あ、今更ですけど戦闘シーンはあまり書く気ありません。ロボットモノはかける気がしねぇんだ……。
追記
タイトルが気に食わなかったので修正。
「2組に新しく専用機持ちが転入してきた?」
「うむ、そうだ。それにクラス代表にもなったらしい。お前の敵が増えたな織斑」
そうか、会ってみてぇなと呑気に言う織斑。まぁ、変に敵対視するよりはマシか。あちらさんは織斑に特別な感情を持っている。2人が離れる時に交わされた約束。それを織斑は覚えているのだろうか。
バンッ
と教室の入口から音がした。どうやら噂の人が来たらしい。
「その通りよ! 私は中国の代表候補生凰鈴音! 今日は宣戦布告に来たわ!」
「鈴……おまえ鈴か……? なんだそれ、すっごく似合わないぞ」
「あ、あんたなんてこと言うのよ!」
これは酷い。織斑の奴めやっぱり自身への好意に気づいていないな。
とある本に載ってあったぞ。「女の子に劇的な変化があった時は意中の人にアピールする時」だと。似合わないというのは分かるが口に出すのは最低だぞ。
っと、そろそろSHRか。この一悶着を止めなければな。
この2人がいがみ合うと誰かが仲裁に入るまで(主に鈴が)引き下がらなくなる。
これを放置していたら俺が職務怠慢で叩かれかねん。鈴には言いたいことがまだあるだろうが御退場願おう。
「逃げるんじゃないわよ一夏!」
そう捨て台詞を吐いて隣の教室へと戻っていった。そして入れ違いで入ってくる千冬。走ってったけど衝突とかしてないだろうな?
「それではSHRを始める」
鋼さんの授業はとても分かりやすい。千冬さんが言うには、うちの姉に勝っている数少ないものの一つだという。そう言われて何となく、この人が何故授業が上手いのかを理解した。
なんせこの人は、あの姉に対して「教える」という行為を多分世界で唯一やってのけた人だ。あの自分勝手で人の話を聞かない姉にである。
人の好き嫌いを瞬時に見分けられる。その人にとって何がセーフで何がアウトなのかをしっかりとふまえていて、どう扱えば自分の話に心から耳を向けてくれるのかが分かっている。その分析力を活かした授業はとても心に残る。
「いいか? 一年の座学で覚えるのは全て基礎知識だ。つまり暗記が必須となる。暗記科目はとてもつまらない。その最たる原因は授業と教本だ。だからこれは最初にうる覚える時や、振り返りの時にのみ使え。君たちはこの単語を何か面白いエピソードと繋げるように努力しろ。そうするだけで印象に残るぞ」
「面白いエピソード、ですか? 例えばどんな感じの……」
「そうだな……。変なイントネーションで言ってみたりだとか、何かおふざけで使ってみたりだとか……。布仏、何かやってみせろ」
「えぇ〜!? いきなりはひどいですよ先生〜」
「フッ……冗談だ。だが眠気は覚めただろう? 」
……うむ、心に残ると思う。ISの単語はどれも長くておふざけには使いづらいだろうが、言っていること全てが間違いという訳では無い。きっと、これはのほほさんを目覚めさせるのも織り込んだおふざけなのだろう。
正直に言おう。私のイメージと乖離しすぎていないか……?
♦♦♦
鋼さんと私たちが主に関わることになるのは基本的にはIS関連の授業だ。どうやら偶に一般科目で代理をさせられたり、HRでの通知やクラス会議の簡単な司会などもやることもあるようだ。
だがどんな授業でもあの人は自身の端末から手を離すことは無い。授業だけではない。一夏との訓練の時だってそれを離したところを見たことがない。
ある食事の席で、とても気になったので聞いたことがある。そのパソコンで何をやっているのですかと。そしたら鋼さんはこう答えた。
「対篠ノ之束用防衛プログラムを常に書き換えている。ここの防御システムの管理は俺に一任されているからな」
そこで初めて知ったことなのだが、この人はIS学園が設立された時からずっとここで働いていたのだという。
そして話してくれた。姉がISを作り、私たちの前から消え、私が故郷を離れてしまわなければならなかった後のことを。
「束のやつが消えてからというもの、千冬の所にも俺の所にも様々な国の奴らが来た。俺はアイツを探すのに集中したかったから軽くあしらったんだが……。それで買われてしまったらしい」
以来世界から、篠ノ之束に対抗できる唯一の人間として評価されることになった。それからIS専用の最新鋭の研究環境を用意することを条件に、各国から独立した学園にだけ協力することを許したらしい。
「ISに乗るという夢が無ければ束のように雲隠れしていたかもしれん。いや、それがあっても多分この学園に来ようとは思わなかった。決め手になったのは千冬が学園に入学するという知らせだったよ」
千冬さんがIS学園に来る。
その知らせを聞いた鋼さんは確信したという。あの姉が必ずIS学園に興味を示し、自分たちに要らぬ世話をしてくるであろうことに。
であればいつか会える日が来るかもしれない。そう思った鋼さんは、元々高校にも入っていなかったため十代後半での就職を決めたという。こう聞くと凄い経歴だ。……学園の一期生は同じ年齢の男に指導されていたことになる。
「俺はその時もまだ必死に束を探していた。あの時は束が離れていってしまったことについて、自分にどんな非があったのか理解していなかったらな。 学園のセキュリティや防衛機構に手を出したのは、ハッキングしてくるであろう束を逆探知したいがためだったよ」
そのためには逆探知が完了するまで持ちこたえられるセキュリティが必要なのだという。理想を言えば姉が絶対に突破できないと思えるようなセキュリティ。
