【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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ギリギリ本日二回目の更新です。
例によって前の話が飛んでるかもしれませんので注意してくだい。

さて、DEEP DIVEが始まりましたね。
自分はこれ投稿したら挑む予定です。

それでは、どうぞ。
作者の償いのわーちゃん回です。


再起

 

「ごめんなさい…ごめんなさい、ごめんなさい…」

「…んあ?」

 

深夜。

耳元でひたすら謝罪の言葉が繰り返される。

 

「…リサ?」

「ごめんなさい、ごめんなさいジョージ、私っ、貴方に、酷いことを」

 

ベッド横に椅子を置いてリサの手を握っていたらそのまま寝落ちしていたらしい。

…目が覚めてみたら、リサが涙を流しながら俺に抱き着いて謝ってるんだから…目も覚める。

 

「リサ。涙を拭いて。可愛い顔が台無しだぞ?」

「ジョージ…こんな、ボロボロに、私がしちゃったんだよね…ごめっ…んなざい…」

「こんなの怪我に入らないさ」

「でも…」

「…相棒。信じてくれ」

「……………信じる」

 

本当は身体中が打撲で物凄く痛い。

だが、こんなんで音を上げる訳には行かないさ…男の子だからな。

 

「…すまない、遅くなって」

「違う…ジョージは、悪くない…悪いのは…アイツに勝てなかった、私」

 

WA2000は拷問もそうだが、同じ部隊にいた仲間も喪っている。

やはり、基地に戻ったら一度本社のバックアップを使ってドリーマーに拉致される前の記憶に戻した方が…。

 

「私…私っ、気持ちが抑えられないの………悔しい。嬲られて、手も足も出なくて、一方的にやられて、悔しい…!」

「…リサ」

「昨日まで一緒に戦ってきたあの子達を奪われて、こんな屈辱ってあるの…!!恐いし、独りは嫌、暗いのも嫌、アンタに置いていかれるのも嫌っ…けど、けど!!」

 

肩に置かれた手に、力が入る。

…激情に任せた行動だからか、リサの指が肩に食い込む。

けれど、俺はリサの言葉を待つ。

 

「悔しいっ…悔しいのよぉ…!!」

 

…あれからずっとWA2000の抱えていた重りの正体が、やっと分かった。

やっぱり、こいつは強い。

 

「ジョージ、お願い…一緒に居て。私を、私にする為に…!」

「相棒…」

「もう、敗けたくない…!!」

 

リセットを拒んだ理由。

屈辱と恐怖を乗り越え、ヤツに…ドリーマーに一矢報いる為。

相棒もまた、茨の道を歩もうとしている。

 

「ああ。俺が勝たせてやる。仇を取らせてやる。雪辱を果たさせてやる…!WA2000、だから、俺から絶対に離れるな…死ぬまで相棒だ。俺以外と組むなんて許さねぇ」

「勝つわ…今度こそ、あの子達の為にっ、アンタの為に、私の為に…!!」

 

WA2000をキツく抱き締める。

向こうも負けじと力を込めてくる。

 

ここに居るのは、やはり戦術人形WA2000である。

自信家で、照れ屋で、強い。

 

「…さ、寝よう。お前もメンタルに結構来てるだろ…一度寝れば気持ちの整理もつく」

 

どちらから共なく、手を離す。

…俺もそろそろ寝ないとな。

と、思ったんだが…向こうは手を離してくれないようだ。

 

「待って」

「…ん?」

「こ、今夜だけ…今夜だけは、甘えさせて」

「………分かったよ。一緒に寝よう」

「なっ、別に、そこまで言って」

「失礼」

「ひぇ…」

 

布団をめくり、リサの目の前に横になった。

顔が近い。

リサの顔は真っ赤で、瞳も落ち着かなさそうに忙しなく動いていた。

そのままリサを胸元に抱き寄せた。

 

「おやすみ、相棒」

「おやすみ…相棒」

 

リサはすぐに眠りに落ちた。

俺も、時間が掛からずに微睡みに身を任せた。

 

 




このコンビのテーマは絆と不屈。
絶対にお互いを見捨てないし、どんな目に遭おうとも二人ならば決して折れる事はない。

誰よりも硬い絆で結ばれていて、けれどそれ以上距離は縮まらない。

わーちゃん、メインヒロイン昇格決定…と言うかもう全員娶れば万事解決なのでは?

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