そろそろ出したいんですが…ほのぼの回で参戦か戦闘中の合流かかなり悩ましいんですよ。
取りあえず酒の席は書きます。
夜。
久方ぶりに晴れた為、基地上空は星が煌いていた。
「綺麗…」
そう呟いたのは、先に来ていたトカレフだった。
「早いな、トカレフ」
「あ、指揮官!…あ、あはは…お誘いありがとうございます。ちょっと気が逸っちゃって」
「そうか」
グラスは4つ、瓶は1つ…4人で飲んでるとすぐ終わってしまいそうだ。
折りたたみ式の机を広げて設置する。
ちなみに酒はアップルワインという物だ。
よくこんな物が残ってたな…。
「…私以外はまだ来てませんね」
「そうだな…」
しばし、トカレフと並んで夜空を見上げていた。
「…私達が戦ってきたこの場所の空は、こんなに綺麗だったんですね」
「そうだな…俺も、ここまでの夜空は初めて見た」
「指揮官もですか?」
「ああ…って、空なんて見てる暇、無かったからな…」
追い詰められてギリギリの生活をしていた。
こういったものは、余裕がある時にしか有り難味を感じられないというのがアリアリと実感できてしまった。
「金が無いと、心に余裕も無いのか…」
「…ジョージさん。女の子の前でそんな話、良くないですよ」
俺の借金事情を知るトカレフ。
こんな呟きもたぶん中身を分かってたのだろう。
「ごめんごめん…君の前で辛気臭い話はあれっきりにしないとね」
「…で、あんた達いつまでいちゃついてるの」
「わーちゃん、待ってたぞ」
「張っ倒すわよ」
遅れてやってきたWA2000に声を掛ける。
…このあだ名で呼ばれるのは彼女はあまり好きではない。
例外としてスプリングフィールドには呼ばれても反発しない。
「冗談だWA2000…ただ、やっぱりお前らの名前呼びにくくてな…」
「…リサ」
「…え?」
「リサで、良いわよ…」
「…そうか」
「…も、持っていかれた…」
何やらトカレフが落ち込んでいる。
持ってかれたって…腕でも取られたのだろうか。
「リサ」
「ふふ、何かしら」
「ちょっと…いちゃつかないで下さいよ!」
「…いや、アンタにもそっくりそのまま返すわよ」
「こんばんは皆さん。あら、もう賑やかですね」
手提げを持って最後に現れたのは、春だった。
瞳の色は…良かった、いつものエメラルド色だ。
「春、来たか」
「私が一番最後みたいですね…ふふ、ジョージったら…懐かしいメンバーで揃えましたね」
「…あー、そうだな。まだ本部にいた頃知り合った奴らばっかだもんな」
いやに懐かしく思える。
あの頃も毎日騒がしくて…。
「…いや、一人足らない」
「一人…ああ、あの子ね」
M4A1。
あの一番問題児だったアサルトライフルが、まだ居ない。
「…AR小隊、か。私が本部に居た頃はたまに見かける程度だったけど…あれから前線に出たらしいわ」
「そっか…」
…元気にしてるだろうか。
「…ジョージ。心配ですか?」
「まぁ、な…」
「でも、ジョージさんが思ってるほどあの人は弱くないと思いますよ」
「…だな。あいつは強い」
また、いつか笑って再会できると良いな。
「さ、乾杯しましょうジョージ?」
「え、ああ…すまん、待たせたな」
…願わくば、誰も欠けない日常を。
それは、贅沢なんだろうか。
気が付けば研修時代のメンバーで集まっていた。
あと一人…いつか、再会できると願って。