ずっと端末をいじってセキュリティを書き換え、更新しつづけているのは、それが必要だったから。姉にAIが無作為に作ったセキュリティプログラムは効かない。それは理解している。それこそ、対抗できるのは鋼さんくらいなものだ。
「とはいえ、こっちは俺の作ったナノマシンを通して管理しているから本来はこんな端末要らないのだがな。これは確認と研究用だ」
「研究用はまぁ何となく分かりますが、確認とは一体何をしているんですか?」
「俺が外部端末を使った際にどれくらいこの防備を抜けるのに時間がかかるのかっていう確認だ」
「……はい?」
「要するに、俺は自分の作ったセキュリティを、この端末で解きまくっているということだ」
答えをはじめから知っている自分が、ハッキングをするのにかかる時間。それは他人には絶対に突破することのできない
「どんなに束や俺がタイピングがはやいと言っても、俺達は人間だ。物理法則までねじ曲げられない。故に答えを知った上で最短距離を走っても入力時間は絶対に発生する。それの計測だ」
「……ちなみに、それはどのくらいを目安に作ってあるのですか?」
「せいぜい俺で10分くらいを目安だ。凡人がやったら一年以上前かかるだろうな」
「……」
思わず絶句した。そのようなレベルのセキュリティを常に書き換えるなんてとても苦労するはず。一体何故そのようなことを一心不乱にしつづけているのだろうか。
「束に会いたかったから……というのは昔の話だ。今は、束が惚れるような強い男であることを証明するためにやっている」
「姉を……惚れさせるために?」
「そうだ。だって女性は強い男を慕うのであろう? ならば、俺はアイツよりも強くなければならない。今のような互角の状況ではダメなのだ。負けてしまうなど以ての外」
篠ノ之束が相手でも絶対に負けたくない、なんて言える人はこの人くらいだろう。こんな一途に思いを寄せられている姉が少し羨ましくなった。そして、一直線な鋼さんを少し尊敬した。
「そうですね……。一夏にもそうあって欲しいです」
「む。お前はそれで良いのか恋焦がれる少女よ。お前だって振り向かせたい男がいるのだから強くなけ( パァン!! )……痛いぞ」
しかし、このデリカシーの無さはやはり姉に似ていて嫌いだ。どうして何一つ表情を変えないでズケズケと人の心に入れるのだろうか。恥を知れ。
クラス代表トーナメント戦が始まった。しかし中国少女こと鈴の機嫌は悪い様子。聞いてみれば織斑があの約束を変に捉えていたのが原因らしい。
しかし織斑は凄いな。普通「毎日○○食べさせてあげるからね」的な約束を女の子の方からしてきたら分かるものでは無いだろうか。テンプレだぞテンプレ。
「新城先生。防御体制は万全か?」
「大丈夫だ織斑先生。各国要人であろうが生徒であろうが、アリーナで戦う選手達についても防備は万全だ。各種砲台もキチンと動作している」
っとそんなことを考えている場合ではなかった。今年のクラス代表トーナメントは特別なのだ。……俺の杞憂であって欲しいがきっと束の介入がある。
なんせ今回は白式の正式な公式試合だ。前回のように急に決まった決闘ではないため、試合ギリギリに専用機を到着させるとかいう、束らしからぬ時間にルーズな動きはしてこないはずだ。多分束が念入りに準備をしてかかってくるだろう。
何十門もの砲台とハッキング感知システム。セキュリティは俺がリアルタイムで更新していく。これ以上ない布陣を整えたがそれでも束に勝てるか怪しい。
ISに乗れないのが無いのが痛すぎる。こっちにも教師陣の精鋭部隊があるが、あっちは非正規軍並の装備を持っていてもおかしくない。もしもアイツ自ら来るようなことがあっては、多分千冬くらいしか敵わない。
しかし千冬を使うのもなしだ。俺は俺の力だけであいつに勝つ。
「随分気が立っているな。……来ると思っているのか?」
「……あぁ、半分ほど。すまん嘘をついた8割ほどそう思っている。しかし安心しろ。俺が全てくい止めてみせる」
「そう強ばるなよ。何も無かった時の脱力感で明日休まれてしまうと困るからな」
「……なぜ俺にそのようなイメージが?」
「お前、我が弟の適正結果を見た日と、セシリアとの決闘の日の次の日休んでいただろうが」
あぁ、そんなこともあったな。しかしあの時は束の痕跡を探そうと色々していただけなのである。日本の倉持技研や一夏の試験会場に直で行ったりしていただけなのである。
「別に職務怠慢では無いだろう。俺は学園にとって必要なことをしていただけだ。束の居場所は世界各国も欲しい情報だ。それについて探るなど……」
「そう言って場所は探すくせに会う勇気がないと口で言う。本当にヘタレだなお前は。他の女にはそうはならないと言うのに」
「……ならヘタレではないではないか」
「ヘタレだよ。お前はアピールしかせん。束はそういうのを嫌うと心から理解しているくせに何故する?」
「……」
束は好き嫌いが激しいし明確だ。そして心は純粋。心を許した者の行為ならばすぐに受け入れてしまう。それを理解した上であいつの苦手なことをするということはつまり───
「ま、それは一度置いておくとしよう。今は試合なのだからな」
「───あぁ、そうだな。束が来ないことを祈っているよ」
───俺は束から距離を置いていたいと思っているのだ。
ちょい短めになってしまった。
てかバトルシーンもイチャイチャもギャグもないただのシリアスとか誰得だよ。やっぱりバトルシーン書くかぁ!(手のひらドリル)
束が舞い降りる時までイチャイチャも本編もねぇ! ただ進み続けるだけでいい! だからよ、エタるんじゃねぇぞ……。
でも終わり決めてないからどこで切り上げればいいのかわかんないや