうカラビーナ!アンタねぇ!!」

「ふふふ…娘が増えたみたいで賑やかですね、本当に」

 

母さんがとても嬉しそうに微笑んでいる。

…中身はこの状況面白がって引っ掻き回してるだけな気がするけど。

 

「先日のお風呂に、今日の薬。尽く失敗しています」

 

改めてそう言われ、黙る三人。

 

「ジョージさんはあなた達に独自のスタンスを取っているのはこの3日で判りました」

「「「………」」」

「戦友として、女性として尊重はしていますが、性の対象としては見ていない…と言った所ですね」

「…性交できる人形(わたしたち)を口説いているのに、その先を見ていないと言うことでしょうか」

 

IOP製の民製戦術人形…何をトチ狂ったのかそう言った機能も付いているとは聞いている。

この辺はもう人間の業の話になってくるので割愛するが。

 

表情は伺えないが、リサは黙りこくっている。

 

「難しいですね…あの人の認識を変える必要がありますから」

「どうすれば宜しいのでしょうか…」

「既成事実作ってしまいましょうか」

「「それです(わ)!!」」

「あんた達本当に…本当に残念ね…スプリングフィールドも何でこんな事に…」

「義理堅い性格してますし、やってしまったとなればジョージさんは必ず責任を摂りますよ…ねぇ?()()()()()()?」

「「………えっ?」」

 

母さんが、()()()()()()

…バレた。

 

母さんがリサの胸元…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「それは…カメラ?」

「ジョージさん?貴方に諜報のイロハを叩き込んだのは私ですよ?気付いてないとでも?」

 

…ひえっ、やべぇ…取り敢えず部屋に鍵を…あ、駄目だアイツら合鍵持ってる…詰んだ。

 

「さて、それじゃあ…」

 

ふっ、と明かりが唐突に消えた。

 

「あら?停電かしら…」

 

ガタン!

暗くなった室内に、何かが落ちる音がした。

 

「…わーちゃん?」

「……………………いっ……………で………」

「リサさん?大丈夫ですか?」

「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

絶叫。

陶器が割れる音。

木製の物が床にぶつかって散乱する音が聞こえた。

 

「…リサ!!」

 

俺は、イヤホンとタブレットを投げ捨てて走り出した。

 

 

 




絶叫するWA2000。
トリガーは「予期せぬ暗闇」。

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