IS学園、学園祭当日。
「お、おお……まさか、俺があのIS学園に来れるなんてな……」
人がごった返す校門前にて、赤髪の男子。一夏の友人の五反田弾は歓喜に震えていた。
今から約一ヶ月程前に、一夏から手紙で贈られてきたIS学園学園祭の当日入場チケット。裏面には、一夏の名前が記入してあった。
同封してあった便箋には、当日には絶対持ってくる事と書いてあった。もし忘れたら帰されるか、拘束されるとも。
「緊張してきた……!」
『只今より、入場を開始します! チケットをお持ちになり、順番に並んでください!』
そんな声が聞こえた直後から、徐々に入場が始まった。少しずつ入っていく客達に混じり、弾も少しずつ前に進む。
「しかし、デカい校門だ……確か、寮も中にあるって話だし、入学する時位しか入らないんじゃないか?」
弾はそう呟きながら、進んでいく。どれ程待ったのか、いよいよ弾の番になり
「入場チケットを確認します」
と一人の女子生徒。
布仏虚が弾にチケットを催促し、弾は素直に手渡した。
虚は腰に有った機械で、チケットを照らすと
「はい、確かに本物ですね……あら、織斑くんの招待なんですね?」
「あ、はい。小学校からの付き合いの友人です。俺は五反田弾と言います」
「はい。本人と確認しました。織斑くんは、良い意味でも悪い意味でも有名人ですからね……」
「はは。あいつ、昔から何らかの騒動の中心に居る事が多いですならね。退屈はしませんよ」
弾の言葉に、虚はふふと笑い
「確かに、彼は色んな騒動に巻き込まれていますね。楽しそうで、一年生達が羨ましいです」
「お姉さん、美少女だから混ざれそうですよ? 俺はそう思います。まあ、一夏は朴念仁だから今まで何人泣かせてきたっけかな。フォローが大変だった」
弾の何気ない言葉に、虚は顔を赤くした。
「私が……美少女……」
「ええ。敏腕のマネージャーって感じがしますね。俺の勘ですが」
弾は虚から返却されたチケットを受け取り
「えっと、確か一夏のクラスは一年一組でしたよね?」
「は、はい。そうです……こちらが、パンフレットを兼ねた地図になります……イベントの時間も書いてありますから、参考までに……」
「ありがとうございます。また会えたら会いましょう。それでは」
弾は虚からパンフレットを受け取ると、そう言って通り過ぎた。
そんな弾を見送った虚は、小さく
「美少女……私が、美少女……」
と呆然としながら、そう呟いていた。
実は今まで、何人もの男子や年上の男性に会ってきたが、ほぼ全員が楯無が目的で、たまに虚目的が居ても邪な感情を感じ取り、虚は距離を取ってきた。
だが弾からは、そういった邪な感情は感じられず、素直に言われたのが初めてだった為に困惑していた。
この後暫くの間、虚は若干ポンコツ化して、同じ門番役の生徒から心配される事になる。
そして弾は
「あ、あのお姉さんの名前聞いてない」
と気付き、若干後悔する。
しかし、二人が再会する時は意外と近かったりする?